こしばさんのマイページ

レビューした作品

女性こしばさん

レビュー数8

ポイント数55

今年度122位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

タイトルに反して高校生同士のピュアラブ

タイトルだけ見て、「お、木下先生にしては珍しく襲い受け?」と手に取ってみたんですが、タイトルに反して、高校生同士のピュアで可愛い初恋ものです。

主人公は攻さんの方。自分が厄介事を引き受けてその場が丸く収まるならそれでいいじゃないか、という考えの持ち主で、「面倒が少ない道を選んでいるだけ」と言いながらも、行動が思考を作るのか傍から見てれば結構お人好しで心配性で、見方変えればお節介?
保健室に行ったところアナニーしていた隣のクラスのヤンキーに出くわし、ケツに指突っ込んでくれと脅され(?)、抗えず言いなりになり、指を貸してあげます。
とまあ、ここから、身体だけのえろえろしい関係が始まるのかー?と思えばそうならず。世話焼き攻さん、受さんが性欲が変な方に向かってしまい不眠症になっているのが気がかりで、根本から解決しよう!と立ち上がります。関わり合う内に受さんのバックグラウンドを知り、「ほっとけない」という気持ちが徐々に恋へ――という流れになります。
なので先に言っちゃうと、「おっ、襲い受けのエロエロ展開か!?」という方は肩透かししちゃうかも(^^;)タイトルは2人の関係が始まるきっかけのようなもので、今作は「始まりは何だかエロい事しちゃったけど、関わり合う内に友情、そして恋を深めていくピュアな男子高校生もの」です。なのでこの作品のエロ度:少なめ、正しいです。
身体を介さない分、2人の友情(?)を育む感じとか可愛らしいです。受さんはヤンキーという設定ながらも、単純に目つきが悪く絡んでくるのを受けて立ってたらそうなっただけ、で、中身は愛情知らずで純粋培養な子です。絆されるやつや…。

個人的な評価としては、目を引くタイトルと設定に反してピュアなラブストーリーという部分で、取っ掛かりとしてはOKでも、ピュアなDKものとしては普通か?というのとでちょっと低め。
同時収録の短編は背が低いポジティブリーマン×気が弱い高身長インストラクター。逆転体格差に萌える方向け。

あとこれは前から持っている印象なんですが、木下先生のネーム…コマ割が、いまいち「うーん?」なんです;その台詞にコマそういう風に使う?とか、説明的過ぎるコマが続くなあとか。印象的なコマ割というのがいまいち弱いという印象のままです。

がっちりした受さんがお好みならぜひ

初読み作家さんです。まだ紙本2冊目なんですね~。インタビュー記事と、表紙・帯で興味を引かれ購入しました。
個人的に「女の子らしい線の細い」というような受さんはあんまり好みじゃない…なので、タチ専しながらもネコになりたいと考えている今作主人公の受さんにそそられまして。

さてこの受のダイチくん、バリバリのネコちゃんでゲイビを観ながらオナる日々。好きなタチ役モデル(コウヘイくん)と絡んでみたいと思う中、自分もゲイビの世界に飛び込んでみるなかなかの行動派です。初仕事の日にトラブルが有り、汁男優(つまりモブ)として出る筈がまさかのタチ役として出てしまったところ、あっという間に人気が出てタチ専モデルに。今更ウケをやりたいとも言い出せずにいたところ、新しい仕事の監督さんが何とコウヘイくん!緊張して勃たなくなったりしたもののコウヘイくんのアシストで何とか仕事をこなしたところ、コウヘイくんからネコで出てみないかと言われる。その交換条件として、今は引退しているコウヘイくんが相手役なら、と言ってみたところ――という粗筋(インタビュー記事ご覧になってくださいね!)。
今作は3話完結(+後日談書き下ろし)。というのもあってか話自体はサクサク進むんですが、2話でのコウヘイくんとの絡みはがっつりページを割かれてねっとり描かれております。受のダイチくん、実はバリネコ(いや、帯の表記に合わせるとド受け)ではあるものの、普段タチ役なので身体つきはがっしりvモノもばっちりvそしてそんなダイチくんを抱くコウヘイくんもまた、引退した身ですっかりもっさりしちゃったけど、撮影の現場ではしっかり雄で、肉感的なねっとりエロを楽しめます。よきかな…。ダイチくんはさわやか好青年って感じで、コウヘイくんとの撮影もまずは普段タチ役をやっているだけに攻める姿勢も頑張るのですが、コウヘイくんの攻めにとろんとしちゃって、初めてのウケセックスに感じまくっちゃうのが可愛いです。
行動派なダイチくん。折角ウケ役するならコウヘイくんがいい!と言ったり、しっかり気持ちよくなったり、自分から攻めたり、でも抱いて欲しい!だったり。欲求まっしぐらで積極的な受さん、好みです…!

