初読み作家さまだしピアスシリーズなので、どエロい内容だったらどうしようと戦々恐々としながら読み始めたんです。
表紙から分かるように画力も申し分ない作家さまなんですが、このど迫力の狼獣人の桜紫狼(おうしろう)がすーーっごく可愛いんですよ!狼ですけど犬好きには堪らない可愛さだと思いました。
筋骨隆々で頭が良くて顔も凛々しくて、ユキが「カッコ良すぎる」と思わず思ってしまったことに激しく同意していました。
でもこの桜紫狼は幼い頃の獣人差別で心に傷を負っていて、かなりの小心者なんです。
誰かがコソコソ話していれば自分の悪口を言ってるのではと、勘違いして萎縮する情けなさを持っていました。そんな中屈託ない笑顔で接して来るユキに桜紫狼が惹かれてしまうのはしょうがないと思いました。
この2人のちょっとした日常のやり取りや初めてのデートが凄く初々しいんです。ちょっとした誤解やすれ違いにも凄く萌えました。
とにかくユキが前向きでとても良い子なんですよ。
当て馬とか登場せず2人が気持ちを通じ合わせるまでがじっくりと描いてあるのも良かったです。何でも1人で抱え込む桜紫狼を勤め先の院長はちゃんと見ててアドバイスしてくれてたし、ユキの職場の先輩も2人に理解があって素敵でした。
桜紫狼の獣人専用マンションのお風呂とかが凄く面白くて、これが獣人ものの醍醐味だよなと感心しながら読みました。
なんせユキにしか反応しない桜紫狼なので、凄いモノを持ってる割にはゆっくりゆっくりと関係が進むんです。
もうねユキが大好きであたふたする桜紫狼の可愛さに何度も悶絶しました。
これ勿体無いのでもっと続けて欲しいです。続編お願い致します!
月森あき先生の作品は初読みでした。ちるちるさんの情報欄の既刊本は2018年からになりますので比較的新しい作家さまだと思います。
他の作品は読んでおりませんので比べる事は出来ませんが、こちらの作品を読む限りはすっきりとした文章でキャラも魅力的でした。
サマミヤアカザ先生の描くジェラルドがミステリアスでアールが美しく可愛らしいです。
さてお話ですが国軍の司令官であるジェラルドが見に覚えの無い罪を来させられそうになったり、ジェラルドの言葉の端々から誰かが陰謀を画策している事が分かってきます。
そこがこのお話の最大の盛り上がりなのでネタバレ無しにしたいと思います。読んでると黒幕が誰かは想像通りだからです。
Sub専用寄宿舎ではDomに献身的に尽くす教育を受けて来たので、アールにどんなに言葉を尽くしても教えと違う事が入って行かないのが凄く焦ったいのです。
なのでジェラルドがパートナーで恋人同士であるアイザックとジゼルと会わせても、アールにはイマイチ響かないんですよ。ジゼルは寄宿舎時代から有名で希少種だから自分とは違うと思い込んでいるんです。
このアイザックが凄く陽気で面白い人なんですが、ジェラルドの幼馴染みでジェラルドにとってはとても大切な人物なんです。そしてそのパートナーであるジゼルもとても魅力的な人物でした。この2人がパートナーになった時の詳しいお話は、コミコミスタジオさんの小冊子で読めますので購入する際はコミコミさんをお勧めします。
アールの自信のなさとジェラルドがあまりに堅物過ぎて、これでもかとすれ違う様子が凄く焦ったくて萌えました。
たまに主人公たちが無事にくっ付くと、途中の事件やその結果を書いてくれない作家さまもいますが、ちゃんと国を揺るがす陰謀の結末と首謀者の末路が書いてあって読後感も良かったです。
ジェラルドがとても思い遣りのある人物なのでDom/Subユニバースが苦手な方とか、まだ読んだ事の無い方の入門編として最適な作品だと思います。
大いにすれ違うので2人が結ばれるシーンは最後に少しでした。
