男の首筋に浮き出す血管を数えたことも、くっきりとした白い喉仏に噛みつきたいと思ったこともなかった。“美しすぎる彼”に出会うまでは――。 それぞれの“欲望”と、それぞれの“絶望”が絡まり合い、衝撃の結末へ。

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作パライソのどん底

あらすじ

絶対に口にしてはならない「禁忌」を抱えた村に、転校生の高遠瑠樺がやってくる。彼のあまりの美しさに、息を呑む相馬律。だが他の誰も彼に近づこうとしない。律にだけに訪れる、死にたいほどの快楽や村の秘密とは…。ここは楽園?それとも地獄?

作品情報

作品名
パライソのどん底
著者
芦花公園 
イラスト
青依青 
媒体
小説
出版社
発売日
電子発売日
ISBN
9784344040823
4.2

(4)

(2)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
17
評価数
4
平均
4.2 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

ふつくしさとホラー要素が合体して出来上がった世界観…

一般文芸のオカルトホラー小説として出版されていますが、帯にも書いてある通りBL系ホラーとして楽しめます。
表紙もふつくしい…です。

帯が全てを語っているので言及は控えめにします。この世にも稀な耽美な美少年が登場したりとJUNE的な世界観に加えて本格的ホラー要素が存分に楽しめます。

閉鎖的な田舎での伝奇伝承ものに惹かれる方なので、自分にはもってこいの作品でした。人外要素もあり、奇妙であったりグロテスクだけれど、底無し沼のように美しい世界観に引き込まれました。読んでいて脳内が侵食されていく、麻痺していく不思議な感覚でした。深淵から覗いた世界とは…。

ストーリーも謎が謎を呼び予想外の方向に進むので、続きが気になって仕方がなかったです。人間の集団心理が恐ろしかった。閉鎖的な空間での長い間培ってきた因習は凝り固まっているだけに余計にタチが悪く、、。
全体的にストーリーやプロットが複雑だったので、一回で理解できたとは言えないので読み返したいと思います。また2回目以降は違った世界が見れそうです。

作家さんはTwitterで話題になった後、幻冬社や角川書店等で出版されているホラー、オカルト系に強い作家さんのようです。文体等や進行は枠に捉われない自由なスタイルですが、表現力があるので引き込まれました。一度ハマってしまうと抜け出せない、怖い作家さんだと思いました。

残暑や物哀しさを感じる初秋にピッタリの作品です。
最後は馴染み深いBLエンドで締められ、安定感がありました。
読後感の余韻もあります。
今後もBL系や匂い系を是非執筆して欲しい…と願わざるを得ない一冊でした。

2

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP