【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
序盤は椛(もみじ)の悲惨な生活と千景の優しさに泣き、中盤からは甘々に萌え泣き、文字がボヤボヤでした…
月村奎さん「ボナペティ!」でもそうだったんですが、不憫な子がちゃんとしたご飯食べる描写って泣けて困る。
椛(もみじ)は宿主の勝手な都合で下働きの下の下みたいな生活を強いられ、食事は残飯のつまみ食い、寒さは猫を抱いて凌いだりと不憫さMAX(涙)
不思議な縁から華族の千景に家族として迎えられ、継続的に受けていた暴力の後を治療され温かい食事を与えられる。
この時の千景が本当に優しいのです。上から与える立ち位置ではなく、椛の様子を伺いながら手を差し伸べていくような姿勢、本当に泣けました。
椛に初めて出した食事は、胃に負担をかけないお粥で、自分も同じものを食べる。
椛は見惚れるだけで食べようとせず、世話係が「あなたのための食事だから、千景が食べ終わるのを待たなくてもいい」と声をかけるまでじっとしている。
苦しく辛い生活を辛いと思う感覚すら忘れた椛、千景は彼の振る舞いからその悲惨さを見せつけられるのです。泣。
椛が劣等感に苛まれないようデリケートに声をかけていく千景。
こんな人間になりたいと思わずにいられません。
千景は基本短気らしいのですが、椛に対する言葉はいつも丁寧で優しくて甘くて癒されます。が、それが椛が第二次性徴が訪れるとその優しさがも〜うエロで萌え泣きました。
自分の身体の変化に病気じゃないかと悩み泣き、それでも相手を考えて眠れない椛。
(何万回でも読みたいシチュー…)
『今の場所を、わたしのもので可愛がるんだ。……怖いだろう?』
この、相手に逃げ場を作ってあげつつ可愛くて優しくて甘い千景の言葉の破壊力やばい。
しかも初回は千景ではなく椛の方が離れるのを嫌がるのが可愛くて破壊力やばい。
杉原朱紀さんの作品は初読ですが、とにかく台詞がツボ過ぎました。
二人の出会いから再会、そして数年後と長い期間を読みやすくロマンティックにまとめられていて、読めて良かったです…!
悩んで花をじっと見つめて動かない椛だったり、異変を感じ取って千景が来ないベッドで待ってる椛も、さらっとした表現なのに表情や佇まいを感じられ印象に残ります。
自分のネガティブに捉えがちな部分を肯定してくれた相手というのは、一瞬のことでもいつまでも助けられ、支えられます。外野がどう言おうと絆は断ち切れないと感じられる二人、とても沁みました。
王道もの。文章も綺麗で誤字が無いので読みやすい。
他の作品も読んでみたい。
--- 一体、椛はいつ幸せになれるのかと焦れる展開だったので、ネタバレ。
親を亡くしたばかりの、英国人の血を引く華族、金髪碧眼の九条千景は、
12才の時、川で二歳児の男子を助ける。火傷を負った男児の着衣には「椛」と縫い取りがあった。
千景は男子を助けた後、ひきとりたいが未成年なので、身元不明の男子の養育資格が無い。
迷っている間に警察の判断で、男児は、子供が居ない料亭を営む夫婦に引き取られる
しかし夫婦にその後実子が生まれ、椛は冷遇されていた。
椛には、不吉の予兆が黒い靄として見える為、人目に付かない裏側で、虐待されながら最下層の下働きとして生きていく。
或る晩、大事にしていた絹のハンカチを河原で探している椛を千景が助ける。
千景は、ずっときにかけていた椛の虐待を知ると料亭に金を渡し、九条家で引き取る。
数年後、椛の実の親が見つかる。
椛は大きな呉服屋の子。兄二人と双子の姉が居る、
養子に出した先の火事で行方不明になり、実親はずっと椛を探していた。
・・・色々あった椛の流転人生。
最終的に、椛は千景の傍で暮らす事を選ぶ。ハピエン。
面白かった。
初めての作家様です。
溺愛モノが読みたくてこちらに行きついたのですが
溺愛×不憫受けでとても良かったです…!
