パラスティック・ソウル love escape

Parastic soul love escape

パラスティック・ソウル love escape
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

21

レビュー数
7
得点
49
評価数
10
平均
4.9 / 5
神率
90%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カズアキ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403525308

あらすじ

刑務官のケインは、極秘任務でH3という重要人物の独房担当となる。
彼は寄生体Oに魂を乗っ取られた存在として監視対象となっていて……? 近未来SFロマンス、新エピソード登場!!

表題作パラスティック・ソウル love escape

H3(ヨシュア・ハマス),29歳,Oに寄生されたビルア種
ケイン・向谷,25歳,フランス中央刑務所勤務の刑務官

その他の収録作品

  • windy day
  • あとがき

レビュー投稿数7

流石だわ

シリーズ未読でしたがこちらの作品だけでも問題無く楽しめましたし、ちょっと勇気を出して他作品も読んでみようかと思いました。

読む前にシリーズの他作品のあらすじやレビューを読んで心配していましたが、連日の木原先生のツイートに安心して読み始める事が出来ました。

ただやはりH3とケインの状況を知るにつれて、2人の余りの距離に絶望しか感じられずに、どうやって2人がハッピーエンドを迎えられるのか不安になりました。

H3とケインの一方通行のやり取りが切なくて、迫り来るH3のフェードアウトにケインが抱く絶望感とか流石の文章力だと思いました。
やっぱりこれは悲恋のお話なのではと、途中何度も疑いました。

ケインと再会してH3(ヨシュア)から明かされた真実に、成る程そう来たかと脱帽せざるを得ませんでした。
そしてその真実故にヨシュアに起きた悲劇が気の毒で、彼がケインと出会えた奇跡に執着したのが理解出来ました。

お見事で流石だと思いました。

書き下ろしのヨシュア視点の「windy day」で、彼がケインと再会するまでの頑張りを知る事が出来て良かったし、ケインを得た事で一つづつ理想に近づいた生き方が出来ているとあって幸せな気持ちになれました。

1

ベイビー

雑誌で気になっていたので購入。読んで良かった。今までのパラスティックでの切なさを全部救ってもらえた心地。めちゃ好きだし絶対忘れないお話だけど、何かあと一歩欲しかったような気持ちがするので神より萌2にしました。しかし良かった。
先生は単独読み可能と仰ってますし、前作までの登場人物が出てくるわけでもないですが、これは絶対前作までを読んでからの方が良いと思います。ビルア種に対する想いがあった方が良いと思うのですよ・・。

刑務所の刑務官として働くケイン。ある日、退職する者の代わりにH1けた台であるH3独房の担当に指名されたのですが、中にいるのは赤毛のビルア種で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
美和、博三、アリ(刑務官仲間)、ニライ(もう一人のH3担当者)、デリア、レイラ、アリオナ、スレメン(娼館の仲間)、ジョー(後半登場)ぐらいかな。ああナイジェル(攻め父)も。

++良かったところ(決定的なところを書きたくないので歯切れ悪くすいません)

甘いんです。私が読んだ木原先生の本の中で一番甘い。どうなるんだとハラハラするし胸は痛いんだけど、甘い。独房の中のH3の事を1つの人格としてキチンと捉え、肌に赤みがあれば塗り薬を差し入れ、言葉も交わせないけど、「君の瞳の色を教えて、ベイビー」(甘い!!)と語りかけられれば、見せるドラマの主人公の瞳の色で、自らのことを伝えようとする、ああああああああ、なんてもどかしい、でもなんて優しい触れ合いか!

壁越しで、見えていても向こうからは見えていなくて、聞こえていても向こうには聞こえてなくて。でも心が通っている。そこがすごく嬉しく、良かったんだと思います。

そして間もなく迎えるH3(=寄生体)のフェードアウトの期日。彼を思って涙ぐむケヴィンの様子が切なくて、胸が痛かったです。ビルア種に関するこれまでのお話を読んでいると、きっとここで「わあああ」とめっちゃ思うはず!

前作までを読んでいた人、皆さんに是非読んでいただきたいなあ。ただ、ビルア種が救われたかっていうと、そういう訳でもなかったな・・とレビュー書いていて気づきました。すいません。私は自分の気持ちが救われたように誤認識できたので、読んで良かったと思った一冊でした。好きだわ、このお話。

最後に1点だけ挿絵話。カラー口絵の刑務官制服姿がめっちゃ良いのです!頭に乗っている制帽がむっちゃ好き!超イケメン!

