• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作渇望の部屋

椎名剛士(つよし),32歳,デザイナー 
入江草一(そういち),26歳,モデル 

同時収録作品熱情の部屋

椎名剛士(つよし),デザイナー
入江草一,モデル

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

あんたと、したいんだよ。
生意気美形モデル、傲慢デザイナーに陥落⁉︎

挫折を知らないトップモデルの入江草一は、ある日一枚の服に魅せられる。
そのブランドの専属になってやろうと自信たっぷりにそのデザイナー・椎名剛士(つよし)の元を訪れた草一。しかし喜んで自分を受け入れてくれるだろうという思惑はことごとく裏切られ、椎名は傲慢かつ不遜な態度で草一のプライドを崩してきた。
「きみの肌は感じると艶を増すな」採寸していた椎名に淫猥に身体を嬲られ、草一は屈辱を味わわされる。
けれど草一の身体は心を裏切り、強く椎名を求めて―⁉︎

作品情報

作品名
渇望の部屋
著者
秀香穂里 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784877245368
2.8

(9)

(0)

萌々

(1)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
25
評価数
9
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

もっと上へ、ふたりで

タイトルの「渇望の部屋」からのイメージで、ある一室に軟禁・監禁してのドロドロ系?と思いきや、読んでみれば秀先生お得意の「お仕事系」、しかも腐女子ドリーム的美x美CPの切磋琢磨恋愛、のお話でした。
子供っぽい自己顕示欲と自信過剰で鼻持ちならない態度のトップモデル・入江草一は、パリで頭角を現した日本人デザイナーの椎名のオーディションを受ける。
そこで傲慢の鼻をへし折られた入江だが…
…と、まあここからお決まりに入江が椎名に惹かれていく展開になっていくわけですが。
ただキレイなだけだった入江が、自分の才能・野心・才覚で成功を収めていく椎名に感化され、反発しながらも彼の言い分を認めて従いより高みを目指す…それプラス、初めて「男」に抱かれ、その熱が忘れられず自ら求めるようになっていく…
その過程を彩るのが、素晴らしい水名瀬雅良先生のイラストです。
2人がドライブに出かけた帰り、車内で激情に駆られた入江のイラストには心を撃ち抜かれました…!憂いと欲望がはっきりと入江の目の中に滲んでいた。本当に素晴らしい。
物語としては当て馬とのハラハラなどは無く、まっすぐに厳しい世界で研鑽するデザイナーとモデルの高め合う仕事と恋愛、です。
大人の攻め・椎名はどこまでもクールでしかも情熱的。
入江は椎名にふさわしい存在になる為にどんどん成長していきます。甘えるのはまだ下手だけどそこも魅力的。

「熱情の部屋」
続く書き下ろしの中編は、本編後、いよいよ椎名の初めての日本でのショーが目前に、という設定です。
ところが最近事務所に入江を付け狙うかのような嫌がらせの手紙が届くようになり…
ショー直前に入江に身の危険が…!というハラハラ展開の一編です。
椎名と入江の関係性は盤石。ただ、トラブルが起きそうなのに忙しい椎名に遠慮して言えない、というのはまだ2人の仲に距離がある証拠かな?
ショーの後、全ての緊張から解かれた後の2人の熱いラブシーンは必読。
あとがき後の水名瀬先生による椎名x入江の2ショットも眼福。

才能とガッツと美貌に溢れた男2人の、ストレートに愛し合い高め合う関係。私は秀先生のこういう小説大好きです。

2

ある意味 調教

ファッションデザイナーとモデルのお話。やっぱり仕事にプライド持って生きてる姿に萌えました。

売れっ子モデルの入江は始め、努力をしなくてももてはやされるだけの外見を持った、お決まりの「自信家で鼻持ちならないやな奴」だったわけです。一目惚れしたシャツを作ったデザイナー・椎名の専属モデルになるためのオーディションを受けたのがきっかけで、椎名が期待するモデルになるために、ある意味「調教」されるのです。

現実にはきっとありえないんだろうなと思われるようなオーディション方法や、事務所の関係、(いえ、本当にあったら素敵ですが)お決まりのように快楽に弱い入江、モデルの体にそんなこと・・・な椎名、を差し引いても読み応えがあるのに読みやすいお話でした。

