05/06 点ひな先生インタビュー 「俺を……頼ってください!!」一途な年下ワンコ×傷心ヒモ男♥ 初コミックス『愛はふたりのあいだから』
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2024/02/02 17:00
BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3570回
長船／ジーオーティー／picn comics
コミックス『瞞 -ばん-』2月1日発売
サイン本プレゼントあり！ 詳しくはインタビュー後に！
STORY
商家の若旦那である一之宮は付き合いで顔を出した延年会で舞を披露した青年・狛鵺に目を奪われる。 仲間のお節介で一夜を共にする二人だが、夜伽がはじめての狛鵺は、一之宮の手慣れた振る舞いに舞い上がってしまう。 刹那のひと時は二人の運命を変えていきーー。 そこかの時代の恋物語がここに幕を開ける。
――作品紹介をお願いします
酒屋の若旦那である一之宮磐吉と舞師の見習いである狛鵺浜路が身分違いの恋に落ちるというお話です。こういう結末もあっていいんじゃないかと、そんなことを考えながら執筆しました。お互いがお互いを必要としているが故に周囲まで巻き込んで愛しあい傷つけあってしまう複雑な恋を本作を通して表現しました。
――主人公たちはどんな攻×受ですか？
依存攻め×健気受けです。
一之宮は一見、スマートでやり手の、誰もが見惚れる完璧な色男ですがよく掘り下げていくと大人になりきれていない子供じみたところがあったりと未熟で不安定な面があります。幼少期に受けた仕打ちからくるものもありますが基本的に人と距離を置きたがる彼は感情表現を表に出さずにいることが多いです。そんな彼を理解し受け入れ、支えてくれる人に依存するのは一之宮にとっては必然ではないかと思います。
色恋を曖昧にしてきた彼にとって、浜路を好きになったのは無自覚で何故か気になる対象としか最初は思ってなかったはず(天秤座 O型)。
浜路は人当たりがよく人懐こいです。最初はおぼこの様でとても健気ですが特段良い子というわけでもないのが彼の真理です。年相応に八つ当たりしたり、泣いたり笑ったり感情表現が豊かなのは一之宮との対比になっており浜路の陽気な性格の現れにもなっています。
意外にも欲深く、執着があるのが彼のもう一つの顔です。少年から青年へと移りゆく間に浜路の見た目や性格に変化があったのは主に一之宮からの影響で、想い人に似ていくさまを表現しました(水瓶座 Ａ型)。
――当て馬や重要な脇役は？
一之宮の友人、京極です。
理解者でもある京極は一之宮にとって精神安定剤のような存在だと思います。面倒見が良く困ってる人を見捨てておけない性分は彼の長所であり京極に救われた人は数多いと思います(鞠もその一人)。
本作ではあまり描けなかったのですが一之宮が京極と過ごした時間は長く、営業のイロハや接客の仕方なども色々と教わっていました。また、一之宮が荒れた時にそばにいて世話を焼いたのは京極です。
――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
一番にこだわったのは絵での表現です。
画角といいますか、キャラの心情や場面の雰囲気に合わせてどういう構図で描写していくかとても考えていました。またキャラの表情にはとくに力を入れ、読者さんに意図した感情を伝えられる様に眉の角度や顔のかしめ具合、口の表現など細かく調整していました。
――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
頭の中に浮かんだものを形にする(正確に描写する)のはとても大変でした。
また、それをネーム段階で削ぎ落としたり繋げたり必要なコマとそうでないコマを選別するのは本当に苦労しました。自分がこれはやりたいと思っていた描写を何個も没にしているので悔しいなーとその時は思ってました。でも型にハマったネームができた時はものすごく達成感があって良かったです。
楽しかった点はやっぱり絵が上手くいった時でした。上手くいくと筆も進みますし自分の満足のいく絵が出来上がると気分も上がるので。下書き作業が一番好きでした。
――今作にまつわる裏話はありますか？
あります。長くなり恐縮ですが
・一之宮は荒れていた10代～20代手前までは女遊びが激しかった(遊びすぎて逆に落ち着いた系の人)。
・5話で一之宮が泣いたのは鞠を母親と一瞬重ねてしまったから。
・浜路は最初こそ見習いであったが成長にするにつれて逸材の舞師になっていった(しかしあまり表舞台に立つことはなくその後稽古屋を開いた)。
・最終話の浜路の困り眉での笑い方は一之宮の笑い方が移ったもの。
・吾館は元捨て子で一之宮の父が拾ってきた子。一之宮は荒れ始めた頃、全く酒屋での仕事をしなかったためその代わりとなる者を父が適当に拾い育てあげた(床での手管も教えられてきた)。
・鞠の初恋は京極。
・京極の妻娘は結構な気が強い女たち。
・一之宮と浜路は交わる際、お互いの身体に痕をつけないようにしている。
・菖蒲が生まれてくるまでは一之宮と浜路の仲は睦まじかった。
・最終話あたりで二人は潮時だなと心のどこかで理解している。
・最終話から約一年半後、二人の関係は終わりに近づく。
・浜路的には菖蒲に直接会って顔を見てみたかった。
・菖蒲には妹ができる。
その他にも、キャラの心境に合わせて髪を切ったり伸ばしたり色々変えています。心の変化があった時は必ずといっていいほど髪型が変わります。
私の中ではその後のお話の展開も考えており、浜路と菖蒲が今後どう絡んでくるのかまでいっています。お許しがでたらいつか絵にして出したいくらいです。
――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
友人たちがずっと支えてくれたことです。通話してくれたり辛い時に寄り添ってくれたり漫画を見て褒めてくれたり。彼らがいてくれたのは私にとって大きかったです。
――今、何かハマっていることは？
キャラごとにイメージソングを見つけることです。
――BL作家になったきっかけを聞かせてください
担当さんからBL連載のお誘いをいただいたことがきっかけでした。
今まで商業BLを読んだことはなく、漫画を描くのも未経験だったのでお引き受けしてもいいものなのかとても悩みました。でもそれとは別に自分を試すためにもやってみたいという気持ちが強くあったので、よろしくお願いしますとお返事をいたしました。
――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
感謝の気持ちでいっぱいです。
未経験だった私を支えてくださった担当さんや当時の恩師、そして読者の皆様のおかげでこうして形にできました。私は本当に恵まれていると思います。嬉しいと同時に恥ずかしさも伴って感情がぐちゃぐちゃですが、とにかく皆様には感謝を申し上げたいです。本当にありがとうございます。
――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
ここまで読んでくださりありがとうございました。本作品を何卒よろしくお願いいたします。
担当編集より
今の時代ではないからこその結末を描いた恋物語。
商家の若旦那・一之宮はその身分から跡取りを成すための婚姻を迫られている中、顔を出した宴会の席で能楽師見習いの狛鵺と出逢います。
初心な狛鵺に初めは興味本位だった一之宮だけれどだんだんと惹かれていき、世帯を持たなければいけない運命から逃れようとするのですがーー。
心での縁、結びを描いた本作品は長船先生の初コミックス。
この結末が皆様の心にどう届き、映るのか楽しみな一冊です。
よろしくお願いいたします。
アニメイト限定：描き下ろし4Pリーフレット
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とらのあな限定：両面描き下ろしカード
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詳しくはcomic picnホームページへ
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(C)長船/ジーオーティー
