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女性窓月さん

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キャラ萌えできず

新聞社シリーズ第4作目。

3作目で予想していたカプは大外れ。まだまだ修行が足りませんね笑

ぐいぐいと引き込まれるストーリー展開だったし、文章もとても好みなんですが…、BL的にはもう、笑えるくらいわたしには向いてないみたいです、このシリーズ。

明光新聞の社員、和久井視点です。
和久井がスピード証明写真の撮影中、酔っ払ってブースに乱入してきた有村と出会い、離れ、17年後に再会する長尺ラブストーリー。

二人が出会った時、和久井も有村も25才の同い年。前作『ステノグラフィカ』のメイン、西口の3年後輩にあたるので、西口たちもまだ20代だった頃に遡ります。

正直、ここまでストーリーが面白いと、BL要素はなくても…と思いました。BLにキャラ萌えとエロを求めている読者としては、受け攻めにハマれなかったら、ストーリーやエロがどんなに素晴らしくても読後は微妙なんですよね。

有村はシリーズの中で最も苦手な受けでした。思春期にゲイだと自覚して、初恋の先輩を追って同じ製薬会社に入社。和久井のことを利用して内部告発を成功させ、一度だけ和久井とセックスして姿を消します。

和久井も有村もお互いが忘れられなくて、17年後に偶然再会。有村の方から会いに行ったようなものですが…、その後は二人で幸せになることを許される…。

有村の望みが全て叶えられているのは、ひとえに和久井が彼に惚れていたからだけれど、わたしには有村の魅力が全くわかりませんでした。

有村が好きだった生駒先輩の妻もしたたかな女性で、逞しすぎて少しだけ引きました。有村と妻の感覚は頭では理解はできても、気持ちがついていかなくて。けれど皮肉にもラブストーリーを成就させるためには必要な過程だったんですよね。有村って悲劇のヒロインに見えながら、しっかりと地に足をつけて強く生きていたんだなぁと思いました。

最後の方、和久井が有村の好きなところを告げるセリフがあるけれど、このシーンはなんだかずるいです。有村の方が先に自分はずるい人間だと言っちゃうんですよね。その、そんなことないよ〜待ちのスタンス、相手のツッコミを封じるための女子の必殺技ですから笑

なにはともあれ、和久井は有村にメロメロなのでした。彼の方は17年間、海外の国々でどんな生活を送っていたのか知りたかったな。それに伴う作家様のオタク並み知識を読んでみたかったです。

新聞社シリーズでキャラにハマったのは2作目の佐伯密だけでした。他は受けが男性を装った大和撫子みたいで…。エロも毎回ブレるというか安定感がなくて、作者独自のクセがあるわけでもないので、個人的にBLとしての満足度は低めでした。

ですが、しっかりとしたストーリーや素敵なエピソード、豊富な比喩表現を楽しませてもらっているので、両者のバランスが好みだったらなァと、読後は毎回モヤモヤします。

攻めをめぐる女のバトル

新聞社シリーズ第3作目。本作を最初に読んでシリーズと知ったにもかかわらず、リンク作を読む気になれなかったのが再読してよくわかりました。

本編は国会速記者、名波碧視点のラブストーリー。昼時、議事堂の食堂で頻繁に居合わせる男の声に惹かれ、意識するようになった碧。自分の手作り弁当がきっかけで、声の主、明光新聞記者の西口と言葉を交わします。

西口は前作『off you go』のメイン、佐伯と静の同期。44才バツイチ独身で、碧は26才なので年の差ものです。

前に読んで記憶に残っていたのは、料理上手な碧のお弁当やごはんがどれも嫌味なくらい美味しそうだったことと笑、オースターの小説が出てきたこと。印象としてはしっとりとして静謐なイメージでした。

再読しての収穫は、雰囲気は変わらずに好きだけど碧と西口が好きになれなかったこと、『ムーン・パレス』、次作のメイン候補の目星がついたことと女性キャラが不憫に思えたこと。

碧は作者の描く受け像の中でも個人的に苦手なタイプなので、彼に惹かれる西口とそのキャラにも萌えられませんでした。以下は不愉快になられる方がいらっしゃるかもしれないので、自衛してください。

碧と西口の部下のすみれは互いに尊重しあっているように描かれているけれど、腹の中でマウントの取り合いしながら、あの人にはあなたみたいに品があって家庭的な人がお似合いよ、いいえわたしなんか地味だし家事くらいしか能がないし、男社会で対等に渡り合っているあなたの方が相応しいわよ、的な女同士の静かなる攻防にしか見えませんでした。

