下巻では上巻で描かれていなかった、付き合う過程の条件など、細かい部分が明らかになります。
どうしても過去に囚われてしまうトワ先輩。
家事の焼け跡、家のあった土地を見にいくエピソード、あくまでもカラッと明るい小萱と、そこから考え込んでしまう先輩の対比も、読んでいて納得してしまいました。よくあるパターンだと先輩が思うような展開になるよな、でもそうならないところが小萱のすごいところで、そんな強い過去を振り返らない小萱にいつか捨てられる(前回と同じように)と不安になるのも仕方ないような。
それでも最後まで器の大きな小萱が可愛くて繊細で優しい先輩と幸せに過ごしていく様、二人が一緒にいられる未来が明るくてよかったです。
とにかく大変官能的です。
枯れたおじさんが二人の外国人によって性の欲望を覚えていく様はなんとも薄暗く仄暗く、気になってページをめくるのが止まらず、ラストがどうなるのか気になり一気に読んでしまいました。
タイトルの続編が、またラストの回収が見事で。恋愛や性行為すら無駄で自分には不必要と思っている兎河が最終的に受けにはまってしまうところ、受けが愛ではなく性欲のために愛を囁き、囁く愛は嘘をつくもので。本当に大人向けの作品です。
官能的な単語は使われてなく(単なる部位)でこんなに官能的になるところに、感心してしまいました。
最後のお話はダンが幸せになってくれて良かったなと。受けは自業自得なのですが、亀頭にイレズミはインパクト大きかったです。
面白くて何回も読み返しています。
あらすじを読んでから本編を読んだのですが、想像よりも早い展開であっという間に読み終えてしまいました。とにかくすごいです。
何重にも層になっているような感覚に陥ります。
まず子供時代の記憶、早逝した妻、冷たい兄と本音の部分。そして成人男性の6歳児。
大きい姿に6歳の状態は本当に愛おしくなってしまい、胸がいっぱいになり、思わず涙がこぼれてしまいます。最後はあっさりと終わり、その後どう過ごすのか余韻が残り。気になってしまいます。
続編の息子の城の話で二人は愛し合っているんだな。ということが伺えます。ページ数は少なめですがずっしりとした内容で、切なすぎる。
あとがきで城太郎がそのまままっすぐに育っているか紆余曲折で擦れた子になっているか、考える楽しみというようなことを書かれていて、本当に余白がすごくあって想像を掻き立てられます。
私なら素直なままな方を想像しちゃうかな。
電子だと挿絵がないのでそれが残念です。
紙を再版して欲しいな。