生前に、凄く、好きな人がいたんだ。

猫の王国

neko no oukoku

猫の王国
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神36
  • 萌×223
  • 萌21
  • 中立11
  • しゅみじゃない2

102

レビュー数
15
得点
346
評価数
93
平均
3.9 / 5
神率
38.7%
著者
犬飼のの 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥689(税抜)  
ISBN
9784778124243

あらすじ

猫を助けて死んだ由良が目を覚ますと、猫耳と尻尾が生え“猫の王国"と呼ばれる天国に居た。ここでは猫騎士になれば願いを1つ叶えてもらえるという。自分が親友・泉 貴洋との喧嘩が原因で自殺した事になっていると知った由良は、その誤解を解くため騎士を志願する。騎士学校で由良の専任になった教官のイズミは貴洋によく似ていた。二人が重なり不思議に思う由良だが、イズミは過去を語るのはルール違反だという。優しくいつも傍に居てくれるイズミに次第に惹かれていき…

表題作猫の王国

イズミ、由良の幼馴染に似た指導教官・騎士
森本由良、猫を助けて死に猫人になった高校生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数15

憧れる世界です

凄い世界観!!
ファンタジーのみを期待して読み始めたのですが、単純な話の展開かと思いきや、その真逆!何て綿密に練られた設定なのだと驚きました。

猫を助けたために死んでしまった由良が、猫の国に導かれ、そこである願いを叶えるために、騎士になる決意をする。

騎士になるための学園が男色で溢れていて、色恋沙汰に関心のない由良を、指導教官のイズミがさり気なく助ける様子や、騎士になる意志は強い由良だけど、不安に押しつぶされそうな時に、癒やしとなってくれるイズミの存在が、すごく温かくて幸せでした。
また、由良の「こんな事を考えるのは、おこがましい」といった思考が健気で、育った環境の温かさや、性格の良さか出ているなぁと随所で感じました。
嫉妬や不満がない世界で、この先ずっと幸せなんだろうなぁと思うと、究極のハッピーエンドですね。
また幸せを感じたい時に、再読したいと思いました。

0

NoTitle

猫を助ける事で命を落とした者だけが入れる天国、猫の王国。

その設定からふわっとした話を想像してましたが結構シリアスでした。
由良の死亡した理由も馬鹿な子供が川に放り込んだ猫を助け自分は流されたから。

猫の王国に転生出来ると耳や尻尾等の変化と運動神経の向上が見られますが、
それ以外にも自分の姿に違和感を覚える由良。

yocoさんのイラストからも想像できる通り、猫耳騎士候補生達による学園生活は大変楽しめました。

0

かわいい!けど、トーンダウン……。

悪ガキのせいで川に流された子猫を助けたせいで、死んでしまった由良。
気づくとそこは「猫の王国」と呼ばれる天国で……ということで「死後の世界」であることは重々承知してたんですね。


そして騎士になると一つだけ望みを叶えてもらえる、ただし生者として戻れるのは一時間だけという厳しい条件だけど、犬飼先生ならではの大どんでんで、もしかしたら、もしかしたら……二人とも生き返ってすべてをやり直すことができないかなぁという薄い望みを抱きつつ読んでいたのだけど……







やっぱりそこは覆らないのですね……。


私はこの世で結ばれてハッピーエンドになってほしい派なので、いくら本人たちが幸せそうとはいえ、死後成就でめでたしめでたし……というのは、読んでて心が萎れました。

もし由良が天涯孤独ゆえに遺された人々の悲哀といったものが描かれていなかったら、多分、あぁ結ばれて良かったなぁって思えたと思うんです。

だけど、由良が自殺したと知って半狂乱になる母親、遺された側の苦しみといったものが描かれていて、そこに気分がシンクロしてしまった。

本当は猫助けの末の溺死なのに、攻めとの諍いが原因の自殺とされている。
だから自殺ではなく「とある女性と添い遂げて幸せになるための失踪」と書き換えるべく、由良は必死に頑張るのだけど、自殺よりも失踪のほうがマシなのか?と。

この世のどこかで生きててくれているという希望を持たせるための優しい嘘ではあるのだけど、自分だったら、どこ歩いててもあれ?息子かも?と探してしまう。
いつか戻ってくるかも……と期待を捨てきれない。
電話がかかってくるたびに、もしや?!とドキンとする。
会いたいな……なんで手紙の一つもよこさないんだろう……なんで打ち明けてくれなかったのか‥‥そんなに信頼されていなかったのか……嫌われていたのか……と涙にくれる。

