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女性風呂敷さん

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日常が煌めく瞬間

本編終了後、同棲する堂上と佳人のSSです♪

手作りご飯を食べながらふたりが楽しそうに会話をしていて、自分までほっこりしました。台詞が生き生きしているので、描写がなくても笑顔や弾んだ声が聞こえてくるんです。

そして、作者様は眼福のシチュを作ってくださるのが本当にお上手です!!
お揃いエプロン姿の恋人が笑顔で「おかえり」、こんなシチュ見たいに決まってます…!!
週末にふたりで仲良く餃子を包んで、一緒に食べるのを楽しみにしているとか、日常にときめきがつまってます。堂上の餃子は大きさも均等できれいに包んであるイメージ。対して佳人は余った皮で色んな具材を入れたラッキー餃子を作ってくれそう…。キャラが立っていて魅力的なので、色んな想像が膨らみます。

あと作者様のお話では、「へー!」と興味をひかれるネタや豆知識と出会えるところも好きです。
今回のSSでも様々なキラキラネームが登場して面白く読んでいたら、いつの間にか会話がいちゃいちゃしてくる不思議…!!

甘いことを言おうと意気込んでいるのではなく、言葉が自然に相手と寄り添いたがっている感じが良いんです。
堂上はストレートに、純粋な愛情をさらっと伝えてくれて、佳人は照れくさくて表情はツンとしていながら、相手に愛情を返さずにいられないのがキュンとします。
日常の一時にも恋心が光っていて、幸せな気持ちになりました。

非モテ講座が面白い!!

とても面白かったです!!
同窓会で再会して、そこから恋が芽生える…というお話は読んだことがありますが、このお話は予想外の連続でした!

攻めは、モテるあまり盗撮被害に悩まされる堂上さん。美形で穏やかで優しく、おまけにエリート、でもそれらが自然体で全く嫌みのないすごいお方です。

対する佳人さんは、本に囲まれて暮らすフリーライター。
自分を飾らずモテとは無縁な人生ですが、実はとても友情に篤い人。歯に衣着せぬちゃきちゃきした物言いが面白いやら可愛いやらで、かなり好きなタイプでした!

他にも好きなところがいっぱいあったので、3つに絞って書かせていただきます。

一つ目は「非モテ講座」です!!

高校時代はカーストが違うと思い込み、堂上さんと距離を置いていた佳人さん。
でも同窓会で再会し、堂上さんが周囲からのアプローチに本気で悩んでいると知るや、ゲイの恋人役を買ってでて、おまけに非モテ講座をしてくれることに…!この発想が新鮮で、非モテ講座が最高に面白かった!

佳人さん:「『堂上くんは恋人に手料理を作ってもらうならなにがいい?』って聞かれたら、どう答える?」

堂上さん:「俺別に好き嫌いないからなんでも…」

佳人さん:「違ーう!『やっぱり肉じゃがかな。うちの母と寸分たがわぬ味付けじゃないと食べないけど』が模範解答だ」

って感じで、堂上さんの性格の良さがにじむモテ発言をビシバシダメ出ししてくれるんです!次々飛び出す熱血指導と模範解答が面白すぎて、何度噴き出したことか…!良い香りがする堂上さんの車を、非モテ車に改造しようとするアイディアも忘れられないです!!

作者さまのご作品は、面白さを盛り込みつつ、ギャグに走りすぎないバランスの良さが素晴らしいと感じました。
佳人さんは高校時代からずっと、自分のことをなんの取り柄もないつまらない奴って思っていて、自身の才能や魅力に気づいてないんですよね。
そんな彼に、堂上さんは高校時代の思い出を振り返りながら、佳人さんのまっすぐな正義感や文才、人に寄り添える強さにどんなに憧れていたかを伝えてくれるんです。
テンションの高い非モテ講座と、真心のこもったやり取りが違和感なく共存していて、「自然な雰囲気の流れ」を生み出せる作者様のすごさを実感しました。

二つ目の推しポイントは「両視点」です!
前半が佳人さん、後半が堂上さん視点で、二人が再会した同窓会シーンは、ぜひ両視点でご一読いただきたいです…!!同じ場面が、視点によってこうも変わるのか!!と感動しました。
佳人さんとお近づきになるために堂上さんが影で涙ぐましい努力を重ねていたことが明かされ、前半では完璧なモテメンに見えた彼が、なんとも健気で可愛く見えちゃうマジックでした!!
特筆すべきは、この堂上さん視点が特殊な構造になっていることです。
恋人になるまでの回想シーンと、無事お付き合いできてからのハイキングデートシーンが、交互に展開されていくんです。
普通なら、時間軸が変わると違和感がありそうですが、「実はこの時こう思っていた」という回想シーンの面白さと、現在の幸せいっぱいのデートシーン、どちらも気になりすぎてぐいぐい読み進めていました。
その上、別物に思えていた過去と今が、ピンチという同じ境遇によってピタリと重なるページがあって、回想シーンが現在の堂上さんの中に見事に収まっていくんです。
えっ、すご…とページを強く握ってしまいました。

最後の推しポイントは「ミッドナイトハイク」です。
デート先としてかなり予想外ですよね…!作者様の他作品でも、無人島やジャングルなどなど、未体験の舞台がたくさんでてくるのですが、いつもリアリティに驚かされます。今回のミッドナイトハイクも、本当に自分が体験してるかのような描写と、分かりやすい知識がちりばめられていて新鮮な読書体験を味わえました!
ネタバレを含みますが、登山中に堂上さんがトラブルに見舞われ、佳人さんがてきぱきと明るくフォローしてくれるんです。
自分の中にあった攻め様と受け様の立場が気持ち良く一新されて、こういう関係ってすごく良いな…と感じました。攻め様だってかっこいいばかりじゃなく、相手に助けられたり素直に頼ったりして、そこで新たに生まれる関係もあるのだと気づきました。普段は堂上さんの包容力のなかで佳人さんがリラックスしている印象だったので、ピンチでは互いに助け合える相性の良さに二人だけの絆を感じました。
そしてラストの堂上さんのモノローグが、最高の余韻を残してくれます…!

長文で失礼いたしました。
再会ラブストーリーに作者さまのオリジナリティがたっぷりつまって、何度も読みたくなるおすすめの一冊です!

秘密の推し部屋で・・・!

念願の推し部屋Hです!

真白が秘密の推し部屋を作ったときから、いつ怜悧にばれるのか楽しみにしていました(笑)

推し部屋には真白が作ったオリジナル怜悧グッズが溢れ、Tシャツやポスターなどオーソドックスなものはもちろん、「怜悧くんつるし雛」というマニアックな手作りグッズまで…!しかも一つ一つの人形が、これまで怜悧が演じてきた役柄の衣装を着ているらしく、真白の愛が伺えます。

SSでは真白がシャワーを浴びている間に、怜悧が推し部屋で悪戯をしていて…
キンブレを光らせたりグッズを装着する怜悧が可愛いですし、居たたまれなさを感じつつも推しとグッズの2ショットにときめく真白にもクスッとしちゃいました。

怜悧が真白の愛がこもったグッズに喜びつつ、「こんなこと、ポスターの俺にはできませんからね?」とスイッチが入る瞬間が雄っぽくて最高でした!
Hの様子はぜひSSでご覧いただきたいのですが、怜悧がやきもちをやいたり、真白が「疑似衆人環視プレイ…!」と興奮していたり、本当にご馳走さまです!という内容でした♡
個人的に、小林先生が書いてくださる喘ぎ声がとても好きです。単なる記号ではなく、いま何をされているのか目に浮かんでしまう、大変雄弁な喘ぎ声です!

