特典付き
αやΩとは関係ない「一般人」が落ちる運命の執着愛…!
…というストーリーだと思って読もうとしている方には「コレ違いますよ」と注意書きしてあげたい。
私は読んでみて「だまされた!」とは思わなかったしこれはこれで面白かったけれど、この帯は誤解を招くと思う。
主人公は、なぜかαにモテるβの大学生・泉。
ある日、バーの店内で花のような匂いを感じて体調に異変が…。
もうここでこの泉が本当にβ?という疑惑がでますよね。
その花の匂い、つまりフェロモンの主は、バーの店長・花園。花園は自分がΩである事を隠して生きています。
花園は自分がΩである事でαから酷い事をされた過去があり、αを嫌っている。
だから自分のフェロモンに反応する泉をαとみなして嫌っています。
一方泉は自分はβなのだから安心してほしいのに、みたいな。
泉は誠実なので花園も心を開いていき…的な流れのところに。
泉の本当のバース性が。
これがね。なんか説得力が薄い気がして。
子供の時はβぽかったけど大人になってきて本来のαの性質が出た、とかそんな感じなんですかね。特に説明もなく、やっぱりαですみたいに流されちゃってるんで残念。
で、花園のα嫌いを知ってるから何も言い出せない泉。
今度は逆に花園の方から手を伸ばして。
結局はやっぱりαとΩの運命の番ですよ〜というお話。
ハッピーエンドだから読後感はいいですよ。
絵柄もすっきり、メリハリもあって読みやすい。「萌」で。
自分のことをずっとβだと思っていた泉が実はαだったり花岡がΩでふたりは運命の番だったり。
あえて先を読めるようにニオわせていた所があったのかな?とも思いますが
その先のふたりの関係が想像通りになったとしても、やっぱり少しは意外性のある部分が欲しかったかな。
α至上主義の家で肩身の狭い思いをして生きてきた花岡は大学進学でやっとそこから逃げ出せたというのに
初めて出来た友達に裏切られ学校も辞めさせられ…
何かとΩには試練が与えられがちなオメガバースの世界ですが
花岡もそんなツラい過去があるという、そういう部分も王道を外さないので結末にたどり着く前にふたりがどうなるかわかるようなお話になっていたのは少し残念でした。
王道展開がだめなわけではないのだけど…
そこにその作品らしい何かがあって欲しかったなと思います。
αにモテるがαからのマウントに「何だかなぁ」とモヤっとして長続きしない、自称『どこにでもいるβ』の大学生、泉(攻)と、α嫌いで人との接触が恐いクラブのワケあり店長花園『?』(受)の、運命的に出会い、本当の恋をして思いやりを知って、歩み寄って傷を癒す、とても優しいオメガバースです。
参考までに書いておくと、帯に「執愛」とありますが、ドロドロしたものは一切ないですよ!
友人と行ったΩ入店NGのクラブでふわっと香った花のような匂いに動悸を感じ、うずくまる泉。そこに店長の名札を付けた花園が声をかける。見上げる泉と見下ろす花園。音が消えてふわりと香る花の匂い。「花のような匂いがする」「それは俺の香水かもしれません。この店にΩはいないので」ではごゆっくり、と立ち去る花園。呆然と見送る泉。床には花園の名札が落ちていた…。
この一連の流れの描写がすごく印象的です。冒頭と第1話で2回この出会いのシーンは描かれるのですが、それぞれ見る角度が違って、「運命の出会い」感をすごく感じました。
あと、好きな描写がもう一つ。
落としていた名札を花園へ届けにクラブに行った泉。そこで、泉をαだと思い込んでる花園に冷たく追い返されてしまいます。しかし後日、花園のとある窮地を見事に救った泉は、自分はβだと伝え、名札を花園に無事に返します。そのやり取りが、何か童謡「森のくまさん」みたいで面白いな、と思ってしまいました。ちなみに立ち去った泉は、今度はうっかり学生証を落としてしまってるんですけどね。
そんな偶然を重ねて、距離を深める二人。
花園のα嫌い、人との接触が恐い理由。
全てを受け止め、いつか好きな気持ちを花園に伝えようと気持ちを新たにした泉に、衝撃の事実が明らかになる。
突然連絡の取れなくなった泉。
そして悩んだ花園の取った行動はーー
絵の書き込みが多くて、特に服のしわの表現と、クラブと水族館のシーンでの光と影の表現がいいなぁと思いました。
また違う作品も読んでみたいと思う作者さんでした。
オメガバースです。
自分はベータなのになぜかアルファにばかり好かれてしまう主人公が、オメガを隠して働いているバーの店長と出会うお話。
これって、どこまでネタバレしていいのかな?
惹かれ合う理由がタイトルのまんまなんだが。
主人公が自分をベータと自認して育ってきたために、あれやこれやとこじれるが、最終的にはハッピーエンドになってよかったです。
絵もお上手。
ただ、個人的な趣味で、ゲスな元カレやモブレはあんまり好きじゃないので萌2はかなりギリギリなオマケです。
運命のひと、というタイトルが表す通り、オメガバースにおける運命を描いた作品。ただし、最後に明かされる運命であって、途中まではベータとオメガカップルとして語られる。
ベータだけれど、結構モテる泉。なので、最初からストーリーは錬られている。
ある日、バーで会った店長、花園はいい匂いがして、それまでいわれるままにアルファ女性とつきあってきた泉は初めて恋をする。
ベータと自覚している泉は、おごるでもなく、優しく包容力のある”ワンコ”キャラ。しかしアルファにトラウマのある花園は、泉をアルファだと思い込み反発する。
そんな二人ですが、アルファだろうがオメガだろうが、直感で惹かれ合ったことをきっかけにしながらも、体の関係よりも、徐々に徐々に精神的なつながりを深めていく。
これが作品で描きたかったことなのかな、と思います。運命だけれど、それに流されず、絆を築いていく。
絵が、木村ヒデサトさんを彷彿とさせる、味のある私の好きな絵で、そこも含めて星4つをつけました。
今後の作品にも期待です。