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表題作夜空に咲く恋

不動隆洋・受様の親友で4タイトルを持つプロ棋士24
清野渉・親友に長く片恋する自動車メーカー勤務24

その他の収録作品

  • 夜空に咲かせて
  • そして夜空に

あらすじ

大企業に勤める清野渉はクールな外見に反し、親友の不動隆洋に一途に片想いをしていた。将棋の棋士で強烈な存在感と才能を持つ不動。そんな彼と意図せず躰の関係だけ持ってしまっていた渉だが、不動は渉を暗闇でしか抱かなかった。傲慢だけれど優しい彼に、せつなさは募る一方で…。そんな矢先、渉の会社の夏祭りに彼を棋士として招くことに。だが、そこでも気持ちはすれ違い―。

作品情報

作品名
夜空に咲く恋
著者
水瀬結月 
イラスト
山田ユギ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861342127
3.2

(11)

(3)

萌々

(1)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
33
評価数
11
平均
3.2 / 5
神率
27.3%

レビュー投稿数4

お話も絵もすっごい良かった!

花火の上がる林の中での浴衣エッチ!ユギさんの絵で堪能してください!

…と、いかにもシチュエーションが美味しいような書き方をしてしまいましたが、ストーリーも凄く良かったです!
とにかく、四冠のプロ棋士・不動と、サラリーマンの渉の、すれ違いっぷりが見事(笑)

ホントはとてもとても渉のことを大切にしている不動なんだけど、何せ元来俺様なもんで、渉は気付かないんですよね。
そこにはちょっとした誤解もあるし、終始渉目線で進むのでその誤解もわからなくはないんですが、不動が独占欲丸出しなのはちゃんと見え隠れしているから、読者としては「渉ー!もう不動が可哀想だから気付いたげてー(笑)」と言いたくなります。
けども全然作品が卑屈っぽくならないのは、渉が素直な天然だからです。
これ、一歩間違うと、すっごいイライラするウザい受けになると思うんですよね。
なのにこの作品は、素直に「可愛い」と思えたので、そこが作家さんの力量だなあと思いました。

不動はもう、この人どんだけ!ってくらい俺様なのですが、こと渉に関してはすごく温かく一途です。
そして、本当にわかりやすい!
不動が可哀想な気がしてくるくらい独占欲丸出しなのに渉は凄く鈍感で、よくよく考えると不動のほうが可愛い奴なのかも…という気すらしてきます(笑)
かと思えば将棋に対する姿勢は厳しく、狂気の淵ギリギリを行ったり来たりしていて、まさに勝負師!という感じ。
孤高の天才棋士かと思えば実はものすごく努力をしているということがチラチラ見えるのも好感度アップ!周りにもちゃんと不動を慕う人やライバルがいます。
けれど、将棋と渉以外はどうでもいいくらいの俺様。
そのバランスが絶妙なのです。


ただ、残念だったのは、本の装丁です。
裏表紙のあらすじには、「不動は渉を暗闇でしか抱かない」という風に書いてあるのですが、実際闇を作るのはいつだって渉のほうで、そこには渉なりののっぴきならない理由があって、これがもし不動だったなら、このお話はまったく意味の違うお話になってしまいます。
素敵さ半減どころか、素敵さ激減です。

それから帯の煽り文が、ちょっと。
「暗闇の中でだけ、淫らに咲かされる」って……。
煽り文を見ると、このお話がとても閉鎖的で刹那的で、愛欲に溺れている感じのお話だって印象なのですが、これは内容と全然違う気がします。
イラストが山田ユギさんとどちらのお話も描かれる方ですから、余計に「そういう感じのお話なのか」と納得してしまいます。

私は通販で買ったのですが、手元に来た本を見て、正直「失敗したかな」と思いました。
本屋さんで手に取ったら絶対に買わなかった一冊です(山田ユギさんに釣られて買ったかもしれませんが)。
私のようにストーリーありきで後味の良いお話を好む方はまず買わないと思うし、逆に刹那的な愛憎劇が好きで手に取った方には物足りないんじゃないかな。
素敵なお話なのに、双方にとってもったいないです。
全部を通して一貫してそのようなので、おそらく意図的にそういう装丁になさっているのでしょう。
確かに、普通なら手に取らない層の方の目に触れる機会は増えるけど、逆にストライクゾーンの層は敬遠するんじゃないかな……。
どちらが良いとか、どちらの作戦が売れるのかとか、そういうのはわかりませんが、私としては残念に思いました。


お話&挿絵は文句なしです!
ユギさんの絵で色気とエロさと甘さが倍増!
川辺の線香花火のシーンなんか、お話&絵ともどもめちゃくちゃドキドキしました!

2

すれ違いは醍醐味!

面白かったー!
夏の季節にピッタリのお話です。
萌えアイテムはズバリ「花火」と「浴衣」
日本の風物詩満載

将棋の若手棋士・不動と一見クールビューティーな主人公・渉
中学の時から、独特な存在感を持っていた不動とただのクラスメートだった渉が親友同士になった回想から関係を持つまでに至る過程、そして会社員として働く今現在。
身体の関係はあってもずっと片想い、という状況から始まります。

すれ違いは恋愛に欠かせないスパイス、もちろん客観的にみるから楽しいのです。自分で体験するのは嫌だけど(笑)
不動が俺様タイプなのに渉にすごく気を使っててとっても可愛い男です。
そして男らしくてカッコイイ!!
しかしもともと天然なうえに恋愛にネガティブな渉は全く気付かない・・・彼のイライラの原因はとてもわかりやすくて読者にはニヤニヤなんだけど。

ちなみにこの話は3部で短編構成になってます。
気持ちを通わせるまでと恋人同士になってから、甘甘番外編という感じ。

どの話も渉がガマンしてガマンして本音をぶちまけたら、相手を翻弄・陥落させてしまうという高等テクが使われています。無意識なのでよりおいしい。感情的に満足感の得られる話なので、Hはさほど・・と思っているといい意味で裏切られます。

他にも脇役にBLフラグのたったカプがいるのでそちらのメインの話もあったら是非読みたい!

