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女性渋茶さん

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初心者カップルのデート指南のような…

2016年刊。
受けキャラがホストってあらすじと、陵さんの挿絵につられて『読みたい本』にチェックしてあった一冊。

無愛想なパティシエ・葛原(くずはら)に人当たりの良い話術を指導してやって欲しいとの頼まれ事を快諾したアパレルショップ店員の颯季(さつき)。
日頃から女性客を惹き付けている颯季だが、指導者として見込まれただけあって言葉にしての教え方が大いに参考になる。
ファッションに無頓着な葛原のイメチェンも兼ねて幾つか店を回る辺りも含めて、何だか初心者カップルのデート指南っぽいところもある。
そんなふうにして優しく教えてもらう颯季に対して、葛原が好意を抱く訳だ。

颯季に関してはアパレルショップ店員らしいソツのなさや仕事ぶりが上手く書かれていて、”元ホスト”と言わない限り分からないであろう爽やかさだ。
最初、葛原に対しては年上の余裕でリードしていたのに、颯季も彼に惚れた弱みで気弱な一面も出てくる。
しかし、颯季の元彼だった男年上男性がちょこっと出てくるのは蛇足気味だったかも。
彼の登場で葛原に揺さぶりをかけなくとも、彼らしい古風な男気できっちり颯季を射止められたからね。

葛原のイメチェンぶりを通して、攻めキャラの"好きな人ができた事によって垢抜けた"感がほっこりした話だった。
パティシエの葛原が常に颯季好みのスイーツを作るばかりでなく、当の二人も甘々なカップルになって良き♡

え?ヤクザなの!?

2016年刊。
麻生さんの挿絵も見たくて敢えて紙書籍を取り寄せた。
主役の二人だけでなく、今回の話にがっつり係わってくる幼い双子達も可愛く描かれていたのは満足だが、欲を言えば攻め・烏城の側近である羽佐間も挿絵で見たかったな。
どんな強面が幼い子供達にはデレて保父さん化しているんだってギャップにニヤニヤしたかった。

攻め受けがヤクザ×刑事とはいえ、話全体があらすじから想像した以上にステップファミリー色が強かった。
事件です!!っていうサスペンス風味は無いしラブ濃度も薄目だ。

烏城は広域暴力団の跡継ぎ候補なのだがヤクザどころかスパダリそのものだ。
何せ深夜まで子供を預かってくれる保育園を経営している位だからね。
ひょんなきっかけから関わった、遥風(はるか)と幼い惟と櫂の双子姉弟に向ける慈しみに満ちた様子からして、とてもヤクザ攻めの話を読んでいるようには感じない(笑)

遙風もまた、亡くなった姉夫婦の代わりに双子の面倒を見るのに加え捜査一課に配属されてしまったものだから、余計に幼い子育てが大変なのだが悲壮さは漂っていない。

それにしてもこの双子ちゃん達、やけに行儀がいいし頭がいいね。
両親が亡くなった現実を受け止めているってのもちょっぴり切ないが、烏城の素性を知ったうえでも懐くって…
将来大物の予感?
二人にとっては遙風も烏城も大好きで、烏城の事を『はるちゃんを大事にしてくれる人』って分かっているから殊更懐いているのでほっこりできる。

烏城が跡目を継ぐという将来は避けられそうにないらしいが、互いを信頼しあっている素敵な家族だと思う。

安定したバディ兼カップル

2021年刊。
このカップルが初登場したのは2019年刊『夜間飛行』だが、中東・シャティーラにて無事にヨリを戻したようで。
この話でも続きが期待できそうな雰囲気だったので、シリーズ化したら嬉しい。

脇坂と深瀬は東京に戻ってからも表向きは何でも屋、実は警視庁公安部所属の捜査官として上司・野上の指示を受けてバディを組んでいる。
相変わらず深瀬(受け)のほうが脇坂(攻め)にベタ惚れで、彼の一挙一動が気になるようで。

今回は先に逮捕された爆破製造者が最後に売り渡した爆弾の行方を追って、事件を未然に防ぐという流れだ。
話の展開としてはガッツリと捜査の描写に割かれていて、刑事・公安ものが好きな自分にとっては大いに緊張感があって面白かった。
(勿論、二人の濃厚なエッチシーンもあるよ)

標的となっているのがどす黒い政治家数名で、その中の一人の公認秘書・芦屋が重要人物として浮上する。
深瀬には何かと反発する芦屋だが、どうも彼は育った環境の違いからくるコンプレックスが強いようだ。
深瀬は自身の出自を隠していないし、育ちの良さからくる前向きな性格が滲み出ているからね。
その辺りの二人が衝突する描写が上手いなと感じた。