とまあ、割と設定的に好みそうだったので読んでみて、設定萌えという部分では満足なんですが、マイナス評価が入ってしまうのは…うーん、やっぱり3話連載だった部分ですかね;仕方がない事では有りますが、駆け足になっちゃった為、お互い恋愛的に好きになって恋人同士に、という変遷が薄かったかなあと。
ダイチくんは「コウヘイくんと絡んでみたい」と思ってゲイビ界に飛び込んだものの、仕事を選んでいた訳でもコウヘイくんを探していた訳でもなく、タチ専として売れちゃったけどネコやりたい(けど今更そのオファー通してもらえないと諦め)ということは相手役は誰でもいいから、という感じだったし。確かにコウヘイくんに憧れていた訳だけど、それが恋愛という意味かどうかー、という部分については、初めてのネコが憧れのコウヘイくんで満たされちゃって、という、身体陥落でちょっとちょろい感じになっちゃって、いまいち深みが足らず。本人は憧れと思っているだけで本当は惚れてた、としても、ちょっと薄いかなあ。
で、コウヘイくん(というのは源氏名で、笹川さん)はというと、ダイチくんから相手役に!と指名され、どうやらダイチくんは俺に惚れてるみたいだし…と躊躇するもののOKする事に。一度試しに触れてみたダイチくんの受としての素質を見逃すのは勿体ない、という事だそうですが、それで実際撮影でセックスしてみてー……からの最終話への流れが、「え、それだけで惚れた?あんたの方こそチョロくね?」みたいに(苦笑)。うーん、自分の事を好きらしい相手のとろとろエッチな姿に絆されちゃって~な感じなんだとは思いますが、やっぱりページ数が足りなかった!残念!

同時収録は短編2作。幼馴染再会ものと、ゲイカップルの新婚初夜のお話。どちらも積極的な受さん(ついでに結構筋肉質)を楽しめます。そういうのが性癖に刺さるという方にはお薦めです。

うーん、普通

偶然出会った男と、彼女と行く筈だったレストランに一緒に行く事になった受主人公さん。酔った勢いでどうやらその男と致しちゃったらしく、その後もその男にアプローチされる中、おかしな展開に巻き込まれて…。
というような、少し事件ものも絡めたお話でしょうか。

その偶然出会った男は探偵。受さんに一目惚れしたと言って口説いてくる訳ですが…え、ホントに出会い、偶然だったの?と拍子抜け。裏表紙の粗筋に「謎だらけの彼の目的、~」みたいに書かれているから、偶然を装った出会いで、何か事件の鍵を握る人物なのか?と思っていると、別にそんな事はなく…本当にただの偶然…。ええー?何だか凄く煽りに騙された気分になってしまいます。
とまあ、「もしかして何だか怪しい人物なんじゃ?」と思いながら読む、というのを捨てた再読なら、この探偵さんが受さんを気に入って素直に口説いているだけ、というのがすーっと入ってくるかと思います。というのを考えて読んでみても、特に深みを感じられず…。
こちらが、粗筋を読んで勝手に色々深く想像しちゃっただけなんですけど、話としては事件ものを絡めてはいるけど、シンプル過ぎて、真っ直ぐな主人公に少し癖が有る男が絡んでる、という感じです。タイトルの意味はまだよく解りません…。
他、攻さんには義理の息子が居る、という設定有り。ぶっちゃけイラスト、攻さんとその息子の描き分けが微妙です…。