このお話、西口が最終的に選んだ、彼にとっての理想的な女性像を描いたものだとしか思えなくて。西口はノンケです。性別関係なく碧だったから好きになってエッチにまで至るのは、西口が男の碧に元妻の沙知子には無かった魅力を見出したからですよね?なのに沙知子と碧が一重まぶたの控えめな顔立ちで、見た目に共通点があるなんて情報を加えた作者の意図がよくつかめませんでした。

読みながらモヤモヤし続けていたのですが、沙知子の顔写真を見て碧が抱いた、そこだけ妙に男目線な感想にモヤモヤゲージが振り切れてしまいました笑

碧が沙知子とすみれに嫉妬できるのは、彼女たちと同じ土俵に身を置いているからですよね?そのくせ自分が男であることに自信のなさを感じている碧には、同性であることを逃げ道にしている一束と同じずるさを感じました。

碧が西口の誤解を早いうちに解かなかったのも理解に苦しみます。好きなら好きと相手に伝えて、ウザがられても仕事ぶりは変わらない、すみれの方がよっぽど好感が持てました。終盤に起こしてしまった業務上の失態は、彼女が女を利用するキャラだとは到底思えなかっただけに残念でしたけど…。

BLにでてくる勇ましい女性キャラは大好きで、彼女たちの役割も承知しているけれど、この作品での扱われ方は疑問でなりません。受けを際立たせるために女性キャラの立場が貶められているように思えて、読むのが辛くなりました。

巻末SSは西口視点。ある意味女性が苦手な者同士、理想的なお相手に出会えた二人を素直に祝福できたらよかったのですが…。

佐伯に萌える

新聞社シリーズ第2作目。前作で妙に存在感を主張していた佐伯のお話でした。シリーズなのでリンクしていても当然なのですが、彼がスピンオフ候補になると思い至らなかった自分は迂闊でした。よく考えると確かに彼しかいないですよね…。

佐伯と妻の十和子、十和子の兄・良時の関係性を描いたもの。

『is in you』で爪痕を残していった、あの「佐伯」が香港から日本に戻ってきてからのお話だったので、めちゃめちゃ興奮して一気に読み終えました。

佐伯(以下、「密」と記)の背景を知れば納得の、それはそれは倒錯的で強固な絆を三人が密かにシェアしていた事実。このトライアングルはわたしにとってBL的に難易度の高すぎる設定だったけれど、むちゃくちゃ萌えました。

密と良時は同い年で40オーバーのおっさんず。明光新聞社の同期というだけでなく、小5からつきあいのある幼馴染みのような間柄です。

生まれつき病弱な十和子が入退院を繰り返していた病院で、喘息持ちの密と同室になったのが出会いのきっかけでした。その頃からすでに密の人格は仕上がってましたね笑

語りが三人称なのでストーリが進むごとにそれぞれの思いを垣間見ることはできますが、巻末収録のSSのひとつ、「I L××E YOU」を本編に組み入れて時系列を入れ替えたら神だったかもしれないと思いました。早い段階である程度ネタバレをにおわせてもらった方が、やっぱり!と萌えがより強く感じられることもある。重めのこのお話もそちらのパターンで読んでみたかったです。

密が胸の奥にしまいこんだ思いと、良時の無自覚だった密への気持ちが十和子の婚約シーンでほのめかされた時、不意をつかれてゾワ〜っとしました。密の父親が亡くなった時のエピソードでは萌えMAX!!もう、これだけで萌え満タンでした。

二人は本編でセックスしてみせなくても全然よかったかな。BL的には必須だからしかたないけど、むしろ二人の生々しいセックス見せない方が逆にエロかったかも。セックスしなくても互いを強く欲しているメンタルの部分が十分に伝わりすぎているので、BLではあるけど本編の二次創作でエロ妄想したい尊さでいっぱいっていうか…。SSの「off we go」でその願望が叶ってしまうのが嬉しすぎました。

二人はいい大人なので冷静なエロ目線がしっくりくるし、一つひとつの行為に余裕はあっても、気持ちには余裕がない良時のギャップがたまらない。他のSSを読み進めるたびに佐伯に魅了され、あとがきの彼に撃ち抜かれてしまった…。

