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バーチャルライバーのお話で、学校生活とライバー生活の二場面で進む。一人称の心理描写は自分のアバターに話しかける形。いつになったら面白くなるんだろう、と思っていたら終わってしまった。普段本を読まない中高生向けっぽい。
主人公は元子役の高校生、和斗。190cm超えの長身+童顔+低音ボイスで子役としてやっていけなくなり、初恋相手の所属事務所社長の言葉に傷付き、挫折した過去を持つ。ライバーに転身し、別人格とする「オズワルド」を操りながら、ちぐはぐな自分に悩む日々。
BLの相手役は二条。イケメンで御曹司でバレエダンサーなクラスメイト。小説調とも違う堅い口調が、あまりに作り物のようで気になった。和斗視点で見る二条は、和斗の目に魅力的に映っているらしいというだけで、和斗を通してこちらが二条の魅力を感じることはなかった。
内容は、何か書きたいことはありそうだが散漫な印象。話の軸がぼやけてる気がして、作品の面白さがどこにあるのか分からない。あえて言うなら、主人公の成長譚になるのかな。悩み方からは、思春期とか青春とか若さ・青さが見える。
雰囲気が独特で、商業小説ともWeb小説とも違う、中学生がノートに書いたもののよう。使用単語の種類が少なく、限られた単語しか使えない縛りでもあったのかと思う。「ちぐはぐ」「一等星」と何度も出てくるたびに、書き手が一人で盛り上がる様子を遠くから見ている気分になった。
好きだったのは、告白シーンで音質を気にしてたとこ。
どうでも良い感想は、バーチャルライバーの中の人をタブー視する界隈の文化は、いろんな意味で大事なんだな、と実感した。
この本に対しては、ケータイ小説用レーベル(あるかは知らない)から出せばまた違った印象になるかもしれないと思った。そういうものとして読む必要がありそうなので。