お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
ずるくていい。今だけは彼のものになりたい。
うえださんはかなりの好き作家さんですが(でも、全部の作品が好きとは言えない・・・)、これはその中でもベスト3には入ります。ベタ3部作(あと2つは『missing you』『イノセント・キス』)ではこれがいちばん好き。ホントに大好きです。もう作家さんの言われる通り、清々しいほどのお約束・ベタ展開なんですが、それでもいい!というよりだからこそよかったです。
記憶喪失もので、確かにベタベタなんですが、いいじゃありませんか、王道!ありがちな設定だからこそ、プラスアルファが大事なんだと思います。うえださんの綺麗な文章に、丁寧な心理描写がとてもよかったです。
『ベタ』すなわち先(着地点)はわかりきってるのに、それでもきちんと読ませるところが、作家さんの力量なんでしょう。
この作品はキャラクターがとても好きですね。陽史(攻)もですが、私は里央(受)がよかったんです。たぶん、ハッキリ好みが分かれるキャラクターだと思うんですが、もともと『健気受』は大好きなので。
でも里央は健気には違いないんですが、陽史を手に入れるためにかなり姑息でズルイ手を使います。でもそれも、陽史を好きだからこそだし、やっぱり恋愛って綺麗事だけじゃ済まない部分も大きいと思うんですよ。BL(ラブストーリー)ではスルーしてることが多いですが(この作品がリアリティあふれるとは言いませんよ)、この里央のズルさも、それに対して覚える罪悪感も、とても自然に描かれていたのですんなりストーリーに入って行けました。
陽史が記憶を取り戻して、『黎子(陽史の『本当』の彼女)も里央もどちらも好き』と正直に告げるんですが、セオリーとしてはここは『黎子には悪いけど里央が・・・』と来るところだと思ってたので、ちょっと外されました(いえ、その方が安易に流れずよかったと思っています)。このあたりは、誠実で正直な陽史らしさがよく出てましたね。
あとは、黎子の設定が秀逸でした。浮世離れしてると言えば確かにそうなんですが、でもこれは現実にもあり得る事情だと思うし、何よりも黎子自身もまた『ズルい』ところがよかったんです。
これが、単に『親から婚約を強制された悲劇のヒロイン』で、信じていたはずの陽史と里央に一方的に裏切られた『被害者』だったら、きっとストーリー自体に白けてしまったんじゃないかな。
でもそうじゃなかった。黎子は確かに『逃げられない』運命を背負ってはいたかもしれませんが、実際には『逃げられない』というより『逃げたくない(怖い)』気持ちも強いんですよね。自分から運命に絡め取られに行っている部分もある。
みんなそれぞれに弱くてズルイところを持っている。だから、『ハッピーエンド』には違いないけど、痛みが残ってしまうんです。過去を振り切ってめでたしめでたし・2人で一から始めましょう、ではなく、これからも黎子のことを含め、2人で抱えて生きて行く。
今まで読んだ数多ある記憶喪失ものの中でも、私にとっての最高峰、健気受ものとしても最上位クラスの作品です。
切ない!胸がきゅいん、きゅいん、もう心筋梗塞か狭心症か、こりゃ救急車を呼ぼうかと思うぐらいきます。
あらすじや、書評で泣けるとか、胸が痛いとか、切ないとか噂は聞いていたのですが、死にネタじゃなきゃ大丈夫よねって気軽に読み始めて・・・・
読み終わるまで、途中休憩も入れられないし、読むのを止められなかったです。
主人公の葛藤と罪悪感と、後悔と、それでも求めずにはいられない恋慕・・・・どうなるこの二人とはらはらしっぱなしでした。
恋人に送るために買っていたペンダントを、里央へのプレゼントだと思いこんでそれを里央に渡し、それを身につけないといけなくなった里央の複雑な胸の痛みが・・・
本当の持ち主黎子への罪悪感と、それを買った時の陽史の気持ちや、それをもらう立場ではないのに、身につけている背徳感・・せつなすぎます。
プレゼントをうらやましいとおもって横からかっさらっても、自分のために買ってくれたプレゼントでなければ嬉しくないと、手に入れてはじめて気づく里央。
陽史への気持ちがあっても、かりそめの恋愛だとわかっている里央は本当に喜ぶことができなくなりどんどん、追いつめられます。アイデアも、文章も申し分なし!
