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表題作夕陽と君の背中

高校生・藍田向陽 17歳
心が張り裂けそうなほど思い続ける・浅倉勇貴 17歳

その他の収録作品

  • 手をつないで歩こう
  • あとがき

あらすじ

心が張り裂けそうなほど、同級生の藍田向陽を想い続けている浅倉勇貴。地味な性格の自分とは違い、向陽の明るい性格に惹かれた勇貴だったが、拒絶されることを恐れ、ひたすら恋心を隠していた。しかし、向陽に彼女ができたかもしれないと知った勇貴は、衝撃を受け焦り始める。日に日に自分だけを見て欲しいと、欲求が募る勇貴は、少しでも可能性があればと、文化祭で女装することを思いつくのだが…。

作品情報

作品名
夕陽と君の背中
著者
六青みつみ 
イラスト
山岸ほくと 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344809598
3.8

(23)

(8)

萌々

(8)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
85
評価数
23
平均
3.8 / 5
神率
34.8%

レビュー投稿数8

リアルな痛さ

電子書籍版を購入。
挿し絵なし、あとがきあり。
二人が付き合うまでを描いた表題作と付き合ってからの関係を描いた「手をつないで歩こう」が収録されています。

六青みつみさんの主要なもの(?)を読み終えて、
他のものも読もうとあらすじも確認せずにまとめて購入した中の1つ。

読み終えての感想は、「いつもの六青みつみ作品っぽくない!」です。

何でしょう?
凌辱とか、レイプとか無理矢理とかがないから?

うーん、うーん。
あ、そうだ、痛いからだ。
いつもと痛さの方向が違う。
攻めが(精神的に)痛すぎるから。
例えるなら、木原音瀬作品に通じる攻めの痛さ。

自分勝手で、狡い。
そのくせ、小さくて最低なヤツです。

でもね、わかる。
リアルな世界では絶対にこうなる。
保身にはしり、狡く立ち回ってしまう。

で、評価ですが、お話としては面白くて神評価をつけたいところですが、六青みつみ作品で期待している種類の萌えはなかったので、萌え×2です。

2

攻めの群を抜く無神経さ

六青さん二冊目。
『リスペクト・キス』がすごく好みにハマったので、切なそうなあらすじのこちらも購入してみました。

いや〜…攻めが今まで読んだBL本の中で群を抜いて無神経なキャラでした…
性格が悪いというより、精神的に未熟で無神経という感じ。
受けを傷つけまくるんですが、基本的に悪気はないんです。
こういう付き合ってからも世間体とか周りの目を気にして酷い言動するキャラって、過去の恋人とかのモブではよく見るけどメインのキャラとしてはあんまり見たことなかったです(私の選んでる本のせいかもしれないけど)



同級生の向陽(攻め)に片想いをしている勇貴(受け)は、部活で忙しい向陽と少しでも一緒にいる時間をつくるために帰り時間をさりげなく合わせたりノートを貸したりと元々慎ましく過ごしていたんです。

しかし、文化祭で女装したのを向陽に褒められて舞い上がり、祭のテンションだったのもあって、眠っている向陽に我慢できずキスしてしまいます。
途中で目を覚ました向陽に気持ちはばれ、思い切り拒絶され避けられるように。
何とか捕まえて謝るものの、「そういう目で見るの、止めてもらえるか?」と片想いすら許して貰えない…
好きになって貰うどころか自分が片思いしているだけで嫌な気持ちにさせていることにショックを受け、これ以上苦しさに耐えられなくなる前に…と自分からも関わりを絶つんですが…

もう〜このあたりのシーンが切なくて切なくて…
拒絶された後先輩とすぐに寝てしまうのはちょっと唐突で引っかかりましたが、他の男と仲良くしているのを見て、自分勝手にも向陽が日に日に不機嫌になっていくのが私的に結構好きな展開でした。

向陽には関係ないはずなのに苛立った様子で詰られ、同性愛に嫌悪感があるからそんな態度をとられてるんだと勘違いして苦しむ勇貴も更に切なくて胸がぎゅうっとなります。


その後いろいろあって付き合うようになるものの、向陽は過去の経験もあり、過剰に周りの目を気にして勇貴を傷つけます。
関係を怪しまれないように人前では距離を置いたり、「キショイ」と否定したり、挙句カモフラージュで彼女をつくろうとしたり…
もうこのあたりは向陽の行動があまりにも無神経で読んでいて切なさよりもイライラが勝ります。
でも、何だかちょっとリアルな反応だなあ…とも。
高校生なんてまだ精神的に未熟で自意識の塊みたいな時期ですもんね…
告白した段階で避けられてたのも、友達だと思ってた同性に思いを向けられたらまぁどうしたらいいか分からないよなぁとも思うし。
相手を思いやった行動なんて実際そう簡単にできるものでもない気もします。
いや、でも好きな相手に対してとる行動としては最低なんですが…


人にバレたくないという気持ちからのすれ違いって、本音で話し合ったからといって簡単に解決する内容じゃないからハッピーエンドに持っていけるのか結構不安に思いながら読んだんですが、ラストで部活仲間の武田の兄が出てきて向陽の背中を押してくれて、何とか自分にとって一番大事なものは何なのかを見極めることができたみたいで良かったです…
無理やり2人の関係を暴こうとせずにさりげなく気を利かせてくれた武田は凄くいい奴でした。
ほぼ出番ないけど個人的に一番好きだったな。

