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エキスパートレビューアー2020

女性窓月さん

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受けがあざとい

Dom/Sub開拓で購入。申しわけないですが、わたしには合いませんでした。「しゅみじゃない」寄りです。

日常系Dom/Subユニバースにまだ馴染みがないせいか理解が追いつかないところがあったのと、個人的に受けが女性的に感じてしまって、なかなか読み終えられませんでした。

受け視点で進みます。元来ニュートラルだったはずの受けが成人してからサブに変異して戸惑っていたところを、年下部下でドムの攻めが上司の受けをフォローするところからお話は始まります。攻めの提案で二人は期間限定のパートナーとなりますが、受け側の誤解と思い込みですれ違い、最終的に本物のカップルになるというハピエン。

教科書みたいな流れで先が読めてしまうのはいいのですが、展開がわかってても読み手にそう感じさせないで欲しかった。終始Dom/Subの解説&恋愛感情の解説といった印象が強いためお話に入りづらく、受けが攻めの言動をモノローグで逐一説明してくれるのも萎えてしまったところでした。

どうしても二人の関係が男女のソレと変わらないような気がしてしてしまったのは、受けのキャラが苦手だった自覚はあります。作者によると平凡受けらしいのですが、わたしにはどうしても鈍感受けとしか。でも攻めからの好意にはなにげに敏感だったりして笑

自分が職場で女性からアプローチを受けていることに気づかないくせに、攻めがその女性を牽制していると察して嫉妬してる?と思っちゃうシーンなんかはもう、うーんこれBLだよね?って。BLの嫉妬描写は読み手にしかわからない方が個人的には萌えやすかったのもあり、今まで読んできたのが大体そのパターンだったので新鮮だったともいえますが。

プレイを試してから攻めへの好意を自覚しちゃうところも、ヘテロだったのに急に同性愛に目覚めるところもテンプレなんですけど、なんていうか、受けが攻めの好意を嗅ぎ取っているので、わりと無自覚にガツガツ行くんですよ。(←こういう受けが苦手なのかも…)

受けは女性部下の平塚に気遣いができたり、男性部下の沢田の発言をセクハラ認定したり、セクシュアル&Dom/Subマイノリティに理解のある上司というキャラで登場したけれど、いざ自分の身に不調が起こってもなんの疑いも持たなかったうえに、自分がSubに変容したことにショックを受けます。

立場と年齢だけ攻めより上な受けが、ハイスペックな攻めに甘えて仕事とプライベートのうまく折り合いがつけられないのって、ギャップ萌えでもなんでもなく、シンプルに男性として魅力的だとは思えなかったんですよね…。しかも、攻めとの関係解消期限が迫ってくるとマッチングで他のドムを探すくだりは、そんなに焦って探すこともないだろうに、相手の気を引くためにわかっててやってるの?って笑

ニュートラル8割の社会で、第二性の中途変異はどれくらいの確率で発症し、そういう人たちの位置付けはどう捉えられていて、保障や救済の対象になっているのか?それともまだ顕在化しておらず、ようやく認識されてきた段階なのか?そのへんについてもっと情報が欲しかったかもしれません。

そもそも、受けがサブドロップしてしまうきっかけとなってしまった、公共の場でのプレイまがいの行為。その危険性についてもモラル的にどう扱われているのかあやふやでしたし、セクシュアリティとDom/Subの兼ね合い、そして社会的認知度がはっきりと示されていないので、人物たちのリアクションに対する正解がわからなかったのが残念です。

男は男らしく、女は女らしくという考えは古いとか、差別はよくないよっていうのが作者の意図するBLなのだったら、もちろんわたしの読み方が見当違いなだけです。

電子版に収録されているSSも受けを女性としか見られなくなっているので萌えられず、、他にも色々しっくりこない点があって、正直頑張って読み終えた感じです。すみません…。