真白がグッズ製作熱をもやしすぎて、今後自分の局所の模型も作るのでは…と冗談まじりに言う怜悧に対し、真白が内心「いいかも…」と思っているのがツボでした!
余談ですが、小林先生の『執事と画学生、ときどき令嬢』(ディアプラス文庫)を思い出しました。そこでも受の来智が酔っぱらい、恋人のアレで拓本をとろうとしていて、(通称・チン拓)受さまも欲求に素直なところが大好きだなぁと改めて感じました。

SSでは本編よりさらにふたりの距離が近づいている気がして、こういうラブラブを見せていただけるのは本当に嬉しいです♪

推しのいる幸せに共感!!

とっても面白かったです!

俳優×ファンという設定はよく見かけますが、小林典雅先生が書いてくださると、こんなにオリジナリティ溢れるお話になるのかと驚きました。
登場人物の魅力が溢れていて、一生懸命なのにどこか天然な姿に何度笑ったことか…。思わず使ってみたくなるワードもたくさんあり、言葉のセンスに脱帽でした!


以下、ネタバレありのあらすじです。

美容外科医の乙坂真白は、学生に絡まれているところをヤクザ風のイケメン、神永怜悧に助けられます。この時怜悧は怪我をしてしまい、実は彼がヤクザではなく、ドラマの撮影中の駆け出しの役者だということが分かります。恋に落ちた真白は怪我の治療の傍ら、正体を隠しながら怜悧の推し活をすることに…。


真白は感情表現が苦手で、いつも真顔で喋り方も一本調子なんです。でも心の中は怜悧への応援と愛で溢れていて、そのギャップがとても可愛かったです。
怜悧のバイト先に食事に誘ってもらえたときも、一見もそもそ食べているのですが、内心「怜悧くんの働く姿を鑑賞しながら食べられるなんて!ゆっくり食べて長居しよ!」と胸を踊らせていたり…。
もちろん怜悧にはその気持ちが伝わらず、「無理して食べさせちゃってすみません」と誤解されてしまうのですが、それでも真白がくじけないところが良いんです。
傷心を振り払った真白は、ミライというブロガーになってファンブログを立ち上げ「乙坂真白」だと上手く伝えられない想いを、ブログで思いっきり発露するんです。そのブログに怜悧が気付き、真白だと知らぬままコンタクトをとってくる場面はかなりわくわくしました。お話のテンポが良くて、「次はどうなるの?」と引き込まれます。

また、真白にあーやちゃんという推し友ができて、2人の性別や年齢を越えた友情がとても良かったです。さばさばしたあーやちゃんがおっとりとした真白を引っ張ってくれて、すごくいい雰囲気でした。怜悧のロケの追っかけをするシーンは、2人の会話が楽しく、一緒に鎌倉中を走り回っている気分になりました。

怜悧は真白より年下なのですが、年下の可愛げに加え、真白のコミュ障を優しく包み込んでくれるおおらかさをもっています。真白と怜悧の関係が、「推しを応援する」という一方通行なものではなく、お互いに応援したり励まされたり、支えあっているのが感じられて、個人的にとても好きなところでした。
怜悧の告白シーンも役者の卵ならではの台詞で印象深いです。

そしてまた書き下ろしが素晴らしいのです!

怜悧の出演作が本当にありそうなリアリティーで、思わず噴き出しちゃうCMもあるので、ぜひご覧いただきたいです!
加えて真白の推しっぷりも面白いやら可愛いやらで…!怜悧のオリジナルグッズを製作するために自宅にミニ陶芸窯やミニ機織り機まで備えているところで噴き出しました。
あと、怜悧の新CMについてあーやちゃんと白熱談義をかわすシーン、2人のトークが面白すぎて爆笑でした!どうしてこんな面白い台詞を思い付かれるのでしょうか…。「色っぽい」をこんな喩えで表現する方たちを初めて見ました…!