残された側としては、終わりのない地獄だなと。

そして個人的には攻めよりも、ミケーレの方がいいなと思ってしまった……。


良かった点は、あちこちに散りばめられたネコ萌え。
時々「ニャッ」と猫語になってしまったり、ラティーノ系イケメン猫人なのに、白耳でおまけに耳の内側がピンク色描写とか読んでてたまらなかったです。

2

もふもふファンタジー好きにはたまりません

表紙買いです。もちろん犬飼のの先生も好きな作家さんなので、ダブルで嬉しい感じです。
yoco先生のイラストがとにかく素敵で可愛くてカッコいい。
主人公の由良の笑顔にキュンキュンしました。
あらすじは割愛します。ここからネタバレします。



私はどうしても言いたい。攻めの貴洋がいただけない。いくらゲイバレしたくないからって、幼馴染で大好きな由良をあんな風に傷つけていいわけ?
しかも自分から「話がある」って呼び出しといて彼女と二人でいる姿をわざわざ見せつけるって人としてサイテー。
他に好きな人がいるくせにそれを隠したくて女と付き合うって、その彼女の気持ちはどうなの?
・・・という下りを貴洋の口から言い訳というか弁明を聞きたかった。
それに生前の教室で二人をからかって仲違いさせたのは結局誰だったの? そこは本筋と関係ないからスルーなの?
その辺がスッキリしなかったので残念でした。

ただ、本当に由良が健気で一途で家族思いなので救われました。
最後の伏線の回収はさすがでした。
お二人共末永くお幸せに、というところでしょうか。

0

ちょっとモヤモヤしちゃって

表紙が1枚得として素晴らしすぎる。
下部の空白がとても美しいですが、書店では帯が付いていたんでしょうか?

お話はちょっと痛々しかったです。

高校生になってから幼馴染みの泉貴洋に避けられ始めた森本由良は、川に捨てられた猫を助けようとして命を落としてしまうのですが、猫のために命を落とした者達が行く『死後の世界』に迎え入れられます。
由良は自分が溺死したのではなく『失踪した』という風に過去を書き換えたいと思っていました。なぜなら、自分の死因がいじめによる自殺だと思われていて、その原因を作ったのが貴洋だと誤解されていることを知ったからです。
由良は猫の女王に望みを叶えてもらうため、王国を襲う『人間に恨みを持って死んだ猫の怨念』を浄化する騎士になることを誓うのですが、指導教官として現れたイズミという猫の騎士はまるで『大人になった貴洋』の様な姿をしていて……

いや、面白かったんですよ。
おぼこい由良は健気で可愛いし、ものに動じないイズミが時折ヤキモチをやくのも「ちょっと萌え♡」だったし、ミケーレや番人、オルカなどのバイプレーヤーも魅力的です。
でもねぇ……なんかモヤモヤしちゃったんですよ。

一番は「失踪したことにすれば死ぬよりましなのかなぁ?」と思ったこと。
身の回りの人に失踪されたら「そこまで悩んでいてどうして打ち明けてくれなかったのか」と悶々としてしまうと思うんですよ。
あとキツかったのはいじめ描写です。
「高校生だから」って考えると貴洋が取った態度は「あるかも」って思うのですけれど、2人が通っていた進学校っぽい高校で「こんな小学生みたいな形のいじめってあるかしら?」とも思ったりしました(いじめや偏見がないっていっている訳じゃないんですよ。もっと巧妙で複雑な感じだと思うんです。だから現実は余計ヤバイ訳なんですが)。

その辺がずーっと尾を引いていた所為で、心から楽しめませんでした。
何度も書きますが、お話自体は面白かったんですよ。

3

相手が泉じゃなかったら?

