イラスト付き
孕みたいから今夜ここにいる
だが、
この作品は例えるなら、上質な神ボタージュ。
自分はこの作品がとても好きになったのですが、思ったより神評価なかったんで、ここはひとつレビューしてみました。
オメガバースものと言えば、
オメガは自分のバースに葛藤し苦しみ、不幸な生い立ち、境遇にさらされ、強姦、ドロドロ愛憎劇デフォルト。気分は昼ドラ。まさに肉料理。
この作品にはそれらを求めてはいけません。
かくいう自分も最初「アプリで出会い。。。随分現実的というか。。オメガものにしては地味な導入だな」とか、旦那はいらんが子供は欲しいとか言う女性のようでBLっぽくないとか色々思いました。
けど、なるほどと思い直したのは、男性にも子供が欲しいなら自ら産める選択があるということ。
内容は、どんでん返しとか、読んでて苦しくなるとか、ドラマチックさがたまらないとか、激しく心を揺さぶってくるタイプのお話ではないとは思います。
話は終始読みやすい。かといって文体が軽いとかではなく、きちんと丁寧に書き込まれてます。なのに読みやすい。ぐいぐい入ってくる。作家さんの力量なのか、凄いと思います。
そして特筆すべきがず――っと甘酸っぱいときめきがあって、心地いいのです。
久しぶりに胸がきゅーんとして甘い気分にさせてくれる恋愛ものを読ませてもらいました。
こういうオメガバースものもあるんだなあ。
あとエロい。まーエロい。
過激なオメガ系じゃないのにエロい。満足。
作家さん買いはしないので、他にどんなお話書かれてるとか詳しくないですが、非常に丁寧なお仕事というか、内容や展開は大人しい印象を抱かせるかもしれないけど、いい作品を書かれるのだなと思いました。
肉料理のインパクトや勢いはないかもしれません。
ただ自分にとっては優しい塩加減で口当たりがよく、まろやかな神ボタージュでした。
ある意味オメガバースとはなんというか性別への挑戦ですよね?
ま、難しく考える必要は無いんですけど、愛のある妊娠、出産、子育ての話です。
そういう意味でとてもいい話だったと思う。
オメガバースってよくBLじゃなくてもいいんじゃないかと思う事があったりするんだけど、これは良いオメガバースだった。オメガバースだから成立する話だったように感じました。
最後にラブラブな2人とかわいい2人の子どもの海外旅行の様子が幸せな気持ちにさせてくれました。
溺愛攻めモノが読みたいなぁと思ってこちらを購入しました。
施設で育った泉は図書館で働いています。
そんな泉は将来子供が欲しいのでマッチングアプリで相手を見つけます。
その相手が、図書館に来ていた泉がひそかにいいなと思っていた人でー…というお話。
涼介は最初から最後までずっと紳士で良い人です。
泉も純粋な良い子なのですが、良い子だから涼介の負担にならないようにと姿を消します。
その後色々あって再会する二人なのですが、その時の涼介の憔悴した様子を見てとても悲しくなりました。
涼介に悪いところがなかったから余計悲しくなりました。
最終的には紆余曲折ありつつもハッピーエンドでほんとによかった…!
二人の子供を溺愛している様子も見れて良かったし、
子供だけじゃなくて泉のこともほんとに大切にしていて
読みたい溺愛攻めはここにあった…!と思いました。
王道だけど、だからこそ良い!です!(*´▽`*)
切なくて甘くて優しい、等身大オメガバースになります。
そもそも、男性が妊娠・出産と現実ではありえない設定での「等身大」っておかしい気もしますが、なんか等身大としか言いようがないんですよね。
オメガ性を持って生まれた主人公が、日常の中で攻めと出会い、淡い想いを持つ。
少しずつ距離を縮めて、互いに恋に落ちる。
悩んだり迷ったり傷付いたりしながら、勇気を出して幸せを掴む。
こう、どこにでもありそうな普通の恋愛なんですけど、当人達にとっては非日常でドラマチックなんだろうなぁと思わせる所が素敵な。
ただこれ、主人公は最初から子供を妊娠したがってるし、これが男女でも全然違和感の無いお話だったりします。
個人的には、オメガバのいい所がよく出た、とても好みの作品ですけど。
苦手な方はご注意下さい。
ザックリした内容です。
司書の資格を持ち、図書館でアルバイトをして生計を立てる泉。
天涯孤独の彼は、血の繋がった家族を望んで子供を産む決意をするんですね。
そこで、マッチングアプリを使い、妊娠させてくれる男性を探す事に。
そのアプリで出会った男性・ハラダに好意を抱きますが、なんと彼の正体は、泉の職場である図書館で出会ったアルファの男性・華原でー・・・と言うものです。
えーと、この泉ですが。
「妊娠だけさせて欲しい」と、これだけ聞くと微妙だと思うんですよね。
