ワスレナグサさんのマイページ

レビューした作品

アドバンスドレビューアー

女性ワスレナグサさん

レビュー数22

ポイント数272

今年度105位

通算--位

  • 神22
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

君の手を引いて進む先

21歳の時の事故の後遺症で前向性健忘を患って新しいことが記憶できない、ずっと恭一のことが好きだった道夫(受け・29歳・既婚者)と道夫の中学からの同級生で道夫のことが好きだった恭一(攻め・29歳)の、切ないラブストーリーです。こちらは上下巻の下巻になりますので、まずは上巻を読了ください。

結論部分にも触れることもありますので、ネタバレ注意です。
やはり、しんどい出来事が沢山ありましたね。朝のルーティンが不完全なことであんなことになってしまうとは、と、努力の上で成り立っていた危うい毎日だったんだと改めて感じました。みんな、いい人だからこそ苦しんでいたりするわけで。

灯さん、好きになる努力の全ては悪いことじゃないけど、それが義務になってしまって、心が摩耗するなら、それはもう辛かったと思う。
恭一のしたことは、傲慢かもしれないし、本来ならばしてはいけないことなのかもしれない。でも、そのおかげで、道夫は前向きに笑顔で暮らすことができる。
大事な人達を傷つけてしまったことをずっと忘れないように、謝りながら一人でいきることを自らに課しようとする道夫の気持ちを尊重することが、本当に幸せなのか。その幸せは誰にとっての幸せなのか、誰が幸せと決めるのか
結局の所、恭一も、お父さんも、灯さんも、誰も道夫の自責や苦悩、不幸を望んでいないんですよね。

なかなか自分の感情がまとまらなくて、期間を置いたりもして、何回も読みました。私のなかで色んなことがストンとおちたとき、本当の意味で恭一と道夫のふたりの明るい未来が見えたような気がしました。

色々と考えることができて、とても面白かったです!

変化と距離

バー「ブルーモーメント」の店長の多田響(30歳・受け)、バーの常連客で明るいワンコ系の観月尚人(28歳・攻め)、バーのオーナーで合理主義な日比谷征司(40台・攻め)の3人の、近づくことをためらう世の中で、今、誰を想うかを考える、切ないトライアングルラブです。ちなみに、響と征司は5年来のイイ関係にあります。

参考までに書くと、コロナ禍(2020年辺り?)の世の中の様子や心情がしっかり描かれています。

今作は三角関係ということで、結末は言わないように感想を書こうと思います。

28歳と30歳と40代の三人なのですが、恋愛面で激しい修羅場になったりとかにはならず、それぞれがいい意味でも悪い意味でも大人で、考えて行動をしていたと思います。むしろ、距離や立ち位置を理解しているからこそ身動きが取れない、そんなはがゆさがありました。
そして、三人ともそれぞれに個別にしんどいことが起こるのですが、その時、誰といたいのか、誰を思うのか、それぞれがそれぞれに対する心の距離や体の距離、そのままならない変化を感じました。

響が一緒にいたいのは
5年来の付き合いで会えば甘えさせてくれる、中々会えない恩人でもある年上オーナーの征司か
最近どんどん気になる存在になってくる、年下のバーの常連の尚人か

三角関係にピリオドを打った彼のあのセリフが、とても印象的で切なくて大好きでした。そして巻末の小説の後日談がじんわり心に染みました。


実は作中では「新型コロナウィルス」という病名は1度も登場していないんです。でも、2022年を生きている私たちは、冒頭の数ページ、何なら1ページ目を読むだけですぐに「コロナ禍」を思い浮かべることができるんです。でも、このレビューを書いている今でさえ、作中とは状況が大きく変わっていることからもわかるように、この感覚は、段々ずれが出てくると思うんです。だからこそ、5年後、10年後とかに読んだら、また違う感想、印象を抱けそうなお話だな、と思いました。

もしかしたら、あまりに現在進行形過ぎて、共感しすぎて辛くなるかもしれない、と、不安を胸にドキドキしながら読みました。
現実逃避には向かないかもですが、私的には、今、読めて良かったと思える作品です。

