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女性chikakumacoさん

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声が聴こえなくても。

ふむ。まぁ、予定調和。こういう展開になるとはおよそ予想していたのだけど。
他人の心の声が聴こえなくなっても。余村さんは自分自身の「声」に悩まされる事となる。長谷部が女の子と親しげに話しているのを見た、というだけで嫉妬して。疑心暗鬼。ありもしない事に苦しみ、自分ばかりが長谷部を欲しがっているのだと思っては悩む。ちょっと面倒くさいオンナに成り下がってしまうのだ。
これまで人の心の声が聴こえていたから。今、その声が聴こえなくなって。
持っていたものを失う辛さ。あんなにも苦しんだ「声」を。長谷部の心を知りたいと切望する。意外にも、その苦しみから、余村さんは直ぐに解放される。そもそも。長谷部の心は、気持ちには「裏」なんて無い。真っ直ぐな気持ちは、真っ直ぐに心に届く。
長谷部の「余村さんが好きなんです。」という紛れもなく真摯な想いを、信じられる様になったから。余村さんは、少しだけ。ほんの少しだけ、強い気持ちを持つことが出来る様になる。
それからの。何というか「仲直りエチ」がそりゃもぅエッチいです。余村さん、乱れ過ぎ。エッロい。
そういえば、扉絵の。おそらく長谷部のパジャマの上だけを余村さんが着て。半裸の長谷部が下だけ穿いている、カップルあるある。事後だよ〜、とでも言いたげなしどけなさ。たまらん。
後半からの、「言ノ葉日和」にて。長谷部視点で綴られる、出逢いからの、余村さんを想うほの甘い日々。特に「後編」はまた、長谷部の手に乱れるエッロい余村さんが‼︎
こんなにも余村さんに焦がれている長谷部の心の声を、余村さんに聴かせたい。
羞恥プレイ再び‼︎ などと妄想してしまうのでした。
『もう。心の「声」なんて必要ないんだ』って、2人は知っているのにね。

ああ、でも予想通り過ぎて、ふぁーっと読めてしまった。も少し胸がキュッとなるエピソードも欲しかったかも。

余村さんはまた、暗闇の中。

或いは未だ、暗闇の中。
「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」みたいなポップなものでは無く。余村さんは人の心が聴こえる、という苦渋の生活から、長谷部という恋人を得て。ある朝突然に。その特殊な状況から離脱する。幸せな筈なのに。今度は声が聴こえなくなった事で、疑心暗鬼に苛まされるのだ。んー。予想通りな展開。
余村さんが家電量販店で好成績を上げていたのも、お客様の声が聴こえていたから。
もちろん。余村さんは、声なんて聴こえなくても、そこそこ有能だったので、成績が落ちる事は無い。ただ、失敗をする様になってはいる。
声が聴こえていた時にはしなかった様な失敗。
そして。たまたま、が重なり。不愉快な事を思いながら、笑顔でヘラヘラと笑う元同僚の小寺と再会して。余村さんは、小寺の真意を計りかねている。コイツは以前にも笑顔で、人懐っこそうにしながら、余村さんに悪意のあった男だ。
そしてたまたま。最近入社した感じの良い女の子・原野さんと長谷部がカフェで向かい合って食事をしているのを見かけてしまう。
原野さんの様な優しい人が、人付き合いが苦手な長谷部の良き理解者になってくれれば良いと願ったのは自分なのに。多分。余村さんは嫉妬していて。
そんな自分を不甲斐無く思っていそう…。
思い詰めがちだからね、余村さんは。

まだ。余村さんの身体が慣れていないだろうから、と。長谷部が少しずつ余村さんの後孔を馴らしている段階の2人なんだけど。既刊同様、それは心の声を聴きながらの「言葉攻め」の様になっていて。この羞恥プレイはとーってもエッチなので、完遂するまで心の声 聴こえる状態でいて欲しかった…。
声が聴こえないからこそ。自分の大切な人の事を信じること、声が聴こえないから、自分の気持ちを声に、言葉にする勇気を。余村さんの心が強くなって、成長するという展開を期待して。下巻を読みます。

