Krovopizzaさんのレビュー一覧

月の檻のフーゴ 小説

綾ちはる  真青 

どこまでも美しく感動的

あとがきにもあるように、綾ちはるさんにしては珍しく謎解き要素のない作品。
攻め受けの視点が交互に入れ替わる構成で、各章の冒頭に入るフランス語の単語にちょっとした仕掛けがある点が、謎解き要素といえば謎解き要素かもしれません(あとがきに解説あり)。

あらすじ:
大学生でゲイの倖夜(受け)は、偶然出会った新進気鋭の若手画家・諒介(攻め・25歳)に一目惚れする。
諒介は、倖夜が大事にしている絵…

11

花霞の夜は明ける 小説

高那シキ  ロッキー 

心の古傷を癒やす物語

あらすじ:
会社員の篠宮(受け)はある夜、一つ年下の無愛想な後輩・柏木(攻め)と偶然出会う。
プライベートでは別人のように親しみやすい彼と打ち解け、度々会うようになるが……

普通の社会人ものかと思いきや、過去の事件やそのトラウマといったサスペンス要素が二人の恋に絡んでくる展開。
事件自体より、事件被害者の心の傷や再生をメインに描かれた優しい物語でした。

篠宮はどこにでもいるような…

9

不完全で、完璧なキス 小説

佐々木禎子  鹿乃しうこ 

等身大の若者同士の恋

1999年の作品の新装版。
同日発売の同じく新装版「モーニングキスをよろしく」とは、書き下ろしSSで少し物語がリンクしています。

あらすじ:
コンビニでバイトするフリーター・純輝(受け)は、ごみ捨て場に捨てられていた謎の年下男・格(攻め)をなりゆきで拾ってしまう。
なぜか純輝の名前を知っている格は、そのまま部屋に居座ってしまい……

受けが謎の男を拾うという冒頭の展開は、同日発売の…

5

モーニングキスをよろしく 小説

佐々木禎子  鹿乃しうこ 

年下受けの包容力に萌!

鹿乃しうこさんの挿絵?珍しい!
と思ったら、1998年の作品の新装版でした。
同日発売の「不完全で、完璧なキス」も同じく新装版で、書き下ろしSSでは二作が少しリンクしています。

あらすじ:
一人暮らしを始めたばかりの大学1年生・広夢(受け)は、路上で倒れていた泥酔イケメン・匡(攻め)を助けたことから、彼と仲良くなる。
近所のおばあさんにアパートの大家と勘違いされ、町内会活動に駆り出さ…

6

「坊主と蜘蛛」コミコミスタジオ オリジナル特典ペーパー 特典

見事なコンビプレイ☆

「変な妖怪に取り憑かれましたが」とのタイトルから察するに、宗玄がジンに取り憑かれてすぐの話でしょうか(ジンの外見もまだ少年っぽいです)。

宗玄が川辺から、木の上のジンを見上げて
宗玄「どうだ 見えるか?」
ジン「見える 見える〜
   旦那の足元に寄ってきてる!」
宗玄「よっしゃ」

拳一つで川の水を氾濫させ見事に魚を仕留める宗玄。
その後、ジンと焚き火を囲んで、
ジン「焼い…

2

「一生続けられない仕事 3」とらのあな限定特典ペーパー 特典

真行寺さんは見た!

とらのあな特典ペーパーは、真行寺さん視点の観察日記。

最近、ボス(片山)とド素人(早坂)のあやしげな場面に遭遇することが多い真行寺さん。

片山と早坂のキスシーンで、
『また嫌なものを見てしまった…』
と、ドアの影から無表情に観察。
(でも一応、キスが終わるまでは待っててくれてたんだとかw)

さらに後日、早坂と三上がキャッキャしながら談笑する傍らで、
『遺言書の一件から

6

「一生続けられない仕事 3」特約店共通ペーパー 特典

片山征美は必見

テーマは「女装」。
1巻の展開を女性verでやってみようという企画です☆

ひとコマめ、
「早坂さん うちで一緒に働かない?」
と1巻と似たようなセリフで登場する三上陽菜(32)。
ゆるくウェーブのかかったロングヘアが素敵な清楚系美人さんです。

『新人弁護士 早坂義子(25)頑張ります!』
との煽りとともに出てきたのは、黒髪ボブ+眼鏡+口紅で、ちょっと野暮ったい感じの早坂。

3

ガッシュ文庫10周年記念アニバーサリーBOOK 特典

とってもライトな番外編集

12作の番外編と、各作品の絵師さんによる1ページ漫画を収録した全サ小冊子。

番外編のほとんどは、5〜7ページと短め(和泉桂さんが9ページ、綺月陣さんが11ページとやや長め)。
全体的にエロ薄で、他愛ない日常を描いた作品が多い印象でした。

■宮緒葵『華は褥に咲き狂う』番外編
戯れに、いつもとは逆の服装をしてみる純皓と光彬。
男装(?)した純皓は凛々しく男前で、
「優しくする……始…

3

密約ルームシェア 小説

浅海ゆい  高崎ぼすこ 

演劇BL、再び

『エンカウント 共演者の誘惑』のスピンオフ。
前作未読でも読める内容です(前作攻めは登場しますが、受けは名前しか出てきません)。

あらすじ:
駆け出しの脚本家・明流(受け)は、不動産屋で憧れの舞台俳優・柊(攻め)と出会い、なりゆきで彼とルームシェアすることに。
更に、柊の劇団に送った脚本が次回公演に採用され、仕事でも彼といる時間が増え……

前作にも出ていた柊さん、個人的には受けの…

8

美しき標的 小説

愁堂れな  小山田あみ 

受けの言動だけが残念

某国の大臣・レベルトの警護を任された、美貌の凄腕SP・卿(受け)。
捜査一課の刑事・小野島(攻め)は、「大臣は犯罪者だ」としきりに卿に警告する。
やがて、高級クラブの男娼暴行事件に大臣関与の可能性が浮上し……

愁堂さんお得意の2時間サスペンス系の物語で、テンポよくサクサク読めます。
単純な勧善懲悪では割り切れないラストの展開も、外交問題の絡む設定が生かされていて良かったです。

た…

7
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