このレビューを書きながら思ったのは、エロがなくても萌えられるのに、エロが入るとなぜか萎えるというBLにあるまじき破格の法則。考えすぎた上に奥が深すぎて混乱してきたので、平和なエロエロが読みたくなりました笑

ドロドロしててもきれいに見える

個人的に当たり外れがあるけれど、心象風景や比喩表現において作家様の卓越した表現力をリスペクトしています。繊細な作風もすごく好きだし、読むたびに知らない世界を教えてくれるんですよね。うーん、でもキャラやエロでハマる時とそうじゃない時の落差が激しすぎて、正直購入時はどっちの結果となるのかいつもドキドキします。

新聞社シリーズの第1作目。かなり前に『ステノグラフィカ』を読み、シリーズと知りました。お仕事ものが好きなのでシリーズ買いしてみたけれど、本作は受けが苦手でした。それとクセの強い佐伯が…。

香港からの帰国子女、一束と水泳部に所属する先輩、圭輔の再会もの。

二人は高校1年と3年の学年差で出会い、圭輔が卒業してから13年後に香港の明光新聞社支局で再会します。高校時代の二人が少しずつ打ち解けていく様子にめちゃくちゃ萌えたのに、キスシーンから気分的に急降下。以降低空飛行が続いてしまいました。

香港編では現地の人々とのやりとりが広東語でも表記されたり、さりげなくオススメ観光スポットが紹介されたりと臨場感があって楽しめました。その一方、ラブストーリーとしては、マスコミ向けのコーディネーターとして支局部員と共に働く一束が、支局長の佐伯と関係していたことにまず萎え、佐伯の後任として配属された圭輔が二人に煽られて…という展開に完全に打ちのめされてしまいました。出番は少ないのに強烈だった佐伯のせいかな?

一束の、根が優等生のくせに悪ぶりたがるところも、周囲に馴染めないのは自分がその他大勢とは違うからと優越感に浸っているところも、高校生ならしょうがないです。だけど大人になっても自分をぞんざいに扱って強がっているように見えるのは、失恋の痛みから抜けだせていなかったからとわかると、急にヘタレ感が増します。しかも先輩と再会するまでの間、いけないことをしている罪悪感が中途半端で、いつでも逃げる気でいるくせに、つれない相手を責めたい気持ちも半分。悪者に徹しきれないまま、恋愛のおいしいところだけを食べようとしてるんです。

切れ者だけれど自己本位な佐伯は仕事面では魅力的ですが、それ以外だと時に幼稚に成り下がる危うさがあって、深入りするとヤバそうな男でした。ですが、一束も佐伯も、束の間の現実逃避をするのにぴったりなお似合いの二人だったとしかいいようがありません。あれ?メインカプよりも語ってますね笑

圭輔は社会人になっても高校時代の前向きな日なたキャラは変わらずで、ほの昏い二人とは対照的。だからこそ、一束は救われていくのですが、読後感は鬱でした。

なにより一束、圭輔、佐伯がノンケじゃなかったことがショッキングで。一束と佐伯がそれまで男と寝たことがなかったのに一束が現地妻って…、なんのそぶりもみられなかったので、エエエーッ!!!ってなりました。

巻末SS「is in me」は里帰り編。圭輔が大阪人だったっていう意外な事実が。彼の明るく男前なキャラは西仕込みだったんだなーと。

飼い犬のみかんになごみました。高校時代にちょっとだけ登場している圭輔の愛犬です。他にも本編の方で描かれる、教科書の切端のエピソードなどもグッとくるものがあって、そういったラブ以外のシーンはツボを外さないのですが…。

SSでもやっぱり一束が苦手でした。圭輔が一束をかわいいと感じるポイント自体はわかるんですけど、どうも日蔭の女感が抜けなくて。

友だちで仲間で…

今作はタイトルで即買いでした。親友ものが好きすぎて、素材の味付けや盛り付け方で作家様の解釈や親友萌えポイントを読み取ったりするのが楽しいです。しかも、二人の高校時代をしっかりと描いてくれている本作は、DK萌えにはたまりませんでした。

冒頭の一行で掴まれたのは久しぶり。高校生にしてはモノローグでチョイスされる抽象的な言葉が大人びていて、侑志がお勉強のできる子だという裏付けなのかな?しかも彼の聡い性格をよく表していて、それが恋愛ではあだとなってしまい、自爆の道を突き進んでいくのです。

