狐宝 授かりました2　Amazon限定ペーパー　

雪の悩み

本品は『狐宝 授かりました2』のアマゾン限定特典ペーパーです。

本編後、何やら悩んでるらしい雪のお話です。

近頃雪が鏡を覗いてため息をつくようになりました。寝室のウォー
クインクローゼットには子供達でも覗ける鏡があるのですが、雪の
姿が見えないなと思うと、そこにいてそっとため息をついたりして
いるのです。

和喜が「鏡、見てたの?」と尋ねてもムスッとして「見てないもん」
と首を振るばかりです。子供達を寝かしつけた後、リビングで千寿
に相談すると、千寿も鏡を見るのとは別に夜と夏をじっと見ている
事にも気づいていました。

自分に見惚れて鏡を見るのではなく、兄弟をうらやむような視線は
和樹も気になっていました。すると千寿は･･･

B5サイズ両面にて悩む雪のお話になります。

気の色がコンプレックスなのではと言うのです。千寿は今日の昼間
雪が兄弟達の姿を羨ましそうに眺めた後、恨めしそうに自分の尻尾
を見て、プイっと向いていて、千寿がどうかしたのかと聞いても
「知らない」と不貞腐れた顔をしたというのです。

和樹には雪が急にどうして自分の色が嫌いになったのかと不思議で
すが、千寿は「五百紀のせいだ」と」忌々しそうな表情をしました。
先日の一悶着でひとまずの和解をしたとは言え、元々確執のある2人
はお互いに複雑な思いがあるのでしょう。

幼い三つ子達もやはり五百紀や百弥を苦手に思っています。雪は
父と同じ金色の夏や祖父と同じ黒色の夜と比べて、好きな人達に
似ていないどころか自分達を苛めた2人と同じ毛色をしている事が
どうしても気になるのだろうというのです。

どんな毛色だって雪は雪なのに。白は綺麗ですよ。
俺もそう思う。･･･なぁ、雪

千寿が突然リビングの徳地に声を掛けたので、和樹がびっくりして
削たらを振り返ると、いつの間にか少しだけ開いたドアから白い狐
の耳がぴょこんと覗いていました。

「雪」と呼ぶと白い耳はすぐ引っ込み、タダっと廊下を掛ける足音
が聞こえますが、、すぐに途絶えて「わーん」という鳴き声が聞こ
えてきます。どうやら慌てて逃げようとして転んだようです。

床に俯せになって泣く雪を和喜が抱き上げるとギュッとしがみつい
てきて、大人2人は顔を見合わせるとリビングに戻ります。2人が
雪を大好きな事を伝え、千寿と和樹はその晩、雪が眠るまで2人か
がりで雪をたっぷり甘やかした

･･･という子供らしい視点のいじらしさと切なさにほろりとする
小話でした。

いつも仲良しなだけに2人と違う自分に悲しくなる雪が可哀想なお話
でしたが、千寿も和樹も三つ子それぞれの良さをちゃんとわかって
いて素敵なお父さんとお母さんでした　(^-^)

※他店舗特典(レビュー済)
コミコミ特典は夫婦のお話、
フェア店特典は忙しい朝の出来事になります。