1

甘くて切なくて深い

らしくない甘さです(笑)一方でとても木原先生らしい”奇跡”の描き方だなと思いました。設定はSF(未来)だけど、ベースは非常にクラシカルなラブストーリーだと思います。
周囲に偽りの人生を強いられてきた攻(ヨシュア)と、自分を偽ってきた受(ケイン)が奇跡的に出会い、自分自身の人生を取り戻す物語でもあります。

おそらく、これ単体で読んでも楽しめるとは思うんですが、はじまりの章からここに至ったスケールの壮大さや、”O”という生命体との関わりについて理解を深める意味では全部読むことをお勧めしたいです。でも、これ読んでからの順番でも大丈夫と思います。

ディアプラス誌では3回に分かれて掲載されていたので、”これどうなんの?”ってめちゃくちゃハラハラしたんですよね。”木原レーベル”の斜め上からくる展開を見越してドキドキしてたので、いい意味で予想を裏切られたというか、一番スタンダードな部分を見落としていたことに気づきハッとさせられました。

対象が見えない(わからない)状態で始まる恋愛かぁ…、”ベイビー”やモフモフなど甘々要素満載ではありますが、行間が切なすぎます。本シリーズでは今まで、肉体(外)と心(内)が異なる生命体の恋愛が描かれていて、それゆえにおこる葛藤や別離に毎度毎度しんどい気持ちになっていたのですが、今回は巡り巡って、入れ物と中身問題がシンプルな帰結を得て、”やっぱりそうよね”etc...改めて色々思うところがありました。というわけで、一番甘いんだけど、一番深いかもしれません。

何度読んでも心臓を鷲掴みにされるのは、スリリングな臨場感に満ちた(かつエモい)脱走劇なんですよね。この場面に至ったケインの気持ちが尊すぎます。(ヒースの丘までたどりついてほしかった…)そして、その緊張感があるからこそ、次の展開で涙腺が緩んでしまうのです。

描き下ろしはご褒美なんですが、ヨシュアの奪われた20年以上の人生に対しての補填としてはまだまだ見合わない気がして…逆にしんみりしてしまいました。

カズアキ先生の絵はこのシリーズの世界観をこの上なく表現していて、作品に大きく貢献されていますね。本当に素晴らしいです。
これで完結なのかな?この先にくる物語が凡人には想像できないんですが、木原先生だからちょっとわからないですね!

2

ホワイト木原先生

パラスティックソウル最新刊です。
現実的で生々しいを得意とする木原先生(主観ですみませんw)がSFをどう書かかれるのか気になって読み始めついに5作目です。
今回も世界観を引き継ぎつつ、前回までと違う舞台でまた面白い展開をさせるのはさすがだなと思いました。

本当にご本人がおっしゃっているように、今回は甘さが強めなので、このはらーの方じゃなくても読んでいただきたい一冊です!

1

お互い思い合ってるのに、それが通じ合えないもどかしさ!

作者様が好きでこちらの作品は1番好きなシリーズです。
ネタバレありに致しましたが
ネタバレはあまり書きません〜
このシリーズ前作が悲惨すぎてダメだった!と言う方も、こちらの作品は薄暗さより切なさが強いと思いますので読んでいただきたいなとおもいます。

前作を読んでいない方は私は初めから読んでいただきたいと思います!ちょっと先程の文章と矛盾してしまいますが、私は前作があってこそと思うからです。

後書きにて作者様はこちら単品でも楽しめる作品とおっしゃってましたが、私的には是非順番に読んでほしいな。と思います。前作まではなんと言ってもオチが悲惨で切なくて、でも仕方ないことで。。今までの事が全てが納得できるからです。とにかくオチが鳥肌です。作者様も順番に読んだ方が深みが出るとおっしゃっている通り、読む側の感じる思いの重みが違うと思います。
それを踏まえてのこちらのお話になると思いますので。。

簡潔にこちら単体での作品の第一の感想はもっとイチャイチャ欲しかった!別冊なのでしょうか。小冊子でしょうか!です。笑。もう出てるのかな??