「記憶喪失もの」というあらすじを読んで、ありがちかな?と。
購入するのを実は、迷った本なのですが。
読んで良かったです………!!
「ベタな展開が好き」「ちょっとベタすぎるお話し」と。
作者があとがき書かれているように、本当にベタなお話しです。
しかし、そのベタが楽しいのです。萌えるのです。時には泣けるのです!!
陽史・里央・黎子の交錯する思いが切ない。
罪の意識に苛まれ、でも記憶が戻るまでひとときでいい、
恋人でいたいと願う、里央のいじらしさ。
相手に誠実ではなかったと後悔する黎子。
黎子と里央、どちらも真剣に愛している陽史。
三人とも皆、真面目に人を愛している。いい子なのです。
それなのに些細な嘘をつき、真実を言えなかったせいで、
事態はどんどん混乱していきます。
最後に陽史がどちらを選ぶのか?
里央に肩入れしながら読んでいたので、
胃が痛くなることも多々ありましたが。
それ以上に胸がキュンキュンして、萌えました!
私の大好きな作品のひとつ。
あさとえいりさまの挿絵で買ったのですが。これは本当に良かったです。
うえだ真由さまの文は、どの作品についてもどこかせつなくて、儚くて、優しい感じがします。
この作品も、読んでいてせつなくなりました。
胸がしめつけられるような愛しさが沸き起こります。
これ、BLジャンルとかじゃなく、普通に恋愛小説として楽しめます。
主人公の里央の一途でひたむきな想いが心に響きました。
たくさんの人に読んで欲しいです。
あとがきに「ベタな展開が好き」と書いてらっしゃるように、まさしくベタな展開。
こんな都合よく事故が起こったり、結構激しい事故だったのにケガだけですんで、でも記憶喪失にはなっちゃうって……。
設定はベタなんですが、里央の切ない恋心にすっかり感情移入しちゃいました。
些細な誘惑に負けて、本当のことが告げられなくなってしまって、やっぱり辛かったでしょうね、里央は。
自分で選んだとは言え、後悔ばかりの恋。里央の気持ちを思うと、ホント哀しくて哀しくて、泣けてきました。
ホントのことを言わなくちゃ、今の状態はよくないことなんだってわかっていても、止められない里央の恋心が、よく伝わってきたし、切なくてたまりませんでした。
ひょっとしたら、こんな恋愛ってそのへんにでもありそうだなぁ~って気がしました。
ホント、ベタな展開、バンザイ!でございました
kirara
むぼちさま。
うえださんは、確かに存在は地味(すごい売れ筋じゃないという意味で)かもしれませんが、とても良質な作品を生み出されている作家さんだと思っています。
こちらも、要約すればほんとに他愛ないストーリーかもしれませんが、こんな『ベタな王道』をしっかり読ませる手腕が見事なんじゃないかと。
私は本当に好きなので、うえださんの魅力を伝える一端を私のレビューが担えたのなら嬉しく思います。
・・・うえださんでも低評価レビューを書いている作品もありますが、あくまでも『私の』好みに合わないというだけですので。すべてとまでは言いませんが、基本的に水準が高く安心できる作家さんだと思っています。
コメントありがとうございました!
むぼち
kiraraさんがおっしゃっているとおり、丁寧で、とても好感が持てました。
私には、うえだ先生は小さいこともおろそかにせず、きちんと物語を作ろうとされているのだと感じられます。
どこが、どうしてと聞かれると、kiraraさんのようにきちんとは答えられませんが。
うえだ先生の本は、作り手の人の真面目さが伝わってくるものばかりで、私の好みの先生を教えて下さったkiraraさんに改めて感謝しています。