結果、可もなく不可もなく、という普通な話、という印象になっちゃいました。
高岡先生のお話、古いものを別レーベルから再版、というものが最近多いですけど、これも同じく。掘り起こしもいいんですが、何か普通…って思ってしまうという事は、最近のお話の方が面白いって事ですかね。
ただ、このカクテルキス文庫からの再版の場合、高岡先生の改稿が大分入っているというのもありますが、校正校閲が甘すぎます。

ラブよりもほのぼの子育て強め

小中先生の作品を順に読んでいく中で手にした1作。初ヤンキーとの事ですが、タイトルにある通り「元ヤン」という事で、ヤンキー色は弱め。喧嘩っぱやいという訳でもなく(ちゃんと子供が近くに居るから…と周りを見て判断する力は有ります)。芯が通っていて自分なりの正義感を貫いてる子って感じでしょうか。

破天荒な兄貴の子供を面倒看る事になった受さんのお話。独り暮らしの自分の面倒すら適当なのに、甥っ子を守る為に頑張る姿が可愛いです。
料理も碌に出来ない中で助けに来てくれたのが、昔憧れていた先輩。当時は兄貴の親友と思ってたけど、実は兄貴の元彼でした、という尾ひれもついておりますが。
うーん、この兄貴の元彼という設定は要るのかなあ、うーん。その設定が無くても破綻しない気もするし、破天荒でありながらも絶対的な魅力が有るという兄貴に対するコンプレックスを刺激するという要素では要る気もするし…うーん。何か中途半端というか。寧ろ昔付き合っていた事を知っていた、という方が、まだ設定や展開に納得が出来る気もします。昔憧れていた先輩がピンチに助けに来てくれた!と恋心に発展した経緯が、ちょっと弱い気がしたんですよねえ。

因みにこの攻さん、タイトルにもある通り社長という事なんですが、その描写ほぼ無いです(笑)自分で会社立ち上げて今ちょうど閑散期だからーという事でしたが、もうちょっとくらい仕事頑張ってる姿有ってもいんじゃね?と^^;「比較的時間の余裕が有って何でも出来るスパダリ」っていう事で社長設定を入れたんだと思いますが、この設定こそ不要だったのかも…。必要な設定だけで話を作って、とは言いませんが、タイトルに入れるくらいならせめてもうちょっと…。

と、設定の突っ込みどころを先に挙げちゃいましたが、お話としては、ラブよりもほのぼの子育てという方が強め。ころころ環境が変わる事になった甥っ子の為に頑張る受さんとそれを手助けする攻さんのお話です。
甥っ子麗王くんがとても可愛い(余談ですが、この字でレオと読むんですが、度々魔王と見間違えてました・笑)。3歳ならではの可愛さと、周りに振り回されて賢くならざるを得ない切なさが、読んでいるこちらもきゅーんとしちゃいます。可愛い。
受さんもいい子です。自分の生活も有る中で面倒を看る事になって、そのストレスだって有る筈なのに、元凶である兄貴を責めても、レオ君には決して当たらない。でも溜まってた分を攻さんが掬い取ってくれて…と、ほのぼの進みます。
元ヤンが故、仲間内のトラブルに顔を突っ込んだり、な展開は有りますが、そこもさらっと。「元ヤン」って設定は、自分の周りの人を守る為に一生懸命になるっていう性格に掛かって来てるのかな。

家族愛という部分では糖度高めですが、BLとしてのラブは低め、エロはもっと低め、ですが、ほのぼのが読みたいという時にはいいかも。
ところで破天荒なにーちゃん、パイプカットしたっていう部分があまりにさらっとと書かれて、その後も何もツッコミないまま終わりましたが、え、その部分、ほんまに要る?(笑)ラブが弱めだったのと、設定の要・不要が話の展開にあまり沿ってなかったかなあというのがあって、少し評価低めにさせていただきました。

