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表題作青い瞳のばけもの

神太麻タツミ,目が合うと心を読む能力がある,大学生
有馬蛍,タツミを好きな幼なじみ

その他の収録作品

  • 番外編 その後の国際交流
  • カバー下:漫画「北条光という男」

あらすじ

人の目を見ただけで、
過去も想いも読み取れる異能力──
そんな人の二面性を知り尽くした男に、
ときめく恋は訪れるのか!?

目を見ただけで、その人の過去や
思いを読める異能力──。
特殊な青い瞳を持つ神太麻タツミは、
力を利用しようとする一族に、
ほぼ軟禁状態の毎日だ。
人と目を合わせたら、
見たくもないものが見えてしまう…。
それが嫌で、タツミは大学も休学中。
けれどそんなタツミの唯一の友達は、
幼なじみで世話係の有馬蛍。
過去に親の虐待から救われた蛍は、
実はタツミに片思いしているのだ。
孤独と向き合う日々の癒しは、蛍だけで…!?

作品情報

作品名
青い瞳のばけもの
著者
露がも子  
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199608339
3.7

(15)

(3)

萌々

(5)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
56
評価数
15
平均
3.7 / 5
神率
20%

レビュー投稿数4

ヒューマンドラマを見ているようなBL

人間は異質なものを見ると怖れを抱いて排除しようとするのだろうか。

主人公は吸い込まれるような青の瞳をした青年。
寄り添う幼なじみは、髪を金色にした青年。
『ばけもの』と排除されがちで人生を諦めている感がある青年を、金髪の青年が寄り添いつつ、普通に過ごせるようにと研究をしていた。

あああ…とってもピュアなお話ありがとうございます!
特殊な設定(目を合わせると相手の過去も感情も読み取れる青年)ですが、BL的なお話としてはピュアでもう…なんか萌える(語彙消失)←

とある家系には時折『青瞳持ち』という能力のあるものが生まれる。
その者は一族に関連した島の端に住まわされている。
まあ…大学などには行っているので幽閉ではないんですが。

その彼たちのお世話をする家系もあって…そこに引き取られた幼なじみとの恋。

相手の気持ちは見えるのに
気持ちを信じられない…サトリの恋は切ない。

でも果てしなく素敵なハピエンでよかったです。

2

信じること

タツミの青い瞳には相手の目を見ただけで過去や想いを読み取る能力があって
その能力によって今まで様々な困難があったことから色んなことから目を背けがちになっていて。
人嫌い、という表現がありましたが
人嫌いというよりは信じることをあえてしない、諦めているような印象でした。
だからこそ、蛍の好意も純粋に理解が出来なかったんでしょうね。
蛍が真っ直ぐに向けてくる好意を受け止めてしまうことすらも怖かったんだろうな…
じっちゃんの言っていた言葉を少しずつ理解していくタツミの姿に感動しました。

想いが通じ合ってすぐ、長い時間離れることになったふたり。
タツミは6年ぶりに再会した蛍へ
「俺を信じて離れてくれたから俺も頑張ろうって思えたんだ
俺を信じてくれてありがとう」
と、言う場面にすごくグッときました。
離れていてもお互いに信じて想い合えていたのが伝わってきて感動でした。
幸せそうなふたりの笑顔を見れて本当に良かったです。

0

成長のある攻め、いい……

初読みの作家先生でした。
一巻完結ものですが、ストーリーが二転三転して、過去の回想などもわかりやすくかつ程よい量で入っていて読み応えたる一冊でした。
BLって意外とファンタジック設定と相性いいですよね。

青い瞳をもった、他人の心や記憶を読める攻め様・タツミと、そんなタツミに幼少期に助けられ一途に想い続けている受け様・蛍の恋愛譚です。
ストーリーが始まる時点ですでに蛍の気持ちをタツミは知っていて、タツミの祖父の死や蛍の友人関係によって膠着状態だった関係が動き始める感じです。

良かったポイント、いくつもあるのですが、やはり一つは攻め様が精神的に成長していく過程が書かれているところだと思います。
本作で重要な設定である青い瞳、これは代々タツミの一族で時折生まれる特異体質の証らしく、青い瞳を持っている上人の心を読めるなんていう能力を持ったタツミは、生涯一族に飼い殺されることを自分で分かっていて、半分投げやりな姿勢で生活しています。
そんなタツミですが、この能力のおかげで虐待されていた蛍を救うことができたんですね。そこからずーっと一緒に過ごしている蛍は、タツミのことを好きになってしまい、気持ちも明らかにしたうえで割とグイグイいく。けど、タツミは自身のイタチにも将来にもネガティブな思考しかないから、タツミが好いてくれる自分を信用できない。
他にも出来事がありますが、主にそれが原因で仲たがいみたいになってしまうんです。
設定はファンタジックなんですけど、登場人物の感情の動きがリアリティあって読み入ってしまいました。

でも、タツミは自分の気持ちや境遇をきちんと振り返って受け入れて、最終的には人間的にも成長して、蛍に自分から気持ちを伝えます。
やー、冒頭のままだったらしっかりしてなさ過ぎて私のお好みにはハマらなかったよ……

真理を追って読む部分がたくさんあって、ストーリーに浸りたいときにいい作品です。
あと攻め様、選ばれし人間系のシュッと細い激美形イケメンでもおかしくない生い立ちなのに、イケメンの方向性が雰囲気少年漫画系なのでそこもよかったです!

0

民俗学を読んでいるような

相手の目を見ると、心の中や過去が見える不思議な力を持ち、人と深く関わろうとしないタツミと、彼に思いを寄せる幼馴染の蛍のお話です。

神太麻家では、時折タツミのように青い瞳を持つ者が生まれるそう。
江戸から続くいわゆるシャーマンのような家系で、家のため「青瞳持ち」と呼ばれる能力者は管理され生きていたようです。
恐らく同じく何らかの力を持っていたであろう祖父は、タツミに力を持つ者ゆえに降りかかるであろう苦難の人生に悲観せず、人を愛し、一人で生きようとするなと言います。

そうは言っても、隠しておきたい本音や過去も全て見えてしまうことで、人との正常なコミュニケーションを取ることが困難なタツミ。
そんなタツミにとって、蛍は唯一の友人で、さらには自分を好きだと言う相手です。青瞳持ちの世話をする家業でもあるそう。

蛍は有名な科学者であり、タツミのために色々研究もしています。目を見ても脳内の情報が見えない眼鏡を作ったり。
そして虐待から助けてくれたタツミは蛍にとってはヒーローでもあります。

その想いをなかなか受け入れることができないタツミと、一途な蛍の物語。
あらすじをさらっと読んだ段階では、能力に苦しむ受けと、救い出す攻めかと思っていたのですが、クールでニヒルな攻めとわんこな受けでした。
読んでみると逆だとはとても自然なカップルで、蛍×タツミだろうとは全く思わず、内にこもる方は受けで、こじ開ける方が攻めというのはただの私の好みの問題でした。

とは言え、タツミが蛍の想いを受け入れ、それまで目を背けてきた誰かと生きることを選択し、社会に出て立派に生きる姿には感涙でした。

1

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