不憫な椛が千景に引き取られて幸せになる
王道ストーリーではあるのですが、それがとても良くて…!(*´▽`*)
気持ちがすれ違ってるときはすごく切ないのですが
その誤解がほどけた後にとてつもなく甘い展開があって
あぁ…この瞬間を待ってた…!と思いました。
千景が椛のことを一番に考えて行動している所が凄く好きだったので
愛しいという気持ちがわからなかった椛が
千景を愛しいと思うようになって良かったです。
最初は椛の境遇が不憫で、可哀想を通り越して胸糞が悪かったのですが
最後はとても幸せそうだったのでほんとに良かったです。
素敵なお話でした♪
こちら、時代もの+シンデレラストーリーです。
身寄りも無く引き取られた先でひどく虐げられていた子供が、華族の青年に引き取られる。
そこで愛情を掛けられ、大切に育てられた子供は、やがて美しく成長してー・・・と言ったお話になります。
もうこれ、すっごいベタなんですよ。
内容としては年の差溺愛もので、不憫な受けが攻めと出会って幸せになるというのが全て。
そう、ストーリーとしても、先の先まで読めてしまう。
ただ、それで退屈かというと、これがめちゃくちゃ萌えまして。
そもそも、主人公となる椛(受け)ですが、最初がめちゃくちゃ不憫なんですよ。
彼は跡取りの居ない商家に引き取られたものの、その後に男の子が産まれた事で、下働きとして辛い労働を課される。
食事もろくに与えられず、何かあればすぐに暴力を奮われと、完全な厄介者扱いされてるんですよね。
これがまた、本人はとても真っ直ぐないい子でして。
周囲を恨む事もなく、怒鳴られるのは、叩かれるのは自分が悪いせいなんだと。
そんな彼を引き取り、辛い状況から救い出すのが、華族の青年である千景。
母親が英国人である彼は、金髪碧眼の美青年なんですね。
で、ひどく虐げられてすっかり萎縮してしまっている椛に、これでもかと愛情を注いで、あたたかい日常を与える。
いや、何だろうな。
物心ついてから常に虐げられ、自分が不幸だという事にすら気づいてなかった椛。
彼が初めて人から大切に扱われ、当たり前の優しい日常を手に入れる事が嬉しいなら、千景への初々しい思慕には滾ってしまう。
また、二人の日々というのが、とにかく甘くて甘くて。
こう、千景をひたすら一途に慕い、彼の役に立ちたいと椛が健気なら、千景はそんな彼を溺愛して甘やかしまくり。
何かとひょいひょい抱っこしては連れて歩き、共に眠ってと言った具合で。
いやもう、もともと受けが溺愛されるのは大好きですが、それが愛に飢えた受けだと、より萌えまくっちゃうんですよ!
理屈じゃなく、嬉しくて嬉しくて仕方ないんですよー!!
あとこちら、両視点で進むんですよね。
庇護すべき子供から、いつしか情欲を覚える愛しい相手にという千景の心情だったり、幼い頃からただただ真っ直ぐ慕い続ける椛の一途な気持ちだったりが、とても丁寧に綴られています。
この二人、ひたすら甘く優しい攻めに導かれ、受けが一つ一つ階段を上がると言った感じの、とてもスローペースな恋を繰り広げてくれるんですよね。
でもそれが、めちゃくちゃ萌える。
ついでに、しつこいですが両視点。
椛は千景の事を、誰より優しくて穏やかでと信じきってますが、ヤツは意外と独占欲が強いし心も狭かったりします。
や、個人的萌えに、受けに対してはひたすら優しい攻めというのがあるので、これもまた楽しかったりするんですけど。
最後になっちゃいましたが、千景が椛を引き取って幸せにしたいと強く願った理由というのが、ちゃんとあったりします。
実は彼は彼で、椛に救われてるんですよね。
この部分もまた、とても素敵だと思います。
繰り返しになりますが、ストーリーとしてはベタなのです。
ただ、それが予定調和かと言うと、むしろ様式美と言いたい作品なのです。
そう、みんな大好き黄金パターンなのです。
完成された美なのです。
個人的には大変ツボ作品で、めちゃくちゃ萌えまくりました。
幼少の頃に出会い運命的な再会を果たすカップルです!受けは不幸な目に遭いながらも健気でまっすぐ。自分なんて、と卑屈になり過ぎないので純粋に健気受けとして楽しめます。
また受けを小さな頃から育てて育ったところでくっつくという定番の流れですが、攻めが受けを一度も手放そうとしないところが良かった。この手のお話だと攻めが受けのためを思って一度は手放そうとすることが多い気がしますが、今回の攻めは自分の気持ちを認めて早々にどうしたら受けにちゃんと好きになてもらってずっと一緒にいられるかに気持ちを切り替えており読んでいてモヤモヤもなくスッキリ。定番だけど型にハマり過ぎない流れで楽しめました。
また体をつなげるシーンでも受けが何も知らず無垢なばかりになんでも素直に口に出してしまうのが大変可愛らしかった。甘々好きさんは迷わずどうぞ。