amazonの電子書籍版です
Amazonkindleで、初読み作家。
梶原直人,25歳,大手都市銀行のエリート。資産家の親 イケメンのバイ。
鵜川葵,28歳,区役所職員 幼い時に両親は事故死 親戚の元で育つ、大人しい美人。
天涯孤独で家族縁が薄い葵は、LGBT。好きになる人は何故かノンケ。
恋人から、「出来婚する」と突然別れを告げられる。こんなことが、初めてじゃない葵。
別れた後、葵は新宿二丁目で自棄酒を煽り、死に場所を探して、土手から転落して意識を失う。
気付いたら、バーで一見の梶原の家で快方されていた。
梶原の家が職場に近かったことから、一緒に暮らすようになった二人。
怪我をした子猫を拾ってきた葵、葵は猫に似ていると思う梶原。
梶原が見合いを受ける。そして葵に「女性と結婚をするが、愛人としてこのまま居ろ」と告げる。
悩んだ葵は、荷物を一切処分して、子猫と指輪を置いて突然失踪する。
でも、すぐ梶原はすぐ見つけて追う(ゴミから探られた)。
梶原が葵を見つけたとき、葵はベランダから投身する所だった
・・・自分の気持ちを押し殺す葵の想いを探る方法を理解していく梶原は、葵が猫より犬に似ていると思うようになる。
家庭的で主婦業が得意な葵は、自覚ない美人。
梶原にしてみたら、遊び心で贈ったプラチナの指輪は、葵の生きる縁、絆になっていた。
ぶっきらぼうだけど根が優しい包容力ある梶原と、葵は10年共に暮らす。
なんにつけても、申し訳ない、という思いが根底にある葵は、いつでも予兆なく梶原の為に身を引こうと構えている。
LGBTの葵の肩身が狭い思いと、愛する人の負担になりたくないと悩む心の揺れ方が繊細に描写されていて、切なくなります。
誤字が少しあったけど、気にならないほど中身が良かった。
もう一つ「fragile サバクのバラと・・」が有ったけどそちらは月並み、プラチナのほうが秀逸グッときた。
★著者、エブリスタ頁:
https://estar.jp/users/192742694
期間を開けて3回くらい読んでます。
展開わかってても好きです。
小説は想像が絵に制限されない分、リアル感のある想像ができていいですよね……
あらすじにもある通り、天涯孤独受け様・葵がスーパーエリート攻め様・梶原に"拾われる"ところから始まります。
葵はゲイでそれに伴い過去の恋愛でも辛い経験があり、ノンケの梶原に"拾われ"て、家賃を身体で払う、みたいになるわけなんですが、梶原の優しさに触れたり、交わるうちに好きになっちゃうんですねー、看病とか猫の件とか優しくされたらイメージとのギャップでコロっといっちゃうよねぇ……わかるよ葵サン
葵さんが梶原への恋心に全力で目をそらしながら生活する中、梶原が出世のために結婚すると言い出すのです。
結婚とか関係ない、身体だけでいいと梶原に嫌われないために言い張っていたけど、本当は婚姻届けという契約も愛も欲しくてたまらなかった葵さん、身を投げそうになるのですが、梶原によって阻止されます。そして葵さんへの気持ちも自覚して告白した梶原と同棲を始めるわけです。幸せでよかった!!!
小説は登場人物の心情がそのまま文字として書かれるから、葵さんが梶原の婚約でショックを受けたり出て行ったりのところ、自分もホントにつらくて胸がぐ―――――っとなってしまいました。
葵さん、本当は好きな人には尽くしたいし愛されたいし、梶原と幸せに暮らしてくれ~~~泣
と、ここまでがきれいに完成しすぎて、その後は軽い日常回の番外編かなーと思いながら次を読んだら!まださらにこの二人は幸せに向かって歩いてくれた!!!
相原さんのショートストーリーを挟んで、時は同棲9年後。
出会ってから10年の二人が、海外で挙式するお話です。
同棲しているだけで本当に幸せだから、それ以上は望まない(壊れるのが怖い)葵さんを連れて、海外に住む梶原さんの家族のもとを訪れます。
梶原さんのお姉さんの挙式に合わせて、サプライズで梶原さんと葵さんも挙式。
基本的に葵さん目線でストーリーがすすむので、私もびっくり嬉しかったです笑
婚姻届けはないけども、梶原さんの周囲の人にも認められ、何より梶原さん葵さんの当事者自身が将来の愛を誓いあって、本当に良かったね葵さん~~~~~~とこちらもうれしくなりました。
梶原さんに発破かけてくれた相原さん、グッドジョブです…!!
葵さんの「多くは望まない、このままの幸せを」という願いに終始こちらの胸も痛くなりましたが、最後は大団円でよかったですTT
冬木先生の文体もうまくて、こんなにはまり込んだ小説は久しぶりでした!
Kindleでおすすめ候補に挙がっていて気になっていた作品。うーん、終盤にたどり着くまで厳しかった。テーマとしては、ゲイとノンケが出会い、生涯のパートナーになるまでを描いたもの。ハッピーエンドです。ストーリーラインはテンプレですが、エンディングでゲイの受けが幸せに描かれているので救われます。
残念だったのは、メインカプもサブキャラもわたしにはあまり魅力的に映らなかったこと。主人公の受けが、作中にも言及されているように日陰の「女」としか感じられなかったうえに、優秀な銀行員の攻めは合理主義で出世欲しかなく、人間的にあまりカッコイイとは思えなくて。
受けと同棲していく中で徐々に攻めの価値観が変わっていったのだろうと思うけれど、エッチしかしてなかった二人を強烈に繋ぎとめていたものは何だったのでしょうか?結末まで読み終えてもやっぱりエッチしか思いつかなかったのですが…。攻めが婚約を覆し、上司に土下座級の謝罪をしてまで手放したくなかった受けの魅力が、わたしにはよくわかりませんでした。攻めにとって受けの価値は「いい嫁さん」なだけじゃないですよね…、、?
能動的な受けが好きなので、最初から最後まで悲劇のヒロインを彷彿とさせる受け身の主人公が自分には合わなかったのだろうと思います。
攻めもなぁ…はじめは男っぽさをあえて強調するかのような、銀行員には似つかわしくない粗野なふるまいに違和感しかなくて。でも、同僚女性との付き合い方や家族との関係性が描かれるていくことによって、やっと最後の方で彼が単に裕福なだけではなくリベラルな環境で育ってきた背景が見えてくる。少なくともお話の中盤くらい、いや序盤からにおわせて欲しかったです。猫ちゃんは攻めの器の大きさを本能的に嗅ぎ取っていたんだな…。
ストーリーとは別に視点について気になることが。受け攻めの視点がコロコロ変わり、転換のタイミングが唐突で混乱する場面が多々ありました。そもそも章立てがない作品なのですが、章ごとに視点を変えた方がより読みやすかったのではないかと思います。