おひさま色の愛しいひと

ohisaairo no itoshii hito

おひさま色の愛しいひと
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神17
  • 萌×28
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない4

102

レビュー数
4
得点
129
評価数
33
平均
4 / 5
神率
51.5%
著者
杉原朱紀 

作家さんの新作発表
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イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784344846876

あらすじ

物心ついた頃には大店の下働きだった椛。これから起こる凶事を黒い靄として視て、しかしそれをうまく人に伝える術を持たぬせいでいつしかいないもののように扱われていた。そんなあるとき華族の九条千景様が痩せっぽちな椛を引き取りたいと仰る。差し出された手の温かさに戸惑いつつ、千景様のお役に立てる日を胸に椛は美しく健やかに育ち……?

表題作おひさま色の愛しいひと

九条千景,椛を引き取った華族の青年
椛,大店の下働き

その他の収録作品

  • 花びらの舞う空の下で
  • あとがき

レビュー投稿数4

様式美です。

こちら、時代もの+シンデレラストーリーです。

身寄りも無く引き取られた先でひどく虐げられていた子供が、華族の青年に引き取られる。
そこで愛情を掛けられ、大切に育てられた子供は、やがて美しく成長してー・・・と言ったお話になります。

もうこれ、すっごいベタなんですよ。
内容としては年の差溺愛もので、不憫な受けが攻めと出会って幸せになるというのが全て。
そう、ストーリーとしても、先の先まで読めてしまう。
ただ、それで退屈かというと、これがめちゃくちゃ萌えまして。

そもそも、主人公となる椛(受け)ですが、最初がめちゃくちゃ不憫なんですよ。
彼は跡取りの居ない商家に引き取られたものの、その後に男の子が産まれた事で、下働きとして辛い労働を課される。
食事もろくに与えられず、何かあればすぐに暴力を奮われと、完全な厄介者扱いされてるんですよね。
これがまた、本人はとても真っ直ぐないい子でして。
周囲を恨む事もなく、怒鳴られるのは、叩かれるのは自分が悪いせいなんだと。

そんな彼を引き取り、辛い状況から救い出すのが、華族の青年である千景。
母親が英国人である彼は、金髪碧眼の美青年なんですね。
で、ひどく虐げられてすっかり萎縮してしまっている椛に、これでもかと愛情を注いで、あたたかい日常を与える。

いや、何だろうな。
物心ついてから常に虐げられ、自分が不幸だという事にすら気づいてなかった椛。
彼が初めて人から大切に扱われ、当たり前の優しい日常を手に入れる事が嬉しいなら、千景への初々しい思慕には滾ってしまう。

また、二人の日々というのが、とにかく甘くて甘くて。
こう、千景をひたすら一途に慕い、彼の役に立ちたいと椛が健気なら、千景はそんな彼を溺愛して甘やかしまくり。
何かとひょいひょい抱っこしては連れて歩き、共に眠ってと言った具合で。
いやもう、もともと受けが溺愛されるのは大好きですが、それが愛に飢えた受けだと、より萌えまくっちゃうんですよ!
理屈じゃなく、嬉しくて嬉しくて仕方ないんですよー!!

あとこちら、両視点で進むんですよね。
庇護すべき子供から、いつしか情欲を覚える愛しい相手にという千景の心情だったり、幼い頃からただただ真っ直ぐ慕い続ける椛の一途な気持ちだったりが、とても丁寧に綴られています。
この二人、ひたすら甘く優しい攻めに導かれ、受けが一つ一つ階段を上がると言った感じの、とてもスローペースな恋を繰り広げてくれるんですよね。
でもそれが、めちゃくちゃ萌える。
ついでに、しつこいですが両視点。
椛は千景の事を、誰より優しくて穏やかでと信じきってますが、ヤツは意外と独占欲が強いし心も狭かったりします。
や、個人的萌えに、受けに対してはひたすら優しい攻めというのがあるので、これもまた楽しかったりするんですけど。

最後になっちゃいましたが、千景が椛を引き取って幸せにしたいと強く願った理由というのが、ちゃんとあったりします。
実は彼は彼で、椛に救われてるんですよね。
この部分もまた、とても素敵だと思います。

繰り返しになりますが、ストーリーとしてはベタなのです。
ただ、それが予定調和かと言うと、むしろ様式美と言いたい作品なのです。
そう、みんな大好き黄金パターンなのです。
完成された美なのです。
個人的には大変ツボ作品で、めちゃくちゃ萌えまくりました。

15

迷わない攻めが推せる!