すれ違いに萌えました

舞台が20世紀初頭のパリというドラマチックな予感しかしないところと、感傷的なタイトル、それからyoco先生のイラストに惹かれて購入しました。

歴史とオメガバースを融合させたファンタジーが好きなのですが、本作は設定がとても自然に溶け込んでいて読みやすかったです。

物語の始まりはドイツから。

没落貴族のレオンと土地貴族で裕福な生まれのアレク。二人は6才の時、アレクの家が催したパーティで出会います。その後ギムナジウムで再会して親友になり、第二性が確定する年頃になると、レオンはオメガ専用棟、アレクは上級生棟に分かれて寮生活を送ることに。一緒に過ごす時間がなかなか取れなくなってしまった二人は、すでにお互いを意識するようになっていました。

レオンとアレクは成長するにつれ、家族とのしがらみや時代の趨勢によって幾度となく妨害に遭い、運命に翻弄されていきます。もう、めちゃくちゃ劇的で波乱に満ちたラブストーリーでした。

すれ違ってばかりの二人に歯がゆいほど切なくさせられるけれども、「運命の番」をテーマにしたお話なので、初めて出会った時から惹かれ合う気持ちはずっと変わることはなく、最後はハッピーエンドです。

すれ違いが大好物なので、寝る前に読み始めてしまって、止まらなくなっちゃって…睡眠時間がー!笑

ギムナジウムを卒業する直前あたりからどんどんアレクの真意がわからなくなっていって、実際何が起こっていたの?卒業後彼はどうしていたの?と、今回もハラハラキュンキュンしまくりでした。

一気に読み終えてしまうくらい物語の世界に没頭していたのですが、正直にいうと個人的にオメガバースの苦手な点がとあるエピソードの演出に使われていて、モヤモヤしてしまったところがありました。レオンからするとアレクが番ってしまったユーイのやり口がね、それ女の常套手段じゃない?って。

昔の昼ドラ系は嫌いではないけれど、恋敵への切り札に「妊娠」(しかも男の)とか出されちゃうと、わたしには違和感しかなくて、、。ジェンダー縛りがリアルと変わらない世界観でBLが成立するシチュエーションって、男×男感が薄らぐような気がしてならないんですよね…。

『夜啼鶯は愛を紡ぐ』のような雰囲気が大好きだったので、海外を舞台にした今作もすごく好きなんです。

けれど、引っかかってしまうのは、アルファかオメガの子供を産むことが生き残るためのアドバンテージとなる優生思想的な世界観の中で、「運命の番」がやっぱりそれを継承していくことになって終わるという結末。

オメガバースなわけだから当たり前なんですけど、たまには歴史の流れを変える希望をにおわせるような、王道から一歩前へ進んだ境地が見てみたかったような気もしました。

可愛いのに仄暗いエロス

読み終えたくなくて、ゆっくりゆっくり読みました。これが作家様の二作目だったんですね〜…。先に『黄金のひとふれ』を読んでしまったけれど、あー、なぜデビュー作で挫折してしまったんだよ自分!ちゃっちゃと次にこれを読んでたら一気に落ちたんだけどなーってめちゃくちゃ後悔してます。うん、こういうのはタイミングだと思おう。

律視点で描かれる本編は、なぜ久弥がなにも言わずに突然自分の目の前から消えたのか、その理由をずっと確かめたいと思っている状態がストーリーの推進力になっています。なので、律の方が久弥に執着しているのだろうと思いきや…、終盤で久弥側の思いが明らかにされていくにつれて、さざなみのようにゾワゾワと肌が粟立つような感覚に陥り、やっぱりな〜、でもうまいな〜と惚れ惚れしました。

現在と過去を交互に織り交ぜ、二人の間に起こったできごとを読み手に少しずつ伝えてくれるんですけど、わたしは読んでいてなんなのこの可愛い子たちは!ってなってしまって、最後の最後までこの二人の醸し出す小さな箱庭のような世界に入り浸りたっていたいなぁと思ってしまうほどでした。

攻め受けともに20代前半くらいとまだ若いので、どちらかが高校時代の短くて濃密な時間に縛りつけられている様子にリアリティがありました。年齢設定が絶妙で、子供っぽくて純粋な受けと、死に魅せられた危うい攻めが惹かれあい、生きていく上での避難場所を互いの中に見出していく過程がゆっくりと丁寧に描かれていきます。

夏休みに二人で海に行くエピソードは、明るいのに悲しい予感を帯びていて特に印象的でした。倉橋トモ先生のイラストがピッタリ!