椎名は、入江の態度をけなしたり、プライドを傷つけたりくすぐったりするような言動と、快感に物を言わせるセックスを飴と鞭のように上手く使って彼をトップモデルに足る人物に作り変えていきます。
負けん気の強い入江はそれについていくわけですが、彼の変貌たるやライオンが猫になったみたい。(ヴィジュアル的イメージは逆で、ノラ猫がライオンになった感じですが)
自分の脆さや壊れやすさに気づき、見せかけではない本当の強さが欲しいと思うようになり、生活態度を改め、努力することにより、精神的にも肉体的にも磨きがかかって「大人になってきたな」と思える過程が楽しいです。

書き下ろしで、ショウを控えた二人にトラブルが発生しハラハラさせられますが、入江が大人になっていますから、安心して読めました。いっそのこと二人の関係をばらしちゃえば?って思っちゃった。

何かにつけエッチになだれ込むので、全編を通してそっち方面はおなかいっぱいって感じ。モデルの乳首をあんなに育てちゃってダイジョブ?椎名さん。

1

綺麗事だけじゃない裏側

トップモデルとして活躍する草一は、売れていることを自覚し、傲慢な態度を取るのは当たり前で、挫折を知らずにいました。
そんなある日、ショップで見かけた1枚の青いシャツに目を奪われました。そのブランドの専属モデルになってやろうと自信たっぷりに望んだオーディションに現れたのは、デザイナー・椎名。
喜んで受け入れられると思っていたのに、椎名はことごとく草一を非難し、「どんな身体をしているか、実際に目で確かめたい」と裸になった草一に手を出しちゃうんです。「年の割には生意気だから、灸を据えた」と言って。
ろくな抵抗も出来ずに痴態をさらした羞恥で、慌てて帰る草一。オーディションに落ちたと思いながら…。

椎名に抱かれたことや、自分を磨いたことでどんどんと魅力を増していく草一。モデル仲間からはねたまれたりしたけれど、仕事は今まで以上に売れていくのです。傲慢だった態度もなりを潜め、マスコミにも受け入れられていきました。

デザイナーが自分の持つイメージを洋服にし、モデルがそれを着てイメージを具現化する。なくてはならない相手と恋愛出来るなんて、うらやましいですね。しかも、熱烈な恋愛ですよ。
この2人なら、トシを取っても第一線で活躍している気がします。年齢にふさわしい艶を重ねて、いつまででも業界を引っ張って行ってるのではないでしょうか。
仕事を頑張る男たちの話を読むのは、ホント楽しいですね。

1

デザイナー×モデル

秀香穂里さんの安全パイ作品って感じかな。

人気モデルなんだけどちょっと調子に乗ってる草一〔受〕
彼は偶然に店で見つけたシャツ、それもレディースにも関わらず一目ぼれして買っちゃいます(ちなみにお値段は15万円ですよー)

そして気になっていたシャツのデザイナーのモデルとして草一は椎名〔攻〕の元を訪れます。
彼の仕事は今まで草一が知っているモノとはまるで違っていて、更に草一は椎名に私生活の乱れを指摘され、根本的な生活から変えられます。
それに反発してこの仕事を蹴ってもいいんだけど、何故か草一は椎名の才能とその魅力に魅かれて彼のモデルをやめる事が出来ない。
生意気なだけに、ちょと椎名に褒められただけで嬉しがる草一がなんか可愛かったです。
草一のモデル成長話でもありました。

0

華やかな業界BL

可もなく不可もなし……な定番BLといった感じの一冊です。先日、「他人同士」「恋人同士」シリーズを読んで、読み応えに唸ったばかりでしたので、そのレベルを求めてしまうと、及第点だよね……なんて偉そうな感想になってしまう。

文章は読みやすいし展開に無理もなく、官能的なシーンの描写も濃やかで素敵なんですよ。容貌に恵まれているけど中身が伴っていないモデルの主人公と、新進気鋭で天才的だけど、厳しいことを言うデザイナーのキャラ設定も華やかで素敵。

ただ、主人公がデザイナーに惚れるのは分かるとして、デザイナーが主人公に惹かれる理由が少し弱いようにも。

深刻すぎる展開も無いので、気軽に読むのによい一冊ですね。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP