パピレス限定特別版
家族愛が溢れていて、良かった。
冒頭から、寂しい
・・両親の事故死、祖父母の死、あっけなく天涯孤独になった主人公の和喜。
そんな主人公和喜に、恋人ができる。恋人は、実は妖狐。
一度の交渉で妊娠した和喜。
男原から生まれる妖狐の力は絶大で、母体の気を消耗しながら育つ。
出産を無事終える為には、条件がある、それについて悩む二人。
そして無事生まれてきた、3人の子狐たちが物凄く可愛い。
夜・雪・夏が物凄く可愛くて、読みながらニヤニヤと緩んでしまう。
内容にマッチした、ほんわか描写と優しい色使いの絵師、「問」さんって、どんな人なんだろう。
検索しても出てこない、謎の絵師。
千寿さん、最初はいい人だな思ってたのに、和喜と価値観が合わないし、子作りのためにセックスしてるせいか、最初のエッチの時冷たい感じでした。
でも読み進めていくうちに、育った環境だったりのせいで考え方にズレがあっただけで、天寿さん自身は良い人だった。
だんだん人間らしい考え方になって、子育てをしたいとか、和喜を愛するようになって。
その過程を見るのがとても感動的でした。
子供を選ぶか和喜を選ぶかで悩みに悩んだ千寿さんに感激です。
最初は和喜より子供の存在が大事だったのに、子供より和喜の命が大切になり、最後は家族全部を大切にできるようになりました。
目標達成して、赤ちゃんが出来たらすっぱり大学辞めるなんて、周囲からするとびっくりですよね。
2年生を2回もしてたのに、いきなり辞めるなんて。
この先、まだまだ多難なようですが、千寿と子供たちの力でかあさまを守って欲しい。
でも子供たちの圧がかからない和喜がいちばん強いのかもしれませんね。
子育てがメインに据えられているBLはそこそこありますが、妊娠がガッツリ書かれている作品は珍しいんじゃ無いでしょうか。
ケモ耳妊娠子育てファンタジーです。
若干のすれ違いがありつつも、全体的にほのぼの可愛い作品でした。
こちら、天涯孤独でバイトで生計を立てている大学生・和喜と、サークルの面倒見のいい先輩・千寿というカップリングです。
以前、千寿に助けてもらってから、彼に憧れていた和喜。酔った彼を送り届けた夜、勢いで寝てしまいます。
その後体調が悪くなる和喜。実は千寿は妖狐の一族の総領息子で、男でも妊娠させる事が出来・・・と言ったお話です。
とにかく、ひたすら真面目に、また健気に生きている和喜。そんな彼が千寿の子を宿した事により、千寿から下にも置かぬ丁重な扱いをされるのが萌え所。
大学の勉強とバイトに明け暮れ、毎日ギリギリの生活を送っていた和喜が、千寿のゴージャスなマンションで豪華なもてなしをされと、シンデレラストーリーとしても楽しめるのです。
また、お腹の赤ちゃんの為に、和喜は千寿から気の補充を受けなければならないのですが、その方法がキスだったりエッチだったりします。
千寿が自分を大切に扱うのは、次期頭領としてお腹の子供が必要だからー。という若干のすれ違いはありますが、基本的にはほのぼの甘い同居生活。また、三つ子が生まれてからは、更にほのぼの和やかムード。妊娠出産ものが苦手な方で無ければ、とても読みやすくて可愛い作品だと思います。
ただですね、全体的にサラリとしていて、もう一味欲しい印象。
何故かと考えてみたのですが、これは問題がアッサリ解決しすぎてるせいじゃないかと思うのです。
すれ違いがあったり、母体が男であるが為の危機があったり、また千寿の身内から横やりを入れられたりとそれなりに問題は起こるのです。しかし、問題が起こる→解決、また問題が起こる→解決と、それ程ヤキモキするまでもなくストーリーが進んでしまうのです。そのせいでアッサリした印象を受けちゃうのでは無いかと・・・。
ただこれはホントに個人の好みの問題で、あまりハラハラする事無く安心して読みたいという方にはとてもいい作品なのではないかと思ったりします。
あと、出産自体は抵抗感の無いサラリとした描写ですが、妊娠に関しては悪阻から始まり結構しっかり書かれています。個人的には、このあたりがあたたかい気持ちにさせてくれて楽しく読めましたが、苦手な方はご注意下さい。
ちょっと引っかかる部分もありましたが、全体的にはほのぼの可愛くて楽しく読めました!
両親を事故で亡くし、育ててくれた祖父母も仲良くこの世を去って天涯孤独な和喜(受け)は、大学進学後、生活費を稼ぐためと大学での勉強の他は楽しみもなく友人もおらず寂しい生活をしていました。そんな時、体調を崩していた和樹は通りがかった千寿(攻め)に親切にされます。
感謝の気持ちが恋になり、見てるだけでもと同じサークルに入るのです。
何度目かの飲み会で、酔った千寿を部屋に送った後、勢いで寝てしまいます。勢いでも嬉しかったのに、後悔している千寿を見るのが辛くて逃げ回るのですが、半月ほどたった頃、悪阻のような症状が出て具合を悪くなります。その様子を見た千寿は自分は妖狐で、和喜は千寿の子を宿していてこのままだと和喜は死ぬと言ってきます。
初めは千寿がどうにも好きになれませんでした。妖狐一族の惣領息子で子供を人間に産ませなければないというのは苦痛だったかもしれないし妖に情緒なんてないのかもしれないけど、女性を子供を産む道具のような言い方は凄く嫌な感じだったし、ヤリチンなのも嫌でした。はじめての行為もすごく傲慢で、拒否らない和喜にイラつきました。断られるこ
とがないと高をくくっているようなこんな奴は、一回ザマアな展開になればいいのにと思ったし、和喜を大切に扱わない(乱暴ではないけど)濡れ場は読むのは苦痛でした。
和喜が身篭ったと知ってからも、和喜の子どもでもあるのに産むまでが仕事だと母親の存在を無視するような態度もすごく嫌でした。
そして大切にされるのは母体だからで自分のことは何とも思われていないとわかっている和喜がかわいそうでなりませんでした。
ただ、一緒に過ごしているうちにちゃんと和喜のことを好きになって、自分が和喜の人生を歪めてしまったことを反省したのはよかったし。出産のための究極の選択には愛を感じました。
その際の和喜の決断にも夢の中での祖母との邂逅にも涙しました。
どちらにとってもどれを選んでも大変な決意になることをちゃんとわかっていてぎりぎりまで考えて二人で結論を出したことには感動しました。
そして、横やりが入っても一族に気を使ったりすることなく、遠慮せず自信をもって宣言した和喜の強さに二人の愛の強さを感じました。
まだ増えるかもしれない子供が最終的に何人になるかとても楽しみです。
イラストはほのぼのした家族の幸せを感じられる絵だったと思います。
ただ、本文と違うイラストがあったのが気になりました。本文で妖狐の姿だとなっているのに人間の姿で尻尾だけ生えていたり、子供たちはまだ狐姿のはずなのに赤ちゃんの姿で書かれていたり、祖父がひ孫たちを抱っこして連れていくほのぼのしたシーンのはずなのに祖父の顔が張りつめているように見えて、これから何か起こるのかと思うような絵があったりして、頭の中で想像しているのと違
うシーンがあったのは残念でした。
そして、身重の和喜の世話をするため、生まれてからは子供たちの世話をするためにたくさんいる千寿の傀儡がわらわら動いている姿はとてもかわいらしく書かれていてとても楽しく読んだのですが、このシーンのイラストが見たかったです。
出逢いから色んな場面をじっくり読めます。基本ほのぼのですね。
天涯孤独な和喜と大学の先輩千寿。ひょんなことから知り合い千寿に誘われ少しでも近付きたくて和喜は同じサークルに入り、何度目かの飲み会でとうとう酔った千寿を送るチャンスが。そしてはからずも一夜を…。
プレママ・パパから新米ママ・パパへとじっくり書かれています。
男の妊娠・出産の危険や、和喜の死を避けるため共に生きていくための儀式、出産、子育て。
途中までは気持ちのすれ違いから和喜は自分は子供を生む道具扱いで大事にしてくれるのも腹の子供の為だけで気を受けとるキスも虚しく感じてました。それでも千寿を好きな気持ちは変わらないのですが。
そして千寿も和喜を妊娠させてしまい責任を感じて、またいずれ出産したら子供と共に和喜の元を去るつもりだったので好意を告げられず。
この部分が切なかったです。こちらも子供を生む為だけなのかなあと冷たいなあと思ってました。
想いを通じ合わせ本当の夫婦となり幸せに子育てに追われる日々に千寿の祖父から迎えが来て…。
これも無事に認めてもらえて味方になってくれるとのことで、めでたしめでたしでした。
子育て物、ケモ耳シッポ好きなんですが、やっぱり出産が絡むと夫とか妻とか嫁とか本当に夫婦扱いなんですよね。そこがほのぼのほっこりなんですが萌えに繋がらず。
いや、千寿の頼りがいのある夫、父親っぷりも良かったんですよ!でもかなり夫婦という形に焦点が合ってて、なぜかそこが萌えられず。
三つ子はとっても可愛かったです。夜が言葉が遅いのもすぐご飯?を取られちゃうのも。
自分に出産・育児の経験がないので、ここまでじっくり書かれていて、そうなんだ~と思うのと、BL的にはなぁってのと半々でした。