最初の文面からは、ケインの人柄がいいとこの軽い子、、な感じでイメージが悪かったです。
しかし出身を隠す為ゲイを隠す為軽薄なキャラにつくってました。
前作より何年も先の世界の話で、それでもホープタウンが変わっていないのだな。と切なくもなりました。
ケイン目線で話は進みます。
設定もやはり木原さん。全く違う世界ではありますが、この今の世界と重なる部分もあり、スッと世界にはいれます。
ケインの募る思いが切なく、辛く
それは限りある命だからこそということもあり
触れられない、語り合えない、その部分はとても繊細で純粋で悲しくもありました。

H3側のお話は最後に少しだけあり、かわいいですね。ネタバレはあまり書きたくないので。。
しかしながらイチャイチャまでが長いのは承知の上です!でももっと頂戴したかったです。笑。

やはりモフモフの耳と尻尾がたまりません。。また続編があればいいなとおもいます。

2

優しい二人のピュアな恋物語

刑務官のケインと、犬耳・犬尻尾を持つ囚人H3の、もどかしく切ないピュアなSF恋物語です。
木原さんには珍しくハッピーエンドです。木原さんの痛い話が大好きな私ですが、読後はじんわりと幸せな気持ちで大満足です。

ケインは職場では明るく振舞っていますが、スラム街出身であることやゲイであることを隠しているため、心の中では孤独を感じています。担当した囚人H3は精神体が寄生しており、その人格は宿主のものではありません。宿主の肉体から精神体が吐き出される数か月後まで、ケインはH3を見張ることになります。マジックミラーのような独房で、ケインは外からH3の様子を見たり話し声を聞くことはできますが、H3からは外の世界は全く見えないし聞こえません。白い箱の中に閉じ込められ十数年間を孤独に過ごすH3の唯一の楽しみは恋愛映画鑑賞。登場人物相手におしゃべりする寂しげな姿を見て、ケインは密かにあれこれと世話を焼いてやるようになります。

見つめ合うことも直接話すこともできない、この特殊な状況の中で、二人に恋が芽生えていく過程がとてもピュアで素敵なのです。
ケインがH3を喜ばせたくてH3がリクエストした映画をすぐに差し入れたり、体がかゆそうなH3にすぐ皮膚薬を差し入れたことで、H3は自分を気に掛けてくれる優しい存在が初めて現れたことを知り、やがて恋をします。ケインもまた、一人芝居のように自分に感謝し愛を告白するH3を愛しく思います。見返りを求めず、ただ相手を想い気遣い合う二人のやり取りがとても尊くてキュンとします。

ケインの髪の色を知りたがるH3にケインが自分と同じ髪の色の主人公の映画を立て続けに差し入れたり、H3がケインのためにクリスマスに歌を歌うエピソードが、可愛いけれど、もどかしくて切なくて、作品中でとても好きです。

ケインとH3は、生い立ちは違いますが、それぞれ孤独の中にいたことは同じです。それでもピュアな心を失わず、孤独な人や困った人への優しさを持っているところがいいなと思いました。無視されたり差別されたりする痛みを知っているからこそ、他人に優しくなれるのかもしれません。二人のそんなバックグラウンドもしっかり描かれていることが、物語に奥行きを出しているように感じました。

二人が無事結ばれることになった最後の種明かしにはアッとなりました。H3が独房に長い間入れられていた理由というのが、周りの猜疑心や差別心だったというのが、二人のピュアな心をさらに引き立たせているようです。

6

さすが木原先生としか言いようのない神作品。

作家買い。

「パラスティック・ソウル」は2012年に上下巻で刊行され、2018年に新装版として『パラスティック・ソウル(1)(表題作「fake lovers」)』、『パラスティック・ソウル(2)』、『パラスティック・ソウル(3)』、そして完結編である『パラスティック・ソウル endless destiny』の4冊が連続で刊行されました。

『パラスティック・ソウル endless destiny』で一応完結していたので、今作品の発売を知った時、また「パラスティック・ソウル」が読める!と楽しみにしていました。今作品は前作から数十年後という時系列のお話です。

シリーズものではありますが、今作品は独立しているお話であること、序盤に説明が書かれていることから前作未読でも理解できないことはない気もしますが、でも、前作を読まれてからこちらを読まれた方が面白さはアップする気がします。