久弥の孤独をまるごと受けとめる律は、高校生の時からその覚悟をしていたのだろうと思えるくらい、純粋で肝の据わった子でした。作家様の受けは一見ひよわそうなのにメンタルがもの凄く逞しくて好きです。攻めの方がヘタレだったりして笑

なんの雑念もなく、ただ二人が本当の気持ちを伝え合えるまで見守るように読み進められるのって、ものすごく作り込まれているけれどそう感じさせない技術なのではないかと。文章のリズムや、地味に笑えるユーモアのセンスに作家様らしさが出ていて、読むたびになんだか癒される思いがします。

あっ、あと、猫チャン好きにはたまらないお話だと思います!

第4話の扉絵が好き

感動はいつも遅れてやってくるんですよ、なぜか。

恋煩シビト先生の作品って、読んだ直後はへーと思うんだけれど、しばらく経ってから突然天啓のようにズガーン!と降りてくるものがあるんですよね。なんでだろ笑?

最初は古典的な設定だなと思って読んでいました。二人の男の間でよろめく美青年(冬真)の心の動きとか、男を抱く無謀なバイトに応募するノンケ大学生(丈一郎)の軽薄さ、みたいなキャラ付けに目が行きがちでしたけど、これ、海堂先生のお話なのかも…って思ったら急に泣けてきた。

これまでのシビト的トライアングルだと、誰かが犠牲を負うような、どうにも出口が見えない曖昧エンドになりがちでした。だけど今作では、海堂先生が冬真を愛しているからこそ、丈一郎に託すんだ…って思ったら、、、じーん。

家庭でも学校生活でも孤独だった冬真は、海堂先生と出会って救われたのに、その海堂を事故に遭わせてしまった(と思い込んでいる)自責の念に駆られています。海堂は彼をモデルにして絵を描くことで擬似的に「愛し合って」いたけれど、きっと早い段階から、いつかは冬真を思い込みや罪悪感から解放してあげなければと葛藤していたような気がする。

海堂が冬真に抱いていた愛は、二人が出会ってしまった時から恋人同士のものとはちょっと次元が違ったのではないかなと感じています。もしあの事故がなかったら…。4年が経った今ではもう、過去の負い目やわだかまりが二人を結び付けている時間はすでに臨界状態にきていました。海堂は教師の立場で冬真に恋をしてしまった彼自身の罪悪感、そして冬真の望みを叶えられない自分の無力感からも解放されたかったんじゃないかと思う。

それまで海堂が冬真に抱いてきた思いは、まるで子供が独り立ちできるまで見守る親の愛情のようにも見えます。もちろん、出会った頃の恋の名残りを伴ってもいるのだけれど、、終始彼はネガティブな感情を見せないので、全て妄想ですが笑

冬真が丈一郎に惹かれていくのをしっかりと見届けた後の、海堂先生の心中はわかりません。彼が夕暮れ空を見上げた時の表情から読み取ることでしか。

丈一郎が三枚目路線を貫いてくれたお陰で、冬真だけじゃなく海堂も解放された二人の関係性はとてもポジティブで晴れやかです。そう受けとめられるのは、海堂先生の大きな愛っていう視点があってこその新境地でしょうか。『三色混ざれば黒になる』からここに辿り着いたかと思うと、じんわりと込み上げてくるものがありますね…。

お気に入りは線香花火のシーンと、射的の景品です。

ちなみにわたしの中では幸せになった丈一郎はもうどうでもよくて笑、海堂先生推しなので、シビト先生どうか彼のことをよろしくお願いします!

