イラストあり
生前に、凄く、好きな人がいたんだ。
もう凄かったです。
物語としての巧みさにとにかく驚かされると言うか、衝撃のネタバレに悶絶すると言うか。また、そのネタバレからのラストが萌える・・・!
ホント、最高でした。
内容です。
川に流されていた子猫を助けて死んでしまった由良。気が付くとネコ耳と尻尾が生えた姿で「猫の王国」と呼ばれる天国に。
自分が死んだ原因が、親友だった貴洋との諍いで自殺した事になっているのを知り、願いを一つ叶えてもらえると言う「猫騎士」になって誤解を解こうと決意します。
そんな由良の猫騎士になる為の指導教官・イズミは、何故か貴洋に良く似ていて-・・・と言うものです。
まずのっけから、結構切ない展開です。ずっと仲の良かった幼馴染みで親友の貴洋からいつの間にか避けられるようになり、寂しさを感じている由良。
そんなある日、由良が貴洋の事を好きなホモというイタズラの文章がクラスで張られ、動揺した由良は「ただの友達としか思っていない!」と強く否定します。そんな由良に対して、「家が隣なだけで、いつから友達になった?」と冷たく言い放つ貴洋・・・。
その後、流されて来た子猫を助けようと川に入った由良が死んでしまい、「猫の王国」へー・・・という流れです。
こちらの作品ですが、とても可愛い印象のタイトルに反して、実は悔恨の物語でもあるんですね。後悔だったり悲しみだったりと言う切なくほろ苦い心情が世界観と絶妙にマッチしていて、独特な雰囲気を作り上げていると申しましょうか。
とは言え、切ないばかりでは無く、指導教官であるイズミとともに猫騎士になるための修行に励んだり、同じく猫騎士を目指す候補生達から言い寄られたりと、ほのぼのしてたり萌えるシーンも多々ございます。また、候補生達が個性の強い魅力的な面々なんですね。そんな中で、可愛い系の由良はモテモテという設定。
このあたりが個人的にめちゃくちゃ萌えてですね~。
性格も良く男としても魅力的な強力な当て馬・ミケーレと言うキャラがおりまして!
彼から甘く口説かれというシーン自体にも萌えるのですが、それ以上に萌えるのがイズミの嫉妬ぶり。「指導教官だから~」と何かと理由を付けてミケーレから由良をガードしてるのが可愛いったらありゃしない!バレバレですよ・・・。
あと衝撃のラストですが、こちらはネタバレ避けます。
が、お見事な回収ぶりとだけ。
先に悔恨の物語でもあると書きましたが、やっぱりこの部分がひどく切ないです。
貴洋のやってしまった事はとても残酷で、「幼かったから」で納得は行かない・・・。でも、彼のその後の行いを見ていれば、どれ程苦しんで後悔して来たかも良く分かるのです。
なんでしょうね・・・。悔恨の物語であると同時に「赦し」の物語でもあると感じるのです。この部分で、もう涙、涙といった所。
貴洋を許せないと感じる方もおられるかも知れませんが、個人的にはもう十分だと思いました。
また、そう感じさせてくれるお上手なストーリー運びなのですよ( ノω-、)
とにかく、めちゃくちゃ感動しました!
犬飼ののさんの作品は好きなので大抵読んでいますが、yocoさんのイラストで猫耳&尻尾の挿絵がいっぱい見られるーとウキウキと手に取りました。
他の方もおっしゃる通り切なくて優しいファンタジーでした。
仲の良かった幼馴染と諍いがあった後川に流された猫を助けようとして死んでしまった少年 由良。
自分が原因で自殺したと思い込んだ幼馴染 貴洋。
猫の国に転生した由良が苦しんでいるだろう幼馴染の誤解を解きたくて頑張るんです。
由良に対する貴洋の行為が酷くて、それでも彼を罪悪感から救いたいと努力する日々が健気でした。
同性を好きになってしまったことから起きた由良の悲しみや苦しみが猫の国で癒されていくのが良かったです。
猫の騎士候補をはじめとして登場人物たちが魅力的で萌えました。
好きだった幼馴染によく似た優しい騎士学校の教官との関係がどうなっていくのか、夢は叶うのかワクワクしながら読み進め結末に感動しました。
そして、自分のためではなく他の人の幸せを願う気持ちが尊くて頑張ったみんなの願いが叶うようにと願わずにいられませんでした。
作家買い。
作家買いですが、yocoさんの描かれた表紙も、そして帯の「生前に、凄く、好きな人がいたんだ。」の文句も。どれもとても素敵。
で、肝心の中身ですが。
内容は書いてくださっているの感想を。ネタバレ含んでいますので、苦手な方はご注意を。
