かりんていんさんのマイページ

萌×2作品

エキスパートレビューアー2023

女性かりんていんさん

レビュー数10

ポイント数83

今年度52位

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Dear Antique, 1 コミック

束原さき 

綺麗なアンドロイド

アンドロイドと人間のラブストーリーが大好きなわたし。
束原さき先生のコミックスは最近いろいろ読んでいてこちらは非BLの分類だった為か読むのがこんなに遅くなってしまいました。

アンドロイドのお話といっても未来都市ぽい要素はほぼないです。
東ヨーロッパやロシアのどこかのちょい昔を想定しているかのような懐古感で全編包まれています。
先生の繊細で透明感あふれる絵にマッチしているアンドロイドなのでした。
(アンドロイド)三原則という言葉が登場しますので、大昔に読んだ子供向けのアシモフのロボットのお話や鉄腕アトムが懐かしかったです。
1巻ではまだ分からないことばかりですが登場する
「解放軍」の響きもまるで革命軍みたいでこれからの波乱と混乱が予測されますね。
マリユスとミーシャの未来が気になるので2巻読みます!

サイケデリックはイイよー

初めての作家様。
タイトルが気になり過ぎて購入。
若い天才画家とその担当の雑誌編集者のお話。
わたしはCPの2人どっちも好き、大好きっと感じることってあまりないんだけれど、
「サイケデリック・ベイビー」の2人にはとっても好感が持てました。
一途な年下ワンコ系×華奢で日常生活家事まるでダメ系。
ワンコはいつもだいたいタイプですが、アート系自己破滅型も好きだったんですね、コミックの中でも。
やっと自覚できました。

画家の天花寺蓮の絵ってきっと極彩色の横尾忠則氏みたいな色使いだったんだろうな、なのに陰惨で。サイケデリックだもんね。
橅木樹と恋愛を始めていろいろなピンクを多用し出してやたらとポップで明るくなったんじゃないかしら。
なんて気になりました。
賞賛されていた画風を恋心と引き換えのように失ってしまった蓮だけど橅木はいつも傍で支えてくれる。
橅木は画家のどんな絵も愛し彼のいかなる面も愛しているのだからプラマイゼロというよりプラス大。
職場が替わるのなんて無問題。
先生のあとがきを読んで初めて破滅とか自死とかに向かう可能性もあるお話だったんだと気づきました。
まあよくあるハッピーエンドオールオーバーではなかったけど大昔の黎明期BLも時々読むので、そこまで妙な終わり方とは思わなかったですかね。

ちなみに作者様は画家仲間の豊春が好みなんだろうなとは思いました。
これも上下の2冊であれば豊春の登場も多くなりわたしも彼を好きになっただろうにと思いました。
BLだってせめてコミックス2冊で終わってほしいと最近望んでしまいます。

「僕」という一人称がすんなりくる

いつも読んでいる雑誌に掲載されていたにしては最終話しか読んでいなかった気もする。
だから初めての先生。
絵柄は綺麗で丁寧だけどこれといって大きな特色もなくすらすら読めてしまう、読み易い感じではあるけれど、なんとなく好き。
読み返したりしていますね。
たぶん、受けのノンケの美形リーマンが好ましいのだと思います。
考え方も含めて全体的に品がある。
清潔。
誰とも分け隔てなく話せて進んでイヤなことも引き受ける、心が広いそういうタイプ。
今日気がついたのだが、こういうタイプの偏見、先入観、こだわりのないノンケな受けがゲイの男に惹かれていくといった話がわたしはどうやら好きらしい。
こういう性格の受けだからノンケでもゲイと付き合える、突拍子もないわけでなくナチュラルでありえる展開に思えるのではないか。
リオナ先生の「いじわるしないで手加減してよ」とか、日高ショーコ先生の「嵐のあと」とか大好き、そういう点で似ている。

惜しいところ。
受けの谷中はストーカーぽい女性をかわす為に元同級同僚の攻めの森山と付き合ってると嘘の紹介をしてしまう。
アウティングじゃないけれど?ここはアカンやろ、、、