ということでレビューを。
なるべくネタバレしないように書こうと思いますが、前作含めて若干ネタバレに触れる描写があります。苦手な方はご注意下さい。



かつて人類は厄病に見舞われたが、特効薬が出来たことでその病の根絶に成功する。が、その薬の副作用としてケモ耳や尻尾を持って生まれてくる種が現れた。ケモ耳を持つ彼らはビルア種と呼ばれ、人と共存して生きてきた。

が、ビルア種の中に、子どもの時から優秀な子が生まれるようになる。彼らはその優秀さから「ハイビルア」と呼ばれるが、30歳前後になるとその反動のように知能が後退し、記憶障害を起こし、幼児のように何もできなくなってしまう。

実はハイビルアになってしまう理由があってー。

というのが「パラスティック・ソウル」の世界観です。
前巻までで、ハイビルアになってしなう理由もわかり、その「理由」も根絶され、今ではハイビルアは過去のものになっている。今作品は、再びハイビルアがあらわれる、というお話。

主人公はケイン。
彼は世界政府の職員で、現在は刑務所の刑務官として働く青年です。イケメンで優秀な彼は非常にモテるが、実は彼は周囲の人たちに秘密にしていることが二つある。

つつがなく、平穏に生活したい。そう願い「普通を擬態して」生きている彼だが、ある日一人の囚人の監視員として配属される。H3と呼ばれるその人物は、かつて滅びたとされていたハイビルアだったー。

さすが木原先生だな、と思うのは、「パラスティック・ソウル」の世界観を損なうことなく、前巻までの流れを変えることなく、新しい「パラスティック・ソウル」を紡いでいること。そこにケインという主人公を据えることで、同じ世界観でありながら既刊とは全く違うストーリーになっています。

ケインがひた隠しにしている二つの秘密。
そしてH3がなぜハイビルアになってしまったのか、そして独房に入れられ監視されているのか。

この全く違う因子が上手に絡まり、さらに二人の恋愛感情を盛り込んでくる。さすがとしか言いようがないです。

監視される対象と、監視する側。
とある事情によりH3にはケインをはじめとする自分を監視している人物たちと全く接点がありません。見張られているのだろうと気づいてはいますが、直接話すことも、ケインがどんな風貌をしているのかも、H3には知ることができない。

が、そんな状況にありながら、二人は心を通わせていく。
それは、共依存と言ってもいいかも。
ケインにしろ、H3にしろ、彼らにはお互いしかいなかった。孤独の中必死で生きてきた二人の男が傷をなめ合うようにして心を通わせていく姿は、木原作品ならではのそこはかとなく漂うほの暗さがある。

が、ベースはかなり甘々です。「パラスティック・ソウル」シリーズは木原さんらしいダークさや痛さを抱える作品ですが、今作品はシリーズ中で一番優しく、温かく、甘々なお話かと。

H3は、というかハイビルアは30歳を目途に精神的に幼児化しますが、それはすなわちケインとH3の別れでもある。その前に、H3の願いを叶えようと奮闘するケインの姿が描かれていて思わず落涙しました。

秘密を抱えるケインにとって、自分の職場である刑務官という立場を失うことはどれほどの痛みを伴うのか。それを捨てても、H3の願いを叶えてあげたい。もう、ケインの深い愛情に萌えが滾って仕方なかった。

H3は囚人ではないのに独房に入れられ、そして24時間体制で監視されています。「自傷させないように」という理由からガラス張りの、何からナニまで(何しろH3の自慰行為まで丸見えだ)丸見えの状況で日々過ごしている。

それは読者も同じで、ケインの秘密にしていること、ハイビルアの謎、二人の築いていく恋心、そういったものがまるでガラス張りのように読者にはまるっと見えています。この二人の行く末はどう見ても明るいものにはなりえず、どういう結末を迎えるのかハラハラしつつ読み進めたのですが。

ヤラレタ…。
そうきたか!

ガラス張りの、丸見えの状態で、読者には手の内をすべてさらけ出したストーリー展開でありながら、そういう結末に持っていく。素晴らしいです。さすがです。完敗です。

この作品は非常に狭い世界です。
基本的には二人が過ごす独房がベース。でありながら非常に奥行きのあるお話です。まるで映画の様、と言えば良いのか。

ケインの友人、恩人、そして職場の面々。
そういったサブキャラも、登場シーンこそ少ないものの味わい深く、すべてが過不足なく描かれています。

これ、まだ同じ世界観で描けそう。
まだまだ読み続けたい、素晴らしい神作品でした。

6

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