往生際が悪い、っていうのはこういう事よ。

まさか、「俺が好きなら跪け」の続編が読めるとは思っていませんでした…。この感じだとまた、ダラダラと続くのかな。
嬉しい様な、哀しい様な。うーん。だって、まぁ、綺麗に完結してたかと思うんですよ。食えない加藤にメロメロに溺愛されちゃって、満更でも無いだろう、松田。
あの後は、読者それぞれの妄想でさらに補って。あと読むなら甘あま後日談番外編で良かったんです。
そりゃ全くのノンケの松田に現状をアッサリ受け入れろっていうのは無理かも知れなかったけれども。もはや往生際が悪いとしか言えないです。仕事は完璧にこなすカッコいい松田が、加藤の前では文字通り「オンナ」になってしまっている。加藤の前ではカッコつけてなんかいられないんでしょうけども。同期で、対等に肩を並べていた、少なくともいようとしていた松田がただの「オンナ」に成り下がっている、様にも見えて。凄くカッコいい男の筈なのに勿体ないなぁ。
加藤の側にやたら居る榎本さんに嫉妬してみたり。加藤が榎本さんの荷物を持ってあげてるのを見て、『自分だって重い荷物持ってるのに。』みたいに恨めしそうにしている松田がホント嫌いです。まるで、まるで。松田が加藤にプリンセス扱いして欲しいみたいじゃないですか。松田って、そんなだったっけ?っていう。まぁ、確かに、前作では加藤のナイトっぷりに萌えた私ではありますが。(松田を庇ってコーヒーひっかぶるとことかね。)加藤の鬼執着も落ち着いたかに見えて。ちょっとこれは宜しくない。
後半には、加藤視点で、ちゃんと松田の事を想ってるってのが分かるものの、松田の焦燥感が痛い。加藤に強姦まがいに抱かれてからというものの、加藤の事ばかり考えている自分自身が、許せないのだと思う。
里先生の作品の粋なところは、一巻にかならず事件的エピソードが挟まれるところ。本作では、取引先が火事になり、株価が暴落する。松田たちバンカーは忙しく善後策を立てる。松田の後輩の川原が、今ドキの迷える若者で、自分の仕事に不安を覚え、転職を考えている。色々聡い、松田の上司、神谷は、川原の焦りを看破しているが、川原は松田が次長にチクったのだと誤解して、松田を殴ってしまう。加藤が間に入って殴られてくれるのかと思いきや。間に合わず。松田は殴られてしまうのだ。んもぅ。ちょっと、加藤‼︎ そこは代わりに殴られてよぅ!と、ガッカリしてしまう。姫を守ってこそのナイトだろうが。と、思う間に、加藤が川原に怒ってくれた事で、何だか松田は多分。嬉しくなってしまっている。ホントにチョロい。加藤に言われるまでも無く、ホントに心配だよ、松田。
松田が気にしていた加藤の、実家の会社継ぐかもしれない問題は、先送りの様子。加藤は大手製薬会社社長の御子息で、いつかは銀行を辞めて戻る。
松田はきっと、その時が来るのを寂しく思っている。辞めたとしても、2人が別れるわけでも無いし。今、既刊を読み返したら、加藤は「一緒に来て欲しい。」とプロポーズまがいの告白すらしている。共に仕事をしたいのは、互いに思うところなのだ。
ああ、やっぱり2人の新しい道の行く末まで。見届けたいな、とも思うのでした。
往生際が悪い松田が完膚なきまでに落とされる様を。加藤の王子様っぷりを。楽しみに待ちたいと思います。

松田を見守るいつもの女子達は、生真面目な榎本さんを「男はやっぱり女子アナとか好きよね。」などと評している。合コンに来る様な女子アナは華やかなイメージだが。榎本さんは報道キャスター系か。榎本さんをして「女子アナ」と言うのにはちょっと笑ってしまった。
彼女達がどんな男と付き合うようになるのか?は、ちょっぴり気になるところでもある。お一人様満喫系なのか、はたまた。

