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【フリル、リボン、ハイヒール… オジサンだけど、好きだと言ってみたかった。】
世界観としては既刊作「人形型モノクローム」と一緒
「人形型モノクローム」の前日譚になります
すんなり分かり易い世界観ではない、唯一無二の設定なので出来たら「人形型モノクローム」から読んだ方がいいかも知れませんが、もしかしたら未読のまま今作を読んでから「人形型モノクローム」に遡っていくのもいいかも知れない…
ここから下記は既刊作品を読んでいる視点でのレビューなので根幹に触れる事もあるのでご了承下さい
「人形型モノクローム」の前日譚である、という事が分かっているから読み続けられた所が大きかったです
私の場合はですが、この作品の後のキルトと真昼の事を知っているからこそページを閉じずに読めたのが大きい
もし、木綿に「愛」というカタチを教えた2人の未来の姿を知らなかったら、、、辛すぎて嗚咽しながらページを進む事が暫く出来なかったかも知れない
未来の2人の姿を知っていても泣けてしまう位に不条理さに胸が苦しくなるのでこの上巻の切なさは想像以上です
朝柊の取った決断は一見したら朝柊の勝手で彼の弱さが招いた強引な行為に見えなくはないけれど、きっと汚れたキルトが嫌なのではなくて傷付いてしまったキルトにその嫌な想いを消し去って欲しかった、という想いもあったんじゃないかな、、、って思えてならない
そうでなければあんなに苦しそうにリセットをしないよね。。。
扉絵に描かれていた朝柊のキャラデザは必見です
キルトとの関係性がすごく明確に描かれていて、これを知った上で朝柊のあのキルトへの処置を見るとやっぱりすごくどちらの立場でも苦しくなります
上巻はとにかく後半に行けば行くほどツライ。。。
でも、真昼や施設の芦生先生、そして猫たちだってキルトに幸せになって欲しい、と願ってくれる存在達がいる事も知っている
キルトが「存在すべき理由」がある事を知っている
どうかその想いがキルトに注がれて欲しい…‼と願いながら下巻に進みたいと思います
お話しの特性上(キルトがラブドール扱い)他者からの無理矢理行為も描かれます
しかもかなりヒドイ…
痛い描写や無理矢理描写、攻め以外との絡みがNGの方はお読みにならない方がいいです
とてもツライです…
上巻はキルトがどんな子なのか?
キルトの周りにはどんな人が居るのか?
キルトと朝柊の関係
そしてキルトと真昼の関係
をしっかり知っていく巻です
キルトは施設に後から来た木綿を弟のように可愛がり、拾った猫の為に自分が怒られてもお魚をこっそりあげる心の優しい子
思い出の詰まったRAKUDA T-シャツを大事に大事する愛情深い子
キルトのすごく近くにはキルトに傍に居て欲しい、キルトに幸せになって欲しいと願ってくれる人がいる、愛されるべきだよって教えてくれる人が居るんです
キルトと朝柊は本当は仲良しで2人だけで理解出来る時間を過ごせる存在
朝柊にとっては本当に唯一の拠り所で自分を解放出来た場所
キルトと真昼は、、、上手く伝えられないだけで大好きが溢れている2人
上巻はツラさと温かさが入り交じる濃厚な1冊
扉絵もしっかり読み込みしながら世界観やキャラを理解しながらじっくり読んでみて下さい
修正|白抜き(シーモア)
上巻のみの感想です。上巻だけでもう、泣けて泣けて仕方なくて、こちらのレビューを書きながらまだ泣いてます。
(以下、ネタバレ含みますのでご注意ください)
主人公は、ラブドールとして施設内で出荷を待ちながら育てられたキルト。
我妻ホールディングスの社長に買われ出荷されるも、ひょんなことから社長の息子・真昼と出会い、意識せぬまま恋に落ちるのですがー
と続くお話です。
もう、社長・朝柊に再会し、彼が泣きながらキルトの記憶を消去するシーンで涙で前が見えなくなりました。。真昼のことを忘れたくない、消去は嫌だと叫ぶキルトの姿が痛々しくて悲しくて。
その前の蹂躙シーンでだいぶメンタルにきてたんですが、ここで完全に涙腺崩壊でした。
やー…なんだかこれ以上書けない。。
人間の欲望って本当に醜いよね、ってまざまざと見せつけられたような気がします。
辛い。。
どうか幸せな結末を…と祈りつつ、下巻を読みます( ; ; )