ボタンを押すと即立ち読みできます!
小説
今回は隊長代理の狼獣人と森番の猫獣人のお話です。
傭兵隊にガイドの才を見込まれた受様が
センチネルの攻様とガイドの関係を深め絆を結ぶまで。
猫獣人の受様は辺境伯領にて森番をしています。
辺境伯領の属するフラント国とガレリウス国は
長く戦いを続けており
半年ほど前
ヴェストリ隊を名乗る軍隊が物資を調達とともに
辺境伯の末息子をガイドとして連れ去ります。
ガイドとは狼獣人のセンチネルを癒す力が
ある者らしいのですが
末息子は隊長のガイドとして出陣して
敵の呪術によって隊長は獣化から人に戻れず
末息子は昏睡状態で戻ってきます。
隊長代理を務めていたのが
隊長と同等の能力を持つと言われる攻様で
受様は怒りに任せて攻様のテントに突入し
「お前はガイドだな」と言われてしまうのです。
センチネルの力は神から与えられたもので
狼獣人の一族の中でもセンチネルは少数しかおらず
幼いうちから訓練されて五感を敏感にして
戦う能力を鍛えますが
激しく戦うほど消耗して体の中に邪気が溜まり
それを癒す力を持つのがガイドであり
狼獣人は猫のガイドが一番相性が良いと言います。
攻様は隊長と末息子を
戦場に置いておけずに辺境領に戻ったと言い
しばらくしたらまた戦いに戻る際には
受様に「俺たちと一緒に来て欲しい」と願います。
受様は即座に断りますが
末息子が領地を戦いに巻き込まない事を条件に
部隊に加わったと告げられ
彼が辺境領を護ろうと帯同した事を知った受様は
自分にも同じことができるならと
攻様とともに戦地に向かう決意をします。
果たして受様は故郷を護る事ができるのか!?
傭兵隊の隊長代理の攻様とガイドの才を見出された受様の
もふもふセンチネルバースです♪
バースものは書き手によってかなり設定が異なります。
センチネルとガイドに相性があるのは基本設定ですが
本作は獣人設定として狼族のセンチネルには猫族のガイド
攻様達の敵国に雇われた熊族のセンチネルには
狐獣人のガイドがとされされ
センチネルとガイドが絆を結ぶと
結んだ相手以外を癒らなくなるという
オメガバのような設定が盛り込まれていました。
設定はとても凝っているので
登場人物の背景もかなり細かい考えているのでしょうが
伏線回収が上手く回収されないために
読者には説明不足で都合の良い展開になっていました。
末息子の話の救出劇はおぉ!! という感じでしたが
狐獣人が目指した復讐と独立の展開は
戦場だからとしても駆け足で納得できませんでした。
物語全体とエピソードの長さの比重というか
バランスがあっていなくて最後が駆け足になるのか
攻様の猫吸い描写はすごくツボでしたが
気になる点が散在するので今回も「萌」とします。
魚形先生の新刊は、獣人×センチネルバースもの!
センチネルバースの物語、じわじわと増えてきたような気がします。
獣人との掛け合わせは初めてのパターンで、
ワクワクしながら楽しく拝読しました。
タイトルに”溺愛”とありますが、個人的には”溺愛感”はそこまで
強くなかったかな…?と思います;
攻めの狼戦士・ゲイルがすんすんすんすん、
受け君のことを”猫吸い”している描写にはおおいに和みました(*´艸`)
物語の主人公は、森番のお手伝いをする猫獣人・フィン(受け)。
やんちゃで負けん気が強い彼は、狼の傭兵集団の新隊長・ゲイルに
”ガイドの資質がある”と見出されます。
最初は反発するものの共に戦場へ赴く決意をし、
部隊での交流の中で互いに特別な感情が芽生えていきー
と続きます。
このお話ならではの設定としては、
・センチネル獣人は五感が異様に発達しており、
戦いが最高潮に達すると、獣化して”ゾーン”に入ってしまう。
(我を失い、魂が”この世の果て”のような場所へと行ってしまう)
・そんな”ゾーン”に入ったセンチネルを
こちらの世界へ引き戻したり、癒すことができるのが”ガイド”。
・狼獣人のセンチネルのガイドには猫獣人が適していることが多い
・心と体を重ね、互いに唯一無二となったセンチネルとガイドは、
”絆を結ぶ”こともある。
→その場合、ガイドの力は絆を結んだセンチネルにだけ効力を持つようになり、
その力は強大
といったところでしょうか。
設定や物語の展開としてすごく面白いのですが、
細々したところでちょっと何か惜しい、というか
あれっ?と思う部分がところどころあったかも。。
例えば最初の二人の出会いから、フィンがガイドとして
狼戦隊に加わりついていく、と決心するまで。
色々誤解等あって
”絶対に行かない!””俺はガイドじゃない”
なんて言い張っていた割に、
あっさり一緒に行く、と態度を変えたな...?と思ったり。
また終盤、人間に言われるがままに従属していた
獣人族たちが協力して国を取り戻そう!とする場面。
獣人たちの権利の要求を、国王があっさり受け入れるのですが
そこに至るまでの過程がスポっと抜けてるような…!
実際にはじっくりと計画を練り、
ステップを踏んでのことだったのかもしれないのですが、
大団円!となるまでの描写がいやにスムーズというか
あっさり目かつ性急で、あれ?と肩透かし感を味わいました;
それと、もう一つ。。
かねてからフィンを”絆の相手”として狙っており、
終盤部隊を裏切ったブロルについて。
彼がゲイルとの一対一の戦いにおいて、
なぜか”獣化できない”状態に陥るのですが
その理由づけがなんというか、こう...
あまりにも都合いいな、というか、、
”仲間を裏切ること=神との契約を無視したことになる”
ため、獣化ができなくなるー
そんな重大なこと、獣人内でも周知の事実なのではなかろうか、
なぜゲイルは知っていてブロルは知らなかったんだろう??と
首を傾げてしまった部分でした;
そしてそんな裏切り者・ブロルに一緒について行った(行かされた?)
ガイド猫・メローの動機もよく分からず。
↑これは私の読み込みが浅いのかもしれません;
…と、細かい部分で色々「ん?」となる部分はありつつ。。
すんすん、すんすん猫吸いをして癒される大柄な狼獣人・ゲイルと
”絆され猫”になったフィン、二人の恋模様はシンプルに可愛い!✧
年下ツンデレのフィンを甘やかすゲイルの姿を、
できればもっともっと!見たかったな、なんて思いました。
作中に出てくる別カプ、熊獣人×王族の狐獣人カプ、
この二人の馴れ初めが気になります。
電子特典はこの二人のお話かな…?なんて期待したのですが、
違いました;
いつかどこかで、二人のお話が
番外編として読めたりしたらとても嬉しいです☺︎