青葉くんの非処女マウント⁈

ムッツリ執着系 × アホっ子天然。
イケメンで女子にモテモテの涼が羨ましくて、何かとひとり張り合っている青葉は、ナナメ上の発想で、「これなら涼に勝てる!」とばかりにあろうことか、非処女を装う。いやこれ、涼も悪いんですよ、何かと「童貞、童貞」と青葉を小馬鹿にしてたから。確かに童貞かも知れないけど、『オレは非処女なんだぜ。』=男を極めたんだから。なんて。んなことあるかーっ⁈なんだけど、ずーっと青葉に執着していた涼は、焦るんですよね、お約束。ずっと側に居たのに、いつの間に誰かに青葉のバージンを奪われたのか⁈と、早合点した涼は、無我夢中で青葉を押し倒し、貪りエッチ♡ いや、ホントは処女なのに、急に挿入出来るんかーい⁈ほんで、処女なのにいきなり気持ち良さ満喫出来るんかーい⁈ てなわけで、ハイテンションで物語は展開します。『オレは涼に勝った。』という一念だけで、マウントを取った気になっている青葉。この青葉の勘違いは、少々涼をスーンとさせたりもしますが、そこは惚れた弱味か、変わらず執着、エッチ、本心明らかにせず、エッチ。エチエチ!青葉は抱かれてるウチに絆され。不意に2人の間に割って入るリバを名乗る友人・植野の存在に、涼に対する独占欲を目覚めさせ、めでたく自分の気持ちに気付く。涼の恋心に遅ればせながら気付くのでした。いやもう、アホっ子天然煽り受けには堪らないよね。
作者曰く、植野は「壁目線」なのだという。本人は「拗らせノンケを引っ掻き回すのが趣味」と言い切るが、彼の本意はキューピッドか小悪魔か。
恒例2匹のクマさんは「鮭のルイベって美味しー‼︎‼︎」という近況が。
あとがきも楽しみのひとつ。
修正は短冊程度。あんなに硬そうな涼のアレは、何だかぶるんとしてそうな。

めでたしめでたしのその後で。

何処まで遡れば良いのか。「〜蜜月の章〜」のはるか以前。そもそもの物語「十二支色恋草子」2巻、第11話。
子犬にされた狼・黒太の、その後の物語。
群れを離れたとはいえ、成獣になったであろう黒太に同じ狼との見合いがあるという。
もちろん既刊では、黒太は人間への叶わぬ恋をした為に、子犬の姿となって飼われる事を選んだが、それはとても切ない失恋でもあった。我が子への愛しさに、番いを作って新しい群れを作れという黒太の両親。もちろん、黒太の愛情は変わらない。好きな人の側にいるという「幸せ」を選んだという黒太の前に、両親は諦める事となる。何より我が子の「幸せ」が一番なのだ。ただ、人間は早く死ぬ。遺された黒太の事は、神使である小波(未)が後見人となるという。それも両親への強い説得材料となったのだ。
一応、雪青(午)から小波(未)の大将月であったことと。コマがお休み処の宮司、正隆の番い、コタに憑いている神使というので、コマの働きをアピールする為の。コマ仕切りを試されていたり。些か駆け足にも見える。順に、出来るだけ個々のキャラクターを登場させているとはいえ。やはりエピソードの強弱はあると言えど、少な過ぎない?楓(丑)とか、雪青(午)とか。コマの番いになったから仕方ないけど、出過ぎじゃない、颯助(戌)とか。
黒太(狼)出るなら、もっと出るべき神使いたでしょうよ‼︎ と、つい興奮してしまう。
これにて完結なんて。殺生な。まだまだ以前の宮司、秀一と鳩の神使・八尋のエピソードは続いている様なので。新章と、十二支の物語が読める事を願います。
「〜蜜月の章〜」としては、コマと颯助の恋も成就した、というところまで、なのかな。
正隆が、連れてこられた宮司、という寄る方ない寂しい子供だった事。次代の宮司にはそういうやり方をしないで、お休み処を繋いで行くということ。
コマを祀る古万乃神社にはいずれ颯助(戌)を祀るであろうこと。
皆んな幸せに。めでたし、めでたし。というにはまだ早い気もしてしまうのでした。

カップルのエチは相変わらず、なんだけど。楠(亥)と清忠、アダルトカップルの方は描かれず。これはもうちょい見たかったかも。

ラブハグセラピー コミック

 

君の美しい笑顔が好きだ!