ただ、事件の顛末に至ってはちょっと昇華不良気味に終わったかな。
爆破事件を企てた共謀者にとっては、父親が一人だけ汚職の罪を被って自死したという復習の念が強かったのに、結局同じ状況のの人間をまた作った訳なんだけどね。
脇坂と深瀬はこの不条理な結果を察しつつ解せない気持ちも拭えないながらも、次の事件に備えて割り切りざるを得ないようだ。
さて、"彼"の本音は如何なものかな…と気になる。

胃袋も欲も満たします(笑)

2016年刊。
あらすじからして主人公・天羽の"夜の手慰み"って趣味がちょっぴり気になったが、話全体のバランスから見るとさほど気にならなかった。
大まかな話の内容は、
天羽が小さな飲食店にレジスターの修理に訪問した際に、相当な空腹でクラリときたところに店主の計らいで食事の世話になった。
そこから店主・作元の野菜中心の料理の美味しさに魅了されて、店の常連となる…
いいなぁ、自分も『野菜亭』の常連になりた~い!!(笑)
この話を読んで見事に飯テロに見舞われてしまった。

作元みたいな見た目ゴツい攻めって、案外ヘタレキャラが多く押しに弱い気がするが、彼はそんな一面はあるものの自己主張する部分も持ち合わせているから好感が持てる。
また、天羽は案外と開けっ広げにカミングアウトするわ恋人居ないから自慰で間に合わせていると言うわ、正直で驚くがさっぱりした性格なのだろうね。

過去に天羽と一夜限りの関係を持った事のあった黛との再会から二人の仲がこじれそうになったのは気を揉んだがあっさり元サヤに戻って良かった。
黛もなぁ、根は悪くないのに何だかお邪魔虫キャラ扱いで終わってちょっと気の毒かも知れない。
ま、彼の恋路はどうなるか知らんが複数の飲食店オーナーのお仕事は頑張って下さい…

グルメ描写の印象が強く残るものの、BLとして相手は好き、付き合いは始めたけれど恋人同士として踏み込むきっかけがいまいち掴めないって部分もきちんと書かれている。
タイトルからして天羽一人がそっちをオカズにしているんかい!?ってなるだろうが、実は作元のほうも…ってエピソードも付いている。
お互いさま、ごちそうさまだね。

現実主義でいるにはワケがある

2022年刊。
あらすじを読んでなんつーきっかけなんだ…と心の中で呟きつつ、攻めが殺し屋をいうのに興味を惹かれた結果面白かった。
個人的好みである"謎の男"設定の攻めの話が発掘できたのもラッキーだった。

殺人事件に出くわした為に目撃者として殺されるかも!?って焦りの中にも、すかさず「友達になって下さい」と切り返せる辺り、主人公・隼人もただ者じゃない。
冒頭からして、平凡どころか頭がいいのかも…といった片鱗が伺えた。
そんなきっかけで殺し屋・シン・リー(名前の響きからして何だかカッコいいな)には興味を持たれたばかりか、隼人のやけに肝が据わっている性格のおかげで一気に惚れられて、「恋人になろう」と返されてしまった。

さて、隼人自身の、淡い夢もなくやけに平凡にこだわっていて、一一倍"独り"を意識している考え方ってのはえらい現実的だな。
話の流れから、全くフツーの社会人のはずの隼人が何隠し事を仕込んでいるんだよ…と勘ぐるところが出てくる。

ま、現実主義的な考え方は苦労人ならではだろうが、隼人の現実生活が実際に脅かされているってのは災難を被っているレベルだぞ。
そんな隼人の現状に踏み込んで、一方的に恋人にする条件を付けつつ、介入したシン・リーも殺し屋らしからぬ人の好さだ。
隼人の要望で殺意を引っ込めて事の解決に貢献したものの、殺し屋はまだ続けるそうだが。

シン・リー自身については、殺し屋稼業でガッツリ報酬を稼いでいるからってだけでは無さそうなリッチな生活ぶりが気になったが、最後まで謎が多いままの男だったな。
もし続編が出るならば、彼の秘密をのぞいてみたいものだ。
トンデモな出逢いだったけれど、意外と性格の凹凸が噛み合う感じのいいカップルだと思う。

なんて屈折した一途愛

2010年刊。
一冊で『束縛の呪文』『解放の呪文』の二部構成となっている。

最初読んでいて、喬一(受け)は元同級生の義隆(攻め)を持て余しているような印象なのに、それでいて日本とフランス間の遠距離恋愛となっても付き合いが途切れないのが不思議だった。
蜜月とは程遠い、愛を探り合っているカップルだなーという感じ。
喬一は何故義隆の姉に手を出した(という事になっている)のか?という疑問も含めて、喬一の心境が第一部の終盤で一気に見えてくると俄然面白くなった。