あの不器用な毅焰視点のお話になっててビックリしました。
本編では無表情で何を考えてるか分からない毅焰でしたが、こちらのお話で彼が意外に可愛い事が分かりました。
実は魔物に滅ぼされた王族の生き残りだと判明した蓮可でしたが、迷いに迷った末に人界に残り王となる事を決めていました。
本編では民へのお披露目をしたところまででしたが、こちらでは慣れない政務を蓮可は頑張っているようでした。
そして蓮可が庭園で休憩すると言って退出するのですが、毅焰の警護を拒否したことから毅焰がグルグルしてしまうお話でした。それなりに夜は仲良く過ごしたりしていても不安になるのだと、初恋に慌てふためくような毅焰にクスッとしてしまいました。
まぁ、結局は誤解でした。庭園に居ると自分の周りに集まって来る、鳥や蝶の数が多過ぎて恥ずかしいという蓮可の謎理論でした。
そんな蓮可の姿にも見惚れる毅焰なので心配無用なんですけどね。鳥と蝶に埋もれながらイチャイチャする2人のお話でした。
鏡コノエ先生の作品は「王様候補と愛しのオオカミ」を読んでから離れてました。ちょっと合わないと感じたからです。
ですが今回はあらすじと亜樹良のりかず先生のイラストに惹かれて、一か八かの気持ちで購入していました。
結果大正解でした。とにかく毅焰の不器用さに激萌でした。また亜樹良のりかず先生が描く毅焰が雄の魅力に溢れてて、凄く魅力的なんですよ。読みながら「自分、不器用ですから」って台詞が頭の中で回っていました。www
そして甚神仙人に拾われてからずっと仙界暮らしの蓮可がおぼこくて純真なんですよ。無垢故に毅焰を翻弄する様子にクスッとしました。
さてお話ですが蓮可の正体は誰もが途中で気が付いてしまうと思うのです。ですが蓮可が誰を王に選ぶかは最後まで分かりませんでした。
個人的に毅焰を王にして王気で魔物を退治させるのかなと思っていたので、甚神仙人が言ってた切り札の"術"も、誰が王になるかも良い意味で想像を裏切られてしまいました。
甚神仙人と蓮可の心話でのやり取りとか凄く面白かったんです。勝手にお爺ちゃんの姿を想像してましたが、終盤に登場した甚神仙人の容姿には驚きました。
蓮可も毅焰もお互いに惹かれていながらも、目の前の困難を解決する為に焦ったいほど清い関係な事に凄く萌えるんですよ。なので障害が無くなった後にやっと結ばれた時には感無量でした。その辺りが凄く好みな作品でした。
しかも凝った漢字の名称を使ってないので、凄く読みやすかったです。役職名とか建物に漢字が多いとそちらに気を取られてしまって苦手なんです。
鏡コノエ先生が体調を崩してた時期と自分の事が重なって思えて、復調されて作品を発表して下さった事が凄く嬉しく思いました。
まだ3作しか読んだ事がありませんが、これからも新作を楽しみに待ちたいと思います。
「強引作家」シリーズの最後の一冊をようやく読むことが出来ました。
今回は前作からの流れを期待してもっとラブ度が上がると思っていたんですが、相変わらず雄大のみよちゃん愛が深くて笑っちゃいました。
でもちゃんと純の気持ちを察している所に愛情を感じました。
ところがですよ!純を庇って頭を強打した雄大が記憶喪失になってしまい、純を追い出そうとするわ、見知らぬ女を部屋に入れて致そうとしてたり、純にはかなり辛い展開になってしまってました。それでも健気に女性を撃退する純に、そう言えば純は元々強かったんだと思い出しました。
それが功を奏したのか雄大の興味を引いて、久しぶりの雄大がモデルをする現場に連れて行って貰えるのです。そこで純にチャンスが巡って来てというお話になっていました。
純の雄大を純粋に慕う気持ちの強さを再確認する巻となっていました。
