都会で職も恋人も失って、逃げるように戻った故郷―― そこには初恋の男が待っていた!?

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表題作農業男子とスローライフを

藤村育郎、地元で農業を営む同級生、25
仲谷春希、都会で傷付き戻った元幼稚園の先生、25

その他の収録作品

  • 愛が実ったそのさきに
  • あとがき

あらすじ

恋人に裏切られ、仕事も失い疲弊した心を田舎の実家で癒したい――都会で傷つき逃げ帰った元保育士の春希。戻った途
端、地元で農業を営む同級生・育郎と再会!! 高校時代、想いを隠したまま別れた初恋の相手で親友だ。密かに動揺する春希とは裏腹に、育郎は少しも屈託ない。「俺の育てた野菜を食え、絶対元気が出るぞ!!」過去に踏み込まず、笑顔で春希を支える育郎と田舎暮らしが始まるが!?

作品情報

作品名
農業男子とスローライフを
著者
音理雄 
イラスト
高城リョウ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009297
3.1

(8)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
24
評価数
8
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

トラクターは男のロマンなんだよ!!

て台詞がやけにツボにはまっちゃいまして。
いや~、良い意味でおバカな言動を見せてくれる男て萌えますね。

と、攻めがめちゃくちゃ好みの作品でした。
ここまで爽やかで包容力のある攻めて、なかなか居ないよ!!と。
ちょっと単純だけど。
大きな愛で受け止めてくれる農業男子に、たいそう癒される作品でした。


内容ですが、こちら初恋再会ものになります。
恋人に騙され、更に職場に不倫がバレて、田舎の地元に戻って来た元幼稚園教諭の春希。
地元で農業を営む同級生で初恋の相手・育郎と再会し、農作業を手伝うようになりますが-・・・と言うものです。

こちら、地元に戻って来た主人公が、気まずいまま離れてしまった初恋相手と再会する。
更に農作業で汗を流し、おおらかに受け止めてくれる攻めに支えられ、傷付いた心を癒してゆく-。
そして前を向けるようになる。
と、ストーリーとしては取り立てて派手ではありません。
が、丁寧に書かれた心の交流だったり、あたたかみを感じさせてくれる田舎暮らしがすごく良い味を出してるんですね。

何と言っても、育郎と出掛けるときは軽トラ。
二人で出掛ける先は農業機械の展示会。
で、展示会でトラクターに試乗して目を輝かせる育郎。
BL界にはやたらスマートなスパダリが多いなか、軽トラを愛車だと気負い無く言える攻めはなかなか珍しい。だから新鮮!!
まさにほのぼのスローライフなんですよ。

で、その育郎なのですが、彼がとにかくいい男。
おおらかで包容力があり、とにかく前向き。そしてやや単純。
「うちの野菜を食えば元気になる」みたいな。
また、なんの挫折も味わっていないかと言うと、怪我によりサッカーの道を断念した過去があったりする。
更に父親が倒れた事により、大学をやめて家業を継ぎと、苦労をしてるのです。
苦労してるからこそ、人間的な魅力があると言うんですかね。
周囲の雑音には惑わされず、真っ直ぐ春希を信じてくれる-。
超男前なんですよ。
あと、妙な所で照れ屋。
春希が膝に手を置いただけで「うっほぉ!」と驚き赤い顔みたいな!
意外と純情な所も可愛いです。

対して受けの春希。
実は最初のうち、と言うか前半がですね、ややうっとおしかったんですよ。
こう、わりとウジウジとしてるタイプで。
彼が付き合っていた交際相手ですが、実は妻帯者だったんですね。
春希はその事を知らず、騙されてたのですが。
で、その妻が勤め先の幼稚園に乗り込んで来た事により、初めて騙されてた事に気付き、更にスキャンダルになって仕事を辞めざるをえなくなった。
まぁそんなワケで、深く傷付いた春希は地元に戻って来たのです。
で、当然かもしれませんが、わりとウジウジウジ。

別に、受けが思い悩んでいると言うのは嫌いでは無いのです。
どちらかと言うと萌えちゃったりする。
が、彼はですね~、初恋相手である育郎に想いを抱きながら、まだ元の交際相手の事も振り切れずにいる-。
その点で、なんかモヤモヤしちゃって。
人の気持ちて、そんなスパッと白黒つけられるもんじゃないのは分かってるんですけどね。

と、前半は春希に対して、結構割り切れないものを感じていたのですが。
これが後半になると、すごく萌えだしまして!!
前半が二人が結ばれるまでで、後半が結ばれた二人に横やりが入りと言った所なのです。
前半、あれほど煮え切らなかった春希。
そんな春希が育郎と結ばれ、彼の深い愛情で満たされた事により、すごく精神的に強くなり安定する。
育郎を信じて、二人で困難に立ち向かおうと強い気概を見せるのが「おおっ!!」と格好いいんですよ。
横やりを入れてくる相手に対して、冷静に立ち向かい「俺たちの仲は壊せない」と言い切るのが小気味よい!!
そう、二人の仲をどうするか決められるのは、本人達だけ!!
なんか前半でイライラした分、心を決めた春希の言動がやたら格好良くて。

あとこちら、先にも書いたように攻めがとにかく格好いいのです。
この横やりを入れてくる相手に対して、育郎がとった行動が想定外。
そう来たかーと。
彼は器がとにかく大きいんですよ。
その広い懐で、大概の事は受け入れちゃう。
相手もまさかこう来るとは思ってなくて、驚いたでしょうね。

そんな感じで、前半はちょっとイライラ。
でも後半は大いに萌えると言った作品でした。
とりあえず、間をとって「萌」で。
それにしても、本当攻めが良い味だしてました(*´▽`*)

6

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