心が乱れるのを止められない——

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表題作甘くて純情

西脇篤史,不動産会社社長,32歳
佐川幹,和菓子屋跡取り,25歳

あらすじ

佐川幹は老舗和菓子店『緑風堂』の次男。家は継がずに茶道を教えていたが、諸々の事情で店の経営をすることに。 そんな時、不動産会社の社員・西脇篤史が土地の売却を求めて訪ねて来た。 幹に売却の意志は無かったが、西脇とは何度でも会いたいと思うようになっていた。 自分が男しか愛せないと気付いて以来、人を好きになることから逃げていた幹にとって、それは初めての経験で——。

(出版社より)

作品情報

作品名
甘くて純情
著者
剛しいら 
イラスト
Mera 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861342011
2.5

(4)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
9
評価数
4
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

老舗和菓子屋の次男坊の幹(受)は、家業には関わらず茶道の道を進んでいました。ところが父が亡くなったあと、跡取りのはずの長男が失踪。
決して安泰とはいえない経営状態の和菓子屋を任されることになり、和菓子作りは職人がしてくれるものの、相続税を抱えた上に売り上げは低迷。
実家とはいえ右も左もわからない幹は途方にくれつつ奮闘しています。
そんな時、東京のあるホテルが土地を欲しがっていると、大手不動産会社の社員・西脇(攻)がやってきます。

ゲイである幹は、西脇のような大人でスポーツマンタイプが好み。
土地を売ることはしたくないものの、西脇にはまた会いたい・・・。初めて会った時から、西脇の容貌や雰囲気、性格に幹はどんどん惹かれていってしまいます。

西脇は妻と死に別れていて現在は独身。
出世の期待できる政略結婚でしたが、妻が突然事故死したことで、愛のない結婚をした自分の不誠実を後悔し、また、そんな風に突然終わってしまう関係を経験したことで、未来を信じることが難しく、ちょっと“恋”には逃げ腰の大人です。

素直にぶつかっていく受に対して、西脇は拒みはしないし受け入れるものの、言葉にして幹に決定的な何かを伝えるとか、積極的に未来を語るとか、そういうことはなかなかしない。

攻がちょっとズルく思えますが、受の幹の素直さ一生懸命さ一途さは際立ってました。
茶道=線の細いタイプをイメージしますが、そう見えて芯は強く、ここぞという時には言うべきことをキチンと言えるし、迷っても前向きだし、なかなか良い青年です。
西脇の方が、飄々としていてちょっと掴みにくい感じはしましたが、臆病になっているだけで誠実なのがわかるので、まあ良し。
二人の仲がきちんとした時、すぐにちゃんと挨拶に行ってくれるというのは、大したもんですね。
店の今後とか、心配もまだ残っているので続きがあってもいいかも。

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最後まで攻めを疑った

 幹の健気さ、真面目で真剣な様は好感が持てました。
 が、攻め(西脇)は絶対悪いやつで幹をだましているんだろうと、ずっと思ってました。仕事がきっかけで出会ったわけだし。好意を持っている幹をだまして、仕事の利益をあげようとしているんだと
 最後のほうになってようやく、この人は本当に受けが好きだったのか!と気づきました。
 なんでしょう。攻めがカッコよすぎるのもあるし、私が疑り深い汚れちまった大人になったせいでしょうか。疑いすぎたせいで、お話を素直に楽しめなかったような……。

 でも、題名通り。和菓子が満載で、お話も甘く、幹の純情さは半端じゃなかったです。

0

和菓子が食べたくなる

経営難に陥った老舗和菓子屋の美人若社長 佐川(受)と、その土地を買収しようと目論む不動産会社社員 デキる男 西脇(攻)が主役のお話。

佐川は自身の恋愛対象が同性である事に悩み、茶の世界では誰しも平等であると言う教えに救いを求め茶の道へ進んだが、父の死⇒兄の失踪により、和菓子店経営者に。それまで経営状態があまり芳しくない事を知らなかったから、さぁ大変! これでは相続税も払えない、どうしようってところで「緑風堂」の土地を買収したい西脇の登場です。

西脇は男前でスポーツマン、佐川の理想そのもの。
土地は売りたくないけど、断れば西脇に会えなくなる、と葛藤する佐川は純粋で健気で本当にカワイイです。
一方西脇は佐川の気持ちに気付いていて、仕事の為に利用しようとまで考えます。姑息なキャラなのに、格好良いから憎めない(笑)

今時驚くほど純粋な佐川と格好良い西脇。
佐川の想いが報われるか最後までドキドキです。
あと、物語に出てくる和菓子がとっても美味しそう♪

佐川の兄、頑固な和菓子職人、優しい住職、ヒヒ爺な家元、などなど脇役も充実していて、楽しめました。

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