夏になったら、君と

職場でゲイだとばらされてクビになり、生きる希望を見失った自殺志望者の幸志郎(攻)と、ちょうど腹を空かせて人間の魂を探していた悪魔のリンジー(受)の、二人の思いを確かめあう、ふっわふわ、でもちょっと切なくなるラブコメディです。

天使の矢に打たれてお互い意識して恋が始まるという唐突な強制力に「この恋愛は…大丈夫なのか?」と若干ソワソワしながら読みました。
幸志郎がすごくしっかりしていて、かっこいいんです。そして、リンジーがとにかく幸志郎のためにいじらしくて健気。色々考えた挙げ句のリンジーの決断が切なかったです。

幸志郎が「人間界のルールがわからなかったら俺に聞いてくださいね」と言って、リンジーの思いを受け止めて、その上で、ここで暮らす上でより良い方向を二人で目指そうとする気持ちに、安定感を感じました。

同時収録は本編の3年後、リンジーの元使い魔のモモとウェズリーの元使い魔カイの、幼なじみ(?)同士のかわいい恋模様でした。

人間も悪魔も、いい奴もいればやな奴もいる。
このお話をみていると、彼らは確かに人間が定義する種族的な意味では「悪魔」なんだろうけど、悪魔らしいって結局何だろうって考えましたね。中傷したり、保身に走ったり、自分の欲に溺れてひどいことをする人間もいるわけで。

個人的に、平喜多先生の作品は、砂糖菓子のようにフワフワで甘いのかと思いきや、時々ピリッとスパイスが効いている所が好きです。

余談ですが、もうどうしようもないくらい幼体の悪魔たちが可愛いんです…カバー下のリンジーがもう本当にほんとうに…!

かわいくて切なくて、面白かったです!

耳から拡がる めくるめく官能の世界

ひょんなことから憧れの作家の担当編集になってしまった内向的でも真面目な夏目貴文(CV:野上翔・受け)と、元・純文学作家、現・官能小説家の暴君然とした俺様系作家獄本龍之介(CV:加藤将之・攻め)の、官能的ピュアラブストーリーです。
原作未読、アニメイトのポケドラにて購入しました。本編約70分、特典「搦めてほどいて」約5分、特典キャストトーク約8分でした。

いや、本当、エロかったです。もう、音読Hですよ。「ポルノ小説の再現をするために、小説を音読しながら同じ行為をする」というシチュエーションのもと、獄本先生が読む場面と夏目が読む場面があるのですが、どちらもテイストが違ってどちらもエロい。獄本先生は低めの声で、淡々と地の文を読み、台詞は少し情感を込めつつ読む。そのメリハリがクるものがありました。夏目はセックス中に色々されながら読むという状況なわけですが、「喘がされすぎてちゃんと読めない」という所込みで、もう破壊力ありましたね。

獄本役の加藤さんですが、息づかい、ささやき声がセクシーなのもさることながら、立ち上がる、座るなどの動作時にふと漏れるような息や声の表現や、会話相手との物理的距離感がこちらにも見えてくるような演技がすごいと思いました。そして、数々の言葉責めや淫語をサラッとキチッと言い放つ感じがたまりませんでした。

夏目役の野上さんは、喘ぎ音読など、沢山のエロいシーンがありましたが、素朴で内気な夏目が、先生から与えられる快楽を求めて、無自覚に先生を煽っちゃう所の演技は、ものすごいインパクトがありました。そして、夏目の葛藤だったり、成長だったり、友人に対してはちょっと気安くなる瞬間があったり、細かな表現が好きでした。

あと、ローターのくぐもった音だったり、ローションのフタを開閉する音だったりがこっそり入っていて、面白かったです。

ちなみにキャストトークは加藤さん、野上さん、泉役の土岐隼一さん、志賀役の寺島惇太さんの4人でした。

めくるめく官能の世界を垣間見ることができました。もちろん、エロだけでなく、二人の気持ちを追いかけるストーリーもとても楽しかったです。コミックを読んでから聴くとまた違う印象をうけるのかな…とか思いつつ、また聴きたいと思います。
楽しかったです!

