追放者 -Persona Non Grata-

tsuihousha Persona Non Grata

追放者 -Persona Non Grata-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

293

レビュー数
2
得点
12
評価数
3
平均
4 / 5
神率
33.3%
著者
Guilt|Pleasure 

作家さんの新作発表
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媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
価格
¥1,350(税抜)  
ISBN
9784799747797

あらすじ

請負人リンチが活躍するノワールノベルシリーズ第二弾!

かつての部下に瀕死の重傷を負わされたリンチ。
奪われた大切なものにたどり着くために、復讐と追跡を始めるリンチだったが!? 
BL界の異端児GP(ギルトプレジャー)が描く
ノワールノベルシリーズ第二弾!
日本語初翻訳。

表題作追放者 -Persona Non Grata-

ジェームズ・J・ビアンキ
ヴィンセント・リンチ

同時収録作品追放者 -Persona Non Grata-

モブ
ピート,リンチの仲間

同時収録作品追放者 -Persona Non Grata-

ヴィンセント・リンチ(仮)
カイ,アンドロイド(仮)

レビュー投稿数2

「THEDOLL」の続編

…のタイトルの通り、先に「THE DOLL」を読む必要があると感じます。
というのは「THE DOLL」に収録された「After the Fall」にて出てきた狂犬ビアンキが重要な登場人物になるからです。

「In These Words」を読んで興味を持ち、という方へ。
BL要素は全然少ないです。「ITW」よりもっともっと甘さ無しの上、容赦ない暴力行為、結果として人が死にます。

「THE DOLL」を既読の方へ。
リンチとカイの甘々は期待しないように。
それどころか…



↓↓↓↓


ベルギーでカイと暮らしていたリンチだが、見つかってしまった…
隠れ家を襲撃されて、カイは拉致され、リンチはビアンキに殺される…?
だが、ビアンキはわざと急所を避け猶予を持たせたのかな。リンチは結果的にギリギリ助かる。
もちろん昏睡状態やリハビリ期間が長く続き、行動を起こすまでに数カ月を要する。首には隠せない刃傷が刻まれ。

ビアンキ、というのは過去の部下。リンチに執着してるんですよね。それは憎しみでありその表裏一体の強烈な愛のようでもあり。
全編読んでみると、
リンチはまずカイを取り戻す行動に命を賭ける。
カイを盗んでいったジェン・テック社を壊滅させるため、仲間でハッカーのピートの助けでシステムをぶっ壊す。
だけどその作戦時にピートも捕らえられて…

ジェン・テック社の壊滅は達成。
そしてビアンキとの対決。

↓↓↓↓

(ネタバレ)

ビアンキの殺傷。ビアンキは死にますよ。
私は「へぇ〜〜…」と思った。1冊の3分の2…位の所でビアンキ、死にます。
ならこの物語、どうなる?
今度は、敵の手に落ちたピートの復讐に移行していきます。
人身売買の幹部・デソトとの対決に話は移っていく。もちろんこちらも緊迫度は高く読み応えはあります。
しかし。
すでに「THE DOLL」の続編たるカイとのなんたるかは見えなくなってるんだよな。

一冊として、流れがあるから一気に読むんだけど。
私個人として、サスペンス・残虐・ノワール等々、そういうのは元々好きだから読み進められるんだけど。
まっさらに読んだら一体どうなんだろう。
カイ奪回の前半、ピートの復讐の終盤。そしてぶつっと終わってしまうように思えるエンディング。
はっきり言って結末はスッキリしないよ。
忖度なく書くよ。この終わりは変だね。ここで終わり?と宙ぶらりんだった。
マジにこれで完結?は…?
という感想です。

1

痛い描写も多いが、男同士のプライドをかけたガチンコ勝負が素晴らしい

『In These Words (4) 初回限定版』と同時発売されたノベルズですが、『In These Words』とは関係ないお話で、2017年に刊行された『THE DOLL』の続編であり完結編です。

続編なので『THE DOLL』未読だと理解できません。前作未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。

『THE DOLL』のネタバレも含んだレビューになります。ご注意ください。




ギャラさえもらえればどんな仕事も請け負う、傭兵上がりの請負人・リンチ。
彼はある日、不可思議な仕事を依頼される。その仕事とは、とある人物を探し出し、彼が研究室から盗み出したあるものを奪い返してほしい、というものだった。

その「あるもの」とはアンドロイド・カイ。
セクサロイドにもなるカイというアンドロイドの状況を詳細に仕事主に聞いたリンチはその彼の扱いに辟易するが、それでも仕事と割り切ってカイを連れ戻す仕事を請け負うが―。