またシリーズのそれぞれのCPが登場してて幸せそうでした。
「その恋は彼を蝕む」の蒼真がまた純の相談役になってるんですが、まだ良い子だったのも印象的でした。
ただ、じっくりこのCPのお話を読みたかった人には消化不良だと思います。
キャラ文庫の「暴君竜を飼いならせ」シリーズ以外の犬飼のの先生の新作と知り、コミコミさんに予約して楽しみにしていました。
既にベテラン作家さまだと思っているのですが、無駄のない筆運びと見事な展開に流石と唸っていました。
さて、内容ですがトキハは気の毒な身の上でとても不憫なのですが、娼館で男娼として初物オークションにかけられて仮面の男がトキハを落札した時に、私は何となくシュアンの正体を悟ってしまいました。
ただ、たまにトキハとの言動がチグハグだったり、かなり厳しいことも言うのでシュアンの真意はどこにあるのだろうと思ったのも事実なんです。
トキハに対する愛情は本物だろうとは思っていました。なので自分の推測した部分はかなりの確率で合っていたのですが、驚くべき秘密がシュアンには隠されていました。
あー!!!そう来たか!ってかなり驚きました。全く想像していませんでした。
犬飼のの先生がかなりエロを頑張ったとツイートされてらしたので、最初はエロが沢山あったらどうしようと読むのを躊躇してたのも確かなんです。でもこのエロを頑張ったというのは、沢山のセックスシーンを長々と書いたから頑張ったという意味ではありませんでした。先生流石です♡
トキハとシュアンとのセックスシーンのひとつひとつに意味があるんです。最後まで読むとその意味を更に痛感する事になります。私は常々言ってますが漫画も小説も、ダラダラしたエロ本みたいなセックスシーンは要らないと思っています。
そんな好みのエロを書くお気に入りの作家さまの1人が犬飼のの先生なのです。
それとトキハと同じ孤児院出身でずっといじめっ子だった桜ですが、「暴君竜は飼いならせ」シリーズのユキナリを彷彿とするキャラで嫌いになれませんでした。あの逞しさ憎めません。www
トキハと桜はとある組織によって大学を勝手に入学辞退にさせられてましたが、本人が望んでいなかったという事で復学していました。
この復学したお話が「初めての蜜月」に入っていました。頑張り屋で優秀なトキハには上を目指して貰って、世の中が当たり前だと思ってる不平等な価値観を覆すようなリーダーになって欲しいと思うのです。
初めて出来た友人やシュアンの助けを借りて駆け上がる姿を見てみたいと思いました。
是非とも続編をお願いします。
そして可能なら「暴君竜を飼いならせ」シリーズの子ども達のお話を新シリーズとして待っています!
国原先生の作品は「ストリッパーの淫らな悪戯」しか読んだことが無いのですが、決して嫌いな絵柄ではないんです。でも、今思えばストーリーには無理があったかもと思います。
今作も試し読みをした時点で唐突な話の展開に気をつけるべきでした。でも獣人アルファと幼馴染みオメガだなんて、読むしか無いじゃない!って思ったんですよ。お子ちゃまも可愛かったし。
でも読みたかった2人が相思相愛になるまでとか、子どもを授かるまでの新婚生活とか、全部ぶっ飛ばしてあってほぼエロでした。長男の迷子事件があったくらいです。
そして、唐突な受け両親のヒートセックスとか、読んでて気まずい思いをしました。全く関係ないCPのが読みたかったですね。
短編集なので脈絡なく続きますが、獣人と人間CPが多かったと思います。オメガバではなかったです。
そしてほぼエロです。可愛い表紙のコミックスを買ったらエロ本でした。騙された感が強いです。
その中に良い作品があったとしても、こういうやり方はいけません!
