卒業式に同級生にフラれるところから始まるというのはありがちですが、告白相手とくっつくわけではないのに親友として登場し続ける斬新さ!リア充を演じながら周りの言葉が気になる、挨拶が返されなくても挨拶し続けるその真面目さ(をさらりと冒頭に描いて琥太郎くんの性格説明をするところ)!早々に私の好きなリオナ先生を感じて嬉しくなります。
終盤は出ました泣く攻め!リオナ先生の作品は結構攻めが泣く。それも弱々しく泣く。この人間味が好きなんです。理仁が琥太郎より浮かれてるってとこが自分的ツボだったので、本編でもっと出して欲しかったこの理仁の可愛い本性を。琥太郎にかわいいなぁと言ってる場合ではないぐらい可愛いぞこの男。
黒木えぬこ先生の作品は『ミッドナイトショップチャンネル』を読んだことがあって、両片思いのすれ違い作品集だったなと思い出す。
こちらの単行本も両片思いの勘違いすれ違い作品です。なかなかうまいこと作ってあって、すれ違いが無理矢理過ぎず、テンポよく話が転がってサクサク読めるのが面白い。昨今の丁寧な作画ブーム(?と言って良いのか?自分がそう感じているだけかも)にはあらがいやや粗めな作画と感じるところもあれど、コメディのスピード感には合っている感じ。サクッと読めます。福田が可愛い。
花山くんがフクダが好きなことは十分わかったが、大学生って設定もちらっと出てきたのみで、彼の人となりは謎に包まれている。テンポの良さはこういった説明がないおかげかもしれないけれど話に浸りにくいのは確か。
萌〜萌2
ハルモト紺先生のキャリアハイ的な作品だという感想を見かけてわくわくしながら読みました。読み始めてふと、ちるちるを振り返ってみたら、ハルモト先生の作品にレビューしたことなかったけれど。いくつか読んだことはある気がする。
さて、なるほど絵も美しく、ストーリーも読みやすく、エッチな描写もしっかりで、サラリーマンBLの王道でありながら、BL漫画の初心者から玄人まで広く受けそうな、素晴らしい仕上がりの作品でした。
なんとなくある既視感と、早瀬の身体が女性っぽいなと感じるとこがちょっと引っかかったぐらい。早瀬のキス待ち顔などめちゃくちゃ可愛くて好きなので、トレードオフの関係なのだとしたら致し方なし!早瀬を見つめる時藤の顔もまぁメロくて雄で良い!
結局彼らの人生の問題は何も解決していないようで、彼らは問題の解決を望んでいたというより、絶対的な味方が欲しかったのだとすれば、万事居心地の良いところに収まったのでしょう。揃って仕事能力もあるとくれば、人生の不安はほぼ取り除かれたもの同然。しあわせな結末…とはいえ続編は作りやすそうなのでそれはそれで読者も出版社も作家さんも美味しい。
爽やかすぎてびっくりしちゃった。
作品を作品として成り立たせるための余計なアクシデントやトラブルやイベントが少ないところが好き。創作作品にありがちなそういう展開が少ないことで、この作品のこの作品たるところが際立っている。
ヤナの前で言う言わないの空気になったくだり、2人はややすれ違ったわけだけど、それを大問題にせずさらさらと日常の一コマで流してくところとか、意図してるのかしてないのか、作者の方の感性が独特で面白いなと。
彼らのバイト先が同じになるのは一つイベントだけれど、そうでなければ人生の別ルートにはいり、彼らは少なくとも1年生では友達にならないのでこの作品自体ないわけで。
美人の道音で話を引っ張るのかと思いきや、森くんのいい男っぷりで話を展開していくのも良かった。これは惚れざるを得ない。特に描き下ろしのプリクラのさらっとした男前仕草。そういえば自分も初キッスだと言わなかったあたり、森くんさてはめちゃくちゃモテてきたな。納得ですけど。
柳町くんもいい男だが。森くんに「ホント学内事情に疎いなお前」と言ったヤナ、初対面のとき絶対道音のこと知ってたろ。
途中、精通がどうのと出てきた時に、この2人は高1だと再認識して、高1なんて子供じゃん!と言う思いと、でもガソリンスタンドで働ける程度には大人なんだよな〜という思いと。
ゴールディの攻めシーンすごく好きです。手がケモじゃないっていうのもまた。ケモだと全身ケモだけど、頭の被り物だけって貴重だもんな。
コールって本当に酷いやつだよな、と。
そしてブラッドって本当に運のないやつだな、と。イケメンなのに。彼も彼で不運に自分から突っ込んで行ってる節があるのは、悪いことが起きた時に自分が今悪い状況と認めたくなくて、より悪い方に行ってしまう、よくあるソレなのかも。つまり全ての元凶はコール。
ノアの全ての元凶はケレイブらしい。
ケレイブの歪みっぷりもなかなか。彼は悪いことが起きた時に、なんでも他人のせいにするタイプ。ホモファビアのゲイってやつなのか。
ニャンニャ先生の他の作品とややノリが違う感じがするのは、彼らの問題が他の作品に比べて深刻に見えてしまうからかなぁ。少なくとも自分にはそう見えてしまった。
タイムスリップもの…と言っていいと思うけれど、ちょっと異色の作品。セックスレス気味のBL漫画はいくつか思い浮かぶものの、数は多くないからそのジャンル(?)が好きな方にはおすすめ。
2人(4人でもある)が心を通わせ合う流れは沁みて好き。好きを前提として、圭太が嬉しいとぶわっとなく設定が、まぁ何度か出てくるので作者の方としては必要だったと思うんだけど、急にコメディの雰囲気にもってかれてしまうからちょっと苦手だった。初めて読んだ時にレビュー書いてなくて、なんでだったっけなと思いながら再読して、あぁここが理由かもなと気づく。絵柄も作風も好きなだけに、気になるところが大きかったのでしょう。