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表題作カナリア・エキセントリック

芸能人・沢村優基(25)
作家で従兄弟の御園聖(24)

その他の収録作品

  • カナリア・トロピズム
  • 「薔薇は眠ル。」

あらすじ

十年ものあいだ、従兄弟の聖の気持ちを知りながら、彼を避け続けていた優基。「今度会ってくれなければ、優ちゃんのことは忘れる」と電話で告げられ、聖の静養先の軽井沢へと向かったが…。告白にすら切ない痛みを覚える、そんな本物の恋を描く鷺沼やすなファーストBBN。書き下ろしの続編ほか一篇を同時収録。

作品情報

作品名
カナリア・エキセントリック
著者
鷺沼やすな 
イラスト
やまかみ梨由 
媒体
小説
出版社
ビブロス
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784882713159
3.6

(3)

(1)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
11
評価数
3
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

淡々と

表題作は従兄弟同士の10年にかけてのゆっくりとした恋愛。
尤も彼等はずっと一緒にいた訳ではなく、聖[受]は身体が弱く手術や入院の繰り返し。
優基[攻]は舞台俳優からテレビ俳優に変更してそこそこ人気を持つ俳優となってます。

そんな優基の元に聖から電話がかかってきて「泊まりがけで軽井沢の別荘に来て欲しい。でなければ従兄弟の縁を切る」と言われ、聖を放っておけない優基は何とかスケジュール調整をして聖の元へと訪れます。

彼等はまだ少年の頃、軽いキスをした事が一度だけありました。
思えばそこから彼等の恋愛は始まりの気配を見せていたのかもしれません。

読みきり短編もそうですが、文章は淡々としていて派手さはないですがそれだけに人物の感情が引き立っています。

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従兄弟同士の恋を描いた短編集

雰囲気が良かったのですが、お話がどうも説明ぽい…。それが勿体なく感じた作品でした。

主人公の優基は俳優で多忙な日々を送っていますが、ある日従兄弟で体が弱く、軽井沢で療養中の聖に呼び出されます。
二人は過去キスしたことのある仲で、聖が優基を好きで好きで追っているのですが、優基は一歩踏み出せずに彼を避けて続けている…というような事が文章でつらつらと説明されていて、なんだかお話としては動きがない感じでした。

そして軽井沢に着いたら、やっぱり聖が好きだ、という…。
あまり動きがないので、ストーリーは理解できて、この二人はこういう関係なんだな、とわかっても肝心の萌えにつながらないのが残念な気がしました。

おまけで入っていたお話のほうが、二人の人となりが良くわかった気がします。全体的に少し哲学的で、誌のような綺麗な文体の作品でした。
お話はあと一歩ひねりがあればと思ったのですが、雰囲気はとても良かったと思います。

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