怜悧が売れっ子になり会えない期間もありますが、そのときの通話Hも最高なんです…!!お互いに言ってほしいHな台詞をリクエストしあったりして、時々クスッとしちゃうのにエロスもたっぷりで、忘れられない神シーンでした!真白が怜悧にリクエストする台詞は「どんなキャラ?!」って思わず突っ込んじゃうのですが、怜悧のために一生懸命リクエストに応え、積極的になる姿が大変可愛いです!

また、真白は怜悧との年の差を気にしていて、精神的に若作り(本文より笑)をするために若者言葉を熱心に勉強しています。その方向性が斜め上でかなり笑いました!俗に言うオタク用語ばっかりで…!「はっ!いまの感動は"トゥンク"というものでは…?」と、覚えたてのワードを使いたくてうずうずしているのが可愛いんです!結局タイミングがわからず、ずっと心の中だけで呟いているのもツボでした(笑)

怜悧のマネージャーが登場して一波乱ありますが、作品に登場するみんなが憎めないキャラで、「この人のスピンオフも読んでみたいな」と感じる魅力があります。
ずっと感情表現が苦手だった真白が、怜悧と離れないために、毅然と戦う姿には胸を打たれました。

幸せな笑いを求めている方や、秘密のお付き合いにときめく方、または作品や人を熱く推した経験のある方にとても響く一冊だと思います。おすすめです!
長文で失礼いたしました。

攻め様の可愛い育児♡

本編に登場する攻め様二人、ロランとアラリックが意欲的に育児をするお話です。

『深窓のオメガ王子と奴隷の王』では、キリルもリンツェットも身ごもっていましたが、このSSではそれぞれキランとリーラという可愛い子どもが産まれています!

ある朝ロランから、今日は自分が子どもの世話をするのでゆっくり休むよう言われるキリル。
アラリックもリーラを連れてきて一緒に世話をするので心配はいらないと言われますが、どうしても様子が気になり、キリルはこっそり偵察に行くことに…。

ここで、伴侶の育児が気になってこっそり覗き見をするキリルとリンツェットが可愛いんです!

部屋のなかでは攻め様2人が懸命に自分の子をお世話しています。
特に、強面のロランのあやしかたが面白すぎて噴き出しました!!
定番のあやしかたも、ロランが行うとすごい威力です(笑)
キランが怯えることなく笑ってくれて良かったです…!

また、アラリック似のリーラが常に喃語を囀ずっているところもツボでした!
愛娘の「と!おにゃ!」といった赤ちゃん言葉を、アラリックが上品な長文に翻訳しているのも面白くて…!
攻め様ふたりの子煩悩な会話に頬が緩みました♡

キリルとリンツェットにとっても、休暇をもらって一人でゆっくりすることより、伴侶たちの一生懸命で可愛い育児を見ている方がずっと心癒される一時だったようです。

読み返すたびに笑顔をもらえるSSでした♪

このHシーンを見てほしいです…!

『深窓のオメガ王子と奴隷の王』に登場したラブラブカップル、穏和な騎士アラリックと美しい人質リンツェットのお話です。

スピンオフですが二人の出会いのお話なので、こちらから読み始めても全く問題ありません。ただ巻末SSにはロランやキリルも出てきて、前作のお話の裏側も覗かせてもらえるので、合わせて読まれるとより楽しいかもしれません(*^^*)

以下、ネタバレありのあらすじです。


フォンター君主国第一王子のリンツェットは、生まれつき左右の目の色が違う「片青眼」として不吉がられ、森の奥の離宮に幽閉されて育ちます。
美しい顔を布で隠して暮らすリンツェットにとって、義弟からの手紙だけが心の支えでした。
孤独な時が流れ、24歳になったリンツェットは強国ダウラートの人質となることを乞われます。止めようとする義弟を前にオメガの発情期が始まってしまい、襲われかけたところをダウラートの騎士、アラリックに助けられて…というお話です。

前半は切ない場面も多く、幽閉されている幼いリンツェットがすごく健気なんです。
周りから少しずつ大切な人が去っていき王宮から冷遇されても、小さな楽しみを見つけて誇り高く生きているので、早く幸せになってほしいと願わずにいられませんでした。
あらすじだけ読むと重そうに見えるかもしれませんが、義弟であるゲルハルトの手紙が生意気で可愛くてクスッとしてしまったり、父である国王とも最後に少しだけ心を通わせたりするので、救いがあり、ストーリーに引き込まれます。
また、ひとりぼっちで寂しい思いをした分だけアラリックが登場してからの楽しさと甘さが一層輝いてみえました!