というのが、前作『THE DOLL』の内容。

不憫な環境にいたカイを、そこから救い出し、ともに逃げ、カイを探し出されないよう自分とカイを過去のそれらと結び付けるすべてのものを捨てて平穏に暮らしていたリンチとカイ、という描写から、今作品はスタートします。

彼らの平穏な生活は1年と経たずに破綻する。
カイを奪い返そうとする人物の襲撃を受けたのだ。

彼らを襲い、カイを奪い返しに来た人物。
それはかつてリンチが有能な傭兵として育て上げたビアンキで―。

このビアンキという人物は、前作『THE DOLL』の終盤に収録されていた「After the Fall」で登場する人物です。

粗暴で、高圧的で、手が付けられなかったビアンキ。
そんな彼を、自分の部下として育てたのがリンチ。ビアンキが唯一自分の「上」として認めたリンチで、ビアンキはそんなリンチに異常な執着心を見せています。

かつて自分を屈服させた男・リンチ。
そんな男が、依頼主を裏切り、男とぬくぬくと日常を過ごし、あれだけ有能だっだはずの男が堕落しきってしまった(ように、ビアンキには見える)。

そんなリンチを自分よりも「下」と格下扱いするために、ビアンキはリンチを凌辱し、そして首を切り殺めようとするが―。

序盤から凄惨なシーンてんこ盛りで、さらに前作で攻めだったリンチが受けになる、という様相を描いているのでそういった描写が苦手な方には注意が必要な作品かと思われます。

カイを連れ去られてしまったリンチは、カイを奪還すべく行動を開始する。
無事、カイを連れ戻すことができるのか。

と、そこを軸に進むストーリーですが、「カイの奪還」というよりも、リンチvsビアンキ、の様相がメインかなと思います。

リンチはかつて有能な傭兵だったわけですが、今回の彼の敵は大企業。力だけでは勝てる相手ではなく、そんなリンチのサポートに入ってくれる人物が何人か登場します。

リンチの良き隣人で、彼が信頼する数少ない人物の一人である医師のレイ。
カイを開発した研究者の一人・ムアー。
そして幼いころにリンチに救われ、以来リンチを父とも慕う天才ハッカーのピーター。

彼らのサポートを受け、リンチはカイ救出をもくろむが。

レイプ。
凌辱。 
殺人。

裏社会がこれでもかと描かれ、Guilt|Pleasureさんらしい、そんなダークでドシリアスな内容がずっと続きます。ビアンキだけではなく、彼の仲間たちの行動もかなり胸糞で、しかも彼らの毒牙にかかるのがリンチの大切な仲間の一人なので正直斜め読みしてしまったほど。

詳細な描写は書かれていませんが、カイもまた、リンチのもとから引き離された後、かなりひどい扱いを受けたことが読み取れます。孤独と痛みの中、カイがリンチだけを求めていた様に、思わず落涙しました。

けれど、カイのアンドロイドの謎ときや、二転三転するストーリーはさすがGuilt|Pleasureさん。めちゃめちゃ面白い。ビアンキの対決も、傭兵らしいっていうのかな。男のプライドをかけ、ある意味相手への敬意も感じられ、そんなところも素敵でした。そんなガチンコ勝負を、咎井さんの描くイラストがサポートしているのも良き。痛く、凄惨な内容でありながら、どこか清廉で美しく感じるのは咎井さんのイラストが大きく貢献しているように思えて仕方ありません。

で、ですね。

肝心のカイ奪還は成功したのか、という結末ですが。

うーん。
こう来たか、という感じ。
最後、これはハピエンと言っていいのだろうか…。

アメリカの小説とかドラマとかは、確かに「大団円!」という終わりを迎えないものも多く、国民性の違いもあると思うのですが、完全なるハピエンをご所望の腐姐さまには消化不良に感じる完結ではなかろうか。

おお、そこで終わりかーい!と、思わず突っ込んでしまった…。

けれど、新たな章を迎える予感もする。
うん、これは賛否両論ある結末だろうな、と思ってしまった。

あとがきでGuilt|Pleasureさん自身「これで完結」と書かれていますが、ぜひとも続編を描いてほしいなと切望しています。
カイとピーターを幸せにしてあげてほしい!

『THE DOLL』、そして『追放者 -Persona Non Grata-』の2冊読んで、初めて完結するストーリーだと思うので、前作を読まれた方にはぜひとも今作品を読んでほしいと思います。

萌えるか、と言われると正直萌えはさほど感じないのですが、1つの作品として読んだときの満足度とか、面白さは素晴らしい。

ということで、萌え×2で。

2

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