「なんで俺のこと誘ったの?」「いつもと一緒が良かったんだよ」

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表題作嘘つきなステラ

アル、学生
ミロ、学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • 電子限定描き下ろし

あらすじ

同級生のアルとミロは、家が隣で幼なじみ。
素直で正直者のミロに対し、アルはいつも飄々としていて何を考えているのかわからない。
けれど不思議と、二人はずっと一緒に過ごしてきた。

ホリデーシーズンを間近に控えたある日、
ミロはアルから二人きりでの旅に誘われる。
突然の誘いに戸惑いはあったものの、断る理由もなく快諾するミロ。

――行き先もわからないまま始まった旅の目的地は、幼い頃に家族ぐるみで訪れた場所だった。
理由を聞いてもはぐらかしてばかりのアルは、何か隠し事をしているようで…。

【描き下ろし15pあり】

作品情報

作品名
嘘つきなステラ
著者
ocha 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784758025461
4.1

(21)

(10)

萌々

(8)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
85
評価数
21
平均
4.1 / 5
神率
47.6%

レビュー投稿数7

ふんわり癒される、エモーショナルな幼馴染

穏やかに進むストーリーと、ふんわり優しい雰囲気のイラストに癒される、異国情緒溢れる幼馴染BLでした。

明るく正直者なミロに対して、物静かで何を考えてるのか分からない、ミステリアスな雰囲気のアル。
正反対な2人は、不思議とずっと一緒に過ごしてきた家が隣の幼馴染。

そんなある日、アルに誘われて2人は旅に出る事に。
行き先も分からないまま着いていくと、それは、幼い頃に家族ぐるみで訪れた思い出の場所を巡る旅だった…——

純粋に旅を楽しむミロに対して、ずっと苦しそうに何かを隠すアルが不穏すぎて……
「まさか、死ぬまでにやりたい10の事」的な、余命いくばくも無いのか……!!!?と、かなり身構えました……
が、ハピエン厨の皆様どうぞご安心ください!!!
誰も死なないハピエンでしたよ!!!!!!

穏やかに進むストーリーと、ふんわり可愛いイラストで描かれるヨーロッパの街並みに、とても癒されます。
イタリア辺りでしょうか? ピザやジェラート等、出てくるご飯がめちゃくちゃ美味しそう……!!

ゆったり淡々としたストーリーなので、大きな起伏はありません。
ですが、幼い頃から常に一緒に居た幼馴染だからこそ、本当の事を言えない焦ったさや、関係性の変化に困惑する様子など…丁寧な心理描写で惹き込まれる作品でした。

実はこの2人、本編ではCPになりません。
アルはミロへの愛情をストレートに表現する一方、ミロはまだ恋心に自覚がない様子。
個人的には、〝友人以上恋人未満〟な2人の焦ったさに青春を感じて好みでしたが、物足りないと感じる方も居るかもしれません。

その辺り、描き下ろしでしっかり補足があるので満足感は高めです。
また、【電子限定描き下ろし(11P)】の後日談では、お互いを想う愛情の深さを実感して幸せ一杯に……!

ゆっくり恋人になっていく2人の尊い関係性に、ホッと心が癒される素敵な作品でした。

▶︎シーモア/エロ無し

2

上質なロードムービー

舞台はイタリアだろうか?幼なじみの二人がホリデーを利用して、ひと夏の旅に出る。一人は純粋に旅を楽しみ、もう一人は思惑を持って旅をする。徐々にそれぞれの思いが交差しそうになる時、旅の終わりが近づく。
溢れそうな思いに蓋をして、何事も無かったように日常に戻る。第三者目線で見ると各々の気持ちが切なくて、何となく懐かしい気持ちを思い出す。
表紙、絵柄、背景、どれを取ってもこれから始まるであろう物語にワクワクした。地図を片手にどこの国かを検索するのも楽しかった。一本の青春映画を堪能した気分に浸れた。

1

想いが交差する幼馴染

アル×ミロ


静かな10代の感情が
ほっこりした恋に繋がってく。
異国情緒に包まれた舞台も、
幼馴染の2人の関係に胸キュン度を増してくれるのです。


物語の舞台はイタリア??

