maida
気難しい病弱なお坊ちゃん×霊感を持った特別な少年
理不尽な運命に抗う二人の主人公が、どちらも意地っ張りでわからずで、
その不器用さがたまらなく愛おしく、刹那を思うたび胸がちくりと痛む、ホラーとしても非常に完成度の高い一作です。
性描写はありませんが、感情の矢印は明確で、確かなボーイズラブを感じられます。
病弱な少年ジョンハは、父が霧山から連れ帰ってきた、特別な力を持つソラと運命的な出会いを果たします。
出会って間もなく、ソラはジョンハに数多くの怨霊が憑いていることを見抜き、このままでは二年と生きられないほど危険な状態だと悟ります。
それでもなお、ソラは「自分がそばにいれば大丈夫だ」と告げます。
この場面のソラが、とにかく格好いいです。
生まれつき体が弱く、理不尽な境遇に晒されてきたジョンハは、警戒心が強く、物を投げて暴れるような荒々しさも抱えています。
そんな彼に、ソラは健気に付き従い、やがて時は流れていきます。
ソラがそばにいることで学校にも通えるようになったジョンハですが、傲慢な性格ゆえ人間関係のトラブルは絶えません。
そして何より、真に危険なのは、ジョンハが今なお怪異に狙われ続けていることです。
そのたびにソラは彼を守り、その代償として傷ついていきます。
長年そばにいるうちに、ジョンハにとってソラはかけがえのない存在となり、
自分のせいでソラが傷つくことに、ついに耐えられなくなったジョンハは……。
気難しい坊ちゃんがソラを傷つけたくないと願うようになり、
一方で健気で優しかったソラが、その想いを振り切ってまで己の意志を貫こうとする。
さらに霊感を持つ他の人物たちの登場も物語に厚みを与え、見どころは尽きません。
愛しさと痛みが背中合わせに描かれる、切なくもシリアスな主従ロマンス。
静かに心をえぐる余韻まで含めて、強くおすすめしたい作品です。
さらに、作中にも登場したソラの兄貴分と、ソラの同胞である二人を中心に描いたスピンオフが、現在現地で連載中とのこと。
本編とはまた異なる視点で同じ世界線の物語が広がる内容だけに、ぜひぜひ日本語版の展開にも期待したいところです。