鷹先生の「失恋ジャンキー」が好きです。とても好き。なので、失礼ながら、本作はそれを超えて来てくれなかったなぁ、という気持ちが強くなってしまう。本作で、鷹先生の作品を気に入って頂けたら、直ぐ様「失恋ジャンキー」を読まれる事をお勧めしたい!!

本作は、前作とキャラデザは酷似。しかし、受けの方が黒髪。鷹先生のステキなところは、男の子たちの身体がとても骨っぽくて、節々がハッキリしているところ。その骨格に沿ったしなやかな筋肉。
そして。「破顔一笑」という言葉がいかにも似合う。大きな笑顔。

イケメンの早瀬とルームシェアする事になった秋月は、早瀬のルーティーンだという、ハグを強要される。最初は戸惑ったものの、もちろんそんなに嫌な事では無い。
ただ。早瀬の通常からの距離の近さに、秋月はどんどん意識してしまう。
これは!元々早瀬の方が秋月を狙ってた筈‼︎ と、読み手側としてはワクワク「その時」を待っている。当たり前の様に差し込まれる早瀬視点の2人の出逢い。
けれど。早瀬を好きだと気付いた秋月は、大学でゲイバレしている神城くんが、周囲の偏見に晒されて、恋人を失くし、友達を失くし、両親とも不仲になったと聞かされ、自分の気持ちは早瀬に知られてはならないと心を閉ざそうとする。
早瀬に嫌われたく無い、という気持ち。同じ頃、酔った秋月にエッチな事をかましてしまった早瀬も。秋月に嫌われたく無い、という気持ちに焦る。
お互いにこんなにも。想いあっている事は、意外にもアッサリと表明出来てめでたし!なんだけど、秋月がこんなにも怯えていた、周囲の偏見に対しては、それ程の解決はしないのだ。言葉だけで、「心の中で準備をしている。」で終わる。
そして作者が描きたかったであろう「初夜」へと突入してしまうのだ。
え⁈
「この2人なら大丈夫」ならば、途中の葛藤はきちんと回収して頂きたかったかも。
だって。神城くん可哀想…。「この2人なら大丈夫」で、神城くんは何故、駄目だったのか。少々気持ちが置いてけぼりにされた様な読後感ではありました。
神城くんにも心を強くしてくれる様な、素敵な恋人が見つかりますように。

描き下ろしは、風邪っぴきの早瀬を看病からのお約束エチ。
修正は真っ白け。なんだけど、秋月のM字開脚はエッロい。

貴方を愛おしそうに見る笑顔にはかなわない。

よくある、腐女子視点風の展開である。
円城寺先生が割と頻繁に立ち寄る書店で、書店員は見ていた!的な。
背が高く優しげなイケメンの円城寺先生はただでさえ目立つ。しかもベストセラー作家。プライベートで声をかけられても神対応で、優しく微笑んでいる姿は注目の的。
そんな様子を見て、ちょっぴりヤキモチを妬いている様子の倉田くん。
でも。書店員は知っている。
編集者の倉田くんに向ける円城寺先生の微笑みと 熱視線は、それこそ格別なのだと。

こんな風に彼等に再会出来るとは思って無かったので、嬉しい番外編でした。
でもね。客観的視点は要らなくて。それこそ自分がモテる事なんかには無頓着な円城寺先生側の、倉田くんへの激アツな溺愛っぷりを見たいです。

