小野塚カホリさんのレビュー一覧

少年縄化粧 コミック

小野塚カホリ 

作品を味わいたいなら単独単行本をおすすめします

旧版の「美少年」と「美剣士」を同時に収録した文庫版です。
本編レビューはそれぞれの作品に入れてあるのであまり触れないかもしれません。

まず本としてですが、それぞれの単行本の時は大きさもあり、その作品のインパクトがとても強烈で自分はそれぞれに「神」評価をしました。
全く同じ作品ですから本来なら「神」と同じ評価をしたいところですが、文庫となってうれしいとか、そういったものはやはりないのです。…

6

雨月物語 コミック

小野塚カホリ 

霊の哀しさに焦点をあてた繊細な怪談物

江戸の怪奇小説『雨月物語』から、四つの怪談をマンガ化。

原作のような、人間から見た幽霊のたたずまいとか不気味さはあまりなく。
霊の恐ろしさではなく、そうなってしまった過程や、霊への同情的視点が強い感じ。

怪談としては弱いけど、文学的な要素のあるマンガとしては一つの幻想的な世界観を作っていて完成度は高いかと。
台詞のリズムと人物の表情がシンクロしていて読みやすく、小野塚作品の独特の魅…

3

ラグランスリーブ コミック

小野塚カホリ 

明るめ

小野塚カホリさんの独特の話は好きだし絵柄も好きなんですが、パッと見で人物の判別がしにくいのが苦手だったりします。
あと、小野塚作品ならもっとダークな話のほうが好きだなとも思いました。
この短編集は全体的に明るいです。

『ラグランスリープ』
なんかよく分からなかったです。
好きな相手のシャツを手に入れた弁護士がちょっとキモくて好きになれないなと思いました。

『蘭虫』
川原の太陽みたいな性格と、主…

1

生日快楽 コミック

小野塚カホリ 

うーん。

全体的に、どうも煮え切らないな。(。-`ω-)
絵柄的にも、ストーリー的にも、非常に独特で、
そこが、いいところでも、あるのでしょうけが
私的には、合わない系統でした。

どのキャラクターも、みんな、タレ目で
気持ち悪く感じてしまいました。

経験不足なのかもしれないが、
何を伝えたいのかが読んでても伝わって来ない、
行動、言動に、靄がかかっている感じで非常に曖昧な描写が多い。…

2

深夜少年 コミック

小野塚カホリ 

一番好きな作品

面白かったです。
表紙もおしゃれで好みだし、もしかしたら小野塚先生の本の中で一番好きな作品かもしれません。

『欲望は立ったまま眠っている』
片思いの相手の中で、実は自分はけっこう順位が高いと嬉しいですよね。
わざわざ誕生日まで調べてくれたって事は、両想いになる日も近いのではないかとニヤニヤしてしまいました。

『僕はひた走る』
恋人が学校(自分)の中でヒーローであることにプレッシ…

1

美少年 コミック

小野塚カホリ  団鬼六 

胸が痛くなる

すごく衝撃的でした。
心理描写が複雑で、読み終わった後すぐまた読みこみました。
でも内容がヘビーすぎてもうしばらくは読みたいとは思いません。
ちょっと読み終わった後数日は頭の片隅に残ってしうほど暗く深い内容でした。

菊雄に救いが全くありません。
「私」と菊雄は関係を持ちながらも、結局のところ「私」は菊雄を愛してはいない。
だからラストで菊雄をあんな目に遭わせることができるし、菊雄も…

8

ラグランスリーブ コミック

小野塚カホリ 

明るめで解りやすい小野塚カホリ

この本、一本だけ強姦シーンがありますが、登場する主人公達に関してはエチやエロは一切ありません(多少、妄想はしたりはするが)
表題が、明るいお茶目な大人が主人公のせいか、彼の雰囲気をそのまままとった一冊になっているかと思います。
どれも、恋未満?恋に至る過程?そんな物語なのですが、意外にもハートをガッツリ掴まれて、すごくラストの雰囲気がどれもいいのです。
その後に想いを馳せてワクワクさせてくれ…

1

深夜少年 コミック

小野塚カホリ 

一見硝子のような繊細さの奥にみえる鉄骨

センシティブな青年や少年達が独得な雰囲気を醸し出す小野塚作品の雰囲気は、精一杯突っ張っていたかつてを思い出させるものがあります。
一見切なく、悲しく、やりきれない想いがこみあげてくるのだけれど、全力でその時を生きている彼等は、一見硝子のような神経を持っているように見えて、そのひび割れさえものともせずまだ窓にはまっているような強化ガラスの強さを持っている。
それが、バッドエンドに終わらせない救い…

2

美剣士 コミック

小野塚カホリ  団鬼六 

菊花の契りを匂わせて

団鬼六氏の「鬼ゆり峠」を小野塚カホリさんが、その設定を土台にBLに仕立てた作品。
原作では親の仇討に出る剣士姉弟が、その仇に囚われて凌辱の限りをつくされるお話でありますが、
それを弟と、食客の剣士を登場させて絡ませることによりBL要素満載の作品に仕立て上げた小野塚さんの力には、頭が下がります。
江戸時代設定のため、言葉遣いなど言いまわしが独特ですが、それも世界観の一つでありますので、時代物と…

4

美少年 コミック

小野塚カホリ  団鬼六 

団鬼六の世界を再現

緊縛の美学の神様ともいえる団鬼六氏の私小説ともいえる本を、比較的忠実にマンガ化した、すぐれた作品に仕上がっています。
昭和の香りの漂う世界を、小野塚さんの現代風の、かつノスタルジックを感じさせる絵で表現されている部分は、とても作品に溶け込み易い雰囲気をだしていて成功していると思います。

ジャズバンドに熱中している「私」が出会った美少年、菊雄。
彼の女性よりも女性らしい、その魅力のとりこに…

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