『薬指の嘘は本能に暴かれる』 これは、究極の純愛

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既婚者宇佐美は暴かれたい

kikonsya usami wa abakaretai

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表題作既婚者宇佐美は暴かれたい

須田怜二,バーで知り合ったミステリアス男 
宇佐美恒,30歳,エリートリーマン

その他の収録作品

  • あとがき(カバー下)
  • カバー下おまけ漫画

あらすじ

宇佐美(うさみ)は結婚3年目のエリートサラリーマン。 商社で華やかな出世コースを歩み、順風満帆な人生を送っていた…が、実は妻との関係は冷え切っていた。
そんなある日、バーでミステリアスな一人の男・怜(れい)から声をかけられる。
「セックスレスならとっておきのテクを教えてあげましょうか」
酔った勢いで誘いにのった宇佐美は、後ろで震えるほどの快楽を与えられてしまう。
オクの奥まで暴かれて、何度もイかされれしまうが、怜の正体は別れさせ屋で――。

作品情報

作品名
既婚者宇佐美は暴かれたい
著者
おまゆ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
オーバーラップ
レーベル
リキューレコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784865547153
3.9

(95)

(35)

萌々

(29)

(23)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
13
得点
364
評価数
95
平均
3.9 / 5
神率
36.8%

レビュー投稿数13

ストーリーがめちゃいい!

いい意味で裏切られた〜おまゆ先生の美しい絵でとろとろえっちみたいと思って買ってみたら…もちろん絵は綺麗だし、えっちとろとろなんだけど、それを超えるめちゃくちゃいい話でした。ちゃんと「既婚者」ちゃんと「既婚者らしい悩みと葛藤」がある。けど、「悩みと葛藤」がちゃんとしているけどくどくなくて読みやすいし、めちゃくちゃ萌える〜!体だけじゃなくて心も暴かれていくのが素晴らしい。攻めがまたいい、かっこいいだけじゃない、想いが溢れる感じに涙!えっちはもちろん最高、綺麗、シコい、エロい、とろとろ〜。参りました。

0

かわいそうで、可愛いのです

バーで出会ったミステリアスな男×既婚者エリートリーマンによる、アダルト+エロス+純愛と言った感じのお話になります。

こちらですね、評価が難しいんですよ。
このキレイなイラストと雰囲気に誤魔化されそうになりますが、内容としてはかなりドロドロなんですよね。
でも、すごく読み応えがある。

自身がゲイだと認められず、周囲まで不幸にして「普通」でありつづけようとする主人公・宇佐美。
そんな夫に愛想をつかし、他の男に想いを寄せる美しい妻。
そして、主人公の隠し続けた本能を剥き出しにさせる、ミステリアスな男・怜。

あらすじにある通り、怜の正体は妻から依頼された「別れさせ屋」になるんですけど、実は他にも隠してる事があってと、このあたりがキモになると思うんですけど。

う~ん。
これね、人によっては完全に合わない作品だとは思うんですよ。
既婚者だと言うのは分かって購入されるだろうから置いといて、宇佐美と言うのはかなりしょうもない男なのです。
彼は男が好きないわゆるゲイになるんですけど、その事を自分で受け入れる事が出来ない。

年下の美しい妻に、華やかな出世コース。
彼の人生は一見順風満帆に思えるんですけど、妻とはセックスが出来ずに関係は破綻寸前。
でも、普通である事にしがみつく彼は「結婚生活を諦めたくない」と関係修復に必死。
なんかもう、彼は矛盾だらけなんですよね。
本当の自分に気付いてないと言うより、気が付かないふりを必死でしてる感じ。
ハッキリ言って、滑稽です。

あと、実は妻の事も、よく理解出来ない。
夫に完全に冷めきり、別れさせ屋まで雇って別れようとするくせに、後半では急に物分かりのよい女性。
二人の仲を応援しと。
こういう女性なら、最初から宇佐美と真摯に向き合ったと思うんだけど。
別れさせ屋なんて雇わずに。

そして、別れさせ屋・怜。
冷たい言葉と快感で宇佐美を追い詰め、彼が隠し続けた本当の姿を、目の前に突きつけます。
ただ宇佐美と怜ですが、過去に実は、とある因縁があったんですよね。
宇佐美が怜にした仕打ちと言うのは、若さ故と言ってもかなり酷い。
いや、30の今でも同じような事を繰り返しちゃいるから、若さ故でもないのか?