棋士の世界というあまり馴染みのない職業や花火や浴衣が醸す情緒感がすごく良かった!アイテムがあってもちゃんと読ませてくれる作品の少なさや誰でも描けるものじゃない難しさを考えるとつい神評価にしたくなりました。
そして最後までユーモアがあふれ・・・あの扇子のその後が想像できて笑

切なくってキュンキュンする良作です。
すれ違って5年は長過ぎだー






1

可愛げのある俺様攻め

水瀬さんの書く俺様攻めは、俺様なんだけど可愛さがあるので憎めないです。

親友で棋士の不動隆洋(24)俺様攻め×自動車メーカー勤務・清野渉(24)クール天然黒髪メガネ受け
高校生の時の同級生同士で、その頃から関係があります。
でも、渉は女の代わりで抱かれていると思っていて、恋人の自信がない。
渉の会社の夏祭りに、友達が将棋の棋士ならと紹介を頼まれたら、不動本人が来てくれることに。

まず、誰か適当な人を紹介してくれればいいのに、本人が率先して来ちゃう時点で愛なのに、全く渉は気づきません。
不動は会社に来るなり、渉に粉をかける奴がいないかを、すかさず猛チェック。
渉の身体に先輩が肩をかけたり、内緒話をするだけで、寄るな触るなのバリバリの嫉妬。
気持ちがだだ漏れなんですが、渉は鈍いので全然気づかないのです。
ただただ渉が鈍いが故のすれ違いと不動が言葉足らずが故のすれ違いで、安心して見ていられました。
渉がクールビューティーなので、顔が赤くなったり動揺もしているんですが、それが顔に出ないので、損なタイプです。
そして、不動が言葉足らずなので、すれ違いのドツボに落ちます。

受けへのたっぷりした愛情があるので、俺様攻めの傲慢さが鼻につかなかったです。

エロ:★3 浴衣エロ、ラブラブなエッチと恋人達のHが安心して楽しめます。
総合:★4 俺様攻めの可愛さと俺様攻めならではの強引さがよかったです。

1

やっと、おまえの顔が見れた…

お話が3話あります(^-^)。
お互いのすれ違いからお互いの気持ちの繋がりと、理解と話が進んでいきます。

【夜空に咲く恋】
渉(受)は、中学の頃に出会った友人の不動(攻)に恋をしている。
不動は、中学の頃からプロの棋士であり、クラスの中でも孤高の存在であったのに、渉だけは側に置いていた。
不動はモテモテで高校になるとセフレの女の子達がいて、ある日女の子達が、「…明りのあるところではエッチを嫌がる」とか「顔をみると萎えるとか言う」と、不動の噂しているのを聞いてしまう。
そして、二十歳になった時、渉は酔った不動に暗闇で抱かれてしまい、5年近くそんな関係が続いている。ただ、渉は自分は女の子の変わりに抱かれていると思い…不動に抱かれるときは、必ず電気を消してからと決めていた。
そんな関係が続いている中、渉の会社で夏まつりが開催され、プロ棋士の不動を呼ぶことになり、二人の関係が変化していく。

話を読んでいくと、不動の気持ちは丸わかりなのに、渉には、そんな不動の気持ちが伝わらなくて、…不動は怒るし、迫るし、周りに八つ当たりするし…渉の上司の高村さんは可哀想なくらい怯えていましたね(^O^)。
まあ、渉の気持ちもよく判るから、最後に気持ちが通じたときは、良かったね~と思ってしまった。
でも、5年近くも…渉は鈍いのかな(>_<)。
やっと、明るいところで抱き会えて良かったね…夜で、外で、花火のおかげだけど…会社の人に発見されなくて良かった~と心から思いました(^・^)。

【夜空に咲かせて】
二人の気持ちがやっと通じて、ラブラブだけど…昔から不動に将棋に関わるなと命令されていた渉は、不動の事を理解しようと将棋の世界を知ろうとするけれど、不動の棋士としての成績が落ちていき、自分のせいだと…不動と別れようとする。

前半は、やっと気持ちが通じた不動が恥ずかしくなるくらい渉にメロメロで…このままイチャイチャで終わるのか~(>_<)と心配になったくらいラブラブは二人でした。

後半は、渉の葛藤でしたね。自分は不動のために何ができるのか!とか不動の弟子とかライバルに嫉妬するとか…ぐるぐる悩んでいます(>_<)。
最後に、渉は、不動の渉への昔からの想いとかを知って、不動のそばにいてもいいと納得できて良かった。不動は本当に渉が必要だったんだな~(^O^)。
そして、最後もイチャイチャ…(^・^)

【そして夜空に】
将棋の対局のために地方にいる不動から渉にマンションに忘れた扇子を届けてほしいと連絡があり、扇子を届けた渉に不動が…(^・^)。

今回は、イチャイチャだけど…何となく安定?…不動も無理やり(悪戯するけど…)にはしないし、渉も不動の事を想って踏みとどまるし、程よくいい関係。
ただ…ただ、最後に不動の弟子の松幸と不動のライバルの佐原が……何故、いつの間にそんな関係に…何故最後の最後に…二人の今後の関係は!…と気になってしまった。
最後は…コメディでしたか…(^O^)

イラストは山田ユギさんです。お話のよく合っていると思います(*^^)v。
松幸のイラストが可愛かった(泡まみれの頭)。クスッ(^O^)

1

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