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表題作いとおしき日々

森合和彦,50代〜,会社員
森合真,60代〜,定年退職した元会社員

その他の収録作品

  • いとおしき人(描き下ろし)

あらすじ

SNSで3万いいね超! 50代×60代のBL
ふたりの出逢いと軌跡を描く──これはやさしい人生の話。

出会いは18歳と28歳、あの時から…今でもずっと君を愛してる。

「いくらでも待つよ、10年でも20年でも。俺たちがおじいさんになっても」

世代別に2人の軌跡を追った──これは、やさしい人生の話。

50代の会社員である和彦と10歳年上の真は、恋人であり、親子であり、家族。
家庭教師と生徒としての出会いから、変わったもの、そして変わらないもの……。

作品情報

作品名
いとおしき日々
著者
sono.N 
媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
Charles Comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784815501570
4.5

(94)

(63)

萌々

(24)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
23
得点
432
評価数
94
平均
4.5 / 5
神率
67%

レビュー投稿数23

二人の歩みをいっしょに振り返る物語

はじめての商業漫画ということでしたが、とても素敵な作品でした!

「王道的ハッピーエンドを目指してここまで行き着いた」とまえがきに書いていらっしゃっていましたが、心に染み渡る、幸せな物語でした。

二人の人生を行ったり来たりしながら眺めていくオムニバス形式のお話です。
一話目から散りばめられた二人の色んな性格とかエピソードが、お話が進むごとに答え合わせされていくようで、二人の歩みを一緒に振り返る気分でとても楽しめました。
また、答え合わせされた上でもう一度読みたくなる、そんなお話です。

物語も素敵でしたが、心に残る言葉もたくさんありました。
二人の人生をゆっくり眺めさせてもらえてよかったなと思います。

幸せな気分になりたい、ゆったりした物語を楽しみたい、そんな方に強くおすすめしたいです。
ぜひご一読を!
そして気が早いですが次回作も楽しみにしています!

8

泣かずにはいられなかった

10歳年上の真と年下の和彦。
18歳と28歳で出会い、そこから80オーバーまでを描いた温かく純粋な愛の物語。

各話のタイトルがとても素敵で、それだけで泣けてしまいます。
そして80歳を過ぎてくると、どうしても頭をよぎるものが……
いつか来る別れを予感させる年齢に、胸を痛める準備をしながら読んでしまいました。
長年連れ添った二人だから出せる空気感、愛に満ちた言動の数々が読み終わった後も心に響きます。

幸せに満ちたラストから涙の描き下ろしまで、ノンストップで感動しました。
最後のモノローグは、ぜひ作品を読んで確認してほしい。
新年早々、マジ泣きしてしまった;


家庭教師の生徒と先生として出会って惹かれ合い、10年20年先の未来を誓う。
そんな気の長い話を実現させていく二人が尊い。
真の20代〜80代、和彦の10代〜70代を時にノスタルジックに、時にリアルに描き切っているのが凄いんです!

時系列バラバラに語られる構成も素晴らしく、真の揺れる気持ちや不安、二人の深い愛がじわじわと沁みていきます。
クロニクルじゃないところに面白さを感じました。

白髪やシワが増えていく様な、加齢変化がしっかり描かれている所も素晴らしいのです。
細かい所まで意識して書かれているところに、先生の作品への愛と情熱を感じました。
赤いちゃんちゃんこや、アン○ルツ的なものさえ愛しく思えた^^

60代でもHしてるところは、さすがBLという感じ。
男女では描けない(見たくない?)場面もキュンとさせてくれます。
若い頃より素直になる真がイイ!

そして何より、揺るがない和彦の愛の大きさに心打たれました。
和彦の手紙にも、きっと同じことが書いてあると確信できる。
真からの手紙、全文読みたかったなあ。

とても素晴らしい作品で、グッときまくりました!
ただ、両親との関係なんかはどうだったんだろう?
特に和彦のお母さん……二人のことを許したんだろうか?
二人の愛に焦点を当てた作品なのでそこ迄は無理なのかもしれませんが、ここも人生においては大切な局面だし、すごく気になってしまいました。
いつか、そんなサイドストーリーも読めたら嬉しいです。

8

うらやましい人生

おじさんものはちょっとと思っている人にも是非おすすめしたい一冊です
特に本を読むのが好きな方には読んで欲しい
こんな関係を築いて一生を過ごせるなんて夢物語にしかないような気もしますが、書かれていないところでは色々あったんでしょうね
主人公2人のお互いを思いやる心と、一緒に生きていくことに対する誠実さが素晴らしかったです
苦手意識は勿体無いですよ、是非読んでほしい一冊です

7

年上受けは多々あれど

十代と二十代で出会ってから、ほぼ10年毎の人生の区切りの時期を、行きつ戻りつしながら、二人の暮らしの、その最期までを描き切った作品は珍しい。
更に、年齢を重ねてからの性的な肉体の触れ合いまでも、しっかり描いている作品なんて、ほぼ読んだことなかった。
最近の初読み作家さんのご本は、びっくりするくらい絵が綺麗でお上手だったり、びっくりするくらいすごくエロエロだったりする。
でも、この作品にあるのは、地味な高齢者同士の、美しくもなければ、エロエロでもないセックス描写。
だけど、これがしみじみと良いって思えるのは、お話に力があってこそ。
こういう作品が存在できるのが、BLの世界の広さなんだと思う。

7

こういった味わい深い物語が増えると嬉しい

恋をして、ハッピーエンド で終わるんじゃ無くて、
恋をして家族になって 共に老いて 永く思い合う二人のお話。

死が二人を別つまで心がつながったお互いであることは、
男女の子を成した仲でも難しくなっている今世だから、本当に尊い得難い内容の作品だと思います。
食って寝て供に寝床で暮らすだけが、生活;生きるということじゃないです。
年明けから良いもの読んでしまった。

若いころのフェロモンが衝動させるピチピチの肉欲愛から、フェロモンが枯れて互いを思い合う性が聖・清に昇華した愛は、生き物の至上の愛と教わったけれど、この物語はそれを描いているんじゃないか、と感動しました。

よしながふみさんの「きのう何食べた?」も、同じテーマの作品ですが、
心の結びつきに焦点をあてた、努力して長持ちさせている、落ちそうで落ちない線香花火の灯のような愛を包みあって育んでいるカップルを描いた作品、
こういう作品がもっと増えて欲しい。
男女の愛より、もっと厳しい条件で生きているマイノリティな存在の二人。
描き切れない部分もあると思うけど、厳しい中で手を離さない二人の生き方を読むと、感動します。
比較すると、私はとっても薄情。
薄情に負い目を感じるので、こういう結んだ手を離さない作品に気持ちが揺す振られるんだと思う。

5

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