割れ鍋に綴じ蓋カップル

「俺攻め~」で初めて出会い、お気に入りの作家さん。Qpaさんからは2冊目みたいですが、相性いいですねー。表紙は某海外ドラマからのオマージュかな?えっち週7、つまり毎日出来るって男同士ならではだなあ…(笑)攻さんは男同士のえっちは受さんとが初めて、とありましたが、割れ鍋に綴じ蓋でよかったよかった。
まさに絶倫×淫乱(笑)身体の関係から始まった2人ですが、あらあら何だかシていくうちに…。実はこうだった、という攻さんと、シていくうちに考え方が変わっていった受さん。エロが中心ではありますが、絶妙に話が進んでいく感じが良かったです。

個人的にぺそ太郎先生、「めくり」が上手だなーと。左ページの最後のコマの事です。次のページで何が起こる!?というのを期待させてめくらせる訳ですが、BLってなんだか萌えやエロ(性癖だとか、萌える体位の描き方だとか)が優先されてて、そういう基本的な漫画のテクニックは玉石混交という感じも多い中、めくりが上手い作家さんって貴重だなあと思います。あと24時間耐久えっちの中で何だか成年漫画でありそうなページも(笑)。エロを効果的に見せる表現を追求されている感じがして好きです。

ベストオブ そっちかい!って言いたい受賞

先日切江先生を別作品で存じ上げ、一気に気に入り、作家読みを始めたところです。評価が一番高かったこの作品を読むのを楽しみにしていました!
作品内容については、粗筋にある通り。まあネタバレされてますよね、粗筋で(笑)。なので、勘違いしながらも恋心を育てていく様を見守るという形で読めばいいのか、という認識で読みました。

いやー、主人公の亮君が天然ちゃん。切江先生、「天然」という設定のキャラを書くのが上手いんだなあと認識。あざとくなく、無理がなく、そして可愛い。まあ、「気付かんのかい!」「そっちかい!」と多々ツッコミは入れちゃいますが(笑)最初の天然ターン:名刺で、「え、普通気付くでしょ…?」とこちらとしては思うも、ちょうど不動産屋で家探しをしよう~っていうタイミングと、攻さんが不動産会社社長という肩書とが、この名刺はエッチした人の名刺、という想像を消してしまったんですね…まじかよ…。
記憶に残る超絶好みな初エッチの相手と、姿は見えないながらもお喋りが楽しい幽霊の霊君は何処か喋り方が似てる。仕事抜きにして会うようになった不動産屋社長と初エッチの彼は顔がそっくり。それぞれに惹かれていく様もとても自然で楽しく読めます。まあみんな同じ人ですけど(笑)

片や攻さんの望月さんは、一夜を共にしたアキラ君を気に入りつつも、残してきた名刺を辿られずしょんぼり状態。だけど先に霊君として店子の御津さんと接し、面白い人だと好感を持つ。その後御津さん=アキラと判明。この流れ、見事ですね~。最初っからぜーーんぶ知った状態で亮君と接していくのでなく、望月さんもまた、エッチしたアキラ君と、壁越しの話が楽しい御津さん、それぞれを気に入っていた状態。だけど、漸く顔を合わせた御津さんがアキラ君だと判明したからこそ、完全に惚れた!となる訳で。正直、たった1回エッチしたくらいじゃそこまで惚れ込めないでしょ、というのを、上手く底上げしてくれて、望月さん→亮君という部分に説得力を持たせてくれます。切江先生が上手いのは、「何でこの攻はこんなに受の事が好きなんだろう…」という疑問を抱かせないところなのかも。
その望月さん、御津さんがあの気に入ったアキラ君だからこそアタックしかける!と仕事外でも会う約束を取り付けたりと、凄く上手い具合に事を運んでるのに、なーんかヘタレ。何処かヘタレ、何か残念(笑)。途中、御津さんには忘れられないエッチした相手が居るというのを聞くからというのもありますが…ただ、その相手が自分だ!と判明したら最後、ちゃんと攻め込むからいいですね!素敵です!
最終的にきちんと亮君の恋心は1人に向けられるのですが、その纏め方もコミカルで楽しいです。ワクワクしながら読めました。