怜ですが、この仕打ちをされて、宇佐美に憎しみを抱いている。
同時に、それでも愛している。
私には理解出来ないけど、それでもどうしようもなく惹かれると言うのが、恋なのかもしれないとも思ったりする。
痛々しくもあるけど。

まぁそんな感じで、納得行かなかったりモヤモヤする部分が多い作品なのですよ。
それなのに、同時にすごく萌えてしまう、不思議な作品でもあるのです。

何だろう。
個人的に一番萌えた部分なんですけど、宇佐美のかわいそうさなんですよね。
本当にしょうもない男だと思うのに、「こんな身体で女なんか抱いてたのかよ」「ドM淫乱野郎」と冷たいセリフで罵られ、「違っ・・・、男となんか」と、一生懸命涙をこらえてるのが、すごくすごくかわいそうで萌える。
男に組み敷かれて反応しながら、それでも「俺には妻が・・・」と泣きそうなのを必死でこらえてるのが、まるで子供のように見えてきちゃう。
かわいそうで、可愛いのです。
バカだなぁと、どこか優しい気持ちにさえ、なってしまう。
愚かしくて、愛おしいとしか言い様が無いのです。

これ、作者さんの持つ筆力だと思うんですよね。
こんなドロドロで重い話でありながら、何故か印象としては美しいんだよなぁ。
しょうもない受けが、愛しいんだよなぁ。
ついでに、めちゃくちゃ艶っぽくてエロいんだよなあ!

まぁそんな感じで、モヤモヤするのに萌えるし、それどころか美しいと感動すらしちゃう、何とも不思議な作品なんですけど。
特にラストは、何だか感無量になっちゃう。

こういう読後感って初めてで戸惑いますが、萌えたか萌えなかったかで答えれば、「めちゃくちゃ萌えた!」ですね。
私は「おあずけのキスのゆくえ」に続く2作目の既読になるんですけど、ガラッと印象を裏切ってくれました(いい意味でです。)

14

暴かれたからこそ始まる恋

帯にあるように、このお話が究極の純愛か?というと、私は違うと思う。
ます、始まりが浮気ですからね。


恵まれた容姿、出世コース、可愛い年下妻……と、順風満帆な生活を送る宇佐美。
しかし、その裏で夫婦関係は冷え切り、セックスレスに。
そんな時、バーで出会った自称AV男優・怜にセックス指南を受けることにーー…!

怪しい男・怜になす術なくグズグズに抱かれてしまう宇佐美。
【薬指の嘘は本能に暴かれる】とあるように、宇佐美の性的指向はゲイ。
その秘密を暴かれ、抱かれる喜びを思い出します。

高校時代、宇佐美を好きだと言った冴えない後輩・須田。
須田に抱かれ、愛されることに幸せを感じながらも、どうしても受け入れられない自分の性癖。
思春期だからこそのあけすけな偏見、差別、言葉の暴力……そしてプライドの高い宇佐美は、人目を気にして須田を突き放してしまうのです。

結婚=幸せ
そう思ってきたのに上手くいかない夫婦関係。
妻とセックス出来ないのは、須田の本能による拒絶だと思う。

性癖を暴かれ、浮気の事実を突きつけられる宇佐美。
全ては仕組まれた罠。
妻に、怜に。
どうしていいか分からなくなった宇佐美が縋ったのは怜で、怜は「須田」でした。
一途に宇佐美を思い、だからこそ深く傷付いた須田の苛立ちと虚しさと悔しさ。
見た目は変わっても、中身は昔のままなんです。

