Mさんのレビュー一覧

追憶のキスを君は奪う 小説

鳩村衣杏  あさとえいり 

蛇足かな?

 自分が彼のことを好きなんだ、と思い知らされた人から、結婚の知らせを受けた夜。
 副島穂波は、どうしても誰かに抱かれたかった。
 そんな彼が一夜の相手に選んだのは、年下の男。
 副島は、彼と「キスはしない、今夜一晩だけ」という約束をしてからベッドを共にしたはずだったのだけれど、その男・冽は、その約束を破り、「もう一度会いたい」と言い出し、断る副島に無理やりキスを仕掛けてきた。
 副島はその…

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裏を返せば…! 小説

栗城偲  梨とりこ 

SMに期待しなければ。

 ええっと……。
 ドSだと思ってた自分の職場の塾講師が実は、ドMだったと判明したことからくる戸惑い……というのがテーマだったと思ったのだけれど……。
 どうやら、私が思っていたのとまったく違う話が展開されていた!!

 塾の事務員を務める南雲は、鬼軍曹とあだ名される数学講師の本郷が苦手。
 どうやら本郷は、他の人間には優しいのに、南雲にだけ厳しいようなのだ。
 けれど、どういうわけだ…

2

東京ナイトアウト(1) ハート・ウォーミング 小説

川原つばさ  沖麻実也 

ちょっと不思議な話

 話のメインは、夜遊び大好き、女装も大好き小沼桔梗の恋愛話。
 でも、不思議なことに主人公は桔梗ではありません。
 主人公は、池谷忍。
 忍は、塾をサボって街中にいたところを、変な男に絡まれて、逃げ出したところを桔梗に助けられ、桔梗の人生にほぼ保護者のような形で巻き込まれてしまう……という形の物語でした。
 桔梗は、幼少期にアメリカにいたこともあって、ぶっ飛んでる系で、忍はどちからというと…

1

キスが届かない 小説

和泉桂  あじみね朔生 

ちょっと不完全燃焼

「惜しい」と言わざるを得ない……。

 主人公は、吉野貴弘。
 彼はモデルのような見かけをしているが、証券アナリストで、若くして自分の事務所を持つ売れっ子だった。
 けれど、彼にはどうしても解決できない悩みがあった。
 それは「食事」だった。
「中途半端なものを食べるくらいなら、コンビニ食やジャンクフードの方がまし」と考えている吉野は、自分の事務所を開いた南青山で、まだ自分の口に合う料…

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恋愛処方箋 小説

檜原まり子  桜遼 

読みにくい

 ええっと、今からすごく厳しい評価をします。
 随分昔の小説だから仕方がないのかもしれませんが、とにもかくにも、すっごく読みにくかったです。
 読みにくい理由はすっごくはっきりしていて、とにもかくにも、視点がブレブレ。

 その昔、「小説の基本」的なことを本で読んだことがあったんですが、物語を書くときの基本には、「一人称」と「主人公より三人称」、そして「完璧な三人称」があるということを学ん…

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魔王のいいなずけ 小説

水島忍  明神翼 

感情移入ができなかった……

 何がどう、というわけではないのだけれど、とても読みにくい文章でした。
 恐らく、作者さんの中で結論がありきだったので、そこに向かって走ろうしたんだと思うんですが、個人的にはまったくついていけないし、主人公に感情移入できないし……で、まったく「おもしろい」と思えませんでした。
 最近、手の込んだ小説を読んでいるからなのか、どうもこの手の小説に対しても手厳しい評価をしがちなのはいいことなのか、悪…

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海賊王は虜を愛す 小説

六堂葉月  前田紅葉 

もうちょっとツンデレらしく!

 大和の国での貴族としての地位を守るために、室菱美邦は自らを商品として、富豪が集うオークションに出品し、落札した男の愛人となることを決意した。
 オークション会場は船の上。
 陸では様々な国の法律で規制されてしまっていることでも、海の上には国境はなく、それを取り締まる法律もない。
 富豪たちは、船の上で陸ではできないことをやっているのだった。
 美邦が自身を売りにかけたのも、そんな闇オーク…

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王子様はポリバケツに乗って(新装版) 小説

夢乃咲実  明神翼 

さらっと読める王道BL

 最近、BL小説に微妙に違和感を感じていたので、「もう私、BL楽しめなくなっちゃったのかしら?」とちょっと不安に思っていたのですが、そうじゃなくて安心しました。

 この話は、全寮制の学校に通う高校生のお話。
 詩乃は、バカ高い授業料を払う全寮制の名門学校に通っていたけれど、父親の会社が倒産し、高校をやめなければならなくなってしまいそうになる。
 何とか高校を辞めずに住む方法はないか、と考…

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職員室でナイショのロマンス桜沢VS.白萌シリーズ 小説

井村仁美  緋色れーいち 

どうしてこれで……

 私立白萌学園の英語教師・有賀玲一郎は姉妹校との交歓会のため、生徒会顧問として桜沢学園を訪れる。
 しかし、そこに待ち受けていたのは、ある日、玲一郎をとてつもなく不快にさせた男・柳沼敏明だった。
 玲一郎は逆恨みだとはわかってはいたものの、個人的な恨みから、敏明にはなるべく近づきたくない、と思っていた。
 けれど、敏明はそんな玲一郎の気持ちなんてお構い無しに、あれこれちょっかいを出してくる。…

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世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

もうちょっと細かいところまで

 主人公の速水有理は、母親が入院中のため、父親と3人で生活をしていた。
 ところが、母親の入院費など、徐々に生活費に困るようになり、やがて3人は、父親の友人である高宮の家に身を寄せることになる。
 そこには、有理と同い年の怜人という息子がいた。
 怜人には怜人の複雑な事情があり、二人は互いに惹かれ合っていく。
 けれど、有理の母親が息を引き取ったことで、その歪な同居生活も終わりを告げる。

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