松前侑里さんのレビュー一覧

真夜中の君へ 小説

松前侑里  ありません介 

松前さんのデビュー作。

言いたいことはいろいろあるけど、それでも好きです。
今の松前さんとは、何もかもがずいぶん違うんですよ(だからって『別人』というわけじゃないんです。確かに今につながるものはあるんですが、あらゆる意味で『濃い・尖っている』と感じました。逆に、今は核になるものは同じでも『マイルド』になったような)。なんとも鮮烈な印象を受けました。キャラクターもかなり癖が強いです。

一織は、背景がまったく不明な高…

1

籠の鳥はいつも自由 小説

松前侑里  金ひかる 

もう最高です!

『年の差もの』で、『先生と生徒もの』という、私にとっては黄金の組み合わせです。

とにかくキャラクターがよかったんですよね。美耀(受)も直人(攻)も大好きです。

美耀は、少なくとも見える部分は『健気』というタイプではありませんが、(健気な受が大好きな私ですが)それでもよかったんです。美耀の強気なところ、反面すごく弱いところ、そして直人に惹かれて行く気持ち(そういう自分への困惑・動揺も含め…

5

プラチナの月 小説

松前侑里  ありません介 

このラストが~ッ!!

これは本当に難しいんです。好きなんですよ。もうすごく好きなんですが、ラストがっ!!

松前さん自身もあとがきで、『これはハッピーエンドなんだろうか?』って言われてたんですが、この終わり方はないと思ってしまいました。懐かしの名画・卒●かよ!

これが2作目ですし、いま読むといろいろと文章・言葉選びに微妙な感じもするものの、それでも好きです。確かに好きなんですが、読むたびに同じことで苛立つ…

0

パイナップル・パレード 小説

松前侑里  高城たくみ 

偽装結婚はいいんですが・・・

これは・・・松前さんの作品としてはかなり毛色が違いますね。ルチル文庫3冊目ですが、前の2冊にはそれほど感じなかった『松前さんのいつもの(ディアプラスの)とは違う』感が強かったように思います。でも結局は松前さんなんですが。

とにかく、CPの片方である景人(受)が偽装結婚してるんですよ。といっても、BLでよくあるゲイであることを隠す・世間を欺くための『偽装結婚』ではありません。未婚の母になろうと…

1

コーンスープが落ちてきて 小説

松前侑里  宝井理人 

お弁当交換。

これ、好きなんですよね。何がって瑞希(受)がすごくいいんです。シングルマザーだった母が亡くなった後、自分を引き取って育ててくれてる叔父の圭吾に片思いしてるんですが、女好きの圭吾に思いが通じる可能性はないと諦めていて、その寂しさを埋めるためにも、唯一気持ちを分かち合える相手である既婚者(偽装結婚とも言えないのかな?)と不倫関係にあるんです。

結局は、不倫が妻にばれそうになって2人は別れるんです…

4

ピンクのピアニシモ 小説

松前侑里  あさとえいり 

家庭内恋愛。

義理の兄弟ものです。家庭内恋愛ですね。ストーリーもキャラクターも結構好みでした。

吉井家の3人兄弟は、全員が養子で血のつながりはありません。三男の操(受)は、長男・晴吾に幼いころから片思いしてるんです。でも晴吾が結婚を決めた恋人ができたんですが、その時操の痛みを受け止めてくれたのは、いつも意地悪だった二男・恭平だったんですね。で、操は恭平がずっと自分を思ってたことを知ります。

操はいつ…

2

星に願いをかけないで 小説

松前侑里  あさとえいり 

友達で恋人。

松前さんには珍しい同じ年(高校生)のCP。これわりと好きなんです。

晶(受)は、同居してる義兄(姉の夫)を秘かに思ってるんですよね。その恋心を持て余して、家族には黙って夜中にコンビニでバイトしてたんですが、そこに客として来てた同じ年の櫂(攻)に告白されるんです。

晶がいろいろ悩み多きタイプです。ぐるぐる考えては落ち込んでいくので、人によっては、『はっきりせんかい!』となるんじゃないかな…

0

Try Me Free 小説

松前侑里  高星麻子 

売り込み。

冴(受)が、元気で一生懸命で押せ押せなんですが、それが全然うっとうしく感じませんでした。もう清々しいくらいでしたね。ポジションとしては『受』なんですが、ただ待ってるだけの『受け身』じゃないんですよね。そりゃ、隆司(攻)もオチるよな、って微笑ましくなってしまいました。

隆司のキャラクターが、最初のうち掴みにくかったんですが、まあわからないではないです。なにせ相手は15歳の子どもですからね。そり…

2

猫にGOHAN 小説

松前侑里  あとり硅子 

不思議ちゃん

この作品は、まずキャラクターですね。

奈津(受)の思考(どうしてそういう結論になるのか)が不思議と言えばその通りなんですが、そこに疑問を持つとそもそもストーリーが成り立たないんです。私はこういうのもアリで大丈夫でしたが、これがダメな方は苦しいでしょうね。

奈津は『不思議ちゃん』なんでしょうが、私は嫌味がなくてよかったと思いました。作品のトーンは相変わらずほのぼの・おっとりととしてるんで…

0

雨の結び目をほどいて(2) 空から雨が降るように 小説

松前侑里  あとり硅子 

第3の男が・・・

続編ですね。前巻でめでたく思いが通じた2人の、家族として、恋人としてのストーリーです。平和なはずの日々に、突然周の留学時代の恋人・岬が、同じ高校の臨時講師としてやって来て、2人の中を引っかき回していくんです。

きわめて個人的にですが、私はこの岬がまったく好きになれませんでした。
このキャラクターは悪い人じゃないんだよ、というのも、作者さんが出してきた意図もよくわかるんですが、わかった上で好…

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