嘘をつくことをやめ、妻と離婚した宇佐美。
この妻も悪い女ではなく、最終的には宇佐美のことを思い、背中を押す存在に。

恋をしたら、全てを曝け出してしまう。
裏を返せば、曝け出さなくては恋はできない。
素直な気持ちと行動が人の心を動かすのだと思います。
ストレートに伝えることが相手を動かす原動力になる。

ラストは駆け足気味で、後付けの言い訳みたいなセリフもありましたが、総じて面白かったです。
宇佐美の成長が見られて良かった!
浮気に嫌悪感を抱く方もいるかもしれませんが、私はそこまで嫌な気持ちにはなりませんでした。

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9

辛くならなくてよかった

タイトルに『既婚者』とあるように、宇佐美は既婚者なのでその辺りがどうかなと思っていたのですが、奥さんとはちゃんと円満離婚するのでよかったです。
話の展開としては、途中でパっと挟まってるコマで色々と察してしまいドキドキ感は特になかったですが、逆に言うと作者さんがこれでもかというほどわかりやすく丁寧に段階を踏んでくださっているということだと思うので好感が持てました。
えっちシーンはとってもえっちでよかったです。特殊プレイはありません。

宇佐美が30歳で高校生の時に二人の関係があったから12年引きずってるのかと思うとなかなかですね。
奥さんと宇佐美の関係も、恋愛的な好きではなかったけれどお互いに結婚してもいいかと思える程度には情があったのかなと思うので、離婚した後のあれこれとかとても良い協力者になってくれていたのがとてもよかったです。
後味の悪くない既婚者BLを求めている方におすすめです。

9

評価分かれるみたいですが、私は好き。

何か、設定とかここまで深く切り込んだ作品を待っていたというか、これはもう何度も読み返しちゃう。私はかなり好きなタイプのストーリーでした。

ゲイ×既婚者(隠れゲイ)のお話です。
で、実は高校時代に関係を持っていた2人(後輩×先輩)が改めてくっつくという…
「そんな偶然ってある?!」というくらいに設定が美味しく、つくられていました。

既婚者要素がもう少しあっても良いかなぁと感じました。
たとえば、妻とのえっちの時に後ろが疼いちゃうとか(ありがちですが)。つい、攻めに犯された時のことが脳裏をよぎってしまう、とか。

妻も何やかんやで良い人で、2人を結びつけるために最後少し力を貸してあげて…きっと、この2人はストーリーにもありますが、結婚をするというよりも、友達以上恋人未満というか、協力しあえるという意味では良い関係性を持つことができた(ただそこにおける関係性としては、夫婦としてじゃなかった)と思います。

受けのえっちの時の蕩けた表情がたまりません。かわいい。
かわいいし、さらに言えばここまで男に抱かれて蕩けてたら、女抱けないだろって思います。
「えっちくない?そりゃ女性何て抱いたところで満足できないわな」と。(笑)
途中、乳首だけを切り取ったコマがあるのですが、えっちだ…となりました。むちゃくちゃ開発されてるじゃないか。攻めに昔から既に開発されてるじゃないかよ、と。あと、シャワー室でこっそりえっちして、バックから突かれている時の…勝手に腰を動かしちゃうのも、また…。

ただ受け側の感じることのできる気持ち良さというか、快感って、受けしか知らないわけですから、それがもう少し欲しかった。「この内側を抉られた時の快感って…(ゴクッ)」じゃないけど、受けらしい飢えを見せる感じが…。

そこまで夫婦の関係もドロドロではなかった。個人的に後味が割とさっぱりとしたドロみでした。だって、元妻が夫に協力してくれる時点でドロドロが激しいものではないでしょう。

いろいろごちゃごちゃ言いましたが、ストーリーの複雑性や、ドロ沼?感はとてもよかったです。えっちもバランスが良くて。


私にとって、すごく好きな作品です。

5

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