リンツェットの顔を覆い隠す布をはずしてくれるシーンが、繊細でとても良いんです。
アラリックは誰とも違う言い方で瞳の呪いは迷信だと信じさせてくれ、リンツェットがずっと我慢してきたものが溢れだす瞬間にじーんとしました。

アラリックの言葉にはいつも笑顔が滲んでいて、思わずクスッとしてしまいます。なんでも歌にする才能があり、リンツェットと出会えたことの喜びや、周りの従者が美しい恋人に懸想しないよう牽制する珍妙な歌を披露してくれるのですが…この歌のタイトルに何度噴き出したことか…!
歌は作中で度々登場して、その全てが「そうくるか!」と思わず笑ってしまうものばかりで、作者さまの素晴らしい言葉のセンスに感動しました。

アラリックは運命の番である美しく優しいリンツェットを崇拝して、細々と世話をやいてくれます。…ただHシーンではちょっと様子が変わってくるのが最高なんです。

どこまでも紳士で、言葉もとても優しいのですが、行為のあちこちにそこはかとないプチS感が漂っている気が…。
美を愛でていることが結果的に視姦になっているというか、丁寧な愛撫を施しながら、リンツェットが我慢できずに求めてくるのを待っているような気もして、天然なのか確信犯なのかわからない絶妙な攻め感にそわそわするんです…!!
リンツェットはというと、意図的に焦らされているかもなんて微塵も思わず、恥ずかしいのに身体が勝手に快感を伝えてしまい、初々しくも大変色っぽいです。
プチS疑惑のアラリックにリンツェットがそそのかされるたび、なんだかドキドキしてしまいました。それでもやっぱり甘々で幸せもいっぱいという、個人的には神ベッドシーンでした。

そしてこのシーンではさらなる見所があります。Hの途中で予期せぬ中断があるんです。
それはリンツェットの可愛すぎる世間知らずからくるもので、アラリックもいつもの洒脱な話術をかなぐり捨て、慌ててフォローする事態に…この「比喩の招いた誤解」はかなり面白いのでぜひご一読いただきたいです…!

前半の幽閉生活から、幸せで楽しい恋愛シーンに移っていくにつれて、リンツェットの表情がどんどん柔らかくなり、時々恥ずかしそうにアラリックに甘えているのがものすごく可愛くて満たされます。
アラリックも溺愛を全く隠さず、どんな愛情表現でもリンツェットが心から嬉しそうに笑っているので、本当に相性の良いカップルだな…と感じました。
焼きもちから喧嘩してしまう場面もありますが、最後までずっと甘々で幸せです!


巻末SSでは「深窓のオメガ王子と奴隷の王」のロランとキリルも登場してくれます。
二人も運命の番でありながらなかなかうまくいかず、アラリックとリンツェットが陰ながら応援する様子を楽しませていただきました。
ロラン、不器用ながらものすごく頑張っていたんですね…!!リンツェットの前だとロランがとても素直に恋に懊悩していて、さらに前作が好きになりました。
また、アラリックの誕生日にリンツェットがたくさんのプレゼントを贈るシーンもあって、盛りだくさんな内容です。
小林典雅先生の小説に登場する贈り物は、素朴でありながらハッと目を引くものが多い気がします。今回も全てリンツェットの手作りで、一つ一つに込められた想いや、出来上がるまでの時間、もらった相手の喜びなどがぎゅっと詰め込まれている素敵なプレゼントでした。もちろんアラリックは感激して歌っていました(笑)

切なさも面白さもときめきもあって、何度も読み返したくなる一冊でした。
幸せなお話を書いてくださった先生に、心から感謝をお伝えしたいです。

長文で失礼いたしました。

恋の言葉遊び♡

本編から少しあとの、ダリウスとフィンのいちゃいちゃトーク(あまのじゃくバージョン)です♡

フィンの妹のアシュレーが風邪をひいてしまい、ダリウスもフィンも看病したりあやしたりと、新米ママのリーズに協力します。
でも実は、アシュレーに優しく尽くす恋人に、お互いにこっそり焼きもちをやいていて…!

