デビュー作、初読みの作家様です。
表紙のイラストに惹かれて購入しました。
ストーリーは可もなく不可もなく、ありがち設定だから外れることもない。
表題作は、二人暮しをする義兄弟。いい子すぎて外面満点拗らせた系弟と、どっちが年上か分からないお兄ちゃん。言って欲しい言葉をくれた?労ってくれた?から好きになったらしい。
蓮理からのキスがきっかけでぎこちなくなる兄弟は、挨拶と誤魔化して元の生活に戻ります。しかし、義兄弟であることを友達たちに伝えてなくてまた距離ができます。それから思い出のオムライスで仲直りして気持ちも伝えてハッピーエンド。
義兄弟であるという秘密が引き金になることに落ちきれなかったです。苗字とか出てきたっけ。
同時収録は、一緒にいることが当たり前になりすぎて不安になる幼なじみカップル。
正直どちらも突出したとこがなく、お話への新鮮さや萌は持てなかったです。
イラストは、表紙からそれほどイメージ変わらず、すごく崩れることもない。
表情で表現したいのかな、ってことは表題作の方から何となく伝わるんだけど、角度とか似たり寄ったりでこれから期待したいです。
コマ割りは視線移動のしにくさを感じました。
ピュアでエッチなとこも少ない(表題作にはなし)なので、キュンとするポイントでもあればよかったなぁと思います。
コミックスとしてはデビューになるのでしょうか、
イラストが好きでコミックスになったら購入しようと思っていました。
結論は思っていたように、BOYSはLOVEしていなかった。
設定は同性婚が認められ、養子縁組で同性婚でも子どもを迎えられる時代。
既に結婚している奈央と愛のもとに、ひろくんを迎えるところから始まります。
子育てする中で、赤子vs親、お互いの親、ママ友(パパ友)付き合いとその親世代、との付き合いの中で課題が次々出てきます。
課題はよくある偏見だったり、育ちの違いだったり、身近に感じられるものばかりでした。イメージはTwitterの実録マンガでたまにパズるような。
ひろくんの成長に合わせて、これらが1つずつ、1話完結のように出てき、絵日記のような表現されます。
全体を通しては、偏見であったり、こうあるべきの押しつけが軸になっているのかな。
奈央と愛は、冒頭からお付き合い・結婚までしている訳で、好きになる〜両思いのようなキュンキュンは難しかったです。
回想はあるものの、現代編でキーワードになるような出来事を押してるから、キュン重視にはなってません。
令和の時代、多様性と叫ばれる時代で、子育てを通して、無意識に偏見や押し付けをしていることに気づいていく、反省すると、大人も成長するんだよってことが言いたかったのかと思いました。
ただそれをBLのジャンルでする意味はあるのか、ある種大きな主語の社会的課題を取り入れているので、なおさら違う文脈でするべきではないかと思いました。
幸せな家族、幸せな子育て、幸せな考え方、1冊で説得力あるようにまとめられていますが、キレイすぎて寒さが否めなかった。
メッセージ性と描き方、ターゲットが整っていなかったと思います。
好きな作家としてちるちるさんでも登録している先生です。
お休み期間があって、久しぶりの単行本。とても楽しみにしていました。
それだけに、あれ、好きなはずなのに、どうしよう、と不安がよぎりました。
シリアスが多かったのでラブコメに拒否反応が出たのか。でもシリアスはエリートΩくらいだし、他作品も好きだし。
物足りなさはストーリーと設定の軽さかと感じます。
鳳響矢社長、スーパー攻め様の完璧モテ社長。顔はイケメン…なのか?(好みはあると思います)、このキャラで仕事ができるのか(かなり秘書が補佐しているしそれも入れ替え激しかった)、人望は人たらしだからあるのかもしれない、紹介されるキャラクターと実際の動きが乖離して、鳳社長のイメージが落とし辛かった。
如月誉秘書、冷徹秘書でサイボーグと呼ばれる。冷徹でサイボーグは掴みやすかった。でも秘書がそこまでするか?秘書としても秘書課の上司としてもコミュニケーションは大丈夫なのか?とモヤモヤが生まれます。
社長×秘書、ナルシスト×冷徹を描かれたいのはストーリーからも伝わるのですが、それらの掛け合わせが昇華できていないように感じました。
ストーリーですが、こちらもフワフワしていて、分量が多い割に読了後あっさりした感覚でした。どうして好きになったのか、描かれているけど軽かった。「好き」の明確なきっかけなどなくても読んでいて落ちる感覚が得られなかったです。
ラブコメとしては、古い?令和を掲げてるのに寒い、目指しているところが分かりにくかったです。
なんだかんだあって二人は気持ちを確かめ合うのですが、その後のセッセには以前の感覚が戻った気がしました。小ネタに同人誌パロが挟まれますが、それは本編と離れてコメディで面白かったです。
作画も少し変わって見えました。表紙、社長の脚が気になる、どこから生えてるのか、胴が長いのか。作中も繊細なイメージだったのにバランス気になる点もあり、なんだか動きもかたく…
キャラクターの設定もストーリーもいまいちハマっておらず不完全燃焼感が否めませんでした。
こちらの先生は『さよなら共犯者』→『僕は君のいいなり』→『僕等に名前をつけるなら』と拝読し、こちらの作品になります。
体育館倉庫裏の年中日陰の場所のような雰囲気の作品を描かれる方の印象です。
本作もそのじめっとした印象が強く出ていました。
近所の幼なじみのお兄さんに性を目覚めさせられるなっちゃんは可愛かったです。廉がなっちゃんへの性欲を隠そうとする必死さが痛いほど伝わり、見せ方も好きでした。
ただどうしても身体のバランスの作画が気になりました。序盤から同じ人物でも不安定な箇所はありましたが、廉の手が異常に大きいシーンがあり、話の流れからも注目してしまうシーンで、歪さに頭が持っていかれてしまいました。印象に残るものが申し訳ないですがそれだけになります。
1巻ではオナニーを手伝う両片思いで終わり、2巻から動き出すようですが、先に上げた作品もでしたが、結末につれて想定通りで失速するタイプの作品のイメージが拭えない+今回の作画でしたので、払拭されることを願いたいです。