恋をすると自分の感情というか、萌えでいっぱいになっちゃって、明らか変なモードに入ってる。気持ちを抑えていても周囲にはバレバレだし、相手に嫌われたくないから諦めようとしたり、その実相手も自分のことを好きなんじゃないかと期待したり…。

そういう片思いのグルグルが高校生1生から8年後まで丁寧に描写されています。なんたって小3からずーっと清光のことを思い続けている侑志を応援してあげたくなってしまって、みっともなくたって大丈夫だよー!って最初の一行目から沿道で旗振ってました笑

電車の中で清光の耳に欲情するシーン。作家様の性癖が光っていて萌えますよね♡

好きになったら相手のリサーチに抜かりがなく、とことん付き合ってあげる尽くし系キャラ(別称ストーカーともいう)を、変態スレスレのラインで描いてしまうところが魅力です。その重すぎる侑志の愛をしかと受けとめた清は、自称脳筋でよかったのかも笑

恋愛パートで萌えたい読者なのでそこばかりに触れてしまいましたが、二人は元サッカー少年。プロを目指していた清光がケガで苦しみ、彼をサポートしていきたいとトレーナーの道を選んだ侑志が、社会人になってからも仕事で関わりあっていくことになる、お仕事BLとしても楽しめます。

エッチは最後に二回ありますが、9割方、心の動きや人間関係の描写に費やされた後に持ってこられた分、濃く感じました。ひゃ〜。初めて繋がる時ってやっぱり萌えますね〜!

一緒にいて楽しい、ずっと一緒にいたいっていうシンプルな気持ちがどうか消えないように…なんてこの二人に心配は無用かな?親友で仲間で恋人って最高です!

レオがまた素敵なキャラなのになぁ〜。受けの思いの強さを証明してくれた彼にも誰かいい人見つけてあげて欲しいです。

あとがきで気になったことなのですが、再会ものの過去シーンって求められていないのでしょうか?むしろ、そこがわたしにはおいしいところなんですが…。

本作は高校生編と社会人編の両方ガッツリ楽しめて読み応えがありました。古澤エノ先生が手掛けられた、きれいでカッコいい男子たちの挿絵も、読後に何度も見返してはニヤニヤしてしまいます。

たづくり米のおにぎり食べてみたい

タイトルからはピンとこなかったけれど、今回はカンペキ帯買い。帯の惹句だけで勝手にストーリーを妄想して、何も知らずに読み始めるのが好きです。

カバーイラストからキラキラなアイドルを想像して、表紙をめくって口絵を見ると田んぼに立ってる…

アイドルはアイドルでもご当地アイドルのお話でした。ストーリーも手堅くきっちりとリアリティがあって、過疎に悩む町vs観光業・地元産業に恵まれている隣町との構図とか、町おこし企画がどうやって進められているのかなど、地方が抱える切実な悩みをさりげなく盛り込んでくれていました。

その真っ只中で真摯に頑張る人達に訪れたラブストーリーとしてこのお話を読むと、ご当地アイドル企画を引き継いだ田造市職員の周太がどんどん魅力的に見えてくる。自信がなくてオドオドしてて、女の子と付き合ったこともない、冴えないクンなのに。本編は彼視点で進みます。

田造市の町おこしPRを担ってくれるご当地アイドルオーディションに応募してきた中村秋楓。隣の大実市出身の大学生がなぜ?

好青年でやる気の秋楓はすんなり採用され、企画は無事スタートします。当初、アイドル担当は周太の幼馴染みのいっくんと秋楓の二人だけだったはずなに、なぜか周太もアイドルに…!

アイドル奮闘記かと思いきや、秋楓が周太に向けるにこにこスマイルに恋の予感がチラチラ。本編では終始穏やかで大人な秋楓ですが、本篇後の秋楓視点「たづくりで会いましょう」で見せる本心が面白い笑

久我先生の年下攻め好きだなぁ…。

地味にキュンキュンしました。そして地味にエロかった。秋楓が周太に対して関西弁での丁寧語をずーっと崩さないところとか、善良な人たちの節度ある距離感からいきなりエッチで親密になっていく描写に、萌えをつんつん刺激されました。あと、ビデオ撮影中の周太たちに声援を送ってくれる子連れママさんの、ちょこっとしたシーンも好き。

久我先生熱が再燃しそう…。

(※後日レビュータイトル変更しました)

