このお話に限りませんが、恋愛物って、本当は両想いなのにお互いが相手のことを想いやって考えたことなのに少しずつズレていてすぐにはカップル誕生にならない、その「ズレ」にどれだけリアリティがあるかが肝ですよね。
この作品は、職場での虫除けのために男子二人が合意の上でカップルのフリをするという珍しい設定。
周囲の腐女子社員からあたたかく見守られながらフリを続けているうちに、府たちともだんだん本当に好きになっていくのにズレ具合が絶妙で、9話までいってもまだ未遂のままで可愛いぞ!
単行本の2巻の終わりくらいにあたる12話くらいで遂げられるのか。はたまた3巻目に持ち越すのか?
つづき楽しみに待ってます!
母にすすめられて『エデン』を読んで以来、宮本佳野先生のファンです。
先生についての説明に「ダメダメな男を魅力的に描くことに長ける」とありましたが、そうなんですよね、シャカリキに生きてる男の子じゃなくて、ちょっとやる気がなくて、すぐ流されちゃう、現実感のある男の子たちの暮らしぶりを覗くのが物悲しくも味わいがありますよね(『エデン』には当てはまりませんが)。
この作品も、あまりシャキッとしてない主人公のお話ですが、大好きだった人がこんな風に会いにきてくれて、またひととき共に時間を過ごせたら、どんなにいいでしょうね。
スパダリも凄い美人さんも出てきませんが、しっとりと心に沁みるお話でした。
単話版の表紙が首輪に足かせ、コミック版の試し読みがギャグで緊縛なのに惹かれて購入w
宵闇王はつねに哀愁に満ちた表情で、さらってきた皇子・煌をニコニコ凌辱。その一方で手厚くもてなす。
一方、皇子はどんなことをされても大きく目を見開いて王を見返し、まっすぐな心でいつも前向き。
破綻のないきれいな絵柄と今まで読んだこともないストーリーで、この先どうなるのかと、次々にページをめくってしまう。
重苦しく悲しい前半とは一転して、後半1/3はのびやかに話が進んでハッピーエンド。
ジノ先生は、どうやってこんな素敵なお話を思いつかれたのか。
もっと沢山の人に読んでもらいたい作品です。
キルトは出生からして恵まれているとはいえず、その後の人生(アンドロイド生)もかなり悲惨なことが続く。上巻で「良かった、助けられた」かと思ったら、下巻ではさらに痛々しい状況に。「ちゅうこ」とか、キルトのせいじゃないのに、胸がしめつけられます。
そしてそんな状況でもキルトが自己憐憫に陥ることなく淡々と日々を重ねているのが見ていて一層辛い。
懸命にキルトを探しつづける真昼。二人で並んでいたのに互いに気付かず、出会っても気持ちがすれ違い、その上悪い奴らもきっちり出てきてピンチに。
キカ糸先生。人非人! と思いながらページをめくり、本当に最後の最後でようやくほっとできました。
パソコンで何度やっても削除できないメールとかファイルとかが出てバグることがごく稀にありますが、キルトの消えなかった記憶のバグは想いの強さゆえでしたね。
上巻では朝柊に怒りしか覚えませんでしたが、キルトが彼の理想とするお人形さんじゃなくなってもその幸せを願ってくれた姿を見てちょっと見直しました。
その後の朝柊は自分を殺して淡々と仕事をしてきたのでしょうか。
彼にも心優しいパートナーが見つかることを願いました。
がたいの良さに不似合いなフリフリの可愛い衣装で横たわるお人形さん。つながれた沢山のチューブ。青く不穏な表紙に惹かれて読み始めました。
人ではなくアンドロイド、しかも愛玩物として製造された設定とはいえ、キルトの性に対するあまりにもあっけらかんとした様子に冒頭から胸がしめつけられます。
ラブドールということがばバレたらそんなにも危うい存在であったなら、朝柊はなぜきちんとキルトに理解させ、囲っておかなかったのか。
話をしないのと同様、インプットしておけば済むことじゃないか。
キルトをリセットして手離した理由は一抹わからないでもないけれど、一番傷ついたのはキルトなのだから彼を全力で癒すことを選択してほしかった。
もちろん朝柊がこうしたことをしていたならば、真昼とキルトの出会いもなかったわけで、物語を盛り上げる流れとしては致し方なかったとしても、朝柊への怒りがこみあげてきました。
ところどころに出てくる猫たちとのやりとりが、また切ない。
真昼とキルトが幸せになる展開を期待しつつ下巻へ進みます。