ミロとアルは幼なじみ同士で家も隣同士。

ミロは、
金髪の美少年で、
天然でシンプルな性格で、
ウソつきなんか許せない正直者。
アルと長い付き合いだけど、
彼の頭の中がさっぱりわからない。
アルが元気じゃないと、ミロも気が滅入っちゃう。
彼と一緒にいると安心する。
そんなミロの感情がキュートだね。

アルは、
大人っぽさも漂っていて、
ちょっとミステリアスな感じで、
いつもふわっとしている。自由奔放かな。
サングラスをかけた姿がカッコいい。
ずっとミロのことが好きなのに言い出せなくて、
クーデレ感もたっぷりで愛おしいのだ。

ある日、
ミロがアルからホリデーに2人きりの旅行に誘われる。
ミロは断る理由もなく快諾しまう。
そのまま行き先も分からずに旅が始まって、
アルだ隠し事してるっぽい・・・

この旅のきっかけで、
2人の関係が微妙に変わっていく。

彼らの旅はただ見ているだけで癒される。
この作品の魅力の一つはその心地良さです。

2人きりの世界で車を走らせて、
まるで映画みたいな素敵な場所を巡るのだ。
海やヨット、綺麗なホリデーハウスなどの風景が目に浮かんできて、
その中で午後の風がさらりと吹いている。
アルがミロに寝込みを襲ってキスはキレイでちょっと寂しい感じがする。
宿を探したりと、おしゃれなカフェでの朝食や、ジェラート屋で楽しそうで
小さな出来事や2人のやり取りも可愛い。

同じベッドで過ごす夜、
星空を見上げるときには
アルの恋心がグッと膨らんで
胸キュンする光景でした。

ミロに寝込みを襲ってのキスも、
大きな木の下での唐突なキスも、
アルの心は愛おしさと淡い寂しさでいっぱい・・・。
ミロとの関係を深めたいけど、
同時にアルの奥底に秘めた
空虚感にも押しつぶされているのかもしれない。

アルがミロを連れていく旅の目的地は、
2人が幼い頃に家族で行った特別な場所。
アルはミロに真実の想いを告げる決心で臨んでいるでしょうね。
もしミロが受け入れてくれなかったら、
2人の関係を終わらせる覚悟もあるのだろう。
だからアルは2人で共有した思い出の場所で
ミロとの最後に素敵な時間を過ごしたいではないかなと思います。

・・・

ミロはアルの真実の気持ちが知りたい。
真実を知りたいのは、
やっぱりアルが好きだから。
本音を確かめたい。

アルもミロに真実の想いを告げる。
でも、ミロはそれを知ってから
真実を受け入れられない。
結局嘘つきはミロで、
真実を知ることで関係が揺れるかもしれないから、
ビビっていて、
ミロが自分の気持ちに嘘をついてしまう。

アルが断られる覚悟はあるけど、
信じてもらえないのが悲しいよね。
何年分の想いを詰め込んでいるのに、
冗談だと思われるなんて
さすがに大人っぽいアルでも痛くてつらいよね・・・。

ミロがアルを失ってから気づく恋心で、
臆病を乗り越えて、
2人の真実の想いがちゃんと届く瞬間が超胸キュン!
揺れる心を支えるには勇気が必要ですね。

2人の友達、メガネのルイスは
いつも2人を見守ってくれて、
彼の視線には、2人の絆がぎゅっと詰まっていて、
本当にありがたい親友。
彼の恋も気になります。

幼馴染の2人は、
個性や性格が真逆なのに、
友情や愛情の力で、お互いを惹き合っている。
アルの成熟した痛く切ない真の愛、そのカッコよさに、
ミロの天真爛漫なピュアな恋心が超かわいく映るのです。
これからも勇敢に真実を探求して、
2人には幸せな未来が舞い込んでくることを信じています。

2

ずっと近くに

外国を舞台に、幼馴染同士の友情と恋の狭間を描く
キラキラとした物語でした。

家がお隣同士で小さい頃からずっと一緒のミロとアル。
ある日、ミロはアルから
「ホリデー期間中に一緒に旅でもしない?」と誘われ…。


飄々としていて、感情をあまり表に出さないアルは
ミロ視点だと“何を考えているかわからない幼馴染”ですが、
読者から見るとそんなことはちっともなくて、
むしろいつだってアルの目にはミロしか映っておらず、
その心の中だって丸見えなんですよね。