それまで周りの目を気にして酷い言動をしてきてたのを見てた分、ラストの思い切った行動には向陽の成長を感じられてちょっと感動しました。
もう同じ過ちは繰り返さないんじゃないかな…

しかし、2人が幸せになれてよかったな、とは思うものの、結局最後まで何で向陽が勇貴を好きになったのかイマイチはっきりしないところが気になってしまいました。
好きだったことに後から気がついたって感じでもなさそうだし…
女装姿がかわいかったから意識したの?人に取られて急に勿体無くなったのかな〜?という感じがしたのがちょっともやもや…
勇貴の性格に対して何かしら決定的に好きになった理由が欲しかった…

あと、有馬先輩…まだ自立してない高校生なのにブランドものの時計とか靴とか身に付けてるって設定もいらなかったな…
卒業してから乗っていた車も誰のお金で買ったんだろう…普通に包容力のある年上程度の設定で十分だった。

ちょっと展開や設定に引っかかる部分が多かったものの、途中切なくて辛いシーンがぐっときたので、萌×2です。

1

イライラしてしまいます。

六青さん、「輪廻の花」にめちゃくちゃ嵌って、色々と読み漁っているのですが…
この作品はどうも好きになれなかった…
と言うのも、主要な登場人物がことごとく好きになれない。
最後まで読んでも好きになれなかったのです。

ノンケの向陽(攻)が勇貴(受)にうたた寝した所にキスされ激怒してたはずなのに、当て馬の先輩に取られた途端に独占欲を見せたり、付き合うようになったら二人の仲を頑なに、勇貴が傷つくのが嫌と言い訳しながら隠そうとしたり。

勇貴も向陽に拒絶されたらすぐ有馬先輩とHしてしまうし。
付き合い出しても、いつまでも女の子とは違う自分に自信なく、ぐるぐると落ち込んでいるし。
向陽の言動のいちいちに感情を波立たせている。

とにかく、二人ともがふらふらぐだぐだとして、相手の為にと言いながら結局は自分の事しか考えていない。
一本筋の通った所が無いので、読んでいる間中、最後までイライラしっぱなしでした。

有馬先輩も凄く自分勝手で嫌いなタイプで(笑)
弱っている所につけ込むのは当て馬ならではですが、展開が早過ぎて共感できる部分が無く不愉快な気持ちになりました。

本当に読後感がいまひとつさっぱりとしない。
主要な登場人物の行動言動ほぼ共感できない感じで終わりました。

とりあえず地雷がある訳ではないので中立評価にしましたが、ほぼ趣味じゃない寄りです。

1

攻にイラッとくるんだけど、そこがいい

六青さんの作品って、無意識に攻が無神経な部分がある事が多くてそれとの対比によって受の健気さが生きてくる面もあると思うんですよね。
この作品もそのパターンでした。

高校の同級生同士モノ。
勇貴[受]は同級生でスポーツマンタイプで女子からも人気のある向陽[攻]の事を密かに想っていたのだけれど、学校イベントで女装した際に向陽にキスしてしまい、その想いを彼に知られ一度は拒絶されてしまう。
そして傷心の勇貴にゲイの先輩が声をかけてくれるんですが、この先輩がなかなか良い当て馬っぷりです。
その後、なんだかんだあって勇貴は向陽と想いが通じ合って、付き合う事になるんですが……ですが向陽は過去の自身の体験もあって周りの人間の目を凄く意識して2人が付き合っている事をひた隠しに隠し、目くらましの為に女性と付き合うフリまでしようとしてしまう程。
先輩が理解力があっただけに、向陽がむしろ小心者にさえ思えてきてそこが読んでてジリジリするんですけど、それに耐えながらも傷付く勇貴の健気さがここで生きてくる。
無意識にイラッと来る攻と健気な受。その対比がいいのですねー、はい。

6

すみません…。しゅみじゃない、だけです。

六青さんの作品だったということで買ってはいたのですが、学生×学生が地雷だったので箪笥の肥やしになっていた作品でしたが、とうとう手を出しました。

お話自体はよく作り込まれて、登場人物の心情も細かく丁寧でした。
もう!……切ない。いじらしい。
と、何度思ったか。
受けの勇貴が、とにかく切なくて切なくて、そしていじらしいのです。

それに対し、攻めの向陽!彼にイライラさせられました。
横暴というか、自分勝手というか、ジャ○アンみたいな奴。
でも、こういういものが若さというのかもしれません。
若いがゆえに怖いもの知らずで、自分のことでいっぱいで、何でも許されると思っているところ。
ハア…。
ため息をつきたくなるような攻めです。

そしてあて馬の先輩。
この先輩のあて馬具合がよかったです。
勇貴にかつて自分の片思いで終わった人のことを重ねているのですが、それにしてもいいとおもいます。
やさしく紳士的、さえない勇貴の見た目も先輩行きつけの店で素敵になり……。

……そうなのです。
私がなぜ学生モノが地雷かというと、おいおい先輩の湯水のように使われるこのお金、いったいどこから出ているのですか。
見たところ、そんなバイトもしている様に見えないし。
攻めの向陽くん、君、何故にそんなに横暴なの。
そんな態度取れるほど偉くなったのですか。
そんなツッコミがずっとあるのです。
それがBLゆえ、若さゆえというのでしょうが。

先輩が社会人ならば、もっと好きになっていたのでしょう。
それだけでした。


4

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