ちゃんと 立派に 最期まで

幼なじみであり恋人でもある渉(攻め?)と怜(受け?)の二人。病で渉が亡くなるまで、怜のその後の人生、そして二人のそれからを描いた、切なさあふれるラブストーリーでした。
参考までに書くと、死ネタです。電子配信限定のお話です。ちなみに表紙の黒髪の彼が怜です。

タイトルの「しにゆく」の言葉の強さに度肝を抜かれて思わず購入した作品でした。本編・描きおろし・特典含め45ページの短編です。でも、45ページしかなかったとは思えないくらい内容が詰まっていました。

ほぼ怜の目線で語られています。要所要所にある光の演出が印象的で素敵でした。

怜が渉のいない人生をどんな風に生きたのか
渉のもはや見守ることしかできなかったはがゆさ

これまでの二人の過ごしてきた思いに涙が出てしまいました。
そして、「ちゃんと立派に生きたよ」と渉に笑顔で言えるくらいの人生を送った怜に、全ての気持ちを持っていかれてしまいました。

もうね、タイトル、ですよ。
本当に、タイトルに釣られて良かったです。

胸のあたたかくなるお話でした。

CURE BLOOD コミック

戸ヶ谷新 

with you

突然吸血鬼のようになってしまった若手医師の上川忠雪(28歳・受け?)と忠雪の上級医の十字健(じゅうじたける・33歳・攻め?)の、死ねなく老いなくなってしまった男と、共にあることを望んだ男の、人生を見つめるストーリーです。

参考までに書くと、死ネタありです。行為的シーンがないため、攻め受けは暫定になります。

「なぜそうなったのか?」を追求するミステリー的側面はほぼ無く、「こうなってしまった」人生としっかりと向き合うお話です。
それぞれの親族は少し登場するけれど、基本的に登場人物はほぼ二人です。
二人で過ごす人生を追いかけるなかで、忠雪の十字に寄せる信頼や感謝とか、十字の忠雪と、忠雪と共に過ごすことを大切に思う気持ちなど、二人の心情がしっかりと伝わってきました。

そして、印象的な草原のシーンや、それぞれのモノローグ、相手にかける台詞に心がギュッとなりました。

静かな短編映画を1本観たような、不思議に素敵なお話でした。

その萌芽のもたらすもの

大型忠犬系従者のアルト(18歳・攻め)と、南の覡(かんなぎ)のエルヴァ(26歳・受け)の、二人の思いと世界の謎を紐解くスペクタクルファンタジーBLです。こちらは3巻となりますので、是非1巻からお読みください。そして、まて次巻!です。
3巻も色んな発見や進展があってとても楽しかったです。

恋愛面では、恐らくまだ最後までいってはいないですが、加速度的にまさに「スキンシップ」が進んでいる感がありましたね。そして、何といってもエルヴァの心の変化がありました。色々がんじがらめで閉じ込められていた感情が、諦めたくない、欲しがっていいという気持ちを受け入れる。そして、秘密裏に連れられてきたマニエリにアルトとの時間を取られて嫉妬したり、と己の感情を発露させていくところは良い傾向であればいいな、と思いました。

ストーリー面では、世界観について新事実が明らかになりました。1巻2巻のはしばしにあったオーパーツのような違和感のある言葉や物品の存在する意味がちゃんと帰結して、個人的にはスッキリしました。エルヴァの過去も2巻に引き続き深掘りされています。アルトの「接触によって覡の墨痣を軽減させる力」については、マニエリにも効果があったこともあり、きちんと実証された、ということでいいのかと思います。が、やはりその他の謎はまだわからないですね…。

領主一家、修道院、レティ達。それぞれがどんな思惑で行動していくのか、行き着く先はどこなのか。そして、アルトとエルヴァに明るい未来が訪れるのか。不穏なフラグは未だ乱立中ですが、しっかり結末まで見つめていこうと思います。