猫の王国 犬飼のの先生 読了

犬飼さんの作品はこれで初読みになります。yocoさんの表紙に惹かれて、友だちの感想を読んで面白そうだし、さらにネコミミと健気受けちゃんもかなり好みの設定なので購入しました。

結論から言うと、萌え度(?)は全然百点満点中100点です。王道の男前攻め×小動物系受けちゃんコンビはかなりグッと来ました。ファンタジーだけど、そこの世界観の設定もいろいろしっかりしていて、おもしろかったです。

ただし、キャラクターたちには色々疑問を抱えざるをえなかったです。犬飼さんは純粋でお人好しで、健気な由良を描きたいのは分かりますが、ただの友だちの泉にそんなに執着を持ってたのはどうなの?って思ったりしました。

泉も由良を意識し始めて疎遠しようとしたのは理解できますが、普通そこまで虐めたりしますか?ってのも少し違和感を覚えてました。

ま、そこは人それぞれなので無理とは言わないんですが、ノンケである由良がユラとして猫の天国に行ったら急に人間である時じゃ恋愛意味で好意を持てなかった相手を好きになった、という流れはどういう意図なのかってすごく疑問を持っていました。

それは環境のせい?周りでは男同士の恋愛、あるいは肉体関係が普通であるから、自分も自分に親切で、親友に似た男に恋をしてしまったのか?

じゃああの時死なずにずっと男女の恋愛がノーマルの世の中で生きてたら、永遠に泉の恋愛感情に応えることができずにいたかもしれないということでしょうね。

逆にいうと天国で逢ったのはイズミでなくても、泉でなくても、そこで現れた親切でカッコいい騎士に恋に落ちていたんじゃないの?って少し残念に感じました。

だから犬飼さんはそれを承知された上でこの物語を作ったのか、そもそもその「if」が考慮範囲外を前提でこの「たまたま相手が泉だから」の物語を構築したのか、というのは個人的に作品の評価にかかるポイントになります。後者だったら、人間の話は全部やめて、猫耳天国のみの世界観の話の方が個人的にもっと楽しめたって思いました。

ファンタジーもののBLに色々考えすぎたかもしれませんが、違和感を感じたら集中できなくなる性格なので、BLのそういうルーズさ(?)こそが好きな方には申し訳ないですが評価は控えめにさせて頂きます。

5

女王陛下、万能に近いほどの力、っていうか全能すぎ

善良な魂は空に向かい無垢な魂魄として浄化され
意識も何もかも消されてしまう死後の世界

でも猫の王国はとくべつに人間を招くことがある
天国全体は大空で、国は雲の一つに相当する、その独立小国で、少年は騎士を目指す--


なんだか懐かしい感じ
どこかで知っていたような……
と、思いつつ読みすすみ、
むかーし朝日ソノラマあたりで読んだような、
と思いついて気づきました
これは今でいうラノベなのかな?

ずいぶんなほど主人公がいい子で、
登場人物たちが、みな妙に幼く感じることもあるし
剣と魔法の学園ものだし

たぶんあてはめるなら
異世界(異次元)ラノベの仕立てだな、と
BLじゃなくてもいける、というのはありますね

と、いうつもりで読んでも
ついつい引っかかってしまうのはSF読みのくせみたいなもので
イズミが出てくればまずタイムパラドクスが気になるし、

番人の説明には、
それいくらなんでも偶然多すぎ都合良すぎでは
なんて、スカウト率や男子校に皮肉めいた感想をいだく-ようでは楽しめないと思い、

気を取り直して読むと
描写がうまく、細かい設定の組み立てに破綻もなく
恋に修行に日々頑張る少年のお話なのに、どこかふわっとした雰囲気のある印象的なお話でした

そもそもフィクションとして大きな嘘を成立させないほどの小さな嘘はない
のだけど、なんか違和感を覚えるのは
なぜだろう?

とはいえ、
人間を深く愛する女王陛下はご自分の箱庭で、お好みの人間を猫に寄せて愛でている、という精神世界で
結ばれるべき恋人同士は転生の末に相思相愛を叶える
なんて、これぞ天国というものでしょう

作者はこの設定を楽しまれたのだろうと想像しました

※後半から脳内BGM「時をかける少女」がぐーるぐる

2

思いもしなかった結果と後悔と



高校2年になる直前、増水した川で流されている猫を助けた森本由良(受け)は自分は溺れて死んでしまいます。
気づいた先は猫の王国。猫を助けた無垢な魂が生前の記憶を残したまま送られ猫人として幸せに暮らす天国。
猫人となった由良はユラと名前を変え、のんびり暮らすか女王陛下の騎士となるか選択を迫られます。騎士とは人間に虐待された猫の怨念の集合体から猫の国と女王陛下を守る役目を負った猫人のことです。騎士になると女王陛下からの褒美になんでも一つ願いが叶えらえるといいます。現世で自分が幼馴染の泉貴洋からの虐めを苦に自殺したと思われていることを知り、その誤解を解くため騎士にな
るべく騎士養成学校へ通うことにするのです。マンツーマンで教わるというユラの指導教官イズミ(攻め)は20代前半で、名前も容姿も貴洋そっくりでした。