さて、最終的な評価としては、萌2でしょうか…。神!とまではいかなかったのは、攻さんが1人3役を担っているようで、いや別に担ってないんですよね…。亮君にとって初エッチの彼は亮君の記憶の中である意味美化されたまま存在しているだけで、望月さんにとっては最初っから自分(亮君には自分とは別人だと誤解されてる)ですし…。霊君・望月さんとそれぞれ仲を深めていく描写がしっかりと描かれていて納得は出来るんですが、3役なんて聞くと、途中一夜限りの相手としてとの2度目の何かがあるんじゃないか…!?とか期待しちゃった部分も有ったので;凄く書き込みの多い作家さんなのでそこまで書くと物凄い量になっちゃうかもですね…。
とはいえ、エッチシーンもほどよくエロく、設定:「誤解・思い込み」に違わない良い作品でした。好きです!

いい溺愛もの

初読み作家さんでした。中古書店で(失礼;)偶々タイトルが気になって手に取ったもの。粗筋も好みでしたし、イラストが好きな先生だったっていうのもあったので読んでみました。

タイトルに偽りなし!いい溺愛ものですね~。
溺愛ものって普通の男女ものティーンズラブでは鉄板ですし、BLでも甘々ものの代名詞みたいな感じでありますけど、大体そういうのって受けさん・女の子の立場で物語が描かれていて、終止「何でこんな素敵な人が俺の為に…?」みたいなノリが続いてて、イラッとする事もしばしば^^;勿論設定や進むお話の中で、攻めさんが溺愛してしまうような理由みたいなのも読者に納得してもらう為に入れられているので、こちらとしては解りながら読んでいるけども、卑屈モードなまま読むのって結構しんどいんですよね。

さて、この話での受けさんは、結構ワーカーホリック。攻めさんに連れて行かれた場所でもついお仕事の事を考えたり。そもそも連れて行ってもらった理由が、仕事と紐づいてたり。そういう「仕事観」だとか、ルームメイトとして一緒に暮らしていく中での生活の合わせ方だとか、ちょっとした事が色々積み重なって攻めさんは納得しながら受けさんに惹かれて溺愛していくのが解りますし、受けさんがそんなやさしさを受けとりながら好きになっていく様も丁寧に描かれています。
この受けさんも攻め溺愛ものの鉄板:自分に自信が無い受け、ではありますが、攻めさんの言葉を聞いて自惚れたりでも自分で否定したりと、ここがリアルでいい。そう、やっぱり自惚れるんですよね~。卑屈になってばかりのがしんどくなるのはこれが無い事が多いので。大変なお仕事頑張るワーカーホリックですが、それを楽しんでやっているのが判りますし(俺こんなに頑張ってるのに報われない!系じゃないお話なので楽しく読めます)、元恋人のああだこうだも有りますけど、でもそこから、相手が自分にしてきてくれた事を信じる事、自分の気持ちに正直になる事に対して前向きになったりと、凄く好感が持てる受けさんです。こりゃー攻めさんじゃなくても「かわいい」連呼しちゃいますわ(笑)

あとこれは私だけかもですが、受けさんの容姿に対して、客観的に見て上クラスらしいのに、受けさんでの視点で描かれている物語だからか、自分の容姿に対して「俺はこう見えるらしいが正直嫌だ」みたいな鉄板部分が無かったのが、この話における好印象です。攻めさんや他の同僚さんに言われている言葉で受けさんのどうやら上クラスらしい容姿を想像するのも楽しかったですし、その容姿に対する言葉に大きなアクション(変な卑屈な言葉や、折角の言葉を否定するような言い返し)を返してなかったのもいい。それは、自分の容姿に自信を持っている訳でなく、単純に自分の容姿に対して興味が無いだけだな、というのが伝わってくるというか。

中古書店で偶々見つけた初読み作家さんでしたが、良い出会いをした~と思ってます。充分満足したお話でしたが、評価順で並び変えたら、こちら、これでも低い方なんですね…という事はまだ読んでいない別の作品はもっと満足できるかも!ということ。作家読み決定です。