城下の白鳩 コミック

野木薫 

受け攻めの妄想も膨らむ

小説のイラストで先に知った作家様です。カバーイラストやレーベルから、すっごく期待していました。

線が細いのに表情豊かな絵柄がとっても好みです。伊東七つ生先生や青井秋先生が大好きなので、またアーティスティックで個性的な世界観を描いてくれる作家さんが出てこられた!と興奮気味に読み始めましたが、正直一読だけではストーリーがよくつかめませんでした…。舞台となっている時代や国は明記されておらず、知識がないのでなんとなく中世ヨーロッパ?といった雰囲気で楽しませてもらいました。

宮廷お抱えの吟遊詩人・ネロと、移民で薬師・エルヴェのお話。二人の出会いは偶然の一瞬でした。ネロはエルヴェの珍しい瞳の色がずっと忘れられずに探し歩き、彼が営む薬屋を突き止める。エルヴェはネロ・イストリオという見ず知らずの詩人の歌声に魅了されていたところ、それが毎日自分の店に押しかけてくる騒がしい男のことだったと知る。とても萌えるシチュエーションでした。

ネロがいろんなギャップを詰め込んだカリスマキャラ。芸術的才能があって武術も長けていて、アグレッシブで楽天的で、その上美人で…恐れるものがないからこそ危なっかしい。そして何かに興味を持ったらなりふり構わず追いかける。こういう人、憧れちゃうよなぁ。

そんなネロにロックオンされてしまったエルヴェは、ネロの才能もさることながら、キャラに毒気を抜かれちゃったというか、その無邪気で衒いのない部分にやられちゃったんじゃないかな。エルヴェに会いにくる時のネロはいつも鳩の羽やらフンやらにまみれていて、あげくには三つ編みの間から鳩が出てきちゃうとことかかわいい笑

「コロナエ・ミルトス」編では二人が接近してしまったゆえに危機が訪れます。ネロの機転で悲劇は免れますが…。

このエピソードがちょっとわかりづらくて、エルヴェは薬師の免許を剥奪されても職は終われなかったし、ネロも詩人として舞台を追われることはなかったんですよね。ハラハラさせられますが、鬱展開には至りません。

番外編ではどうやら二人は半同居状態の様子。そこでもネロのやんちゃぶりがうかがえて微笑ましいです。その後もずっと尻に敷かれ続けそうなエルヴェ…。

風景や衣装が綺麗だし、お手入れが大変そうなネロの長髪も二次元だから許される美しさ笑

カラー絵だとネロはブルーがかっているけれど、本編のモノクロ画では個人的にイエローベースの色白さんでイメージしてました。とにかくネロが麗しいです。

たまにセリフが現代的すぎるのと、吹き出しが細切れでわたしには少し読みにくい違和感がありましたが、お話全体の雰囲気は好きでした。

ラブストーリー好きにはたまらないお約束!

弁護士シリーズ3巻目は、准己と啓の両視点で描かれたクライマックスです。

「you send me love」(本編)に添えられたあさとえいり先生の扉絵に思わず目を奪われてしまいました。大学時代のひとコマで、講義室で友人に囲まれている准己を離れた席から啓が見つめているシーン。ここから二人は始まっていたのかなー?なんて妄想させてくれます。

准己は啓が引き受ける相談案件にいつも不服で、新たに請負った債務整理の依頼には大反対。いくら大事な同僚とはいえ、仕事ばかりかまけている啓のフォローにも我慢の限界にきていました。

啓は苛立ちつつもさりげなく助け舟を出してくれる准己に感謝しているけれど、仕事終わりの食事の後や呑んだ流れで准己に抱かれてしまう自分が情けない。本当は仕事の話をしたいのだけど…。

相手のことを思い合っているのに、ちゃんと話し合いができないせいで、ついにお互いが触れないようにしてきた不満をぶつけ合います。

そんな二人の不穏な空気に呼応するかのように、啓が担当している依頼者の身に危険が及び、さらには二人にも…?