幼い妹にも嫉妬してしまうくらいダリウスのことが大好きだと、今すぐに伝えたいフィン。
でも胸元にはうとうとしている妹がいて、自分達の甘く不謹慎な会話を聞かせるわけにはいかない…
そこでフィンは睦言だとばれないように「逆さま言葉」でダリウスに想いを伝えます。

でも「おまえのことは大好きじゃないし」…みたいな、言葉尻にどんな否定語をくっつけても"好き"がダダ漏れの会話で、ストレートな告白よりくすぐったくなりました!
フィンの言う「バカ」には、焼きもちをやいてちょっと拗ねた感じが出ていて可愛いんです!
ダリウスも微苦笑まじりにちゃんと反対言葉で愛を囁いてくれます。
キュンとしたのは、ダリウスが年下の恋人の言葉遊びにただ付き合っている風ではなく、落ち着き払いながらも言葉の選び方にフィンのことが可愛くてたまらない、大好き、という気持ちが滲んでいるところです!
大人っぽく見えて、積極的に言葉遊びに応えてくれるダリウスを見て、相性抜群のカップルだな…と幸せな気持ちになりました。

アシュレーも女子なので、遠からず兄とお世話係の関係に気づきそうです…!
「逆さまの睦言」というタイトルがまさにぴったりで、二人の甘い空気にお腹いっぱいになりました♡

どの関係も優しくて甘い…!

幸せいっぱいのお話で、大満足でした!

純情で誠実なダリウスと、天使のように素直でありながら、ダリウスの前でだけ時々小悪魔になるフィンのカップルがとても可愛いです!
また、年の差主従関係、両片想い、二人だけの秘め事……美味しい設定が盛りだくさんで、丁寧に描かれる関係性が心地よく胸に残りました。
以下、ネタバレありのあらすじです。


17歳のフィンは、幼い頃からお世話係のダリウスに恋をしています。でもある晩の出来事をきっかけに、ダリウスに対して気持ちとは裏腹なひどい態度しかとれなくなってしまい…。
フィンのことを誰よりも大切に想っているダリウスは突然の変化に傷つき、それでも誠実にお世話係として側に仕えます。
でも実はダリウスにも人には言えない秘密があり、それは深夜の3時間だけ一角獣に変身するということ。
膠着状態にも見えた二人の両片想いは、フィンが一角獣の姿を見てしまったことで動き出して……




前半部分には17歳のダリウスと7歳のフィンが出会う場面があり、幼いフィンが本当に可愛くて癒されます。普段は聞き分けが良く大人びているのに、ダリウスに関しては絶対譲らず、「ダリウスはどこにもいっちゃいけないの!」と必死にしがみつく姿にキュンとします!
そうやって「ダリウスが一番好き」と天使のように素直な愛情を向けていただけに、誤解が生まれた後のぎこちない関係が一層切ないです…!
ダリウスはフィンからまっすぐ慕われている時も、冷たい態度をとられている5年間も、いつも紳士で優しいんです。そんな彼が、ずっと秘めてきた想いを堪えきれずに口走ってしまう瞬間に胸を打たれました。