『うるせー…大好きだよ、悪いか。』乙女ゲー的なBLゲームにて。

実は乙女ゲーなるものを見たことが無いし、やった事も無いのだけれど、
最近、異世界転生モノのラノベとか、コミックスを大量に摂取しているので、知識だけはゲットしてしまった。
大抵、前世でしていたゲームの世界に事故死で転生していて、攻略相手となるイケメン共とハッピーエンド or バッドエンドに進むというもの。
航と達弥は、交通事故に遭った瞬間に、やった事も無いBLゲームの世界に飛ばされてしまう。そこからはもぅ、ムフフの世界。
どうやらヒロインになってしまったらしい達弥は、迫って来るイケメン達の誰かと性交渉しないと出られないという世界。
ツンケンしながらも、実は達弥を密かに想っている航は、これ幸いと達弥を抱こうとするが、突然友達に迫られた達弥はノンケだったりもするので、驚いて拒否ってしまう。
男同士なんて絶対無理!な筈なのに。そこはホレ、ヒロインのチートさで、出逢うイケメンを必ず虜にしてしまうのだ。
卯城会長は、ドSメガネ。そのイケメンっぷりに流されそうになるものの、思わぬ鬼畜っぷりに驚いてみたり。
一見可愛らしい一颯は、ヤンデレ監禁厨。
最後に現れたイケメン転入生・櫂飛の王子様っぷりには絆されてしまうけれど、そうこうしている内に、自分にとって大切な存在は、航だけなのだと気付く。ホッ。
これは航と同時に見た夢なのか。愛し合えた2人は現世に戻る。

ところが。現世に戻った2人の前には、BLゲームの世界に出逢った、卯城会長そっくりの先輩や、櫂飛にそっくりな優しい先輩と出逢うのだ。彼等の知らぬところで一颯にそっくりな男も居たりする。あれは夢だったのか、なパラレルワールド。
まぁ、そんな事もありました…ってな感じで。戻った世界でもめでたく恋人同士の2人。
ネチネチエッチ。野宮ともか先生の描く男の子達の身体は、何だか丸く柔らかそうなのがエロい、と常々思っている。今回もゆるっと柔らかそう。
航が達弥の首筋とか舐めながら、両手で抱き抱えながら弄る、といういやらしさ。
なんだか肌もシトっとしてそうな。エッチいです。
ヤキモチ焼きの航は可愛いかったので、達弥にはもう少し彼を翻弄して揺れて欲しかったかも。
いちいち素直じゃない航より、王子様な櫂飛の方が、乙女ゲー的にはきっとハッピーエンド。でもやっぱり。航の『うるせー…大好きだよ、悪いか。』という乙女台詞のくすぐったくも可愛いらしい台詞には、達弥は、やっぱり陥落しちゃうのでした。

『ああ、素晴らしき 青春 哉 ?』

分冊版の第一話の末に書かれている『ああ、素晴らしき 青春 哉 ?』という文言が気に入っていたのに。本編でアッサリ消されているのに驚いてしまう。これは、編集さんの煽り文句だったのだろうか。
全てのDKBLに捧げし言葉だと思う。

クローズドゲイである守谷は、ほんの罰ゲームで、多田と『1日恋人同士』ごっこをする羽目になる。
これまで恋人など居なかった守谷は、男同士の、性的な意味でも興味が勝って、願ったり叶ったりなんだが。どうやら多田の方も満更では無さそうなのだ。守谷を可愛いと言ってみたり。スキンシップは過剰。
何で⁈ くすぐったくも嬉しくて。守谷は混乱してしまう。
本気にならなければいいだけ、だと自分に言い聞かせて。多田を想ってしまう守谷。
多田の方の気持ちは、意外と序盤で明かされる。
守谷は、姉の夫となる保健室の先生・誠二くんに叶わぬ片恋をしていた。とても淡い想いだったから。
誠二くんも気付いていない。ただ。側で見ていた多田だけが、守谷の切ない気持ちを知っている。っていう。絶妙に淡い切なさ。
当の守谷は、今では誠二くんへの想いに気持ちの中では訣別しているのに。
そんな守谷を大切に扱い、気遣いを見せる多田の優しさに。好きだという気持ちを隠せなくなって行く守谷!んー良いね!と思ってたのも束の間。
よく分からん理由で、多田は守谷の気持ちを撥ね付けようとする。一瞬の拒絶。
…まぁ、守谷の粘りでそこまで深く闇堕ちせずには済むのですが。
これ、要りましたかね?何でも出来て、イケメンで。守谷と付き合って行くまで、一匹狼を気取りつつも、人当たりが良く、世渡り上手な多田が、手に入れた途端に冷める(かも知れないから)守谷の愛情を受け入れ難い、って。んんん⁈ 厨二病なの⁈ というまどろっこしさ。誠二くんを好きで、切なさゆえにかわいいと思ってた、付き合ったらもっと可愛くて好きになった。で、良かったのにな。
タイトルの『なんかもうあーあって感じ』なんである。これは、恋に落ちてしまって、恥ずかしくもくすぐったい守谷の台詞か。思いがけず恋をした多田の、守谷が誠二くんを見つめているのを見つめる『なんかもうあーあって感じ』なのかと思ったら。
雨降って地、固まる2人のイチャラブを前にした友人たちの「なんかもうあーあって感じ。」という。
「ごちそうさま!」な台詞でした。
宮田トヲル先生の作品の中で、「彼のいる生活」が一番好きな私にとっては、
いやはや。読後一番。「なんかもうあーあって感じ」ではありました。
多田の言葉を借りると「かわいいは天井知らず」の筈、なんですが。「彼のいる生活」のところまでその「かわいい」は届かなかった気がします。
次回作こそ天井突き破って欲しい!と、楽しみに待ってます。