出会ったときに何か知っているように見える態度なのに、褒美を記憶を消去することに使ったという貴洋にそっくりなイズミは誰なのか?ユラは騎士になり過去を変えることができるのか?

最初の由良が死ぬエピソートはちょっとしんどかったです。
ずっと親友だと思ってきたのに高校に入ってから急に避けられるようになり寂しく思っていた由良が、貴洋のことをよく見ていたからという理由で、誰かに偽ラブレターを黒板に張り付けられいきなり虐めの対象とされてしまいます。誤解を解きたいと強く思うあまり激しく否定したことで、貴洋からは「友人とも思っていなかった」と言われ、深く傷つく由良が気の毒で。
その後、貴洋に話があるからと呼び出された橋の下での待ち合わせに貴洋は来ず、小学生に虐待され川へ捨てられた猫を助けて死んでしまうのです。

猫を虐待した小学生が口を噤んでしまったこと、呼び出したくせに彼女と帰る貴洋を非難するメールが残っていたこと、偽ラブレター事件の話が両親に伝わったことで、由良が自殺したと思われてしまうのです。自分が変なメッセージを送ってしまった後死んでしまったために、自分の家族や貴洋とその家族が辛
い目にあっているだろうと心配し、もう少しうまく言い訳していれば貴洋にこんなことを言わせないで済んだのにとか、偽手紙を作った相手に対してさえ想像力が足りなかっただけで悪気がなかったんだろうとか、一番落ち度がなくそして一番傷付いたのは由良なのに、そのことについては一切恨み言の一つも言わず、周りの心配ばかりしている由良がどんな聖人君子なのかと思ってしまい、ちょっと違和感を感じました、もう少し恨みに思ってもいいんじゃないかと。

騎士養成学校では43人ほどが在籍しており、そのなかで騎士になれるのは半年から一年に一人という狭き門です。
食欲はないけど性欲は残るので気ままに恋愛を楽しむ人も多く、由良もいろんな人に誘われます。

番人と呼ばれる保健室の先生のような役割の猫又や早々に夜這いをかけてくるけど断ってからはちゃんと友人付き合いをしてくれるミケーレやオルカ・男癖は悪いけど騎士になりたくて頑張ってるシェリーなどいい人(猫人)ばかりで猫の王国ではストレスはありません。

騎士になるためには、虐待され悪霊となった猫を思いやる気持ちや来世に人間にかわいがられることを祈る気持ちなどを込めたグラスソードという剣を作ることが最初の試練となります。グラスソードを作れるようになったら、それを振り回しても霧散してしまわない集中力が必要となり、ユラは虐待された猫の気持ちを考えるあまり闇に飲まれそうになったり、眠れなかったりと自己と闘いながら研鑽を積んでいくのです。
目標のために頑張るユラとそれを支え励ますイズミ。この二人の関係はとてもよかったと思います。自然と惹かれ合う二人ですが、ユラには騎士にならなければ何も始まらないと自分を律するのです。


とても面白く、ファンタジーの設定も書き込まないといけないこともあってページ数は多かったですが、もっと読みたいと思いました。

結局、由良の決断は自分の周りの人を絶望からは守れたとは思うのですが、諸悪の根源たちのこととかを思うとちょっともやもやしました。
そして、最後の種明かしには驚きました。自分でもいろいろ考えながら読んでいましたが、矛盾なくうまくできていてすっきりしました。

ただ、貴洋についてはちょっと疑問は残りました。結局自分本位だったことは否めませんし、貴洋は一体何を考えて川辺に由良を呼び出したんだろうか、彼女と帰る姿を見せることに何の意味があったのか。友達としか思っていなかった由良にそれを見せてもどうしたかったのか。できれば、貴洋からちゃんと経緯を聞きたかった。
彼はその後生き地獄を味わいましたが、自業自得といえばそれまでなのですが、一番の諸悪の根源のことを思うとそこまでの罪でもなかっただろうと思うと少し気の毒ではありました。