そこにある根底、常に義隆に追っていてもらいたいから焦らし切る、執着を向けられて悦びを感じているって、なんて屈折した一途愛なのだろう。
愛に執着しているのは喬一の方だったのね…
夜光さん作品らしい人物描写の捻りがいい。

しかし義隆だけが喬一との関係に振り回されていて、どうも彼一人だけが置いてけぼりを喰らっている感じがするのはちょっぴり気の毒かも知れない。
他の登場人物、喬一の父親とかエジプトから連れてきた助手の薫くんとかサバサバしているし、義隆の姉ちゃんも吹っ切れている。

この話を気に入るかどうかは、そんな喬一のキャラクターを受け入れられるかどうか次第だと思う。
自分は結構面白いと思ったな。
攻め受けどちらにしても執着持っている系ってどこかしら仄暗さが醸し出されるところがあるが、喬一自身もサバサバしているせいか後味悪さはない。
何でもソツなくこなせて飽きっぽい義隆の性格を見抜いたうえで仕掛けるって大概な策略家ではあるのだが。

二人の関係の締めくくり方も結構希望が持てる方向に行っていると思う。

アニメ化希望(笑)

2018年刊。
温情溢れる寛大な女王陛下に常に見守られている、猫好きだったら堪らないであろう天界の一国の物語。
作品ごとの独自の世界観を味わえる醍醐味は犬飼さん作品ならではのものだ。
今回は特に細部に渡って設定が凝っているのもあって、綺麗な色彩で映像化された状態でも見てみたいな…なんて思った。
もしアニメ化されるなら頑張って全話見るぞ(笑)

猫を守った為に命を落とした者達が招かれる"猫の王国"。
そこに招かれた主人公・由良はその後に遺された家族や友人が荊道を歩む人生を憂い、一つだけ女王陛下に叶えてもらえるという願い事で死の直前のトラブルを回避したいという想いを持ち、猫騎士を目指す。
一番心残りだった友人・貴洋に対して由良が抱いていた気持ちは、思春期特有の友人を独占したい気持ち、とも取れるけれどね。
猫の王国で専属教官として由良の前に現れたイズミが貴洋と瓜二つの容姿で、かつての由良の気持ちに恋愛感情が芽生えていたかは定かではないが、そういう目線で意識し出す。

周囲の猫人達も自由恋愛を謳歌している環境なのだが、性欲でギラギラしておらず発情期とかマウントといったようなものがなく始終穏やかだ。
最近BのL面では性癖こだわりとか過激エロが重用されている中で、久々に穏やかなLOVEを読めてほっとした。

肝心の話の展開も御座なりにされる事なく流れているのには見事だ。
これだけ設定が凝っている中でもきちんと各キャラクターの個性が伺えて、心情が入り込める余地があるのが嬉しい。

少女漫画のような甘酸っぱさ

2017年刊。
あらすじ紹介で主人公がヴァイオリン職人ってのが気になっていていつか読もうと思っていた一冊。
光音と書いてアルトって呼ぶ名付けはもろキラキラネームだなと思ったけれど、"答えて姐さん"内での雑談でも『攻めか受けキャラの名前が身内と同じだと萎える~』って意見があるから作者の工夫かな?

そのアルトが職人を目指すきっかけを作った天才ヴァイオリニスト・ケリーの奏でる音色に心底惚れ込んでいる様子や、当の本人がアルトの元を訪れて一気に親密になる流れからして、正に少女漫画っぽい甘酸っぱさが満載だ。
自分はそんな話も好きなので全然構わないけれど。

ケリーの秘密…といっても読んで早々に分かるから言っちゃっていいかな。


二重人格で、『悪魔的な天才』と称される才能はもう一人の人格・ウィルのものだっていう展開にはおっ!ときた。
穏やかなケリーと攻撃的なウィル、一人の中に正反対な二人が内面で対立する様子ってのが面白かった。
ウィルのほうはケリーに敵意を剥き出すも本音は羨ましい、ケリーはヴァイオリニストの才能はウィル独自のものと認め身体を明け渡しかねない、葛藤しても所詮根っこは一つなんだなって訳で…

所々ご都合主義な部分も目立つものの、ハッピーエンドにまとまっている。
ウィルの人格の主張が強く出てきた原因ってのも理屈は分かるが、あっさり解決したとなるとそれが人格が分裂する程に至るかどうかってのはどうだろうね、とは思った。

ただ、ケリーが無事なのいいが代わりにエロ魔人が舞い降りてきたんかいっ!!ってツッコミは入れてもいいだろうか。
アルトとのエッチシーンは結構露骨な描写が満載で、エロシチュエーションが滾っていた(笑)
少女マンガちっくなのにエロの充実ぶりも味わえた、そんなギャップが妙に嬉しかったりする( ´艸`)