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表題作今宵殺し屋とキスを

シン・リー,ミステリアスな殺し屋
日高隼人,24歳,官公庁孫請けの下請け,サラリーマン

あらすじ

俺がいなくなったら死んでしまうくらい依存しろ

殺し屋のシンとトモダチを始めた隼人。
なぜか「恋人になろう」と言われ、毎日のように一緒に過ごすことになって――!?


帰宅途中で殺人現場に遭遇してしまった隼人。
その場を切り抜けるため、殺し屋のシンと「オトモダチ」になることに。
翌日、シンはさっそく隼人の前に現れ、食事に誘ってきた。
さらには「トモダチになるのはやめよう。恋人になろう」とキスされてしまう。
食事やデートを重ねるうちに、シンへの抵抗感が薄れていく。
平穏な日々を過ごしたい隼人としては親しくなるのは避けたかったが、会社を突然クビになった夜にシンは寄り添ってくれて……?

作品情報

作品名
今宵殺し屋とキスを
著者
火崎勇 
イラスト
黒田屑 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576220758
3.4

(13)

(1)

萌々

(5)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
44
評価数
13
平均
3.4 / 5
神率
7.7%

レビュー投稿数6

殺し屋…なのか?

ストーリーはなかなか面白かったけど、どこに萌えて良いのか分かりにくかった作品。

殺し屋が殺す場面を目撃してしまった隼人。
とにかく、自分まで殺されないようにと「友達になろう」と言い出す隼人に、シンは興味を持ってしまう。
トンデモ展開ですが、どんどん読み進められます。
何かややこしいことを背負っている隼人ですが、途中、病気で亡くなってしまった母を回想するんですが
彼女が「自分の母親」ショックが大きかったのかも知れない。
というセリフがあります。
これ、誤解しちゃって、え!彼女が母親?!、隼人の過去が近親相姦だったのか!と。
(DTだったって話しがあったのに笑)

ま、そんなこんなで、最後は隼人の家の問題も片付いて、結ばれる、というお話でした。殺し屋という設定とだからこそ隼人のような生に執着しながら達観して生きているところが好きになっちゃったんでしょうね。
隼人は今まで誰とも深く付き合わずに、世捨て人風だったところに寄り添っても良いと言ってくれる人が現れたので、惹かれていった、ってことでしょうか。

しかしながら、ちょっとばかし萌えは少なかったかなと。
隼人が男である必然性があんまり感じられなかったな。長男って設定があるとは言え。

1

現実主義でいるにはワケがある

2022年刊。
あらすじを読んでなんつーきっかけなんだ…と心の中で呟きつつ、攻めが殺し屋をいうのに興味を惹かれた結果面白かった。
個人的好みである"謎の男"設定の攻めの話が発掘できたのもラッキーだった。

殺人事件に出くわした為に目撃者として殺されるかも!?って焦りの中にも、すかさず「友達になって下さい」と切り返せる辺り、主人公・隼人もただ者じゃない。
冒頭からして、平凡どころか頭がいいのかも…といった片鱗が伺えた。
そんなきっかけで殺し屋・シン・リー(名前の響きからして何だかカッコいいな)には興味を持たれたばかりか、隼人のやけに肝が据わっている性格のおかげで一気に惚れられて、「恋人になろう」と返されてしまった。

さて、隼人自身の、淡い夢もなくやけに平凡にこだわっていて、一一倍"独り"を意識している考え方ってのはえらい現実的だな。
話の流れから、全くフツーの社会人のはずの隼人が何隠し事を仕込んでいるんだよ…と勘ぐるところが出てくる。

ま、現実主義的な考え方は苦労人ならではだろうが、隼人の現実生活が実際に脅かされているってのは災難を被っているレベルだぞ。
そんな隼人の現状に踏み込んで、一方的に恋人にする条件を付けつつ、介入したシン・リーも殺し屋らしからぬ人の好さだ。
隼人の要望で殺意を引っ込めて事の解決に貢献したものの、殺し屋はまだ続けるそうだが。

シン・リー自身については、殺し屋稼業でガッツリ報酬を稼いでいるからってだけでは無さそうなリッチな生活ぶりが気になったが、最後まで謎が多いままの男だったな。
もし続編が出るならば、彼の秘密をのぞいてみたいものだ。
トンデモな出逢いだったけれど、意外と性格の凹凸が噛み合う感じのいいカップルだと思う。

1

日常に潜む非日常

今回は殺し屋と殺人現場を見てしまった会社員のお話です。 

攻様の殺しを目撃した受様が攻様の恋人になるまで。

受様は官公庁の孫請けの下請けの会社で
パソコン入力の仕事をしています。

今請け負っている仕事が終れば
ゆっくりできるはずと思っていても
11時を指す腕時計を見ると溜息しかこぼれません。

家賃が安くて選んだアパートは駅から徒歩20分、
受様はいつもは車通りを歩きますが
今夜はアパートへの近道と公園を横切る事にします。

ジョッキングコースや池もある公園は
かなり広いものの今の時間は人通りも有りません。
中央広場を超えて反対側の出口から出れば
受様のアパートはすぐそこです。

ところが中央広場に向かっていくと
何やら喧嘩のような人声が聞こえてきてます。

受様は外周の小道へと避けることにしますが
徐々に片方の男性の声が激高して変な声まで聞こえ
受様はつい植え込みから広場を覗いてしまいます。

そこで真っ黒な服を着た男が
もう1人の男の首辺りから細いナイフを取り上げ
足の付け根の辺りを刺していたのです!!