イラストや粗筋からイメージしたものと違う気がする

ここ最近栗城先生の作品に出会い、カバーに書かれている粗筋が好みそう、と思ったものについて順に手に取ってみている感じです。私「可愛い攻め」に弱くて…(笑)他に手に取った作品もそうなんですが、受けさんがつい「可愛い」って思っちゃうような攻め様、な作品が好きなんです。
まだあまり手に取れてないんですが、栗城先生はそういう作風なのかなあと思うんですが……うーん、数作手に取ってみて、他の方も(他作品レビュー含め)仰られているとおり、当たりはずれが大きいかも…。粗筋だけ見ると好みかも!って思うだけにがっかり感が余計大きい。

今作については、受けさんは攻めさんのことを、「背も高く格好いいのになんだか挙動不審で、そのギャップが可愛く思えてしまう」。
何でしょうね…小嶋先生が描かれているイラストが可愛い系だからでしょうか。いまいちイラストとお話と設定とに齟齬が有るような気がして、「あれ?こんな感じ?」とずーっと違和感。イラストだけ見ると、攻め様が「ただのオタクのにーちゃん」って感じです。格好いい筈なのに(いや、テンプレなオタクスタイルな方が格好悪いって言ってる訳じゃないですよ)。
というか、「この設定だったらこんな感じかなあ」と想像するテンプレっていうのがあって、オタクならこう、漫画家ならこう、ゲイならこう、ヘタレならこう…と。攻めさんの黒崎さんに対し色々な設定が有るんですが、その組み合わせならこういう感じのキャラになるだろう、という想像から微妙~~に外れてるんですよ、この黒崎さんというキャラが。ついオタク仲間のノリで食事中にアニメネタぶっこんだり、受けさんに対して俺の嫁~と妄想したり、というオタクのテンプレみたいなのがある一方で「格好いい」と「ゲイのノリでゲイ同士付き合ってないけど互いに欲求不満なら消化し合う」みたいなのに慣れてて、受けさんに対しエッチな事をサラッと(という訳ではないけど)しちゃったり。
その齟齬が「ギャップ」と言えれば良いように取れるんですけど、何か違うんですよねえ…。「そういう事出来るならそんなキャラになってないだろ」とずーっと違和感と突っ込みでいっぱいな訳です。

なので攻めさんの設定のせいでお話に乗り切れず…な感じです。受けさんのキャラだとかについては何も問題無いし、恋愛に不慣れでも男の子だからエッチな事には興味あるし!で可愛いと思うんだけど。

この先もずっと幸せでいて欲しいと願うカップル

どれだけ素敵!と思っても、でもここはな~…という部分はちょこちょこ有ったりするから、なかなか選べずにいたんですが、初めて「神評価」を付けてしまいました…。
でも本当に、甘さにキュンとするのと、切なさにグッとくるのとの按配が良くて良くて…。
ただ正直なところ、個人的にdrap様の連載作品って、中途半端~で終わるっていう印象が強くて…。何故ああだこうだあって両想いになった、ってとこで終わるの!その後ハピエンエッチしてから終わりでしょ!みたいな。結構単行本化する際に入れられる書き下ろしでそれが描かれ漸く完結、という印象が強く、前作の「叶わぬ恋の結び方」もそれでした。素敵なんだけど…!まだちょっと足りてないよ…!という飢餓感みたいなのが前作であったからこそ、この続編に神評価を付けてしまうのかも(^^;寧ろ前作と併せての神評価です。

原さんは前作からぶれません。一言で表せば、「ずーっと薫君の事が好き」。赤い糸が視える薫君の視点で物語が進む以上、原さんの糸が繋がってしまった事に、どうしようどうしよう…!と私達も一緒に不安になってしまうのですが、俯瞰で見ると、原さんは全くぶれてません。その様が2度3度読み直す度に感じられるから、余計にきゅんきゅんしちゃうのです…。
原さんの糸がもし繋がらなかったとしても(前作での迷い)、原さんの糸を切ったとしても(今作での迷い)、でも結局薫君自身が変わらないと、一緒に居たとしてもずっと不安を抱えたまま。薫君自身が原さんへの独占欲を主張出来るようになったことに、ただただ「よかったねえ…!!」と涙。そんな風に薫君に迎えに来させる原さんの精神的Sっぷりもいいですよね(*´ω`*)