そして、始まった二人きりの旅。

幼い頃に互いの家族と一緒に訪れた場所で、
二人の思い出を辿るアルとミロ。

実はアルがこの旅行にミロを誘ったことには
ある理由がありました。
それが明かされるのは後半になってからだけれど、
きっと読者は勘付いてしまうであろう別れの匂い。

だからこそ、アルはこの旅にわずかばかりの期待と覚悟をもって
出かけるのですが、肝心のミロはちっとも気付いてくれません。

それだけにミロの笑顔をいとおしそうに、寂しそうに見つめる
アルに切なさが募ります。
そして、旅の最終日、想いが溢れたアルはミロにキスをしてしまうのでした。

以来、旅から帰ってからもぎこちなくなってしまう二人ですが、
年に一度の町の祭り“正直者の夜”でアルから気持ちを伝えられたミロ。

けれど、この告白に対するミロの口から出たのは
「冗談キツいって!」「こんな日にウソなんかつくなよ」
というあまりにも残酷な言葉。

このときのアルのどこが冗談言っているように見えるの?
たぶん、ミロはまだ子供だったんだろうな、と。
素直で無邪気だけれど、ゆえにときに他人の心に鈍感なのです。

アルとの関係を変えたくなくて、今まで通りを望むあまり、
逃げ出してしまったんだよね。

翌日にはまた元通り、と願いながら一夜を明かしたミロですが、
翌朝目覚めるとアルは遠くの町へ引っ越してしまっていました。

後悔先に立たず、とはまさにこのこと。
もう手の届かない距離になって
ようやくアルの存在の大切さに気付くのでした。

報われぬアルが不憫で仕方なかったので、
ショックを受けるミロがちょっとザマァでした(*`艸´)

だけど、その後、アルに会いに行こうと
自分から行動を起こす姿はちょっと見直したよ!

数か月の準備期間を経て、アルの引っ越し先を訪ねたミロ。
勢い余ってアルを押し倒してしまうミロですが、
ボロボロとこぼれる涙がアルの顔に滴って、
形は違ってもミロもアルのことが大好きだったんだなぁと
救われた気持ちになりました。

ただ、ここまできてもまだ
「お前に会えなくなるのはイヤだよ」止まりなのは
ちょっとじれったすぎるけれど。

本編中ではアルへの気持ちの変化を自覚はできたミロですが、
それでも“幼馴染み以上恋人未満”で、まだ恋には至ってません。

ついでにせっかく想いが通じたのにラストでは遠距離のまま。
だけど、離れてみないとアルの大切さに気付けなかったミロなので、
そういう意味では距離を置くというのは二人にとって必要だったのかも。

結局“アルが好き”まで辿り着いたのは描き下ろしで、でした。
もし、雑誌派だったら…お預けを食らったままなんて耐えられない!
そんなわけで、ぜひ、コミックスでの購入をおすすめしたいと思います。

1

幼馴染の延長線

イタリアのお話でしょうか。高校生のひと夏の旅行から幼馴染との関係が少しずつ変わっていくお話になっています。
なんとなくアルが攻めっぽいけれど、攻め受けは読んでもはっきりとはわからないです。

アルがなにかを秘密にしながらミロを旅行に誘います。どこに行くのかわからないまま一緒に行くことにしたミロ。
行き先はふたりが家族と一緒に小さい頃に旅行した場所へのロードトリップでした。
いつもと違う環境と過去の思い出に触れながら、なんとなく違和感のあるアル。そんな中、ミロは様子の違うアルにはぐらかされたりドキドキさせられたりキスをされたりします。

ふたりが互いの瞳の色のカップを買うのがかわいくてよかったです。見上げた星、ステラが煌めいてふたりの薬指が指輪のように表現されていたり、建物や風景なども素晴らしかったり所々で素敵な表現をされている先生だなと思いました。

地元のお祭りである「普段言えない感謝や気持ちを伝える」「正直者の夜」にふたりの友だちのルイスと3人で参加します。
ふたりきりになった別れ際、アルが告白をします。
でもずっと変わらないふたりの関係・友だちでいたいミロにアルは「冗談だよ」と告げます。

その後ふたりは離れ離れになり、再会の為にミロががんばります。ずっと一緒にいたいという想いはふたりとも一緒でした。
ふたりの友だちのルイスもとてもいい子で、ふたりを見守ってくれています。

ゆったりとふたりの幼馴染から好きだと意識した関係へと変わっていくハピエンでした。
ふたりはキスだけします。でもそのキスシーンもはっきりと口が重なるような絵ではありません。
この後、ふたりは恋人同士としてどうなっていくのか、セックスをするのかもわかりません。物足りないと思う方もいるかもしれませんが、それがよかったとわたしは思います。
激しい感情や劣情、セクシャルなシーンなどありませんが、ないからこそこの作品は光り輝いたと思います。

0

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