電子限定特典イラスト付き
Kindleアンリミにて読了。
BL小説のアンソロジーを読むのは、初めてでした。
全ての作品を読んだわけではなく、
商業の大好きな先生方の作品をつまみ読み?ですが、
特に心に残った作品についてレビューを残したいと思います。
個人的に切なさや萌えでグッときたのは、
犬飼のの先生と安西リカ先生、の作品。
光の作品だー!と興奮し身悶えしたのは、
遠野春日先生のちょいストーカーチックな恋のお話でした☺︎
最後の一文の一撃にやられ、ため息が出てしまったのは
砂原糖子先生の春のお話。
あとあと、英田サキ先生の「初恋の呪い」も、
最高に萌えました。
多分この先、新幹線に乗るたびに思い出すと思う。
以下、それぞれについてのレビューです。
きっとお気に入りの物語が見つかると思うので、
BL小説初心者の方にも手に取りやすく読みやすく、おすすめの一冊だと思いました◎
◆「あの夏の、きみの名は」樋口美沙緒先生
四谷×赤坂、攻め視点で進むお話。
受けだけが知っていた”再会”。
もう、樋口先生ならではの切なさが溢れてて、続きが読みたくて読みたくてたまらない…!
赤坂は一体どんな気持ちで、四谷が野球の話をするのを聞いていたのかな…
2人のその後に思わず思いを馳せてしまう、
短いけれど強烈なインパクトの残るお話。
◆「レモンスカッシュ・フロート」犬飼のの先生
ああ…!たまらなく切ない。
片思い相手の幼稚園の先生が、自分の父親と結婚してしまいーという物語。
最後の一文に、やられました。
大好きな人と結ばれなくても。その人は今、とても幸せだ。と思える春彦。彼に幸あれ( ; ; )
◆「ドラマみたいな始まり」遠野春日先生
めっっっちゃくちゃ萌えたーー…!
遠野春日先生、大好きです。(告白)
こ、これはどっちが攻めでどっちが受けなんだー!?
ものすごく妄想がはかどる…
カリスマロックミュージシャンSUMITOに会うため集まった群衆の中で、
前にいた女性の肘鉄を食らったオタク男20歳・加納秋良。その正体と一途な恋にびっくり。
警備員・水嶋とのドラマティックな恋の続きが見たくてたまりません。。プリーズ…
◆「騎士と従者の誓約」釘宮つかさ先生
ギルバート×ロイ、幼馴染×身分差×主従!
伯爵家の次男坊と、比較的裕福な農家の息子。そんなロイを自分の従者として引き抜いて、一緒に王都へ…というほのかに香る攻めの執着に激萌え。
甘い甘いファンタジー、心躍るお話でした◎
◆「エンゲージ」安西リカ先生
中学生の頃からの、12年越しの片思い。
社会人となってからの、再会ものです。
共通の友人の結婚式の場での、久々の再会。
お互い目を合わせるだけで通じ合った想い。
うーん、切なさもあるけれどたまらなく甘さと光を予感させる、余韻の残る物語。
さすが、としか言えないー…!
◆「恋には始まりがある」砂原糖子先生
昴成×未知琉、大学時代の先輩後輩で、9年後の今は同棲していて…
もうとにかく、2人の関係性がこれでもか!と伝わってくる会話のやり取り、地の文での説明が見事すぎて。
春が来る。春が来た。
そして、最後の一文。
のの先生の物語も最後の一文にやられ、
こちらの砂原先生の物語にも、最後の一文に心撃ち抜かれました。好きだー…
◆「初恋の呪い」映田サキ先生
たっっまらなく萌えた…!✨
これから新幹線に乗るたびに思い出して、どきどきしてしまいそう。
幼馴染で親友で、初恋の相手だった親友の結婚式。その親友の弟との、恋の始まりのお話。
長い長いそれぞれの”片恋の呪い”が解ける様が、最高に刺さるお話でした。
1つの作品が短くてサクサク読めます。
紙で読みましたが、今まで読んできた本より文字が大きくて違和感。文字を小さくすれば、もっと本が軽く、読みやすくなったのではないか??と思いました。
1番好きな作品は、『ずっと初恋』悠里さん
名だたる商業作家さんに惹かれて購入。
読んでから初めて、ウェブ投稿で受賞した作品と書き下ろし作品が一緒に収録されたものだと知りました。
https://fujossy.jp/contests/novel/36/awards
こちらのサイトを参考にすると、受賞作品は5作、商業作家さんの書き下ろしがそれ以外の9作ということでいいのかな?
自分が読んだ範囲内ではそれらを区別する表記が見られず、順序もばらばらに収録されているので、商業作家さんに明るくない人にはやや不親切な作りに感じます(あえて区別せずに収録して読んでもらうことがねらいなのかもしれないけど)。
読んでいて「これは誤字では?」と思ったものが受賞作にあったので、投稿作と知らなければ本の作りが雑に感じる可能性もあるように思いました。
コンセプトはすごく良いと思います。
BL漫画のアンソロジーは沢山ありますが、BL小説のアンソロジーってあまりなかったのでは……?
お気に入りの作家さんを見つけ、開拓するルートとして最適だと思います。
実際このアンソロジーを読んで、これまで作品に触れたことのなかった遠野春日先生と伽野せり先生が気になりました。
また、「初恋」というテーマ故か性的な場面がほぼないので、BL初心者にも勧めやすい作品集になっています。
今後もこのような企画が続いていけばいいなと思いました。
大好きな作家さまが参加されているので購入してみました。
それぞれの作家さまが決められた長さの中で創作されていて、あの先生がこういった作品を書かれるんだと新鮮な気持ちで読みました。
掲載順に簡単に感想を書きたいと思います。
「あの夏の、きみの名は」樋口美沙緒先生
最後の最後で四谷がようやく相手を認識出来たって感じの展開がお見事でした。これで赤坂が幸せになってくれたら良いな。
「ずっと初恋」悠里先生
コンテストの受賞作品なのでしょうか?