作家様の作風とイラストのおかげで、最後は穏やかな気持ちで読み終えられると思います。色々起きても、ラブにはちゃんとキュンキュンさせてくれると保証したいのですが笑

メインカプが輝くのは、各々のキャラはもちろん、彼らの家族や二人が過去に関わってきた人たち、そして今後関わっていく人たちとの出会いや別れがあってこそなのだろうと、あらためて思わせてくれた作品でした。

最後の「siesta」は、准己の願いが叶った二人の温泉一泊旅行編。これはラブエロなので、存分に楽しみましょう〜。作者のエロはそこだけストーリーから浮くことがなく、受けが楚々としていてすごく好きです。

視点が変わって…

うえだ先生の弁護士シリーズ、2巻目です。

どの巻から読んでもわかるように書かれていますが、ナンバリングされているので、1巻から読んだらより楽しめると思います。2巻は美人で天然気味、だけどしっかりと芯の通った啓視点です。

啓と准己が所属する田上法律事務所は、どこにも引き受け手がなくて行き場のない依頼者が最後に駆け込んでくるような小所帯。田上も啓も、採算度外視でどんな小さな依頼も引き受けて事務所を回してきました。

そこに有能な准己が加わり、啓には欠けていた部分を補ってもらうことで、仕事とプライベート、どちらにおいても准己は大切な存在となっていきます。

依頼案件と二人の恋愛の絡ませ方が巧みだなと思います。依頼者と啓の境遇が似ていることに准己が心を動かされて、啓が担当しているのに色々アドバイスしてあげたくなっちゃうんですよね。でも、准己はプライドが高い俺様なので、終始「仕方なくだぞ?」みたいな態度を崩さない典型的なツンデレぶり笑

2巻の後半は甘めなエチで、わりと支配的な准己に啓が翻弄されるような流れです。啓は准己を尊敬していて、仕事上サポートしてくれることに感謝しているわけですが、それだけで恋に落ちたわけじゃない。啓も准己に真摯な思いを寄せているだろうことは、啓に浮上したお見合い事件によって明らかになっていくのですが…。

このお見合いに対するリアクションが後々尾を引くことになるとは准己も思ってもみなかったことでしょう。それ以外にも啓には准己に募らせる小さな不満が…?

啓のおおらかさにまぎれてなんとなくラブラブな感じで終わる2巻ですが、まだ一波乱ありそうな予感。気になったら3巻へGOです!

しっとりと読ませる、恋とお仕事もの

全3巻構成の、読み切りをまとめたシリーズ化作品。うえだ真由先生好きなんですが、読みたいのに限って電子化されていないのが悲しいです。本作は紙でもまだ販売されていますが、重版がかからなければ新品入手は難しくなりそうですね。

弁護士たちのお話です。ラブストーリー色が強い方が好みの読者としては、これくらいのラブ度があると萌えるお仕事BLです。かといってラブエロ全面ではなく、彼らが依頼される厄介な案件もきちんと業務として遂行されていくので嬉しいバランスでした。

大学時代に同級生だった准己と啓。1巻は准己視点、2巻は啓視点、3巻は両視点で描かれています。

二人は同じ法学部で同級生だったにもかかわらず、全く被らないグループに所属していたため、ゼミで顔見知りではあったけれど接点はなし。准己は父親も弁護士のエリート育ちで、在学中に司法試験をパスした優秀なトップクラス。啓は高校生の時に父親を亡くし、苦学しながら人助けがしたいと弁護士を目指す、地味な努力家でした。

准己視点から語られるっていうのにまず掴まれます。なぜ、有能かつ合理的、しかも超プライドの高い彼が、下町にある事務員も雇えない弱小法律事務所に助っ人として入ることになったのか。その意外な理由が、仕事を通して彼自身にも読者にも明かされていくんですね。

入所したての頃は、准己がそれまでいた大手とのあまりの落差にショックを受けたり、同僚の啓と意見が合わなくて衝突ばかりでしたが、啓にはどうしても甘くなってしまう准己なのです…。

後半は准己ジェラシーメラメラです。啓の元カノ?にやきもきして、彼女の粗を探すところがなんだかかわいくて笑っちゃいます。あんなに完全無欠なイケメンなのに、自信もあるはずのに、彼女と自分と比べてイライラ。異性ではなく同性だからこそ、より不安なのかな。恋をする人の心情に触れて萌えたいわたしとしては、准己のやきもちシーンを大いに楽しませてもらいました。

他方、啓が准己のことをどう思っているのかについては、エッチシーンで察するしかありません笑

うえだ先生のエチは上品です。イラストがあさとえいり先生ですし、最高のコラボ。どちかといえば、フィクションだからこそ美しいものが見たい派なので、綺麗な人たちの絡みに癒されるBL作品として好みにピッタリでした。

啓の心情が知りたくなったら、2巻へGOです!