できれば、騎士となった由良が活躍する話、貴洋が心穏やかに暮らせる日がくるところまで読みたかったと思いました。

イラストはとても素敵でした。世界観とyocoさんの絵の雰囲気がとてもあっていて絵本をみているような気持ちになりました。

0

これぞファンタジー

作家買い。

作家買いですが、yocoさんの描かれた表紙も、そして帯の「生前に、凄く、好きな人がいたんだ。」の文句も。どれもとても素敵。

で、肝心の中身ですが。
内容は書いてくださっているの感想を。ネタバレ含んでいますので、苦手な方はご注意を。







もう圧倒されました。

素晴らしい世界観。
盛り込まれたギミック。
そして魅力あふれた登場人物たち。

これぞファンタジー。

猫を助けて死んでしまったことで、猫の王国に猫人として転生した由良(猫の王国では「ユラ」という名前に)。その王国で、ユラ専属の指導者になったのが、生きていた時に親友だと思っていたのに最近そっけない態度をとられていた泉。にそっくりな「イズミ」。

読んでいて、イズミ=泉なのでは?と思う。思うのだけれど、でも時系列を考えるとイズミが泉ではありえない。
どうストーリーが展開していくのか、気になってページをめくる手が止められませんでした。

さすが犬飼先生というべきか、最後の最後まで読んで、こうきたか!と唸らされる。

個人的に貴洋がめちゃめちゃツボでした。
「普通」からはみ出たくない。
好きな人に拒絶されたくない。
まだ高校生だった彼が、そう思ってしまうのはごく自然なことに思えました。
そこから彼が起こした行動が素晴らしかった。
懺悔の想い、恋慕の想い。
様々な想いが、彼を突き動かしたのだろう。と。

そして、ユラくん。
良い子過ぎるでしょ。
自分が死んでなお、残された者たちへの配慮を忘れない。

可愛いんです。とっても。
彼の、人を想う優しい気持ちが、このストーリーの基盤になってるんですね。

版元がショコラ文庫、だからなのか、犬飼作品にしてはややマイルドな作品だったように思います。けれど、ただ優しいだけではない。
猫への虐待といった、目をそむけたくなるような事柄もきっちり盛り込まれていて、だからこそ、優しく甘いだけのお話にあらず。
奥行きのある、骨太な作品でした。

モフモフも良いし、時々出ちゃう「ニャ」という言葉も良かった。

イズミ×ユラだけではなく、魅力的な登場人物たちがたくさん登場しています。ぜひとも、同じ世界観で、ほかのCPのお話も書いていただきたい。
個人的に番人さんがめっちゃツボでした。

ファンタジーものって何でもありな世界。
なのだけれど、そこにしっかり根本となる設定があってこそファンタジーという世界観が生きるというもの。

すごく面白い作品でした。文句なく、神評価です。

5

可愛いだけではないファンタジー

ファンタジー。
由良くんがいいこで、おぼこくて性格含めてとっても可愛かったです。
時々猫語で「ニャッ」とか出ちゃうのも可愛かったです。
いじめられたりしても相手を恨まないってなんてピュアでいい子なんだ…と。
由良くんの純粋さが際立って、猫耳・しっぽ姿も可愛かったです。

貴洋のした事や行動はいただけないけど、あの年で由良のピュアさに邪な自分の想いを昇華できなかった彼の葛藤を考えると辛かっただろうな・・・と。

死んでしまってるんだけど、猫の王国で、ある意味生まれ変わって幸せになれてよかったです。
返す返すも由良くんいい子過ぎです。

ちょっぴしコミカルなところもあり、そして、謎もあり気になりながら読み進めました。
重い重いとひーひーなりながら番人を抱えて走る姿も、目に浮かぶようでした。

猫の王国、こんなところがあったら素敵ですね。
虐待された猫たちの事を思うととても哀しかったですが、本当に生まれ変わったら次こそは愛されて欲しいなと。
動物虐待についてもすごく考えさせられました。

ミケーレやオルカ達その他のキャラも魅力的でした。

そして、作品の世界観とyoco先生のイラストがぴったりでとっても素敵でした!

3

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