タイトルと表紙で購入した人も多かったと思うんですよね。電子書店にはCONTENTSが載ってるので気がつくかもしれませんが、紙本を購入しようとすると表題作のあらすじしかありませんので注意が必要です。
表題作が丸々読みたかったです。
今作では大分2人の仲は落ち着いていて、甘々な様子が随所で見られました。
相変わらず原が薫のことを溺愛していて、エッチの時にちょっとSが入るのもまた良いです!
朝の行ってらっしゃいのチューとかまさに新婚さんなんですよ。
原と赤い糸が繋がっていた上司は撃退しましたが、原は元来モテモテなんですよね。
デートに出た際に偶然出会った同僚女性たちの話を聞いて、原を狙ってる女性が多数いると知りましたが、前と違うのはちゃんと恋人がいるからと牽制する強さが薫にありました。
今までのように諦観して悲劇のヒロインよろしく落ち込む薫はそこには居ませんでした。
そして、そんな薫に目が♡になった女性にすかさず釘を刺す原が狭量で、薫以外に眼中に無いのが凄く良かったです。
今回あらすじにあった薫と同じ力を持つ叔父の一希が登場してましたが、特に動きはないままです。これからこの人の存在が2人にとってどんな作用をもたらすのかドキドキしています。
初めて登場した時の薫もですが、この叔父もかなりチャラいです。かなりイラッとしました。www
うーん、ここまで来ても葉はグダグダぐるぐるしているのかと呆れてしまいました。クローゼットゲイは沢山いると思いますが、あの自信の無さは個人の資質だと思います。
そこに当て馬であるモデル仲間の大園を持って来るのは、後々の展開に必要だとは思いましたが簡単に連絡先を交換する葉にかなりモヤリました。仕事柄拒否が出来なかったと思っても、相手がビジネス目的じゃないと分かった時点で躱すことは可能だったと思うんです。社会人ですからね。
それに大園が葉に近付いた目的も、17歳の男の子に対して恥ずかしいと思わないのかなと考えてしまってお話に入り込めませんでした。恨むべきは彼女であって臼井では無いと思うのです。
評価を萌2にしたのは臼井が葉に対しての気持ちを認めたのと、ずっと忘れられなかった理由を話してくれたのと、大園に謝ったからです。あの時の大泣きしてた葉が記憶にあった真相には、ギュンと来たし中立まで下がってた評価が萌2に上がるほど萌えました。
ただ、その後の2人のお話を読んで臼井は納得してるものの、人間ってそんなには変われないんだなと思ったので神まで上がりませんでした。
やっぱり葉は苦手なタイプの人でした。
吉田ゆうこ先生の作品はもっと読んでると思うのですが、ちるちるにレビューが残ってるのは「ミックス」だけでした。いつも試し読みを読んでみて苦手そうな内容なので、あまり購入した事はないんです。
痛い作品は嫌いではないのですが、吉田作品の展開は個人的に苦手なのと登場人物に好感が持てないのが理由でした。
けれど上下巻同時発売なのとコミコミさんの特典に釣られて今回は購入してみました。
上下巻読みましたが上巻のみの感想を書きたいと思います。まず、葉の性格が好きになれなかったです。優柔不断というか流されたかと思うと変な生真面目さがありました。
個人的には元カレの先輩が1番最低な人間だと思うんですが、結婚の決まった彼に嫌がらせや嫌味のひとつでも言えるような性格ならば、葉もずっと引き摺らないで次の恋に進めたと思うんです。現実でもああいうノンケに泣かされるゲイは多いんだろうなと思うと、葉は幸せを願ってたけど私は彼に酷い目に遭って欲しいとさえ思いました。
そしてこの元カレと葉に言いたいのは、臼井はまだ17歳だということです。いくら冷静に見えて大人っぽくても17歳なんですよ。
いっぱいいっぱいの葉には相手の年齢が17歳だという事が慮ることが出来ないのです。
この正反対の2人がぶつかり合って遠回りしながらも距離が近付いて行くのが堪らない方もいると思います。でも、私はどこか冷静になってしまって萌えられませんでした。