攻めの森山もヒゲメガネを取ってイケメン男子で2人はお似合いです。
紙ですが修正はあまいです。
大洋図書のはいつもあまいと思いますね。

2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

よく分かってないことが分かりました

神様に奉られた高校生と宗教二世の同級生の救済BLだとばかり思って購入したのだけれど、その同級生がアロマンティックであるとかその友達がゲイだとかでなんでまた風呂敷を広げてしまうんだろう、散漫な印象になるだけじゃんと余計な心配をしつつ読み返しました。
地頭が良くないわたしにもキーワードは
偏見とか、信仰の意味とか精神と肉体の自由とか言葉、対話、愛の種類、仲間、ファミリー、性
だとぼんやり分かってくる。
でも上手くまとめられないし、まず第一コミックス1冊分の厚さしかないわけで作者本人も綺麗に過不足なくまとめられたとは思ってないだろう。
せめて数巻要るでしょ。
初出の登場人物がアクションを起こし話が進んでいくのは総集編を見ているような気すらしてくる。
続編があるのだろか。

にもかかわらず作者の熱意ははっきり伝わってはくる。
こちらも興味を持ち学習したいとも思えてくる。
ー恋愛的指向と性的指向は二つの異なる概念です。
アロマンティックの人がみなアセクシャル(誰にも性的に惹かれないという性的指向)ではありませんー と彼らは記事を読んで勉強する。

わたしはまだネットで軽く調べる段階にも至っていない。
が疑問がすぐ浮かぶ。
ハルイチと永真は付き合い始めたのだが、ハルイチはアロマンティックだがアセクシャルではない、とすると性欲発散は決まった相手としかすべきではないという世間の常識は理解出来ないのでは?
2人は脆い関係なのかしら??
疑問には知識を増やすしかないんだろうな。

ウブ 2 コミック

新田祐克 

「男が男を愛する時」完結編

とのことです。
数年前に初読みして最近このシリーズを読み返してみました。
「ウブ1」と「ウブ2」は未読だったのかと本気で思う程覚えてなかった、でも最後の岩城さんの結婚式で読んだことがあるのが分かりました笑

岩城京介(源氏名)と香藤洋二(本名)がメインキャラとはいえ、あちらのシリーズと違ってこちらは二股でも三角関係、四角関係でもなんてことない、あとホストなのではっきりした描写はないにせよそれぞれお仕事として女性を抱いております。
なので一途な物語が好きなヒトには受け入れ難かったのではないかと思われます。
わたしはBL部分は分からないですが他はかなり現実に沿ったリアルなお話だったのではないかと思っています。
ホスト云々ではなくふつーといわれる人々の日常においても、二股、三股は珍しくもないと言ったらデタラメ言うなと反論される可能性はある。
ならば気持ちの揺れ動き、優柔不断と称される行動、心と肉体の不一致は誰しも経験があるでしょう。
このシリーズはそういう普遍的な人の営みを描いてあると思っています。(永遠に続く純愛が創作恋愛物の主流である事は知っています、それが人々の憧れだからです)

新川が作者のお気に入りだってことは推測出来ますが、何回読み返しても新川が選ぶのは剣崎ではない!
あー かわいそすぎる、、、
剣崎に同情票ダントツでしょうね!
わたしは鷹秋さん好きです。
綺麗だから。
でもかなりの性悪で笑ってしまいました。
でも発する言葉は名言が多く『あちらの岩城さん』みたいです。
ウブで初登場の岩城の甥っ子やずっと単なる脇役石井とか結婚後の岩城とかでまだまだ話が広げられる状況で完結したのは人気がなくなったせいなのか他の連載が忙しくなったせいなのか?

あと、濡れ場はそんなにありません。
あっても新田先生にしてはあっさりしています。

マイナス面よりプラス面が多くて是非お薦めしたい(ネタバレわずかです)!

上巻読み始めから
カズオ・イシグロ氏の「わたしを離さないで」を思い出しながら読んでいました。
特に下巻ネタバレのあたりの暗鬱感がとんでもなく似ています。
先にいっておきますがわたしはあの小説が大好きです。
SFとしてはナンチャッテというかトンデモナイというかアリエナイというか、文系ががんばって書いてみました感ハンパない、、、
なのにラストで目から水があふれてくる
胸や喉元からなにかがこみあげてくる
そういう小説です。
上下巻を読み終えて同じ感想を持ちました。
理原先生のエロが前から個人的に好みだったので、内容知らずに店頭で男体妊娠、ディストピアBLという言葉にかなり引きながら迷いながら購入しました。

最後に。
個人的に思うのはエロシーンを引き算すればさらに感動出来るお話ではないかとも。
最近多くのBLについて濡れ場を減らしてお話をも少し充実させれば名作になったのに、と感じることが多いのです。
なんかもったいないなと。
要らんお世話かもしれませんけど。