結局原さんの糸についての言及はされておらず、「2人の精神的安定の為に切ってよ!」と思う部分も有るのですが、「糸を切らなくても 俺のこと好きでいてよ」「他の人と繋がってても 俺の事ずっと好きなままでいてよ」に凝縮されてるんでしょうね…。
原さんを迎えに行った薫君は、「他の女と糸が繋がっていても原さんは俺の事を好き」と信じられる子になったんだろうなと信じています。

改めて前作も読み直してしまいましたし、まだ発売されたばかりだというのに読み返してしまいます。素敵なお話です。

これもひとつのハッピーエンド

作者買いです。上巻も含め、コピーにある「合法ショタ」「連載時から賛否両論」「ハートフル不穏BL」…作家好きでなければ手に取らなかったかも。連載開始時にわざわざ読み手を選ぶと注意書きが入っていたのも知っておりました。コミックス派ですので、途中に読む事もせず、上下巻を一気読み。同時発売でよかったです…。

上巻で不思議な形で再会した2人。そして想いを通わせるように。ある意味では「今の」2人を邪魔するものはなかった。有るとすれば、福太が生きているという現実。私がちょっと苦手かも…と思いながらもこのお話を手に取ったのは、先にこのちるちるでの市梨先生のインタビューを見たからというのもあるんですが、でも、うーん。タイトル…やっぱりネタバレしてるかな…。「心中」という決定的なワードを使っているがために、どういう過程や理由や納得が有るにしろ、ラストシーンで描かれる主人公たちの肉体的姿はそうなのかな…と、そりゃあ察してしまうでしょう(苦笑)正直なところ、そこに向かって読んでしまった部分はあります…。普通に「会いに行くから、待っててね」くらいでもよかったんじゃないかなあ。
往年の名作「高校教師」しかり、その姿は愛し合う2人が行きつく先として描かれてきたものです。どうしても見る人を選ぶから、あまり選ばれてこなかったけれど。なのでそれをBLという形を使って使われたところには凄いと思います。

BLに限らず、一次創作二次創作に限らず、フィクションで描かれる物語が担っているのは、物語に自分を投影するかどうかは受け取り手にも寄りますけど、現実では叶わないかもしれないこと、起こり得ないかもしれないことを見る事によって、楽しませたい、夢を見させたい、というようなことだとも思います。一種の現実逃避でもありますが、「学校の人気者に告白されたら」「昔好きだった人と再会出来たら」みたいな、有り得るかもしれないけど、そんな事なかなかないよね~というような妄想が形になったものが物語ともいえるかと。だからあまり、バッドエンドや所謂メリバ、アンハッピーエンドのものは好まれなかったりする。
多分このお話は、「たられば」が叶わなかった『現実』を描いた作品だと思います。葵兄ちゃんとの再会があったとしても。「もしあの時、一緒にいたら」「付いていってれば」。そんな後悔も虚しく、2人の間には目を背けたくなる現実があります。だけど、『フィクションの物語』らしく、唯一「再会出来た」という「もしこんなことが起こったら」が有ったがために、主人公:福太の中で何処か止まっていた時は動きだし、あのラストシーンへ。
福太にとって、どんな形であれ、葵兄ちゃんと再会出来、そして想いを通わせられた。他人の目から見たら、福太は確実におかしくなっていっていたし、福太が選んだ結末は祝福されるものではないかもしれない。だけど、福太が笑ってこの結末を選んだなら、それは「ハッピーエンド」なのである。そう思わせてくれるお話でした。

神評価にするのはやっぱり出来ないかも…。前述した通り、タイトルでネタバレしてると思えたのと、読み手を選ぶ作品であること、そして、個人的には、1周読んでこの物語を受け入れ、2週目で更なる納得をしたものの、5周10周は出来ないかな…と思うほどに、ヘビーなお話だからですかね…。個人的意見です。