花の薫りの愛おしさ。

麗しき 中世風の異世界ファンタジー調オメガバース。きりみ先生の麗しい美形王子達が織りなすロマネスク。ペガサスが引く 天翔ける馬車なんて。本当にワクワクする。
乙女チック、ロマンティック満載なのだ。
ところが。もろもろ置いてけぼりなのである。

ノクト王国、第二王子のヒメルは、10歳の頃、運命の番いである美しいリヒトと出逢っていたが、リヒトは兄である第一王子の婚約者であった。出逢った日からもぅ、悲恋である。
兄王子は公式にはリヒトを自分の「つがい」だと言って憚らない。
ヒメルはいつしか自分の叶わぬ恋を諦めていた。そして17年後、外国で仕事をしていたヒメルは、兄の結婚式の為に帰国する。年頃のヒメルが独身だというので、ハニトラを仕掛けられたりして たじろいでいると、うまいことにリヒトの弟リーベと出逢う。リーベもまた叶わぬ恋に苦しんでいるという。これは…?兄弟で「つがい」取り替えっこめでたしか? と、先を読めたとばかりに安心していると。やっぱり置いてけぼりなんである。
大体。「運命の番い」に出逢って。すぐ様反応してハァハァしちゃうが為にリヒトを避けまくるヒメルに対して、涼しい顔のリヒト。何で⁈ と、思ってたら、後にリヒト視点になると、リヒトの方もちゃんと反応していたのである、っていう。
ただ次期国王の第一王子の婚約者であるから、断るわけにも行かず。なのだが、婚姻自体を渋っていたらしく、抑制剤を摂取していたという。また、第一王子のグランツも心底リヒトに惚れていたと見え、紳士であった彼は、リヒトに手をつけていない。いないんです!
なのに。ヒメルが番いだと分かった瞬間、怒りに任せて無理からリヒトを手籠にしている。
おい、紳士どこ行ったー⁈
もうそれ挿入ってるよね⁈ だけど。首噛んで無いのか、ヒメルが閨に乱入して頓挫する。
そして。何故か結婚式は遂行されて、グダグダのまま。神獣と恩師に背中を押されて、ようやくヒメルは 花嫁を拐うっていう。ヒメルの逡巡は、出来た兄へのコンプレックスもあった(らしい)。
そして。やっぱり怒っている(らしい)兄王子は、ヒメルを国外追放する。
いや、兄王子の番いは、リヒト弟のリーベって気付いてー⁈っていうところまでは描かれていない。というか、リーベの番いが兄王子・グランツだったのかどうかまでは分からず仕舞い。いや、主役の2人だけめでたいかも知らんけど、全員幸せにしてこそのファンタジーじゃないの⁈ って思ってしまいます。
巻末のキャラクタースケッチは流石の麗しさ。このキャラクターを活かすには、もしかしたらページが足りなかったのかも。駆け足終わりな気がしないでも無かったのでした。
きりみ先生のエチエチは、エロエロにはならんので。そこは省いてでも心情変化を大切にじっくり描いて欲しかったです。惜しい、とっても惜しい。
麗しき王子様たちが眼福なので、それゆえに「萌」評価させて頂きたいと思います。