ようやく誤解がとけたあとの二人の関係が、書き下ろし「天使の秘め事」でとても大切に描かれています。

何年も素直になれなかったフィンが、ずっと押し止めていた恋心をダリウスに向けて解き放つ姿が本当に可愛くて眩しいです!前半がツンだったぶんだけ、より甘く感じます…!
ダリウスに構ってもらえないと小悪魔フィンに変貌して、相手をドキドキさせることを言ってみたり…言葉でいちゃいちゃするシーンもたくさん見せてもらえました!
また、恋に夢中になるだけでなく、自分のこれまでの態度を真摯に謝るところもとても良い子だと感じました。

ダリウスはフィンのことを心から愛していますが、お世話係として遠慮してしまうことも多いんです。フィンは相手の理性を崩そうと頑張り、そのもの慣れなさにも魅力が溢れていました。
本当は可愛く誘いたいのにうまく伝わらず、最後は「おまえは僕が『抱け』と言ったら抱けばいいんだ」と命令口調になってしまうところがとても可愛いんです。内心では恥ずかしさをこらえているのが健気で…!

そして、深夜一角獣に変身したダリウスとのラブシーンは必見です。
ダリウスの角はフィンに触られたときだけ性感帯になってしまうので、他では味わえないラブシーンをたっぷりと堪能させていただけます。そして満足感に浸っていると、さらに予想を超えるいちゃいちゃが……!
二人が寄り添って一緒に眠る場面が本当に素晴らしく、満足度のメーターが振り切れっぱなしでした。

甘いラブシーンが盛りだくさんなことに加え、二人の関係性がとても心に残りました。
ダリウスとフィンの間では関係性がいくつも重なっていて、主とお世話係としての関係、一角獣のダリウスとフィンの密やかな関係、主従から少しずつ恋人へと変化していく関係など、そこにある二人の気持ちがしっかりと描かれていて引き込まれるんです。どの関係性も素敵だったので、レビュータイトルでもそこに触れたくなりました。
また、先生はまっすぐな喜びを表現されることがとてもお上手なので、感化されて胸が熱くなることが何度もありました。
意外なものの登場に「何が起こるのだろう」とわくわくする場面も多く、特に物語最後の「積み藁」は最高のシーンなのでぜひご覧いただきたいです…!

長文で失礼致しました。
何度も読み返して味わいたくなる、おすすめの一冊です!

新婚さんの聖なる儀式♡

本編後、新婚ほやほやの岳さんとアシェルのお話です♪
ネタバレしておりますのでご注意ください。


アシェルがドラマの中のラブラブカップルに憧れて、「僕もこういう風に岳さんをお出迎えしたいです」とおねだりするのがとっても可愛いです!
岳さんにはちょっとハードル高めな「ただいま&おかえりなさい」いちゃいちゃでしたが、いざやってみるとアシェルの笑顔に癒されて、「これはもう聖なる儀式だ、今後も毎日やるべきだ」とノリノリでした(笑)

そして玄関で「お出迎えいちゃいちゃ」を楽しむ二人を、ピムが壁から半分顔を出してじぃっと観察しているのには笑いました!
照れくさいから俺の帰宅時にはピムハウスの方へ行っていてくれ、と貢ぎ物まで渡して約束したのに、結果的にめっちゃ見てました(笑)

そのあとの二人のお風呂シーンも必見です!
一緒にお風呂に入ろうかと誘われ、恥ずかしそうに了承するシーンは、何度みても良いものですね。
ふたりがお風呂で仲よくしていると今度はケアリー卿が乱入しますが、意外にもアシェルの方が「こうなったら…」と意欲的に対策を講じているのが面白かったです! 
「新婚は人目を憚らずいちゃいちゃするものでしょう」と、はりきって岳さんとのいちゃいちゃを見せつけようとするアシェルが可愛かったです!

短いお話なのに、玄関いちゃいちゃと仲良しお風呂タイムの両方を見せてもらえて大満足でした!
甘々な雰囲気をいっぱい堪能できる、可愛いSSでした!

最高に可愛い、癒しと夢の小説!

