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BL殿堂入りで名前が出ていた作者さんのものを適当に数冊づつピックアップして買ったのですが、木原音瀬さん。
「片思い」3編入っていますが、最初の1編だけ読んで「きついな、これ…」と、一気に数冊買ってしまった事を後悔しました。
攻めが、、、バカ以外の何物でもないというか、受けが言ってますが、脳みそつるつるだと思いました。
こんな奴、嫌!!!と激しく思ったわけですが、2編目は1編目の続編で、、なんか、、非常にいいです。
1編目のなんだかガチャガチャしたような無理矢理くっつけたような変な感じがなくなっていて、キュ~ンwwwとキてしまいました。
ツンデレという言葉がありますが、この受けさんはツンツンです。
デレはどこにもない。ただーーーーし!!ツンはツンの甘え方があるんだなぁ、、と感心してしまいました。
非情によろしかったです。キュンwときました。
で、思い出したのですが、この作者さん今までに何度か買ってたわ。
私は、買って「チッ!失敗した」とか「ふ~ん」と思った作品はどんどん記憶の片隅に圧縮収納していくので忘れてましたが、背中に羽根があるとかいう「 place」、のっけからビックリ展開の「 WEED」を過去に読んでました。
「 place」は「へー…」と思いながら最後まで読みましたが、「WEED」は途中放棄しました。
自分の中では絶対に越えてはいけない線というのがありまして、「WEED」はのっけから余裕で越えました。
この後何がどうなろうとも知りたくねぇよ!!クソが!!と思う程度に越えました。
そして片思いを読み終わり今はデブ受けの「ドントウォーリーママ」を読んでいるのですが、読んでいて思い出した作者さんがいました。
砂原糖子さんの「イノセンス」
非常にいい作品だと思ったし、MY殿堂入りでもあるのですが、なんというか、、危険な線を攻めてくるというか、、なんというか、、マイノリティにズバッ!と斬り込んでくるというか、、「イノセンス」は私の殿堂入りではあるのですが、砂原糖子さんは私のNG作家さんです。
文章は凄くうまいとは思うけど、ちょっと娯楽じゃないというか、、真面目になってしまう考え込んでしまう作家さんで、木原音瀬さんもこの先読んで行けば多分、、NG作家さんになるような気がしています。
巧いけどきっつーいところを攻めこんでくる、純粋に娯楽として読めない作家さん。
驚異のツンデレ受登場です。
ツンが9割9分9厘で残りがデレ、みたいな半端ないツンツンでした。
そこら辺のなんちゃってツンデレなんてお呼びじゃないくらい、受の吉本のツンツンぶりは激しく、攻の三笠を見てるともう可哀想な犬みたく思えてきますが、実は好きになったのは吉本が先。
なにこれなにこれ、ツンが行きすぎて拗らせてて堪らない!
プライドが高い故に、絶対に下手に出たくない吉本の不器用さに悶える。
紆余曲折あって最終的にはハッピーエンドなんですが、吉本がたまらなく可愛いかったです。
デレの部分がほんの僅かも、最後の最後の【デレ】が破壊級でした。
どんなに三笠が望んでも、せっついても、懇願しても脅しても『好き』と言わなかった吉本が、三笠が眠った後で囁くように「好き……」と言うんですが、そこがもう悶えるくらい可愛くて、もんどり打ちます。
主な登場人物は、三笠(攻め)、吉本(受け)、門脇(別作品の受け)という高校時代の同級生トリオ。高校卒業後は吉本と門脇は進学、三笠は就職と異なる道を歩み始めたものの、今でもよく三人で会っている。
ストーリーは吉本目線で進みます。ゲイの吉本は自他ともに認める美形で、スタイルも良く、頭も悪くない。自分に自信がある=プライドが高い男です。そんな吉本は実は、「迷惑なバカ」と高校時代からキツく当たってきた、三笠のことが好き …… 当然、そんな屈辱的な事実は受け入れられないんだけどねっ。「告白してきたら、受け入れてやらんでもない」くらいの気構えでいる吉本に、ある日、三笠が「女と結婚する」と報告してきて ー プライドの塊はさてどうする?というお話。
個人的にはいい塩梅の木原節です。吉本はイヤミな男だけど、プライドが高いだけで人間的にゲスというわけではない。プライドを守るために、ときには貧乏くじでも引かざるを得ないタイプ。「こいつ、実は哀れなヤツだな」と、けっこう周囲にバレてるんじゃないかな。だから自然と可愛く見えてきて、三笠が吉本に落ちちゃったのにも説得力を感じました(笑)
続編では吉本も社会人に。関連事業に携わっている三笠ともども、社員旅行に出かけていきます。イヤミに磨きがかかった吉本と、そんな吉本を持ち前のおおらかさと単純な愛情で包み込む三笠。本編よりだいぶ甘いバカップルに成長していて、一安心(?)です。
余談:
『片思い』は不思議なくらい、どのシーンも好きです。流れるように話が進む、というよりは、小説が「シーンの繋ぎ合わせ」で成り立っていることを実感させられる一冊。例え一場面だけ抜かれていたとしても、そこの文章が面白いから読んでしまうと思う。そういう意味でお気に入りの作品です。
かなり古い作品なので、表題作は、木原さんにしては拍子抜けする程、痛くない、普通の意地っ張り物です。
それでも、攻めの三笠の鈍感さ故の傲慢さやつきあい始めてからの溺愛ぶりとか、受けの吉本のツン暴走とわかりにくいデレっぷりとかは、木原さんのキャラだなあって思います。
この本には表題作の他に、表題作カップルの数年後を、吉本の部下視点から描いた作品と、この2編とは全く無関係な独立した短編が収録されています。
独立した作品「花の宴」はちょっと痛めかな
痛いと言うよりは寧ろ、古典的な耽美小説の趣。
その昔の、少年愛物ってこんな風だったなあって、なんだか懐かしくてよかったです。
表題作と、短編。
おお、これは痛くない木原さん作品だなーと思ってたら、本編じゃなくて同時収録の読みきり短編の方が痛い系来たですよ!
話的には、自分は表題作より「花の宴」の方が好みです。
「花の宴」
両親離婚後、父親に引き取られている雅人。
父親は再婚しますが、雅人はこの義母とは折り合いが悪く嫌われている。
そんな時、雅人は、連れ子の義兄と父親がセックスしているのを見てしまうのですな。
しかし義兄は病気で死んでしまい、そして父親の真意が判明する。
病み系の父親の狂愛の対象は実は、息子である雅人にあった。
ラストは悲劇的に終わりますが、病み系攻+実父子というのが萌えツボに入りました。これでがっつり一冊読みたかったと思わせる短編。
本編の「片思い」はツンデレ受のツン具合が可愛くて、ツンツンツンと来てデレ来たよって感じ。
自分は基本的には健気受スキーなので、ツンデレにはさほど萌えないタイプなんですが、吉本〔受〕はツン部分が特に可愛かった、これは良いツンデレ。