瑞々しい感性で凄く素敵だと思いました。この2人のその後を読んでみたいと思いました。
「レモンスカッシュ・フロート」犬飼のの先生
そう来たか!って驚いたのと、のの先生に一本取られた感じでした。初恋の切なさがタイトルと凄く合ってると思いました。
初恋の人の幸せを願うことで大人になった春彦くんのこれからに幸あれ!
「ドラマみたいな始まり」遠野春日先生
「えっそっちと⁉︎」みたいな驚きがありました。終盤まで水嶋の名前が出て来ないのが上手いと思いました。
「騎士と従者の誓約」釘宮つかさ先生
ここで終わるのが勿体無いです。これで一冊書けるようなストーリーでした。
「エンゲージ」安西リカ先生
短いのにちゃんとドラマがあるのが凄いです。そして、この短編だけではすごい勿体無い…。ある意味凄い贅沢です。
「落雁をくれた君へ」雨波身和先生
こちらの作品もコンテスト受賞作ですかね?
最初に訪ねて来た出版社の日下という人物と迎え入れた水瀬という作家…直接登場しないで2人の間で名前が出る沢木という水瀬の担当編集がとにかく強烈でした。登場人物の誰にも共感出来ない作品です。
「初恋終焉前夜」ヒフミトーヤ先生
ちょっとどちらがどっちか読んでて分からなくなりました。最初から何度も読み直しても分からなくて…両視点で書くならもっと分かりやすく書き分けるべきですね。
「恋には始まりがある」砂原糖子先生
こんなに短いのに初恋の出会いからのカップルの歴史や、9年後の生活まで書かれてあるのが流石でした。しかも受けの職業にも驚きました。
「ドロップキックを決めてやる!」谷崎トルク先生
この作品は読み終わってからタイトルを見て泣いてしまいます。とにかく読んで欲しいです。
「若葉の恋」伽野せり先生
こちらもコンテスト受賞作品ですね。
高校生の初恋が瑞々しく書かれていました。思いがけず相手もってところでパニくるところが凄く良かったです。
「タイトル、初恋」藤美りゅう先生
初恋からの切ない別れと、消えることの無かった思い、そして再会が短い作品の中に綺麗にまとめられていました。高三と高一って二歳差だけど、この時期の二歳って大きいですよね。
「伴侶君」鳩愛先生
こちらもコンテスト受賞作品なんですよね?
凄く印象に残った作品でした。凄く上手いです。
子供達に話している物語の登場人物に読者は気が付いてくると思うのですが、物語と現実が交わるところとかが秀逸でした。短編なのが勿体無いです。これで一冊になりますよね。
「初恋の呪い」英田サキ先生
ベテラン作家様なので、読んでて安心感があるところが素晴らしいです。
こんなに短いのに二つの初恋のお話が入っていて、恋する熱量が伝わって来るのが流石でした。
好きな先生が何人か執筆されていたので購入。14人の先生が書かれて、合計230Pほどのご本です。間に中表紙あるし、お一人お一人は20Pもない、本当に小話が多いです。既刊に関連あるお話じゃなく、新しいお話なので、この本だけで問題なく読めます。小説初めてという方や、いろんな先生のお話をちょっとかじってみたいという時にはいいのかも。いくつか好きなものがあったので萌にしました。ただほんとに短いので、小説をいつも読んでおられる方には物足りないんじゃないかな。
以下 好きだったもの
1.ずっと初恋 悠里先生
中学高校の6年間仲良しだった二人。大学はどこを受けるんだと聞かれて・・
という甘酸っぱいお話。会話主体なお話なんですけど、「まだ」という言葉で
ドキドキする男子が可愛かったでした。
2.レモンスカッシュ・フロート 犬飼のの先生
保育園の時に大好きだった先生(♂)のお話。これいいんですよ!
すっごい好き。最後から2行の文章がむちゃくちゃ好き。
短いお話だからこそ、テンプレなんて無しでフリーに書かれたのかな、
と思います。
3.ドラマみたいな始まり 遠野春日先生
恋心きゅーん!っていう盛り上がりより、お話として「あ」と
思うものだったので、あーやっぱり先生好きだわーと思ったお話でした。
ネタバレたらちっとも面白くないので、詳細は無しで。
4.騎士と従者の制約 釘宮つかさ先生
幼馴染の騎士に恋をしてしまった農民のお話。
そのまんま1冊の本の冒頭じゃん・・と感じるものでした。短いんだよなあ。
5.エンゲージ 安西リカ先生
ああリカ先生らしいお話やん・・・なんでここで終わるの、という短さ!
くー。「会いたかった」っていうんですよっ堪らんわ、ここ!
6.初恋終焉前夜 ヒフミトーヤ先生
これも盛り上がったところで放たれるセリフがたまらんかったでした。
「俺と一緒に東京に行こう、俺と一緒に住もう」
これを言われるだけで、もう全部おっけー!と思う青い頃がみんなあるのよ・・。
7.ドロップキックを決めてやる! 谷崎トルク先生
あー。商業BL本ではあまりお見掛けしない展開では。
好きなんですけどね、いやせつないわ。辛い(涙)
いろんなお話があるので、ほんとお試しには良いんではないかなと思います。寝室シーンは1ミリもないので、エロエロお求めな気分の時はちょっと時期を変えてお読みくださいませ。