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今の作風とは全然違いますが、当時のあの時代の作品の良さをギュッと詰め込んだ作品です。
何回も読み返すし、時間が経っても内容も覚えているので名作だと思ってるし、先生の作品の中でもとりわけ好きな作品の1つです。
どこか満たされない孤独を抱えた炯が姉の恋人に惹かれながらも、姉に笑っていて欲しいと気持ちを抑え続ける姿が凄く切ないです。
また姉の恋人の藤井がとても良い男で、姉だけで無く炯を大切に扱うところが凄く良いのです。
姉の恋人を奪ったというよりは、初めから姉には藤井が勿体無いというか、2人が付き合った事さえ間違いではなかったかと思うほど2人は似合ってないんです。自分勝手で自分に甘い姉が、読んでて途中で凄く腹が立って仕方がありませんでした。
炯は藤井と出会う前までは、寂しさを誤魔化す為に教師などと関係を持っているので苦手な方も居るかもしれません。
ただ、追いかけて来た藤井にそれをちゃんと告白してますし、藤井も過去は問わないみたいなので大円満です。因みに姉は直ぐに新しい彼氏が出来てました。
炯の亡くなった母の弟が良いキャラで、甥や姪の良き理解者になってました。
ノスタルジックな雰囲気でとてもお勧めです。
ホームラン・拳さんの作品を初めて読みました。絵がとっても綺麗でうっとり…。やっぱり亜樹良のりかずさんの絵とどことなくなんとなく似ている空気もあるような。好きになりました。絵に★1つプラスです。
さて、お話の方は…正直どこが山場だったのか分かりませんでした。あー…まぁ、女性キャラの絡ませ方って難しいですよネ。お姉さんも(とても良い子、ではないけど)普通の子だったので、結局お姉さんから恋人を奪ってしまう結末がどうにもスッキリしませんでした。お姉さんがすごいヤな奴だったら、ムカつきながらも姉より弟を選んだ藤井に納得できたのだろうけど。あの程度の「彼女のワガママ」を許せないようでは彼氏としていかがなものか。
これ、主人公が女の子だったらそのまま少女漫画雑誌に載っててもおかしくないよなー。あんまりBLっぽくない作品だと思います。
…そうか、CDになっているのか…。
姉の彼氏や婚約者を好きになる、という設定はBLでたまに見かけると思います。
このお話しに出てくる主人公のお姉ちゃんは正に今時の娘って感じで、オシャレ好きドラマ好き、時間にルーズで喜怒哀楽が激しく、日々を楽しんでいるような女の子です。
弟の炯は姉思いで健気ですが、ちょっと卑屈。何人もの男性と身体の関係を持っているという歪んだ面をもっています。
人のぬくもりが欲しくて、求められると拒否せず身体だけ誰とでも繋げてしまう炯ですが、恋をした事はなく、生まれて初めて気になったのはどこか抜けた姉の新しい彼氏。
姉と彼氏がダメになっていくさま、それを望みつつ自己嫌悪するけいの葛藤。
女性がよく登場していることと、炯が女の子に見える外見のせいで、ちょっと少女漫画ぽすぎるきもしましたが、姉のキャラも、その彼氏も三角関係が収束するさまも、よく出来ていました。
炯の唯一の見方であるへんな叔父がいい味出してます。
この叔父が、やんわり炯の生活をたしなめます。男性と寝るのは満たされないからだと説明がありますが、いい子なだけにそのへんなんだか曖昧な気がします。
父親に振り向いてもらえない寂しさだと取れるのですが、炯の父親もそこまでひどい人にはみえなというか、そもそもあんまり、存在感がないんですよね。
なんで父親の愛が欲しくて男性と寝る、みたいなわりとよくある理由からというのがなんか弱く感じました。
恋をしたことがなく体の関係ばかりの高校生が初恋をした、とい設定はわかりやすく、でもせつなくて良かったと思います。
彼氏も安易に弟に乗り換える、てわけでなく、姉と彼氏の関係、彼氏と、主人公の関係、姉と弟の関係、丁寧にかかれています。
なので女性をはさんでの三角関係も面白かったと思えました。
ホームラン・拳さんの作品で一番好きです。何度読んでも切なくて泣けます。お話は、高校生の炯が初めて好きになったのは、大学生の姉の恋人だったという切ない内容です。
炯は、家の中で疎外感を感じてて、そんな寂しさを紛らわすのはセフレとのエッチでした。
大好きな姉の頼みで、伝言を伝えに行ったのは最近付き合いだした彼氏の藤井です。そこで気分が悪くなった炯を優しく介抱してくれた藤井に、炯は初めての心地よさを味わいます。それが初恋だと気付くのですが、姉と藤井のために、想ってるだけでいいと…。
でも、どんどん藤井を欲して渇いていくのを感じます。炯だと思ってワガママを言う姉や、藤井が姉を大事にする様子に、藤井を忘れよう忘れようと必死な炯が本当に切なくて。炯に感情移入しちゃって胸が苦しくなります。
藤井の、姉のことが好きなのに、どんどん弟の方が気になっていって思い悩む姿も切ないです。
やっと結ばれた時には、心から嬉しくなります。「好きな人とは初めてなんです」なんて切なすぎます…。
ホント、ハッピーエンドで良かったです。
炯くんの立場でも、藤井くんの立場からも、そしてお姉さんの立場からも
切ないストーリーでした。
実のお母さんを亡くした炯のお父さんとのすれ違いや
幼いころのトラウマとなった出来事。
一見真面目で、とても男に体を開いているなんて思えないだけに
初っ端から教室で先生と・・・という展開にはびっくり
様々な辛い出来事から逃避するのに、逃げ込むことができた叔父さん倫太郎の懐。
この人がいたから、炯はどん底まで落ちずに済んだのかも・・・
そんな生活を送っていた炯が初めて人を好きになりそのことに苦悩します。
自分の気持ちに正直になれば姉を傷つけ、あきらめようとすれば
自分の心が悲鳴をあげてぼろぼろになって・・・
母を亡くしてから、お姉さんと助け合って生きてきた炯の複雑な気持ち。
自分の本心である「姉の恋人を愛している」という事実と
そこについてくる、「うしろめたさ」。
姉に申し訳ないと思う反面、自分だけを見て欲しいと思う欲望。
その、1つに定まらない複雑な気持ちに感情移入してしまいました。
お姉さんと付き合いながらも、弟が気になっていく藤井くんも
なんて罪な男だと思いながらも、理屈では言いようのない気持ちや
訳も分からないまま不思議に惹かれてしまうという気持ちがわからなくもなく
優しくて誠実な藤井くんだけに、最終的に姉と別れ炯を選んだ時にも
なぜか嫌な気持ちにはならず、むしろ姉と別れたことが
藤井くんらしい選択だったように感じられました。
あとがきで作者様が「本当は一度だけ結ばれて別れる」設定だったと書かれています。
私はそうならなくてよかったと思いますが・・・
倫太郎と炯がくっつく案や、炯が倫太郎を攻める案など
かなり斬新なものが出ていたそうで・・・
それも見てみたかったといえば見てみたかったですが
やっぱりHappyendで、大好きな人と結ばれるのがすっきりして良かったです。