【イラスト付き】【単行本書き下ろしSS付き】
神か萌2か悩みましたが、設定や全体の丁寧な心理描写が好みで神にしました。
少し無理があるかな?と感じる展開もありましたが、許容範囲です。
私的に、とにかくゲイのマイノリティに対する葛藤をメインに丁寧に心の変遷を描いてくれている作品が刺さるので、こちらの作品はとても好みでした。
受けの境遇にいささか無理があるというか、設定がてんこ盛り過ぎ感もあるのですが、健気で男らしい。攻めもおっとりというわりに、あまりその設定が生かされてないように感じ、残念。
終盤、受けが攻めに吐露して乞い願う場面は非常に良かった。なぜ攻めでなければならないのか、という問いにこれ以上ない答えを真正面からぶつけている。今まで読んだBL小説でこうもストレートに投げかけるセリフはあまり読んだ事がないかもしれません。
あえてわざわざ言う事ではなく、それをどう料理するかというのが書き手のテクニックかもしれません。ですが、もっと良い人が現れるというこの全ての狡い逃げ口上定型文に対して、答えを示してくれたようでとにかくスタオベしたくなるほどグッと来ました。
心理描写がとにかく丁寧で、とても切なく、けれど哀し過ぎず、読みやすい文体でおすすめです。
先にコミカライズを読んでから、小説版を読みました。
心情吐露や背景が詳細で、じれじれ葛藤する様も痛いくて切ない。
漫画よりも柏原さんの躊躇いがすごくて、そこに遠野も踏み込めないのが、あ~~~って頭抱えてしまいました。
漫画では嫌な浮気野郎で終わった元彼の関わり方も違っていて、終わってからの付き合い方が面白かったです。遠野からしたら胃が痛い案件でしかないんですが。
告発までの流れと合わせて、より柏原さんの人となりが分かった気がします。
どうしても、漫画のキャラ設定が抜けないため、遠野のキャラがちょっと軽いのには戸惑いましたが、踏みとどまってた人の時間が動き出す感じ、腹を括ったら男前!なのが良かったです。
描き下ろしも、遠野の変な男吸引力がすごくて、ハラハラし通し。二人とも妙に遠慮するもんだから!!!
柏原さんの頼りがいが素晴らしくて、上司としても彼氏としてもお見事!!!
小説で心情深めて、漫画に戻って柏原さんの甘さを摂取。
甘いのもっと欲しいところですが、とんでもないスパダリになってく未来が見えるので読了感はニッコリです。
挿絵の情緒豊かなしっとり感も素敵でした!