こんなお話が読みたかった

王道設定は何回出会っても飽きません。金太郎飴作家と自虐されようが、金太郎飴に信頼を置いているファンはいます(わたし)。

幼馴染みの両片思い大好物!!年齢不問、赤ちゃんから爺まで、幼馴染みサイコーな読者にはたまらない新刊なのではないでしょうか笑

年齢的にはアラサー同士、子供の頃から家ぐるみで付き合いのある幼馴染み同士のすれ違いが物語の心髄です。

アパレル会社を辞めて祖父母が経営していた手芸屋さんを引き継いだ春音。

家具屋を経営する実家から独立し、自分の工房で家具づくりをしている航輝。

ものづくり大好き!な二人が、お互いのために手作りした会心の作?を贈りあうシーンが本当に素敵です。

古いものや、自然の恵みに手を掛け、工夫をして大切に使い続けること。それから、月村作品には欠かせない美味しい手作り料理や無邪気な子供たち…

人々の、他者を思う気持ちがさりげなく描かれる作家様の作品に自分が求めているのは、こういった部分なのだなぁと実感しました。

日本のどこかの町で、誰かと誰かが恋をして、ささやかな幸せを噛みしめる。特別にしつらえられた世界観や魔法がなくても、こんなにも切ない気持ちと優しい気持ちにさせてくる王道BLなんて、月村作品でしか味わえない。

意外と難しい日常系のラブストーリーをさらりとこなしてしまう作家様はすごいと思います。タイトルのセンスも大好きです!

四作目にして

夕映先生はこの作品から追うのをやめてしまったので、本作から再出発。

ご自身がお好きな題材を基に、丁寧に世界観を作りあげられる印象があるので、そこはとても信頼している作家様です。タイトルやカバーイラストから、どんなお話だろうと期待が膨らみました。

前半受け視点、後半攻め視点。前半では二人のファーストコンタクト、後半では恋に落ちた二人のその後の試練が読みどころでした。江神の祖母が主役のパーティで、「社交ダンスにまつわるエピソード→希望に満ちたエンディング」への流れが最高で、読後感がとても清々しかったです。

身分差からくる束縛と自由のせめぎ合い。初めて恋をして得るものと失うもの。離れているからこそ、気持ちを言葉にして伝えることの大切さ。二人の関係からたくさん伝わってくるものがあり、それらを自然な形で社交ダンスと絡めてくる塩梅が絶妙でした。

杏里が爽やかな子で、読んでいてとても気持ちのいい受けだったので好感度大。だけど、彼も江神も大学生なんですよね。海外育ちの杏里はさておき、江神は老けすぎではないでしょうか笑?やっぱりお家事情ゆえ苦労しているからなのか、三十代後半くらいの俺様攻めみたいなイメージで読んでいて、ハタと我にかえること多々ありまして。

修学院大学のありそうでなさそうな環境がまた個人的に微妙な路線で、きっとこういう文化を残す大学ってあるんだろうなと思いながら、あえてBLのための舞台設定!と言い聞かせて読んでいました。攻め受けが成長するための大事な背景なので…

四作目にして作者の魅力がつかめたような気がしました。作家様にとってもそれまでの地味な作風から脱しようと挑戦をされた作品だったようですね。地味かもしれないけれど『てのひらにひとつ』は結構わたしの中で印象に残っていますが…。

作家との相性をはかるのに最低3冊読むことにしていましたが、4冊目に可能性が出てくるかもしれないとは笑。安易に合わないと決めつけない方が、後々自分の楽しみが広がることに気付かされました。

ありがたい

『彼と任務とセックスと。』がものすごーく好きなので、電子刊行はすごく嬉しい。

作家様のユーモアが端々に漏れてしまっているとはいえ、本編の暗さ重さエロさとのバランスをとってくださる作品群はほんと、なんて素晴らしい文化なの同人って!って感謝しかないです。(追記:作家様Twitterによりますと、初出は商業誌だそうです。すみません…)

タイトルにあるとおり、初恋がテーマ。(としてわたしは読みました)

しかし、ホモソーシャルな "忍者@現代" なんてあからさまなフィクション設定で描かれる「エロでは充足しえない大きな感情を、エロで埋め尽くす」矛盾に、人間の哀切を感じて愛おしくなります…。

重過ぎてなかなか目を向けられない、辛過ぎて気づかないふりをしている激情を、どうにかなだめすかしてやり過ごすには…そんな状況に思い当たる節があるのならば、作中においてエロがどれだけ破壊力があるのか、なんとなく刺さるものがあるのではと。あ、これはあくまで、フィクション上のハナシですよ?

わたしの場合は本編が想像力でもってカタルシスを得られてしまうという地味に怖い作品だったので、六郎太が鵙とラブいその後を過ごしているのを知ってホッとしました。それと、二人が出会った時から桔梗の立ち位置がずっと変わらないのも笑えたというか。

なにはともあれ、『彼と任務とセックスと。』を読んでいて、なおかつ好きでないと意味をなさない短編作品集なのでは、、と思います。

キャラ&カップリングが最高

人気俳優と俳優業に憧れる大学生のお話。年の差もので、素晴らしくよき年上攻めですね。好きな作品です。

芸能一家に育ち、子役から始めた芸歴は35年。呼吸するように演技モードに入ることができるベテラン俳優・岩舘は、姉でマネージャーの絹を通して知り合ったかつての高校生・友理と再会します。大学生になった友理は俳優を目指し、岩舘も出演する舞台のオーディション真っ只中でした。

家族に芸能界入りを猛反対されている友理は、父親を説得させるために現役で東大に合格したガッツのある子。奇跡的にオーディションの最終選考まで通過して無料レッスンを受けられることになったけれど、他の面子と自分を比べて自信を失います。ここまで残れたのはビジュアルと素人臭さを期待されてのことだと。

そんな二人が急遽、同居生活を始めるのですが…

岩舘がめちゃくちゃ魅力的なんですよね〜。BLに登場する俳優キャラには珍しいタイプかもしれない。天才肌なのに柔らかくてちょっと抜けてて、いいかげんでも自暴自棄でもない。キャリアも長いし、絹の教育のお陰もあってなのか、俳優岩舘が世間やファンにどう見えるかを優先しながら生きるのがあたりまえになっているプロ意識。今も昔も男は40からがセクシーだと思っている身としては、岩舘がツボすぎてずっと悶えていました笑

俳優を志す友理は、好きな気持ちや努力だけでは突破できない向き・不向きがあることを若いうちに身をもって思い知ります。でも、途中でやる気をなくしたり、腐ったりせずに最後までやり遂げて自分なりに何かを掴む強い子です。恋愛に関してはうぶうぶなところがまた可愛いくて、あっけらかんと前向きな欲望が若くて健康的で眩しいよ…(イラスト効果も有り)。彼の10年後、20年後がどうなっているのか、ものすご〜く興味あります。

年の差だからこそ補い合えるような関係が綺麗に出てて、カップリングがなんたって最高ですね!

俳優としては充実した人生を送っているかもしれないけれど、素の人生は中身がなくてスカスカだと落ち込む岩舘に、これからも努力して何度でも挫折する自分を姿を見ることで、一緒に人生を経験して欲しいって友理が伝えるシーンなんかもー、グッとくる。

安西作品は、これ一目惚れじゃね?と思いながら読んでるのが結構あって、でも始めは戸惑って素直に認めないんですよね。ノンケなら当然なんですが、そこから恋愛に発展するようでいて、やっぱ一目惚れじゃん!ってなる笑。だからどうも好きになるのが早すぎる〜っていうのと、受けの若干高めな乙女度が引っかかってしまうんですけど、ガチで巧い作家様だと思ってます。

ダーク・ファンタジー

「灰と骸」を読んでいなかったら、このお話で作者様が描こうとしていた萌えを捉えきれなかったんじゃないかな…。それでもわたしには難しすぎて、攻め受けの愛の形が理解できたかというと、うーん…(←できていない)

聖職者(カトリック?)の黒歴史を背景に、異種間の(性)愛を描くなんてBLにしかできないですよね。

冒頭、悪魔を呼び出す儀式から始まって期待感にゾクゾクしましたが、主人公・ルカの抱えている秘密がなかなか明かされなくて、それがちょっとストレスになってしまったような気がします。

東欧の小国にあるトランダフィル・ネグル修道院。村人から崇められている最高責任者の司祭・オルマンは、夜になると修道士ルカを伴い、地下聖堂で悪魔と契約を結ぶための黒魔術を行っていました。失敗を繰り返す中、禁忌とされる黒薔薇召喚に踏み切った夜。見事に術は成功し、悪魔・ガルバスが出現します。ところが、秘儀の準備段階で生じた小さなミスにより、悪魔の召喚者がオルマンではなくルカとなってしまったことから、事態は不穏な流れに…。ガルバスの姿はルカにしか見えなかったために、オルマンにとって今回の黒魔術はまたも失敗とみなされます。

ルカの生い立ちは不幸なものでした。窮地に陥っていた彼を条件付きで救ったのがオルマンで、二人は聖職者でありながら歪んだ主従関係を結んでいます。オルマンはルカの秘密を利用して悪魔に差し出すための生贄となるように強要し、さらに性的処理までさせているにもかかわらず、ルカは喜んでその役目を引き受けているのです。

しかし、ルカにかけられた呪いを召喚されたガルバスが解放してしまったため、ルカは更なる代償を背負わされることになります。いつしかガルバスは不憫なルカを憐れむようになり、その存在を失いたくないと願うほどまでに囚われていきますが、ここら辺からルカとガルバスの関係にだんだん追いつけなくなってきたような…、、

ガルバスと出会うまでルカには我というものがなく、自分の命にすら執着がありませんでした。けれど、ルカの願いを叶えなければ役目を終えられないガルバスによって、ルカは皮肉にも人間としての欲望に目覚めさせられることに…。そしてオルマンに向かっていたルカの関心が全てガルバスの方に切り替わっていくのですが、二転三転するルカの状況を把握するのに精一杯で、この肝心な部分がちょっと伝わりにくかったかも。

ガルバスは生粋の悪魔というわけではないのだけれど、なぜ特別ルカだけに情けをかけたのか、その心理をもうちょっとゆっくり追いたかったです。それと、ルカの人生がめちゃくちゃ理不尽すぎて、受けとして見ていられないくらい可哀想でした…。

緻密で重厚な舞台背景や、ゴシック小説的な雰囲気がすごく好きだったのですが、ルカとガルバスが惹かれ合ったプロセスがあまりにも複雑だったために、ラブストーリーとしてはズズーンと重苦しいものがありました。

社名の由来

前作から2年後(2012年)に刊行された続編。文章も少し変わって、内容的にもヤクザものっぽくなりました。メイン二人(特に加賀美)の過去にもグッと踏み込んで、ラブ要素は薄く・各々の信念は厚くといった印象です。エチはちゃんとありますのでご心配なく♡

ミラー中古車店の社員がまとまりを見せ、黒崎が一息ついたところ。加賀美の所属する北川組組長から、一度黒崎に会いたいとお呼びがかかる。そういえば、加賀美は一応構成員だった…笑

組長から新たな建設会社の税理担当を任せられた黒崎は、加賀美と因縁のあるらしい代表取締役・東條と対峙することになります。どうやら東條は加賀美に対して秘めた執着心を持っているようで…。

ほんと、読ませるのが上手いですよね〜。黒崎、加賀美、東條の矢印を妄想するのが楽しくてとまらない。それに、組絡みで加賀美の過去が明らかにされていく過程は、加賀美贔屓にはたまらん読みどころのひとつとなっています。いやもう、待ってました!っていう感じですかね笑

ツンデレ強気受け黒崎のご贔屓さんには、彼の税理士としての矜持には恐れ入ることでしょう。仕事に関しては超クールですが、色恋にはからっきしのヘタレです。加賀美のことが大好きなくせに、エチの時にその片鱗しか見せない。まぁ、加賀美はわかっているんですけどね笑。どうもこの手の受けには「受けザマァ」を施したくなるくらい素直になれよって思うんですけど、今のところ、加賀美の左腕はまだ見られていないようですし…。

ってことで、さらなる続刊で幻の大波乱編なんかをむちゃくちゃ読んでみたいのですが、作者あとがきには中古車店の社名の由来が盛り込めてよかった…とあるくらいなので、難しいかな笑