茶鬼さんのレビュー一覧

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

イメージと雰囲気が映像で広がる世界

杉原作品の持つ透明感、それは主人公の淡々とした姿もあり、ともすれば情熱を感じられずに飽きてしまうこともあるのだが、今回はその透明感をまさに題名の如く「音無き世界」でうまく映像雰囲気をイメージさせて、帯文句「気づくと、夢中になっている」な具合にのめり込ませていました。
何より、その淡泊さを1部と2部に分け、攻め視点、受け視点の構成にしたことにより補い、より入りこめる作品にしてくれています。
二段…

4

隣人には秘密がある 小説

秀香穂里  山田ユギ 

食卓風景がほのぼのしてます

山田ユギ氏のイラストが、ボロアパートが舞台で、人情モノな内容にとてもマッチしていてイメージが膨らみます。
何だかお茶の間気分で肩の力を抜いて読める作品でした。

両親を3歳の時に亡くし、祖父母の元で育った太一。
祖父が病気で入院した為に、下宿式アパートの管理人の役を引き受けることになる。
そこに住んでいるのは、パチプロの鹿島、クラブのホステス・マコ、ホストの朝倉、そしてポルノ作家の吉住。…

0

アダルト・エデュケーション ~紳士調教~ 小説

鳩村衣杏  祭河ななを 

年下攻めの言葉責めって一つ間違ったら空回りしそうです

フェロモンダダ漏れの四十路おじさん受けモノであります。
しかも相手は20も年下のイケメンくん。
狙いを定めて計画的に接近して、脅して逃げられないようにして、頂いてしまいます。
でも年の功にはやはり勝てませんでした!
未熟を諭されて目が覚めて、そこに待っていたものは、まっとうな恋人として位置づけ。
話として面白そうなんですが、おじさんの色気表現が今一つ説得力がなく。
イケメンくんも、頭が…

3

衝動(新装版) 小説

妃川螢  実相寺紫子 

極道版ロミジュリ転じて、極妻になるの話

”甘いシリーズ”6冊目、スピンオフを重ねて、何だかこの分だと日本中のヤクザの組長・幹部は皆男姐を据えて、実は男姐が組を取り仕切っているー!!みたいな変な輪ができそうな勢いですww
勿論、頂点は史世様・・・
ということで、メインは許されざる恋の二組であります。

表題は、黒龍会傘下の斉木一家の組長代理の剣持と警察キャリアで監察官の浅見のお話。
出張先の橋の上でたたずむ浅見に声をかけた剣持。…

1

青年14歳(文庫) 小説

山田ユギ 

泣いたり、笑ったり、怒ったり、殴ったり!?

一応商業作は全部揃えていた中、この『青年14歳』だけはありませんでした。
何故かと言われても、自分でも不思議なのですが・・・でも待ったかいがありました。
補完されてボリュームアップされて登場したのですから、ひょっとしたらこの日が来るのを知っていたのかもしれません(大ウソ!)

少年達の一生懸命、いや一所懸命さが好きだ。
泣いたり、笑ったり、殴ったり(!?)、抱き合ったり、若さというのは、…

1

雪花の契り 小説

秋山みち花  北畠あけ乃 

古典な王道、でもこのテーマは永遠ですね~

明治後期の舞台で、華族を据えた復讐もの。
どっかで見たような?なデジャブ感満載ですが、このシチュは永遠なのですよね。
ついつい手を出してしまう自分、結構メロドラマ好きかも?

学習院で同級の桂木と花房は親友。
花房はその美貌と家柄から薫姫と呼ばれ、言い寄る上級生も数多い。
でも番犬のようにことごとく桂木が守り、花房も桂木を特別に思っている。
もし桂木が勝ったら言いたいことがある、とビ…

0

間の楔 6 小説

吉原理恵子  長門サイチ 

とうとう最終巻、涙でした!

ついに最後を迎えました!
今回の表紙はイアソンに抱き込まれ、おだやかな表情をするリキとの2ショット。
やっと二人に安息の日が訪れるのですが、その結末は・・・
この新装文庫版で初めて読んだ作品でしたので、毎回どうなるのかドキドキで、この二人が、そしてガイがどうなるのか、どういう結末を迎えるのか、それは二つに一つしかないだろうとは思っていましたが、そちらできたか、、、やはり吉原さんだった、と思わ…

13

その罪の行方 -原罪- 小説

あしや可尋 

主人公がこんなことになるなんて、あるのかしら!?

今回のゴスエロは、吸血鬼×聖人、聖職者でもあるのですが、奇跡を起こしたから聖人認定されてる人なんですね。
今回はゴスエロなのにエロ少なめでイラストがちょっと苦手、今一つな感じでしかも、続く・・・です。
しかしなぁ、最後に主人公が何と首が無くなっちゃったからな。
思いっきりネタバレですみません。

主人公のカレラは幼いころ教会に弟と共に拾われて、聖人が現れるという予言の通り、はやり病で苦し…

0

好きで子供なわけじゃない 小説

菱沢九月  山本小鉄子 

箱入り少年の初恋成就ヰタ・セクスアリス

実をいうと、こういう少年が知り合いの大人のお兄さんを一途に想っていて、それでデキちゃうというパターンはイラっとして少し苦手です。
今回もどうしようか悩んだのですが、山本小鉄子さんの絵があまりに魅力的で思い切りましたが、割かしいけました!
この主人公の少年、自分で気が付いてないだけで結構フェロモンダダ漏れのようですww←小鉄子さんの絵がうまいっ!!表紙は色っぽいし、、

主人公の広野は母親が…

4

血鎖の煉獄 小説

秀香穂里  奈良千春 

究極のファザコン最終形

血縁・父子ものであります。
主人公・国友の職業は”臨床心理士”として大学病院の心療内科に勤務し、非常勤で近くの高校のカウンセラーとして出向いているという職業設定。
しかし、、、話が進むにつれ国友は心療内科医となっている!?
ちょっと待ったー!士と医では違いますよん。
ちょっとこの辺りの職業についてウルサイ自分なので、ここの表記が不満。
だって医師だったらカウンセラーで学校行かないですよね…

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