もう圧倒されました。
素晴らしい世界観。
盛り込まれたギミック。
そして魅力あふれた登場人物たち。
これぞファンタジー。
猫を助けて死んでしまったことで、猫の王国に猫人として転生した由良(猫の王国では「ユラ」という名前に)。その王国で、ユラ専属の指導者になったのが、生きていた時に親友だと思っていたのに最近そっけない態度をとられていた泉。にそっくりな「イズミ」。
読んでいて、イズミ=泉なのでは?と思う。思うのだけれど、でも時系列を考えるとイズミが泉ではありえない。
どうストーリーが展開していくのか、気になってページをめくる手が止められませんでした。
さすが犬飼先生というべきか、最後の最後まで読んで、こうきたか!と唸らされる。
個人的に貴洋がめちゃめちゃツボでした。
「普通」からはみ出たくない。
好きな人に拒絶されたくない。
まだ高校生だった彼が、そう思ってしまうのはごく自然なことに思えました。
そこから彼が起こした行動が素晴らしかった。
懺悔の想い、恋慕の想い。
様々な想いが、彼を突き動かしたのだろう。と。
そして、ユラくん。
良い子過ぎるでしょ。
自分が死んでなお、残された者たちへの配慮を忘れない。
可愛いんです。とっても。
彼の、人を想う優しい気持ちが、このストーリーの基盤になってるんですね。
版元がショコラ文庫、だからなのか、犬飼作品にしてはややマイルドな作品だったように思います。けれど、ただ優しいだけではない。
猫への虐待といった、目をそむけたくなるような事柄もきっちり盛り込まれていて、だからこそ、優しく甘いだけのお話にあらず。
奥行きのある、骨太な作品でした。
モフモフも良いし、時々出ちゃう「ニャ」という言葉も良かった。
イズミ×ユラだけではなく、魅力的な登場人物たちがたくさん登場しています。ぜひとも、同じ世界観で、ほかのCPのお話も書いていただきたい。
個人的に番人さんがめっちゃツボでした。
ファンタジーものって何でもありな世界。
なのだけれど、そこにしっかり根本となる設定があってこそファンタジーという世界観が生きるというもの。
すごく面白い作品でした。文句なく、神評価です。
凄い世界観!!
ファンタジーのみを期待して読み始めたのですが、単純な話の展開かと思いきや、その真逆!何て綿密に練られた設定なのだと驚きました。
猫を助けたために死んでしまった由良が、猫の国に導かれ、そこである願いを叶えるために、騎士になる決意をする。
騎士になるための学園が男色で溢れていて、色恋沙汰に関心のない由良を、指導教官のイズミがさり気なく助ける様子や、騎士になる意志は強い由良だけど、不安に押しつぶされそうな時に、癒やしとなってくれるイズミの存在が、すごく温かくて幸せでした。
また、由良の「こんな事を考えるのは、おこがましい」といった思考が健気で、育った環境の温かさや、性格の良さか出ているなぁと随所で感じました。
嫉妬や不満がない世界で、この先ずっと幸せなんだろうなぁと思うと、究極のハッピーエンドですね。
また幸せを感じたい時に、再読したいと思いました。
攻め様の後悔や悔恨といったものが大好物なので、とっても萌えさせて頂きましたヽ(*^^*)ノ
受け様の由良と、攻め様の貴洋は、幼なじみ。
高校生になる頃から、貴洋が素っ気なくなって、由良は寂しい思いをしていた。
仔猫を助けようとして溺れた由良は、目が覚めたら猫を助けて死んでしまった人だけが来れる『猫の王国』に迎えられていた。
自分が溺れる前の出来事により、自分が貴洋のせいで自殺したとされ、家族や貴洋が苦しんでいると知った由良は、それを回避する為、猫の女王に願いを叶えてもらえる騎士を目指すことに。
自分の行いが自分に帰ってくるから、人を蹴落とすんじゃなく、自分が頑張る。
名前も出なかったユラの隣室の人の恋人になりたい子達も、そんな邪魔の仕方ならいいわね、なんて思っちゃいました。
他にも、騎士の学校のメンバーは、魅力的(^-^)
で、ユラの前に教官として現れたのは、貴洋そっくりな容姿のイズミ卿。
イズミ卿のそばに居るのが嬉しくて、自然と惹かれていくユラ。
イズミ卿の正体は想像がつくものの、なぜ?と不思議に思いつつ読み進めました。
全てが分かった時は、なるほど、そういうことだったのか~。
全編由良視点で進むので、貴洋の方は想像するしかないのですが、それを考えるとめっちゃ萌えた(≧∇≦*)
攻め様の後悔する姿を読みたい時に、手に取る1冊です(*^^*)