僕の思い 君の思い

惨殺され命を落とすが間宮の手により屍肉を喰らうゾンビとして甦った元高校教師の佐田聖二(享年30歳・攻め)と、佐田を甦らせた天才的狂科学者の間宮冬邪(30歳・受け)の、不器用な男二人の紡ぎだした二人だけの愛の形と結末を見つめる、黄昏的ラブストーリーでした。こちらは上下巻の下巻にあたるので、是非上巻からお読みください。肝心の部分をネタバレしないように気を付けて感想を書こうと思います。

参考までに書くと、解体シーンはさらっとありつつも上巻ほどのグロテスク表現はありません。挿入はないですがベッドで親交を深めるシーンはあります。いじめからのレイプ描写があります。

私は電子で購入したのですが、346ページの大ボリュームでした。下巻、初回読み終わったときは、正直「あぁ、そうか…そうか…」しか出てこず、ただただ放心してしまいました。やっと気を取り直して上巻から改めて読み直すと、上巻だけ読んだときに見えなかった間宮の心情や行動が見えてきて、合点が行くことや、納得がいくこと、シリアスな場面なのに思わずクスッとしてしまう所などが発見できました。そして、2人の気持ちをじっくり追いかけて読んでいくにつれ、佐田の恋愛観であったり、偏屈で強がる間宮の見せる素直な反応やポロポロとこぼれる言葉、色っぽいシーンでタジタジしてしまうギャップなど、二人の彩度が鮮明になっていって、とても魅力的でした。

そして、佐田と間宮は「話」をするわけです。
話をして、キスをして。
そして

己の全てを以て、佐田に尽くすと誓った間宮

「愛してる」「好き」とは違う言葉で、行動で、最大限のいとおしさを間宮に伝えた佐田

2人の男の不器用な愛の形とその行く末を見届けることができて良かったと思います。

メテオライトはかく語りき


時計台に住む管理人で天才学者でもあるレテと、10年前に母国に帰ったレトの幼馴染みの大河の、二人の再会SFラブストーリー。参考までに書くと、エッチなシーンはありません。
本質はレテと大河の幼馴染みの10年越しの両片想いピュアラブストーリーだと思います。そこに時計台への隕石落下から始まってレテのそっくりさんが現れるというSF要素が関わってきて、自分とは何か、どうしたいのか、そして本当の気持ちは何なのかを考えることになるお話でした。

レテの天才が故の悩みや大河に対する思い、大河のレテに対する気持ち、そして、レテのそっくりさん「アレティア」の行動心理が絶妙に影響し合っていて面白いと思いました。
そして、なかなかのSF描写で、何度もページを行ったり来たり拡大したりして手がかりを探しながら読んで、とても考察がはかどってしまいました。私の力量では作中での情報だけで解決できない事柄も多々ありましたが、繰り返し読むことで繋がるところもあったりで、とても楽しかったです。

夢の通い路にて、あなたに会いたい

眠るときに羊を数えるあまりに夢の世界を羊まみれにしてしまう「羊歌い男」白沢海音(アマネ)と、アマネの夢に現れる片角の青年、四之淵岬(しのふち みさき)の、あの世からお届けするハートフル救済和風ファンタジーラブコメディです。
参考までに書くと、エッチなシーンはないです。そして死ネタがあります。

まず、目次で各話のタイトルを見て、タイトルセンスにニヤッとしたと同時に、どんな話なのかワクワクしてしまいました。

基本的にはコメディタッチで楽しい仲間と過ごす楽しいあの世ライフが描かれています。
顔が良くてやたらに貢がれる三途の川の船頭の四万(しま)さんや、三途の川にいた幼子(?)のリコ、メガネ・眼帯・スーツの胡散臭げな明無(あけなし)、岬といつも一緒にいる片角の獏など、バラエティに富んだキャラクターがアマネとミサキを巻き込んでワイワイとお話を彩っていくのですが、 ときどきシリアスの布石を打ってくるんです…!そして、そして…!

もう徹頭徹尾ストーリーの展開がすごく好きでした。
コメディだと思い油断していたらうっかり涙腺やられました。
そして、アマネからミサキへ、ミサキからアマネへの感情がはじめからずっとあふれていて、いいなぁ、と思いました。

夢で会いたい人に会えるというのは、やっぱり素敵なことですね。