ただ、天涯孤独である事から、家族に強い憧れがあって。
更に、過去に見知らぬ男に襲われた事が心の傷となり、男性をパートナーとする事自体が考えられない。
まぁそんなワケで、子供だけを希望してるんですね。
こう、物静かで寂しがりやの、少し臆病な受けでしょうか。
で、そんな彼と図書館で出会ったのが、グラフィックデザイナーの華原。
彼はですね、とても誠実で穏やかで、とにかく泉に甘くて優しい、まさにスパダリと言った男なんですけど。
これ、先に等身大と書きましたが、まさに日常系のお話でして。
マッチングアプリで知り合って、それが偶然顔見知りで、互いに距離をはかりながら、少しずつ恋に落ちてゆく。
二人で食事をして、一緒に映画を見て、デートをする。
そして、身体を重ねるー。
本当に、どこにでもありそうな普通の恋愛が、とても丁寧に綴られているのです。
また、華原がですね、とにかく泉に甘くて優しいのです。
二人が付き合い出してからの、初めてのヒート。
そこで、とても親身に優しく面倒を見、更に甘く激しく抱く。
こう、まるで蜜月のような一週間に、うっとりさせてくれると言うか。
いや、甘くてエロくて最高ですがな。
華原が(エッチでは)ちょい変態チックでもあって、泉に上手い事言って剃毛プレイとかを入れてくるのにも、笑っちゃったりして。
と、そんな日々を過ごすうちに、妊娠が分かる泉。
ずっと一人で子供を育てるつもりだった彼ですが、華原となら、未来望めるのは無いかと心が揺れ始めるんですね。
ところが、自分と付き合いだしてから、華原の仕事に支障が出ている事を知ってしまうー。
そこで、彼の負担になる事を恐れ、姿を消す事にし・・・と続きます。
これな!
泉が若干臆病すぎるし、華原は華原で、恋にうつつを抜かして仕事がおろそかになるって何やねん!とも思うんですけど。
いや、おろそかにしたと言うか、泉と過ごすようになり、作風が変わってしまったんですね。
これまでの鋭さが無くなり、迷走してって具合で。
いや、受けにこうして心配をかける時点で、スパダリとは言えぬ!と個人的には思うんですけど、泉に去られた後の彼が可哀想で。
本当に、泉が大好きで愛情深い攻めなのです。
また、一人で子供を育てる泉ですが、この後に二人が再会する、とある事態となるんですね。
そこで、自身の本当の気持ちを見つめるシーンが、心に響いて。
そう、相手の負担になりたくないなんて、ただのキレイ事。
ただ単に、捨てられるのが怖いだけ。
本気で愛してしまったからこそ、傷つくのが怖いだけ。
自分が臆病だけなのです。
いやね、そんな怖さを乗り越えて、勇気を出して一歩踏み出すと言うのに、なんかすごく胸が熱くなっちゃうんですよ。
まぁ、ちょっと遠回りしちゃったけどね。
と、そんな感じで、甘くて優しいのにちょっと切ない、素敵なお話でした。
ただ、主人公が結構臆病ですし、ガッツリ妊娠・出産ものですので、苦手な方はご注意下さい。
以前から気になっていた本が、セール価格になっていたので電子版を購入。
表紙は、主人公が何故か上半身裸
・・ハルさんイラスト担当の本は、なぜか主人公の裸体画が表紙に多い気がする。
表紙が甘々淫靡なデザインだけど、中身はそんなに甘くない。
▶泉を産んですぐ米国人の母は病死、気落ちした父親も死亡。
生まれてすぐに両親を失った泉は、施設で育つ。
優しい人に囲まれて育ったけれど、泉は自分だけの家族が欲しい、というより愛して愛される対象が欲しい。
司書の資格を取得して、図書館でアルバイト勤務。
少ない給与とΩ支援金で暮らす泉は、貯蓄に努め、扶養能力が乏しいのに、結婚は要らない・子供が欲しいと考え、将来に備えている。
▶図書館で出会った優しい華原は、マッチングアプリで申し込んできた中の一人だった。
誘われるまま交際。泉が妊娠した頃、華原の仕事の障害になっていると知り、黙って去る。
▶出産後、泉は偶然ニュースで事故に遭った華原のことを知る。
再会して、改めて華原から結婚を申し込まれ、迷う泉が読む本は、執着愛を描いた谷崎潤一郎の「刺青」と「ロビンソンクルーソー」・・意味深。
ハーレクインロマンス風の、山場がなだらかなハピエン。
オメガバースで、男性オメガが子を持った時の呼称が様々、この物語では両親ともおとうしやま。・・産んだ人を母というなら、オメガ男子も「母」で良いと思う。
電子版購入後に気づいたけど、Amazonのアンリミで読めばよかった。臆病な泉が変わっていく内容。
ピピン
レビューを拝読いたしました。おもしろかったです。
すっごくおもしろく読むのが楽しいレビューを書かれるんですね。
フォローさせていただきました。
また素敵なレビューを読ませてください。