真瀬もとさんのレビュー一覧

背中合わせのくちづけ3 小説

真瀬もと  麻々原絵里依 

もどかしく進まない関係

背中合わせのくちづけの最終巻。
この作品、ずっと攻めキャラのウィリアムがしかめ面をしていて、どのイラストを見ても、眉間にシワを寄せているイラストしかないという。
ものすごくこのキャラを現している表情なのですが、なんでこうも最初から最後までイライラして、我慢がきかず、強引なキャラなのかと思います。

お話自体はそんなに長くないのに短編形式だからかここまで来るのに3巻を費やし、命を狙われたりと…

2

背中合わせのくちづけ2 小説

真瀬もと  麻々原絵里依 

捜査官×神父のバイオレンス・ラブ

「背中合わせのくちづけ」の2巻で、1巻と主人公は変わりますが、ストーリーは継続中です。
1話完結で主人公の変わるシリーズものは多々ありますが、同じストーリーが継続中のまま、主人公が変わるというのは珍しいかもしれません。

前の主人公・アロンとショーンも出てきますが、今回はショーンの元主人で・アロンを事件に巻き込んだウィリアムと町の神父・オーブリーのお話です。
1巻ではアロンに対する態度から…

2

背中合わせのくちづけ1 小説

真瀬もと  麻々原絵里依 

バイオレンスだけどあたたかい

舞台は禁酒法時代のアメリカ、シカゴ。
不安定な子供と過去に苦しむ青年の歳の差のカップルです。

ギャング映画を思い浮かべるような舞台設定で、登場人物もなかなかレトロな気がしました。元軍人の主人公に、まだ10代の殺し屋、ギャングの女ボスにストイックな神父に口のきけない女の子…。

お話はよかったんですが、殺し屋って設定が暗いイメージがするからか、今まであんまり読んだことがなく、リアリティが…

2

太陽は夜に惑う 小説

真瀬もと  稲荷家房之介 

ちょと変わったアラブ・ミステリー

アラブものなんですが、かなり重々しかったです。暗いと言ってもいい、よくあるアラブものとは全く違うタイプの作品でした。

アラブものの攻めって、強引で主人公を無理矢理ものにしようとするイメージが強いのですが、このお話の攻めキャラであるアーキルは出会いから優しく親切。アラブの王族というより白馬の王子ってタイプだと思いました。
時代設定が100年くらい前というのもアラブものにはちょっと見ないと思い…

3

スウィート・リベンジ(3) 小説

真瀬もと  金ひかる 

読んでよかった!

最終巻なんですが、この二人は幸せになれるのか1巻から甚だ疑問でした。最後の最後まで無事に終わるのか不安でしかたなかった。

こんなに喧嘩して互いに好きなのに傷つけあって別れとやり直しを繰り返して何度も命の危険にさらされてって、こんな波瀾万丈なお話もそうそうないんじゃないかと。心臓に悪い二人でした。
アルジーが助けに来てくれるとわかっていても、バートがさらわれて阿片を打たれたときもハラハラでし…

1

スウィート・リベンジ(2) 小説

真瀬もと  金ひかる 

関係を表す言葉がみつからない

探偵事務所の駆け出し探偵とそのオーナーという関係のバートとアルジー。1巻は本格ミステリー仕立てで面白かったですが、今回は恋愛要素が強く、前回よりもさらにドロドロしています。
まさに愛憎劇と言ってもいいかも。

出てくる登場人物たちを愛と憎しみが吹き荒れている重たい設定です。
アルジーは家にバートとの関係がばれ、バートに手切れ金を渡して探偵事務所を閉め出て行きます。
なんて勝手な…というか…

1

スウィート・リベンジ(1) 小説

真瀬もと  金ひかる 

近世英国の本格ミステリ

舞台は19世紀のロンドンで、ミステリーって作品がとても似合う時代。
加えて同性愛は法律違反の時代です。
駆け出し探偵のバートと、その探偵事務所の出資者である准男爵のアルジーのちょっとゆがんだ関係がメインですが、それにプラスして本格的なミステリというジャンルが楽しかった。

バートはアルジーが持ってきたある婦人の遺体喪失事件の謎を解くためお屋敷に出かけます。
英国のお屋敷で起こる他殺事件、…

1

熱情の契約 小説

真瀬もと  笹生コーイチ 

愛と憎悪が同じくらい

面白かったです、ですが、主人公らが最初から最後まで全く意思の疎通が出来ておらず、喧嘩ばかりの堂々巡り。
あまりのすれ違いぷりに悶々としました。悶々というか、本当にこの2人、くっつくのか?と…。

舞台は20世紀初頭のロンドンの社交界。海外ものが好きでちょっとクラシックな雰囲気も好き、という方は楽しめると思います。
前に読んだ真瀬さんのお話もよかったのですが、このお話も同じ作者さんだなあと感…

1

きみは天使ではなく。 小説

真瀬もと  あとり硅子 

愛してる、の価値

元詐欺師×没落貴族の坊ちゃんという組みあわせです。

読みはじめからずっと雰囲気が童話っぽいなぁと思っていたのですが、その理由がなぜかと言うとセリフがちょっと台本のようというか、舞台のセリフのようなんですね。
でもそれが大げさに見えるかというとそうでなく、作品にぴったりはまっています。

舞台は1926年の英国。退廃する貴族の当主であるトマスはまだ22歳。
アメリカから来たという素性不…

1

きみは天使ではなく。 小説

真瀬もと  あとり硅子 

ギャップが面白い!

 アーヴィンは、貧乏な青年貴族・トマスの下へ、従僕として押しかけていった。
 実は、アーヴィンは過去にトマスにあったことがあり、トマスに恋心を抱き続けていたのだった。
 そんなトマスがピンチに陥っていると知って、無理やり押しかけるようにして、トマスのところにやってきたのだった。

 アーヴィンはついついトマスに告白してしまうものの、トマスは当惑するばかり。

 そんなトマスが陥った危機…

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