とっても面白かったです!
読んでいる間、何回もクスッとしたりニコニコしてしまいました。アシェルとピムがめちゃくちゃ可愛くて癒されるんです~!
ユーモアと恋の甘さが絶妙なバランスで、最高の読書タイムでした。

以下、ネタバレありのあらすじです。





決められた結婚を控え、その前に一度だけ本物の恋がしたいと願うカールハート王国の第一王子、アシェル。
運命の人を求めて「願いの泉」に飛び込んだアシェルとリスのピムが行き着いた先は、日本の警察官、岳(がく)の家のお風呂で…?!

攻の葉室岳(はむろ がく/28歳)は、サイバーテロ対策室に勤めるリアリストな警察官。
受はメルヘンの国から来た純情な王子様、アシェル・ウィンタブロット(19歳、作中で20歳の誕生日を迎えます)。
そしてアシェルの「お話相手」でシマリスのピム。
異世界トリップものでメルヘンチックな設定なのに、典雅先生の手にかかると妙にリアルで、本当にあり得そうに思えるからすごいです(笑)
まずリアリストな岳さんがアシェルを外国人コスプレイヤーだと思って、自宅のキッチンテーブルで事情聴取してるシーンとか真面目なのに笑っちゃう…。
アシェルも風呂で出会った時に岳さんが裸だったので、自分の運命の相手はまさか裸族…?と驚いていたり(笑)

でも面白いだけじゃなくて、アシェルが素直で意地らしくてとっても可愛いのです!お風呂で王子服がびしょ濡れになってしまい、岳さんがジャージを着せてくれるのですが(パンツの履き方も分からなかったから岳さんが履かせてくれる!)、それが初めて好きな人からもらった贈り物だから、またびしょ濡れになった後もジャージを脱がずにこっそり服の下に着込んでたりして、怒られてしょんぼりする姿にキュンとしました。
そしてリスのピムも、ただのマスコットキャラにとどまらない魅力が…!
口調は「相わかった」みたいな堅い言葉なのに、耳を撫でられるとほわ~んと恍惚の表情になったり、興奮すると「あっ!」って不可抗力でお漏らししてしまってシュン…としているのがものすごく可愛かったです…!

アシェルとピム、それぞれの可愛さでも大満足なのですが、ストーリーにも引き込まれました。メルヘンの国から来たアシェル達が現代日本の暮らしに新鮮に驚いたり、純粋な心で岳さんを癒してくれる日常のシーンは、読んでいて心が躍りました。
岳さんはアシェルの恋心に応えられないからと、わざと素っ気なくするのですが、それでも垣間見える優しさがとっても良いのです。アシェルだけじゃなくてピムのことも大事にしてくれるところがポイント高いです。
典雅先生は純粋な喜びの感情を書かれるのがとてもお上手で、アシェルのお誕生日のシーンは、岳さんに買い物に連れて行ってもらい嬉しくてたまらない感情が、こちらにまで流れ込んでくるようでした。

魔法使いに連れ戻されてしまったアシェルを追って、岳さんとピムはメルヘンの国に行くのですが、全然勝ち目のない勝負なんです。
でも試練への立ち向かい方に、岳さんとアシェルの想いが感じられてとても良いので、ぜひ結末をご覧いただきたいです…!
「運命の相手のキスで目覚める」おとぎ話より、ずっと確かな愛の証明を見せてもらえました。

そして、岳さんがアシェルに贈ったプロポーズのプレゼントがこのお話にぴったりすぎて、感動でした…!!

暗いニュースが多い日々に、少しでも甘くて幸せで癒されるお話を、という先生の想いが伝わってくる作品で、この先も何度も拝読したくなる1冊でした。
あとがき後に「その後のふたり」という短編をつけてくださっていて、そちらも2人の愛の伝え方が素敵すぎてうるうるしてしまいました。アシェルが岳さんに会うために作った「ありばい」が可愛すぎて…岳さんの返事も尊くて…!
特典SSも、ラブラブ新婚カップルっぷりに癒されるのでオススメです!

長文で失礼致しました!