幼少の頃に出会い運命的な再会を果たすカップルです!受けは不幸な目に遭いながらも健気でまっすぐ。自分なんて、と卑屈になり過ぎないので純粋に健気受けとして楽しめます。
また受けを小さな頃から育てて育ったところでくっつくという定番の流れですが、攻めが受けを一度も手放そうとしないところが良かった。この手のお話だと攻めが受けのためを思って一度は手放そうとすることが多い気がしますが、今回の攻めは自分の気持ちを認めて早々にどうしたら受けにちゃんと好きになてもらってずっと一緒にいられるかに気持ちを切り替えており読んでいてモヤモヤもなくスッキリ。定番だけど型にハマり過ぎない流れで楽しめました。

また体をつなげるシーンでも受けが何も知らず無垢なばかりになんでも素直に口に出してしまうのが大変可愛らしかった。甘々好きさんは迷わずどうぞ。

2

光君と若紫

千年以上経っても乙女が萌えるお話のパターンじゃなかろうか?
可哀想な受けさま(若紫を受けと言うのはいかがなものかと思うけれどお許しください)が、孤独な魂を持つスパダリに拾われ、大切に育てられるお話。

あ、源氏物語だけじゃないです。
このお話の中には、少女(あるいは少女の心を持つ者)のはぁとを鷲掴みにするテンプレートが複数入れ込んであると思うんですね。継子いじめであるとか、過去に出会った『生きるよすがになっている人』の存在とそれが現実であることを証明する『お守り』の所持だとか……
何と言っても主人公(幼く、貧しく、庇護されるべき方なので、このお話の場合は椛くんです)が働き者で人を恨まない健気な子であることですよ。
心の狭い私なんかでも「椛くんくらい良い子なら、いっぱい幸せにならんとイカン!」とかって思ってしまいますもの。

攻め様、千景が椛くんに執着した理由がはっきりしているのも良いんです。
彼の両親が生きていたなら、彼は英国で暮らすことを望んだんじゃないかと思うんですよ。日本は異形のものに対して冷たいですから。
養父母が華族であったが故に面と向かって差別されることはない。
でも他人が自分を遠巻きにしたり、疎ましく思っていたりするのは解るんです。
これって余計傷つきませんかね?
「自分って何なんだろうなー」って考えこんじゃうんじゃないかと。
幼い椛だけだったんですよ。
華族の家柄とか、そういうのなしで、千景自身を「綺麗」って言ってくれたの。
だから、千景が椛に縋ってるのよね。
……この辺も光君と若紫の関係と似ている様な気がする。

源氏物語は読み進んで行けば行くほど、恋の楽しさよりも解り合えない辛さや人生の苦しさについて考えちゃう様なお話ですが、このお話はそんなことはないです。
甘々で、おまけに初心な椛くんは『初心で素直だから余計エロい』という所まで規格通りでございます(「杉原さん、サービスありがとうっ!」と叫びそうになりました)。
少女時代の心に戻って楽しめる一冊です。

4

おひさま色の髪の毛

金髪攻めが大好物なのでget。さらっと読んでしまったので萌にしました。六芦先生の挿絵がぴったりな印象の健気ちゃん頑張るお話、本編+後日談のあまあま話+電子限定おまけ+あとがきでした。(シー○アさん、挿絵あり)

高級料亭「笹屋」で下働きの末端として働く小さな椛(もみじ)。不吉なことを言うと店中の人から毛嫌いされていて、食べるものもあまり与えられていません。ある日店の坊ちゃんに、お守りのように大切にしていたハンカチの入った小袋を奪われて川に捨てられてしまい・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
高野(攻め宅の家令)、志津、美緒(攻め宅使用人)、西園寺(攻め友人)、攻めの養父母、鈴乃屋さん夫妻と娘ぐらいかな。

**攻め受けについて

攻めさんは九条家当主の甥っ子で、両親とも亡くなったため九条家当主に三男坊として引き取られた方。英国人だった母の特徴を受け継ぎ、金髪碧眼。明治?大正?時代設定なのか、その風貌は美しいのだけど、まだまだ日本の方には受け入れられにくいようで、当主から譲ってもらった別邸で、少ないけれど馴染んだ使用人と暮らしています。いつかは英国に戻ると思っていたのか、何にも固執しないでいるものですから、当主はやや心配されていたご様子。

そんな彼が、幼い頃偶然出会い、何も怖がらずに「おひさま色・・(=攻めさんの金髪)」と寄り添う様子を見せてくれた受けさんに惹かれ、その身の上を案じ、傍で慈しみたいと考えたのはとても納得だし、穏やかで優しくて嬉しい心地でした。

受けさんは「ちょっと先の、嫌な事が起こる可能性を黒い靄として見る」という異能持ちで、なかなかの虐待されっ子。通報もの。それなのにまっすぐ育ったというのは、どういうこと?天使?奇跡じゃね?という印象。自己肯定感に乏しいのは、育った環境ゆえしょうがないですが、これからは攻めさんの穏やかな愛情につつまれて、美術品の目利きの才能やら語学力をすくすく伸ばしていってほしいものです。いつか渡英して数多ある美しい工芸品の仕入れなどもやってほしいなあ!

お話は笑うところなく、かといってめっちゃ重いシリアスものでもなく、しっとりした印象で、攻め受けともそれに合った穏やかな二人で、全体として「洋館の緑ゆたかな庭園」という印象のお話でした。

3

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