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表題作アンダルスの獅子

サイード,グラナダ王国の武人
ラファエル・サンチェス,サンタンデルの商人の息子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

キリスト教徒による国土回復運動が終盤を迎えようとしていた15世紀スペイン―最後のイスラム教国であるアル・アンダルスの武人サイードは、海賊に捕われ奴隷として売られそうになっていた敵国商人の息子ラファエルを、宮廷に入り込んだ間諜を探らせるため買い上げる。
天使の名ながらも、あくまで屈伏しない意志の強い瞳を持つラファエルに興味を抱き、戯れにその体を凌辱するサイード。
そして常に黒衣をまとい、魔神に魅入られた男と畏怖されるサイードの冷めた傲慢さに、激しい憎悪と反発心を抱くラファエルだったが…。(裏表紙より)

作品情報

作品名
アンダルスの獅子
著者
松岡なつき 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784778104429
3.6

(8)

(2)

萌々

(2)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
28
評価数
8
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数5

格調高い時代物

BLにハマりだした頃、大好きだった作品です
悲しい運命を背負った武人サイードと、彼の奴隷となり間諜としての使命を果たしていくラファエル
まず体の関係ありきでしたが、奴隷を奴隷として扱わず、一人の優秀な人間として扱ってくれるくれるサイードに次第に惹かれていきます
しかし大きな歴史の波に彼らは翻弄されていくのです
別れのシーンは、いつも泣いてしまうほど切ないです

非常に節度のある、ジャンルを超えた作品です
電子になっていないのは勿体無いと思います!

2

まさか!この面倒な時代ものがあるなんて@O@!

すっごく吃驚した!えぇーっ?!BLにこれ程までの歴史ものってあるのーっ?って!(失礼ですよね;)
だって、イベリア半島の小国乱立時代もの!群雄割拠ですよ!
カスティ-リャやアル・アンダルス、レコンキスタ(キリスト教国・国土回復運動)なんて書いてあるから、中学時代にうろ覚えた位のホントこのまま思い出さないで生きていくであろうって背景ですよっ!
だから、勇気ある作者さんだなぁ~って思いました、最初はね。

アンダルスがイスラム教なので「アラブもの」に入るのかな?
現スペインだから違う?
そこの高級武官のサイ―ドは無骨で猛々しいが、生い立ちから母の束縛と亡くなった後も呪いから解き放たれていない、悲しい人だったんですよ。その「呪い」は、愛することを許さない絶望せざるえないものなのです!
この冷めたサイ―ドが見付けた、強くて美しい奴隷のラファエルに、生きる糧を見出していくのだけど、時代やこの主従2人の軋轢から現代の様な甘い恋愛にはなってくれません。
不遜サイ―ドが、ラファエルの小さな言動にピリピリする様は、可愛かったり嫌な奴だったりで、ふぅ~^^;
すれ違い純愛ワンコものって良いですなぁ~♪
痛いところも沢山あるけど、すごく面白かったですv

あ、藤棚さんのレビューにある“脱毛法”は、玉袋にも?ですよね?
絶対皮膚剥がれるし内出血しちゃうってーっ?
読むだけで失神できそうです><

初・松岡作品なのですが、文章も読み易いし好みの歴史ものを書ける作家さんだしで、これからは特に気にしていくでしょう!
(実はカタカナは苦手なんですけどね^^;)

3

真面目なアラブもの

キリスト教とイスラム教の戦いを軸に、恋と陰謀が描かれる物語。
宗教関連の物語を読むたびに、
キリスト教は結構狭量だなぁと思ってしまいます。

傲慢な攻様が、鼻っ柱の強い美人受を力でねじ伏せる。
プライドをボロボロにされた受が、攻に完全に落ちるのか否か。
ストーリー展開はハーレクイン的な超王道だと思います。

そして舞台はジャンルとしても人気がある「アラブ」。
アラブものというと奇想天外設定が多く、
時々「ギャグ?」と思う作品も少なくないですが。
しっかりした時代考証のお陰か、真面目で格調高いアラブ作品に仕上がっています。

歴史ものがお得意の松岡さん。今回も当時の風俗・風習を丁寧に描かれて、
それを萌えに昇華されているのは流石だと思いました。
イスラムの脱毛処理方法は大変、興味深かったです。

2

歴史を題材にした読み応えある作品

最初は亜樹良さんの表紙がきっかけでした。
そしてタイトルの『アンダルス』と松岡さんのお名前で「歴史物?」と思って手に取りました。
アルハンブラ宮殿と聞けば「あぁ~あの宮殿ね」と思いつく方は多いと思いますが、そこにまつわる歴史となると日本では学校でサラッとしか習わないので記憶がうやむやになっている方も多いのではないでしょうか。
私もそのうちの一人でグラナダ王国とかオマル・ハイヤームとか懐かしい名称が出て来た時には「今までほとんど知らない事だったけど、もうちょっと調べてみようか」とこの作品で興味を持ってしまいました(笑)。

舞台は15世紀末のイスラム教国とキリスト教国がイベリア半島でせめぎ合っていた時代。
イスラムであるナスル朝が支配するグラナダ王国でお話が進んでいきます。
あとがきによると松岡さんが考える「傲慢な攻め」をこの作品で描かれたそうですが、この攻め様はほとんど感情を表すことがなくぶっきらぼうなので、普段から甘い所を全く見せません。
その攻め様に不利な条件下で従う事になった受け様は、攻め様の自分に対する感情を表面上で見える事でしか評価していないのですが、攻め様の本心と受け様が思っている事とのギャップに個人的には萌えツボがありました。
受け様は美人なのですが性格は強気で御しにくく、男前なところが好みでした。
歴史物や甘々でない作品を好きな方にはお薦めです。

1

アラブというより、ヒストリカル

アラブ物というテンプレではなく、歴史物だと思います。
世界史に詳しい人は、スペインのアラブ、イスラム圏という消えゆく運命の設定だけで期待してしまうと思います。

ただ、BLらしいアラブ、砂漠物のテンプレを期待すると、かなりはずされてしまうでしょう。

0

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