さつ・・・じん・・・? 人殺し?
受様は恐怖でその場にヘタってしまって
黒服の男に捕まってしまいます!!

この黒服の男こそ今回の攻様なのですが
攻様は巻き込まれた受様を可愛そうだと
受様に最後の望みを問いかけるのです。

そんな状態で受様が望んだ事は・・・

殺し屋の攻様と彼の殺人現場を見てしまった受様の
サスペンスラブになります。

一殺人現場を見てしまった受様が
殺し屋である攻様が逃げ回ると言う設定なら
まぁ王道と言うか定番、鉄板なのですが

目撃者として殺されようとしていた受様が
望んだのは「友達になってください」なのですよ。

えぇぇぇぇ、何がどうしてそうなるの!?
読者ですら攻様と一緒にびっくりです♪

攻様が受様を殺そうとするのは
受様が警察に通報すると思っているからで
受様は「友達なら秘密を守る」と言い

攻様は金のために殺人代行をする殺し屋ですが
受様のオトモダチになる事を了解するのです。

えぇぇぇぇぇ、そんなでいいの!?と
今度は受様と一緒にびっくりですよ(笑)

こんな2人がどうやってお友達からの恋人になるのかが
主軸になるのかと思いきや、

受様の相手である攻様の謎が解けていくだけでなく
一般庶民だろうと思われた受様が
実は"普通な人生を歩んできていなかった事が
明らかになってきて

受様が攻様に命を狙われても
張り合うほどの度胸があったのは理由が
明らかになっていき

ハラハラ、ドキドキ、ワクワクMAX!!

受様が攻様の手を取るまで
たいへん楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

火崎先生の真骨頂って
傲慢な俺様攻だと思っているので
本作のような攻様を読むと嬉しくなっちゃいます。

そしてそんな攻様に押されながらも
負けてない受様が大好きです♡

2

悔しいから普通に幸せになる

火崎先生と屑先生なので購入。ツボったので悩んだですけど萌2にしました。レビュータイトルはそのツボったセリフの一つ。強い男に保護されたい気分の方におススメしたいです。よいわ、圧倒的強さ。

納期に間に合わせるべくきりきり働かされている隼人。気分転換にと夜の公園を通って帰ろうとしたところ、殺人事件に出くわす&殺し屋さんに見つかってしまいます。「願い事があるなら叶えてやる」(意訳:叶えたら殺す)と言われたので「友達になってほしい」と伝え・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受け母(故人、タイトルのセリフ言った方)、受け父の正妻、弁護士ぐらいかな。ほぼほぼ攻め受け二人の会話主体なお話です。

++攻め受けについて

攻めは本名、国籍不明な筋肉あり運動神経よさげな凄腕殺し屋の模様。殺しのシーンは冒頭のみですが途中にちょこっとアクションあり、強そう!という印象。いいですよねえ、圧倒的強さ、大好き。そんな男が受けに囚われていくんですよ、よいなあ。

なんでリーマンな受けが攻めを虜にさせるのかというと、こっちはこっちで結構酷い境遇だから。老舗旅館の仲居をしていた美人母が、旅館をはじめとする地元超名家の当主の愛人になり別れさせられた後に生まれた方なのですが、その存在を正妻が知るところとなり、ありとあらゆる嫌がらせを受けておられたんです。住むところ勤めるところにことごとく妨害が入る。生きていくのが困難になるですよ、これ。そんなんだから色んな人とのかかわりをあまり深く持てなかったし、天涯孤独だから頼れる人いないし、なんとかしようと一人淡々とやり過ごそうとする。健気とか悲惨とかそういうのを感じさせなくて、ただただ普通に生きていたいと普通に立っている感じの方なんです。

そんな受けに「俺だけを頼りにしろ」「いなくなったら死んでしまうぐらい依存しろ」(←このセリフ一番好き)っていうんですよね、殺し屋が。あーたまんね。

頑張ってめっちゃ幸せになるというのはなく、普通に生きて普通に幸せになるっていうのでいいのよね、共依存とかでもいいのよ、それってとても幸せなことなんじゃんと思ったお話でした。これが好きだわと私は今疲れているんじゃないかな。

3

スパダリ殺し屋

サラリーマンの日高が残業帰りに近道しようと公園を横切ると、偶然殺し屋シンの殺人現場を見てしまいます。
日高は「お友達になった下さい」と図太いお願いをして殺されずに開放されます。
その場限りかと思っていた日高ですが、翌日にシンが会いにきて美味しいものを食べさせてくれたりデートする仲になり、というところから始まるお話でした。


シンは殺し屋で、出会いこそ殺人の現場でしたが
それ以降はそういったシーンはなく、ひたすら日高を甘やかすお金持ちイケメンでした。
殺し屋というか、スパダリです。

日高は普通の真面目なサラリーマンなのですが、実はある事情を抱えています。
殺し屋という素性を知っても怯えず堂々としている図太さや、甘やかされてもすぐにはなびかない男。
そういう性格になったのはある事情によるものとわかります。不憫受けでした。

スパダリと不憫受けのお話だったと思うのですが
日高の性格もあり、私としては少し甘さが足りなかったかな、と感じてしまいました。
これからあまあまになっていく2人、といった感じでした。
多分これから日高は可愛くなっていきそうだし、シンはもっと甘やかして溺愛しまくるのだろうな、と思います。そんな2人を見たかった。
ページ数も少なめだったので仕方がないのですが、もうひと展開あればもっとこの2人を好きになれたかな、とも思ってしまいました。

お話自体はあっさりめでしたが読みやすかったな、と思います。

3

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